……第4楽章……
ざわつく黒世界に埋もれる
柔らかく優しい響きを
お楽しみ下さい
m(_ _)m
○ファルセット○
唄が きこえた……
ざわつく まちの
雑踏のなか。
かすかに……、
たしかに……。
それは 綺麗で
綺麗すぎて……。
ひとの 手で
かんたんに
コワれてしまいそうで……。
―いつからだろう?―
綺麗な ものを
コワがるように
なったのは...。
―いつからだろう?―
くろい 渦に
体を ひたすように
なったのは...。
美しい ものは
みんな 虹のよう……
ちかづけば
ちかづくほど
見えなくなって。
いつの日か とつぜん
溶け消えて――
哀しくなるから
切なくなるから
こんなにも
コワい……。
唄に さそわれて
ざわつく まちの
波かきわけ
一歩ずつ
進んでいった。
そして
見つけた……。
まえを 見つめて
ぜつぼうを
溶かすように唄う
“あなた”
―どうしてだろう?―
あなたは とても
強く
輝いて 見えたんだ。
―どうしてだろう?―
あなたは とても
はるか
とおくに 見えたんだ。
切なさも
ぜつぼうも
知りながら……
それでも
あしたへ 立ちむかう……。
そんな すがたが
月のように 輝いて
僕には とても――
届かないんだ。
ふれられないんだ。
……とおすぎるから。
綺麗な ものを
信じるより
きたない ものに
身をひたすほうが
楽だから……。
あしたを むいて
歩くより
きのうを むいて
止まるほうが
楽だから……、
―にげていたんだ―。
切なさと ぜつぼうに
向きあって
あなたのように
唄ってみたい……!
いつか
声が月のように
輝いて――
じぶんのこころ、
だれかのこころ。
照らせるように、
あいせるように――。