用語資料集
読まなくても大丈夫な用語や解説など。
世界観とか用語とか
●冒険者・クラン・コントラクター
各地を旅する、協会などから依頼を受け金銭を稼ぐ一種の職業。厳密には集団をクラン、個人をコントラクターと呼びそれををひとまとめに呼んだものを冒険者と呼ぶ。過去と定義がズレていることもあるため、年代によっては若干の差異があるものの基本は同じである。
冒険者といえども常に放浪しているわけではない場合があり、拠点を決めてそこから旅をしたり依頼のために遠征に出かけたりするのが最近では一般的である。
また、協会専属ともなると地位がかなり向上し、収入が安定するので冒険者のあこがれとも言える。そのほかにも貴族の専属や会社や集団組織の専属として契約冒険者として働く者もおり、様々な形の冒険者が存在している。
●協会
大陸で唯一の中立組織であり国家に属さない(本部はアマデウス首都ユースティティア)組織で、各国の情勢や各地からの情報収集、任務などを主な活動としている冒険者支援団体。
支部も各所に点在しているが本部よりも小規模で、注目されるのはやはり本部である。
本部は協会員の宿舎や闘技場・訓練場、附属病院や販売店など様々な施設があり、とても広大。基本的に冒険者や一般人が入れる範囲の場所だけではその大きさを推し量ることはできない。
本部には多くの協会員が勤めており、様々な部署が寝食を削って精を出している。
協会員は憧れの職業の一つにもよく挙がるのだが部署によっては普通に働いたほうがマシと思えるほど過酷な労働をしているかと思えば別の部署ではのんびりと給金をもらってもいいのかと思うほど仕事量が少なかったりと差もあったりする。もちろん、過酷な労働をしている部署は他部署よりも多くの給金や手当が出るが「金があっても使うための休みがない」と血を吐いており一刻も早い人員増加を望まれている。
ちなみに、協会員になるための試験は毎年違い、運もあれば戦闘能力、もしくは知識など様々。試験以外にも就職できる方法はある(受付嬢など)が縁故採用や紹介状つきの面接、適正テストなど試験よりも難易度が高め。受付嬢は単純な面接と一般教養がチェックされる。
協会長は設立当時から変わらず英雄の一人でもあるウェルス・ビレイサー。美丈夫としても有名で愛人希望の女性が後を絶たないが現在浮いた噂はない。
(現時点で判明している協会員はモニカ・カリマ・セイヤ・カルラなど)
●監獄
協会と双璧をなすアマデウスの巨大組織。犯罪者を収容する場所なのは当然として、いわゆる『裁判』や事件の調査を行うところでもある。中立組織というより国家とは違う独立した法組織。協会よりも歴史が古く、監獄長も最初の頃は代替わりしていた。
大陸共通の法で裁くべき人間をしっかりと調査し、処刑や刑罰を与えることが一般的なのだが、監獄官の残虐性や異常者っぷりが注目されすぎて一般人から恐怖の権化として扱われている。子供が駄々をこねたら「監獄官に連れて行かれるわよ」と言えば泣く子も黙る。協会員と違って一般人からの印象は最悪の一言に尽きる。しかしながら監獄官の妖しい魅力に惹きつけられる女性もしばしば存在しているとか。
男性職員9割、女性職員1割と驚異的な男女比を誇る。女性職員が少ない理由は色々あるがあまりにもひどい理由なため誰もが口を閉ざす。
また、監獄に収容される人間には決まりがあり、普通の人間なら長期刑期や死刑囚が主に収容され、ルーチェや亜人は大抵ここに収容される(軽犯罪は場合によっては監獄逝きではない)。それ以外の軽犯罪や短期刑期は牢獄という姉妹組織に収容される。牢獄は比較的監獄より穏やかな場所で、監獄とも近い存在だが監獄のように処刑や過激な刑罰は行わず、労働によって償わせている。
監獄長は現在クラウィス・アルゲントゥム。千年前から監獄長として働いているがそれ以降代替わりはしていない。何代目なのかは不明。
(現時点で判明している監獄官はコーダ・アルベルト・ナツキ・エリュー・ルーシーなど)
●千年前の英雄
千年前に起こった戦いで活躍した人物をそう呼ぶ。クラン・アミーユの6人が主に挙げられるが、協会幹部の数人や協会長、某呪術師や某占い師などもそれに含まれる。歴史家でも意見が分かれる部分ではあるものの、クラン・アミーユの手助けをした人物はだいたい英雄の括りにはいっている。
クラン・アミーユは
『ミラ・エルヴィス』
『ルイス・カーネル』
『カイル・ラバース』
『ユリシア・コルベール』
『カズキ・サザナミ』
『レイフィア・カタルシス』
の六人。
それらを手助けした人物としては
『ウェルス・ビレイサー』
『リーフ・カモマイル』
『ヘイム・ストゥーニル』
『セレス・ディッセターレ』
『トレア・ジェメリ』
『ラン・ツヴィング』
『ダン・ツヴィング』
『ジョン・スミス』
『カース』
『モリア』
『シャオリー』
『リィド』
『クラウィス・アルゲントゥム』
などが挙げられる。
