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ミラージュオブフェイト  作者: 黄原凛斗
第一部 2章:二人の魔法使い
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始動!魔法指導!? その三


 結局、俺抜きでユリアとアベルの魔法指導をすることになった。

 奥の部屋――というか地下の修行場に四人が向かい一人残された俺は本棚にあった魔法の本でも読んで知識だけでも得ることにした。

 なんでも魔法は属性魔法と呼ばれる魔法、先ほどルカやサラも使用した魔法が一般的らしくそれ以外は特殊魔法に分類されるらしい。

 属性魔法の原理について書かれた本――を読もうとしてやめた。自分には難しすぎる。

 そんなことをなんども繰り返していると本の山が崩れてしまった。

 慌てて元に戻そうとすると小さな箱を見つけた。

「ん?なんだこれ」

 好奇心が疼いてしまい箱を開けてしまう。中に入っていたのは古ぼけた一冊の本……どうやらメモ帳冊子のようだ。

 ページを捲ってみると魔法の基礎が事細かく書かれており知識のない自分でもわかりやすかった。

 属性魔法は大きく二パターンあり精霊から力を借りて発動する『精霊助力式魔法』と己の力のみで発動させる『自己発動式魔法』の二つに分かれているらしい。

 どちらにもメリットとデメリットがあり精霊助力式は魔力のコストは低いが威力や効果などは限界があるらしい。自己発動式は己の力のみで発動するためかコストが膨大な分、威力は思いのままで高威力も可能。ただし自己発動式は使用者の才能が全てなのもあり使いこなせる者は少ないそうだ。

 特殊魔法についても記載されておりパラパラと目を通す。

 属性魔法以外の魔法、まさにごった煮と言えるほど様々な魔法が記載されていた。

 音魔法、召喚魔法、精霊使役魔法、創造具現化魔法、変身魔法――他にも様々な魔法がある。

 そこで俺は本の最後のページに名前が書いてあることに気がついた。だいぶ掠れているが十分に読める程度だ。

「か、カイル・ラバース……? あれ、カイル・ラバースって――」


 その瞬間、地下からものすごい轟音が響いた。

 何かが爆発するような音、それと同時に何かが崩れそうなミシミシという音。

 地下で何かあったのだろうか。いや、あったのだろう。

 四人の安否を確認するために地下の修行場へと向かった。




 時は少し遡る――。


「てなわけで、アンタたちが使うのは精霊助力式魔法。それを理解した上で魔法を使うこと」

「精霊と直接やり取りするわけじゃないけど魔法を使うための力を借りてるからね。精霊の存在も大切に」

「はいっ! 精霊さんに感謝ですね!」

 属性魔法の解説を受けた二人は修行場の巨大な魔方陣が描かれているところに立っていた。

 アベルは相変わらず鬱陶しいという感じの表情で下を向いている。

 魔法を使う感覚はわかっているためすぐさま魔法発動の訓練に入るということになった。

「とりあえず叩き込んだ基礎とか感覚とかで魔法を使ってみて。ダメなところがあったらすぐ言うからね!」

 そう言うとそばにあるレバーを勢いよく下げた。

 すると室内が少し明るくなり魔方陣内に人の大きさとほとんど変わらない人形が十体ほど出現した。

 しかも目や鼻にあたる部分が取れかけていたり明らかにわざと歪に取り付けられたりしていた正直不気味の一言だ。

「気持ち悪!! なんだよこれ!」

「きゃああああ!! なんですかこれ!」

 ほとんど同じ反応をした二人を少し哀れむようにルカとサラは呟いた。

「あー、魔法を当てる訓練用の人形なんだけど」

「ちょっとどころか魔物と言われても疑わないレベルで気色悪いわよね……相変わらず」

 人形は人間ならありえない四肢の動きで踊ったり跳ねたりしている。終いには「ケケケ」とか「カナカナカナ」とか鳴き声みたいのまで発している。

「一応実践で冷静に対応できるようにっていう目的で作られたんだけど……怖いよね」

「怖いじゃなくてキモイだろ!」

「あ、その人形止めるには魔法を使わないと止められないから。物理攻撃は一切効かないから。武器に魔法を纏わせたら一応効果はあるけど」

 さらりとすごいことをのたまうルカにアベルは戸惑いながらも武器を出現させた。

 ユリアは武器をケイトにあずけたので魔法だけに頼るしかない。

 アベルの槍はバチバチと唸る雷を宿し人形を一閃する。しかし人形はケタケタと笑いながら床と天井を行き来し始める。

「おい! 当てたけど止まんねぇぞ、こいつ!」

「一度で止まると思ってるの……? しかもあんた威力低いから」

 辛辣な言葉を投げるサラはユリアに視線をやる。

 風属性の魔法を当てようとしているが人形はあざ笑うかのようにことごとくかわしていく。

 その様子にルカとサラは違和感を抱いていた。

「ユリアの魔法……すごい変じゃない?」

「彼女は気づいていないから無意識なんだろうけど……いきなり高威力になったりしてるね」

 高威力なんて素人に近い彼女が出せるはずがない。そんな簡単に出せれたら今まで修行してきた自分たちの立場がなくなってしまう。

「安定感はアベルねー……。基礎叩き込んだら見られるようになったし」

「でも才能あんまりないのか威力はなかなか上がらないね」

 冷静に二人の様子を分析するルカとサラ。するとアベルがようやく人形を一体仕留めた。

 すると残りの人形たちが更に不自然な動きをはじめ二人に襲いかかる。

「な、なんだ!?」

「わわっ! なんで攻撃してくるように!?」

「あー、一体倒すと攻撃体勢に移るから気をつけてねーって言うの忘れてた」

 あっけからんに笑うサラを呆れたように見るルカ。そして必死によけながらサラを避難する二人。

「それ一番大事なことだろ! ってこれ割とマジで攻撃してくんじゃねぇか!」

「もっと早く言ってください~! きゃあ!」

 派手にコケたユリア。そこをすかさず狙う人形がユリアに近づく。

「ちょ、危ない!」

「ユリア!」

 二人が叫ぶとユリアは目前に迫った人形を見て弾かれるように腕をかざす。

 すると今までにない巨大な風、竜巻が発生し人形を全て吹き飛ばす。


 ――が、その直後なぜか竜巻と比例するがごとく高威力の爆発が起こった。


 人形だけでなくその場にいた全員が吹っ飛ばされ室内の備品などが破損する。

 爆発で吹っ飛ばされたにも関わらず魔法使い二人はほぼ無傷だった。アベルは吹っ飛ばされた怪我というより爆発で吹き飛んだ人形が当たった怪我のようだった。

「うっわー……派手に壊れたわね……」

「僕らはとっさに魔法で防げたからいいけどアベルとユリアは――」

「とりあえず俺は平気だ……あいつは怪我はしてないけど寝てる」

 アベルの指さした先は床で倒れているユリア。確かに怪我はしていないがなぜか眠っていた。

 近くにあった備品などの様子をみるルカ。すると大きなため息をつき首を横に振る。

「魔法道具も全滅……なんでこんな巨大な竜巻が……」

「ユリアがやったのは間違いないけど……ていうかあれ暴発?」

 すると誰かが降りてくる音がし入口の先に視線をやるとケイトが呆然とした顔で部屋を見回していた。

「……何があったんだ?」




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