帰省
春色フライト、ただいま帰省
羽田の滑走路に春の陽がのぼる。
搭乗口までの動く歩道で、光子と優子は恒例の“どっちが窓側選手権”。
「ジャンケン、ぽい!」
「よし、窓は私!」
「くぅ…じゃあ私は“実況席”で全部言葉にするけん」
機内。ふわりと浮いた瞬間、二人の肩の力が抜ける。
雲を抜けると、窓の外に“春色日本地図”が開いた。
田んぼは薄い黄緑、川はガラス色、
山肌にうっすら桜のピンクが刺し色みたいに散っている。
町ごとに違う春のパレットが、パッチワークみたいに繋がっていく。
「見て、あの河川敷、桜の線路やん」
「ほんとや。今すぐ降りてピクニックしたい…(でも機内モード)」
シートポケットからメモ帳を出す。
曲のラフタイトルがサラサラ生まれる——
《春の高度》《窓の羽音》《花の地図をめくる旅》。
優子は“実況席”の本領発揮だ。
「ただいま機外右手、菜の花ゾーンに突入〜。
次のカーブで“桜ストレート”、からの“海の青フェードイン”!」
前の席の子どもが振り向いて、親指を立てる。ちょっと誇らしい。
揺れが少し来て、シートベルトサインが点く。
「…今の揺れ、テンポ120のシャッフル」
「分かる人には分かる例えやめなさい」
春色は海へ抜けた。
入り江が銀色に光って、遠くの半島が墨で描いたみたい。
雲の隙間から一本、天使のはしご。
光の筋の下、街がふっと明るくなって、
“あ、今日ここでも誰かが笑ってる”って、勝手に想像してしまう。
スマホの待ち受けがふわっと点灯した。
—グルチャ「着いたら連絡してね」
—春介&春海「お姉ちゃん、空飛んどる?雲、おいしい?」
「おいしくないけど、ふわふわやろね」って返したくなるのをこらえ、
雲の写真だけ送る。コメントは着陸してから。
機内サービスのドリンクは迷わずホット。
紙コップを両手で包んで、ふぅ。
窓の外の街が少しずつ大きくなる。
見慣れた海岸線、河口、碁盤じゃない優しい道の曲線——
体より先に心が先に降りていく感じ。
「まもなく着陸します」
アナウンスと同時に、光子が小声で合図。
「ただいまの気温、家族の体温。風向、笑いの方向。
着陸後は、ハイパーお出迎えタイムです」
「うん、絶対、あの二人(春介・春海)やらかすね」
ゴン…と穏やかにタイヤが地面を捉えた。
拍手はないけど、胸の中で“おかえり”が鳴る。
ターミナルに寄せられていく機体の窓に、
滑走路脇の芝の緑と、遠くの街の桜の線が並ぶ。春は本当に来ている。
ドアが開いた瞬間、空気が違う。
どこか甘い、湿った匂い。
「ただいま、福岡」
到着ロビーへ。
スマホが震える。
—美鈴「着いた?」
—優馬「腹減ってない?」
—美香&アキラ「玄関開けとく。すぐ来い」
—春介&春海「おかえりウィンク準備OK!」
光子と優子は、キャリーの取っ手を握り直す。
春色の日本を上から見て、
“戻る場所がある”っていう色まで、はっきり見えた気がした。
さあ、ただいまの挨拶と、笑いの第一声を——。
ただいま、久留米
昼前、家に荷物を置くやいなや、車は久留米へ向かった。
風はやわらかく、道端の菜の花がずっと並走してくる。
まずはお墓参り。
花を生け、線香に火をつけると、ふわっと白い煙が昇った。
光子と優子は静かに手を合わせ、目を閉じる。
「ただいま戻りました。ちゃんとがんばっとるよ」
言葉にしない約束を、胸の奥に置いて、礼を一つ。
それから実家に寄って仏間へ。
仏壇の前に、団子、いちご、最中を供える。
「おじいちゃん、おばあちゃん、今日は奮発やけんね」
チャリン、と鈴が鳴って部屋の空気が少しだけ澄む。
優子が読み上げるように近況を短く報告し、光子が最後に深く礼をした。
居間に戻ると、親戚が総出で迎えてくれた。