厳密にはまだ数名いるのだが有名なところとしてはこれらが挙がり、カースは英雄かどうか疑問視する声もあるため議論は延々と続けられるだろう。
ちなみに、英雄の伝説として子供に読み聞かせる定番でもあるが、人気なのは圧倒的にミラ。次点でユリシア。しかしだいぶオブラートというか子供向けになっているのと曲解された部分のせいで完全に美化されているためミラ本人はとても複雑。
●魔力について
魔力とは人にほぼ必ず備わっているエネルギー。魔法を使う場合はほぼ必須であるため、魔法使いはこの魔力の多さがとても重要になる。
しかし、魔力は魔法使いだけではなく戦闘をする人間においてほぼ必須項目である。
魔力による身体強化は応用性が底知れない。脚力強化や腕力強化が有名どころとして視力補助や聴力強化など様々なことができる。魔力が多ければ多いほど身体強化に使える魔力が増えるため戦士系でも重宝する。そのため、魔力が少ない人間は苦労しがちである。
また、武器にも魔力を通して威力を上げることができるため、殺傷力を手っ取り早く上げる手段だったりする。素材によるが魔力が通りやすい武器とそうでもないものの差があるため扱い方によって武器選びが重要。
以下、魔力による身体強化の参考資料。
・脚力強化:走る速さや蹴りなどに影響するため大抵の人間は使えるはず。足裏に魔力を集中さえて壁を走ることもあるが難易度が高く上級者向け。
・視力補助:目に魔力を集めることで遠くまで見通すことや、視力の悪い人間がぼやけないで見える程度にまで視力を底上げすることができる。目を強化することは難易度が高く、上級者向け。利点としてはメガネがいらないため戦闘でメガネが破損しても視力が安定するということ。
・肉体強化:肉体強度を上げ、剣で腕を切られたときにそれを弾いたり、ダメージを軽減する基本的な身体強化。しかし、相手も腕力や武器を強化しているため無意味になることもしばしば。
●マジッククローク
魔力契約で亜空間の倉庫を作り、そこに自分の荷物を収納する冒険者必須知識。魔力は極わずかで構わないため、とても便利。食料品など生ものは持ち込めないなどの制約はあるものの、武器や衣類はしまうことができるため身軽に行動できる。盗難の恐れもないのでできる限りクロークにしまっておくのが冒険者の基本である。
ミラは魔力を多めに追加契約をしており、座標などの指定によって武器を好きに出せるトリッキーな扱い方をしている。特に指定しない場合は手のひらや足元に出現するように設定されている。
以下、マジッククロークの制約。
・生もの、食料品(肉・野菜・魚など)の収納は原則禁止(調味料などは可能)。
・生きている動物などの収納は禁止(動物の死骸や素材となるものは可能)。
・金銭などが入ったものは禁止(財布など)。
・盗んだものなどは禁止(拾った場合やなどは盗難に含まないとみなす)。
・魔力が使えない状況においてはマジッククロークは開くことも収納することも不可。
など、ほかにもいくつかあるが一般的なものはだいたいこれら。
ちなみに、ケイトがモニカの指輪を持っていられたのは双方に盗んだ・盗まれたという認識がないためクロークに弾かれなかった。
●ルーチェ
いわゆる普通の人間より優れた能力を持つ存在。ルーチェといえども一括りにこのような存在がルーチェとは言えないが、わかる人間には魂の形や気配でルーチェだとわかるらしい。
魔力が高い、寿命が長い、戦闘能力が高い、特殊な能力を持つ、などが挙げられる特徴だが他にも様々なルーチェがいるため、気づかないまま覚醒することもなく事故死することもある。
ルーチェは基本的に寿命の終わりが不明なため、死因は病死や戦死が大半を占める。
覚醒しているかしてないかで能力に大きく差があり、覚醒した場合は『人として当たり前のもの』か『大切なもの』を失うとされている。ただし、この代償は全員ではないらしく、解明が急がれている。ちなみに、生まれた時から覚醒している場合も稀にあるため一概に覚醒を促す必要はない。
代償の一例としては『泳げない』『どんなに正しい手順で作っても料理がまずくなる』『絵が壊滅的に下手』などがある。他にも生まれつき目が見えない、など身体的な欠損や不具合もある。
基本的に生まれたときからルーチェであるかいなかは決まっているので後天的にルーチェになれることはまずない。
●大陸の国について
大陸には10の国が存在し、それぞれ独自の文化を持っているが、言語は大陸共通言語で統一されている。これはかつての戦争以降徐々に統一されていったものであり、各国の古語として古マギア語や古アマデウス語などはまだ各地に根付いている。10の国のうち9つはお互い協定を結び、大陸の平和をつなぐとして表面上は仲がいい。協会も中立組織としてその国々の会議に呼ばれることもある。協定国家とある一国を除き、小国が新生国だと名乗りを上げたりもしているがいずれも国家として承認はされていない。
・アマデウス
