……第3楽章……
踊るトリルの音色と
深く、儚く、
弱い音色をお楽しみ下さい
m(_ _)m
〜ゆらゆらとりる〜
空気があおく
すきとおって
ひかりが山を
またぐ頃
くもはそのひかり
ほしがって
手をのばすけど……
空があかく
もえつきて
かげが大地に
寝そべる頃
くもはそのひかり
こわがって
やみへと逃げこむ……
のぞんでは
おびえ
向かっては
逃げ
雲も
ひとも
くりかえしてる
このひろい世界で――
ひかりは
まぶしすぎるから
ちかづいて
見つめることが
できなくて……
そのまっすぐさは
そのやさしさは
いつか
消えていく気がして……
こころが
ゆれてうごくから
ふみだして
前にすすんでは
行けなくて……
いつか消えて
まっくらになるなら
『最初から
光なんて
無くていい……。』
そんなふうに
思えてしまうんだ――。
しあわせの音に
つつまれて
きみの温度を
抱いたとき
こころは
ずっと繋がってると
そんなふうに思ってた……
だけど別れは
とつぜんに
はさみみたいに
キズナを絶った……
出会っては
別れ
わらっては
キズつき
こころは
いつも
揺ライデル。
このひろい世界で――
時間は
“すべて”を変えていき
気がつけば
“すべて”を手から
うばってく……
あのぬくもりも
あの愛しさも
もう
冷めきって
ここにはない……
世界が
ゆれてうごくから
とびだして
前をむくことは
つらすぎて……
いつか別れが
おとずれるなら
『最初から
出会いなんて
無くていい……。』
そんなふうに
思えてしまうんだ――。
ゆれてうごく
世界だから
『一瞬のひかりが
たいせつだ』って……
めぐりめぐる
時間だから
『出会いも別れも
意味がある――。』
そう笑って
言えたなら…
そう笑って
生キレタラ……。
◆弱 音 色◆
協和音に紛れて
疼いた不安を
押し殺すため
音を重ねた……
悲痛な響きを
知られないように
心の箱の中
それを閉じこめた――
弱 音 色……
溜まっていく
伝える術を
知らなくて……
弱 音 色……
塞いでいく
心に差し込む
小さな光を――
空虚な空間の中
脆く音を立てて
『ジブン』が
崩れていく……
心の陰を
見つめられたなら……
何度そう思ったんだろう?
幾度も頬を
濡らした雫が
また滴り落ちた……。
コトノハは
いつも足りない……
この胸の
不協和音を紡ぐには――
強進行に紛れて
誤魔化した弱さ
『誰か』の前では
隠せるけれど……
『ジブン』の前では
耳を裂くほど
高く 鋭く
響き止まない――
虚無の果てに見ゆる
『ジブン』という存在は
『偽リ』という音を
身に纏っている……
造られた
『強さ』という旋律に
一体どんな価値があるだろう?
幾度も心を
包んだ夜に
また抱かれた……。
弱 音 色……
繋がっていく
悲壮な調べを
映し出して……
弱 音 色……
染めていく
目の前の全てを
脆く 脆く――
誰もが皆同じように
この渦を抱えているなら
どうか抱き合いたい――
そして
受け入れ合う事が
出来たなら
涙を暖め合えたなら
幾筋もの
弱音粒を
『強さ』に
変えていけるのに――。
コトノハは
いつも足りない……
この胸の全てを
分かつには……