「光子ちゃん、優子ちゃん、よう来たねぇ!」
「背、また伸びたっちゃない?」
テーブルには唐揚げ、だし巻き、筑前煮。湯気と笑顔がいっせいに立ち上がる。
そこへ、はとこの小学生コンビが勢いよく飛び込んでくる。
「みっちゃん、ゆうこちゃん、遊ぼー!」
「よっしゃ、外いこ!」
庭に出ると、春の匂い。
縄跳び、バドミントン、フリスビー。
「勝負は三本先取ね!」と光子が宣言すると、優子は即座にレフリー役に回る。
「はい、それじゃ“ギャグハンデ”導入。面白いこと言えたら一点追加」
はとこ男子が先手でシャトルを打つ。
光子、華麗に打ち返しながらさらっと一言。
「さぁ来い、風よ味方せぇ!」
—ど真ん中に返球。はとこ男子が空振りして、芝生にすってん。
「今のは風じゃなくて自滅!」と優子が笛もどきで「ピィー!」
縁側の親戚一同、爆笑。
続いて縄跳びリレー。
優子が回し手、光子とはとこ達が順番に入る。
「はい、テンポ上げまーす!」
速度が上がった瞬間、光子の足がひっかかり、前のめり——かと思いきや、
片足で踏みとどまって、くるりとターン。
「今のは“久留米返し”です!」
「聞いたことない必殺技やめなさい!」
拍手と笑いで、近所の猫まで塀の上から見物する。
休憩に入ると、台所から叔母が凍ったいちごを持ってくる。
「ほら、いっぷくしんしゃい」
口に入れた瞬間、冷たさと甘さに、ふたりの頬が同時にゆるむ。
「これ、東京で売ったらバカ売れする…」
「名前は“くるめごおり”。商標いけるね」
商売の匂いがしたところで、叔父がすかさずツッコミ。
「まずはお仏壇に報告してからにしなさい」
日が傾きかけたころ、座敷に戻ってもう一度、仏壇へ手を合わせる。
「また来るけん。見とってね」
鈴の音がさっきより近く響いた気がした。
玄関先で別れの挨拶。
「次は夏、スイカ割り持ってこんね!」
「任せて。割る前に笑いで割るけん」
親戚の「よう笑った」「よう食べた」が背中を押す。
帰りの車内、光子がぽつり。
「やっぱ、ここが“ただいま”の声がいちばん響くね」
優子がうなずいて、窓の外の夕焼けを指さす。
「ほら、空まで笑っとる」
久留米の風は、笑いの匂いをトランクいっぱいに積んで、ゆっくりと家路に運んだ。
ただいま行き、ただいま帰る
帰りの車内。国道の白線が、ヘッドライトの中でスーッと途切れなく流れていく。
助手席の優馬が不意に口を開いた。
「お前らさ、免許は取らんとね? 車、便利よ」
後部座席で窓にもたれていた光子が、のけぞるみたいに笑った。
「今は曲と課題で手一杯。信号待ちの余裕もない感じ」
隣の優子が指を折る。
「バイト、制作、ライブ、ゼミ、レッスン。次の“教習”があるとしたら、クラッチより先に締切の踏み方やね」
美鈴がミラー越しに苦笑する。
「まずは睡眠免許やね。何時間でも寝てよし」
優馬は少し間を置いて、何気ないふうを装いながら切り出した。
「……で、卒業したらどうするつもりか、決めとる?」
光子と優子は顔を見合わせる。答えは前から同じだった。
「帰ってくるよ」
「あっちで学ぶことは学んで、拠点はこっち」
「こっちって、福岡?」
優馬の声がほんの少しだけ上ずる。
「うん。うちらの“ただいま”が一番似合う場所、ここやもん」
光子が言うと、優子が続ける。
「東京は、出かける場所。福岡は、帰ってくる場所。音楽と笑いの基地は、実家の近くがいちばん強い」
美鈴がクスッと笑って、フロントガラスの向こうを指さす。
「じゃあ免許は帰ってきてからね。送り迎えは当分うちが担当。夜中のラーメン便も対応可」
「助かる〜。でも帰ってきたら自分で運転するよ。まずは“直進しか勝たん”コースから」
「路上でボケたら即減点やけんね」
「ツッコミは同乗者限定でお願いします」
