200文字小説集 vol.2 暑くない部屋(200文字小説) 作者: 日下部良介 掲載日:2017/09/06 先月引越しをした。 猛暑続きのこの夏は厳しいものになると思った。 でも、この部屋は立地的なものなのか不思議と暑くなかった。 ようやく暑さも落ち着き、秋の気配が漂ってきた。 「これで、より快適に過ごせるな」 ある日僕が帰宅すると、部屋から何かが出てきた。 それは紛れもなく幽霊だった。 目が合った。 「寒いのは苦手だから引っ越すよ」 この部屋が暑くなかったのは彼のおかげだった。 僕は思わず言った。 「また来年お願いします」