大陸の中央にある王政国家。女王が国を統治している現在唯一の国で、誇り高く融通がきかないところがある。流通の要でもあり、人々が多く出入りするため物も多い。治安は協会と監獄がどちらとも本部が存在するせいかやたらいい。むしろここで犯罪行為をするのはよっぽどの馬鹿とまで言われる。
・アウローラ
首都は水の都として有名で、豊かな資源と温暖な気候に恵まれた国。ケイトの母国で、芸術などに造詣が深い。貴族による議員制度がまだ残る国ではあるが貧富の差はそれほどひどくはない。首都以外は割と田舎で観光地や避暑地扱い。
・マギア
魔法の国。魔法至上主義で懐古主義なためどことなく排他的。魔法が扱えない人間を見下すなどの選民意識があり、教育課程にもそれが現れている。義務教育に魔法知識が国によって定められているため、落ちこぼれは役に立たないと幼少期から叩き込まれている。
マギア出身で冒険者になっている者の中には魔法使いではない人間が多く、国に居場所がないためでもある。ルカとサラの故郷。
・ナトゥーラ
自然が多い国で木材、石炭、畜産の大半がここから輸出されている。亜人も多い国で、自然と共存している。未知の樹海などが点在し、自殺の名所も豊富と不名誉すぎる印象を持たれている。シルヴィアの故郷。
・マレ
漁業が盛んな国だが、年々人口が減少しており、過疎化が激しい。目立った名産や観光地もないためよく忘れられる国。
・コーピア
大陸一の領土を持ち人口も多くとても豊かな国。いろいろな国の商品を輸入したりしているため観光客も多いが治安が少し悪い。高い技術力を持ち職人や研究者も多い。
・アルクス
虹の都と呼ばれ大陸で一番美しい国と言われている。虹色の木の実が生る大木があり一年に一度木の実を採り神にささげるという。騎士の国でもあり、美と誠実さを掲げている。
パークス
治安がよく、争いを嫌う国。平和の国として有名で戦争はよほどのことがない限り干渉、参戦はしない(やむおえない場合、又は国の危機の時のみ)。気候は基本的に涼しく冬は極寒。排他的で閉鎖的。
ミラの故郷。
・アウルム
商人の国、金の国として有名。各地の名産、特産を取り揃え大陸一金が周っていると有名。コーピアといい勝負だが商人の国だけあって売買に関してはアウルムのほうが一枚上手。もちろん黒い噂も絶えない。
・ウンブラ
大陸一治安の悪い、影の国。クラン向けの仕事も黒いものが多く若干無法地帯と化している。人身売買の本拠地。協定国家に参加していない唯一の国で、人身売買や薬物販売などが合法で行われている。この国で承認されているものを他国に持ち出すなどすると裁かれることもある。また、子供が病気、飢えなどで死ぬのが多いと言われている。孤児も多い。
●通貨について
共通通貨としてラロが存在する。100ラロでだいたい安いコーヒー1杯分。
銀貨1枚で一万ラロ。金貨1枚で五十万ラロと数えられる。基本的に1ラロ硬貨、10ラロ硬貨、100ラロ硬貨、500硬貨、1000ラロ硬貨、5000ラロ硬貨は銅貨となっている。昔は紙幣もあったが、かつて様々な問題が起こり、市場が混乱するため硬貨に統一された。ちなみに、冒険者のことを考慮してあまり重くないようにと偽金防止のために特殊な魔法を用いている。
●教育について
学校は首都などにはあるが田舎や辺境の村にはあまり存在しない。そのため、教育格差をなくすために親が読み書きと計算を必ず教える義務教育を課している。義務教育を怠ると違反として罰金などのペナルティもある。
ケイトは父親に読み書きと計算、そして料理とあることを教わっている。ルカやサラは読み書き計算に加えて魔法知識を叩き込まれている。このあたりに国ごとの差がある。ちなみに読み書きのできない子供の奴隷は価値が下がるため商人もあまり買取りたがらない。
●年齢や結婚について
大陸の労働可能年齢は5歳からなら誰でも可能。ケイトは幼少期から父親の店で働き、父の死後一人で店を経営していた。
結婚は男女ともに16歳から可能。ほぼ大陸共通なので問題はない。しかし、年の差婚(16歳と50歳など)は認められない場合が多い。
同性結婚は認められておらず、同性愛者は結婚はせずひっそりと暮らしている。
ルーチェは寿命が長いため結婚に関しても特例で、片方がルーチェで100歳だとして、相手が16歳だとしても、双方が同意の上ならば何歳であろうと結婚できる。ルーチェはこういった特性上年齢に関しては特例が多く、結婚もその最たるものとして挙げられている。つまりロリコンではない。ミラとウェルスも年の差でいえば3桁ほど離れているがこの特例のため万が一結婚となっても問題は起きない。
●宗教について
宗教はかつて戦争において徹底的に弾圧されたため、新興宗教が何度か騒ぎ立てた程度であまり宗教が目立つことはない。そのためかつての名残で教会があったにも関わらず、その意味を知らない人間も多くいる。基本的に無神論者が多い。
必要があれば随時更新予定。