車内がまた笑いに包まれる。
高速の標識に「福岡」の文字が増えてきた。
優馬がハンドルを軽く叩いて、照れ隠しみたいに言う。
「……そっか。帰ってくるんか。じゃあ父ちゃん、今のうちにドライブコース開拓しとくわ。空港、海、山、温泉、全部」
「まずは免許センターやね、父ちゃん」
「試験のコツ、教えたげよっか? 筆記は任せて」
「実技は母ちゃん先生で」
笑いが落ち着くと、窓の外に街の灯りがにじんだ。
遠征も、ツアーも、勉強も、ぜんぶ大切。でも——
「ただいま」は、ここで言いたい。
その気持ちだけは、渋滞知らずでまっすぐだった。
ただいま宣言、晩ごはん襲来
玄関を開けると、台所からいい匂い。
唐揚げの香りと味噌汁の湯気、それにアキラの作ったポテサラまで並んでる。美香がエプロン姿で手を振った。
「おかえり。座って座って、揚げたていくよー」
「ただいまー! うわ、実家の匂いって反則」
いただきますの合唱から、全員ハイペースで箸が進む。
筑前煮を頬張った優子が、ほわぁと声を漏らす。「甘辛、天才」
光子は白米を二口で消しつつ、「スープは味噌汁派。はい、優勝」と謎の採点。
そこへ春介がもぐもぐ口を動かしながら切り込んだ。
「ねぇねぇ、お姉ちゃんたち、大学出たらどうするの?」
春海も身を乗り出す。「東京おると?」
光子と優子は顔を見合わせ、同時に親指を立てた。
「——こっちに帰る」
「福岡で曲作って、本も書いて、ファイブピーチ★も続ける」
一拍の静寂。次の瞬間——
「「やったあああああ!!」」
春介と春海、椅子から飛び降り“うれしいコント”が爆裂スタート。
『帰福記念式典(自宅開催)』
春介(胸を張って)「本日の司会、春介でございます!」
春海(たすき装着)「副司会の春海です!」
春介「ただいま対象者は小倉光子様・優子様、二名!」
春海「帰ってきたら毎週ラーメン会議、採択!」
春介「カラアゲ追加予算、全会一致で可決!」
春海「お祝いとして——」
二人「出力控えめ“ハッピーウィンク+投げキッス”発射!」(※今回は家の中なので30%)
光子「かわいさの暴力〜!」
優子「命中精度よすぎ!」
さらに第二幕。
『空港アナウンス風・帰福最終便』
春海(低音アナウンス)「まもなく到着いたしますのは“ただいま便”です」
春介(手旗信号)「まがらず、そのまま食卓へ——到着ォ!」
二人で唐揚げを一個ずつ掲げて敬礼。「ご搭乗、ありがとうございます!」
テーブルの周り、大爆笑。美香が手で口を押さえながら目尻を下げる。
「この子ら、嬉しい時の演出力、プロやねぇ」
アキラも頷く。「二人が戻るなら、音の拠点も人の拠点も強くなる。…正直、めちゃくちゃ嬉しい」
優馬と美鈴も微笑み合う。
「やっぱ“ただいま”はここで言うのが似合うな」
「送り出すのも迎えるのも、うちの仕事やね」
春介が紙ナプキンを丸めて印鑑ごっこ。
「ではここに“ただいま永久保証”のはんこ、ドン!」
春海も負けじと「“週一帰省ラーメン権”のはんこ、ドン!」
光子「重ね押しは無限に歓迎」
優子「法的効力はゼロやけど心的効力は満点」
一息ついて、味噌汁をすする音だけが数秒流れる。
その静けさすら、幸せの音に聞こえる。
食後はデザートのいちご。
春海がいちごを一個つまんで、光子の皿にポン。「帰ってくる記念」
春介も優子の皿にポン。「こっちで“新曲・新ネタ・新ラーメン”やね」
優子「三種の神器やん」
光子「季節限定・替え玉付き」
美香が湯呑みを配りながら、ふっと真顔で。
「帰ってくるって言葉、どれだけ人を安心させるか、今日しみた。…ありがと」
アキラも茶碗を置き、短く。「戻ってこい。何度でも」
「「ただいま」」
二人が同時に言うと、春介と春海がまた立ち上がる。
『エンディング・祝福の舞』
