第1章~1部~
「今日から俺らも中2かー早いな」
「入学から1年、あっという間だね。」
本当にあっという間。最近まで雪降ってたのに、今じゃ桜が満開…とまではいかないか。
ふと、彼がいない事に気付き恐る恐る、悠に聞いた。
「亮は?確か入学式だよね。」
「お前に言う必要はない!」
うん。薄々そう言うと、思ったよ。
にしても、遅いような気も…さすがに、もういるって事はないだろ。
「そんなに気になるなら、捜せばいいだろ。」
なっ…心読まれたか?
「読んだというより、分かりやすい?」
「へっ?」
あ、今多分間抜け面だったかも。
つか、分かりやすいってぇぇ
「あ!伊織ちゃーん!」
こんなやり取りしてたら、後ろから亮がやってきた。
「おはよーどこ行ってたん?」
とりあえず挨拶して、気になった事を聞いてみた。
「ちょっと女子に絡まれて…」
「あーそれ絡まれたんじゃなくて…うん。だって、こんなに可愛いんだもん!」
…しまった!つい。
二人の顏を伺うと、悠は真顔…
亮は照れてる?なんでだ!
すると悠が…
「お前やっぱりショタコンだよな…」
そこは、ショタコンじゃなくて年下好きと言ってもらいたい!…いや、実際ショタコンだけれども!
「そろそろ入学式始まるよ。」
話を逸らすのは大丈夫か…
「そうだな。」
良かった。私は胸を撫で下ろした。