春介「フィナーレ参ります!」
春海「“おかえり”の舞!」
くるっと回って、ぺこり。最後に30%投げキッスをもう一発。
笑い声と湯気と、いちごの赤。
帰る場所の色が、今夜はやけに鮮やかだった。
ただいま宣言、晩ごはん襲来
玄関を開けると、台所からいい匂い。
唐揚げの香りと味噌汁の湯気、それにアキラの作ったポテサラまで並んでる。美香がエプロン姿で手を振った。
「おかえり。座って座って、揚げたていくよー」
「ただいまー! うわ、実家の匂いって反則」
いただきますの合唱から、全員ハイペースで箸が進む。
筑前煮を頬張った優子が、ほわぁと声を漏らす。「甘辛、天才」
光子は白米を二口で消しつつ、「スープは味噌汁派。はい、優勝」と謎の採点。
そこへ春介がもぐもぐ口を動かしながら切り込んだ。
「ねぇねぇ、お姉ちゃんたち、大学出たらどうするの?」
春海も身を乗り出す。「東京おると?」
光子と優子は顔を見合わせ、同時に親指を立てた。
「——こっちに帰る」
「福岡で曲作って、本も書いて、ファイブピーチ★も続ける」
一拍の静寂。次の瞬間——
「「やったあああああ!!」」
春介と春海、椅子から飛び降り“うれしいコント”が爆裂スタート。
『帰福記念式典(自宅開催)』
春介(胸を張って)「本日の司会、春介でございます!」
春海(たすき装着)「副司会の春海です!」
春介「ただいま対象者は小倉光子様・優子様、二名!」
春海「帰ってきたら毎週ラーメン会議、採択!」
春介「カラアゲ追加予算、全会一致で可決!」
春海「お祝いとして——」
二人「出力控えめ“ハッピーウィンク+投げキッス”発射!」(※今回は家の中なので30%)
光子「かわいさの暴力〜!」
優子「命中精度よすぎ!」
さらに第二幕。
『空港アナウンス風・帰福最終便』
春海(低音アナウンス)「まもなく到着いたしますのは“ただいま便”です」
春介(手旗信号)「まがらず、そのまま食卓へ——到着ォ!」
二人で唐揚げを一個ずつ掲げて敬礼。「ご搭乗、ありがとうございます!」
テーブルの周り、大爆笑。美香が手で口を押さえながら目尻を下げる。
「この子ら、嬉しい時の演出力、プロやねぇ」
アキラも頷く。「二人が戻るなら、音の拠点も人の拠点も強くなる。…正直、めちゃくちゃ嬉しい」
優馬と美鈴も微笑み合う。
「やっぱ“ただいま”はここで言うのが似合うな」
「送り出すのも迎えるのも、うちの仕事やね」
春介が紙ナプキンを丸めて印鑑ごっこ。
「ではここに“ただいま永久保証”のはんこ、ドン!」
春海も負けじと「“週一帰省ラーメン権”のはんこ、ドン!」
光子「重ね押しは無限に歓迎」
優子「法的効力はゼロやけど心的効力は満点」
一息ついて、味噌汁をすする音だけが数秒流れる。
その静けさすら、幸せの音に聞こえる。
食後はデザートのいちご。
春海がいちごを一個つまんで、光子の皿にポン。「帰ってくる記念」
春介も優子の皿にポン。「こっちで“新曲・新ネタ・新ラーメン”やね」
優子「三種の神器やん」
光子「季節限定・替え玉付き」
美香が湯呑みを配りながら、ふっと真顔で。
「帰ってくるって言葉、どれだけ人を安心させるか、今日しみた。…ありがと」
アキラも茶碗を置き、短く。「戻ってこい。何度でも」
「「ただいま」」
二人が同時に言うと、春介と春海がまた立ち上がる。
『エンディング・祝福の舞』
春介「フィナーレ参ります!」
春海「“おかえり”の舞!」
くるっと回って、ぺこり。最後に30%投げキッスをもう一発。
笑い声と湯気と、いちごの赤。
帰る場所の色が、今夜はやけに鮮やかだった。
「走る雲を追いかけて」をもう一度——福岡の夜に
ちゃぶ台の上に麦茶。窓の外は春の湿った風。
帰省中の光子と優子は、ソファに並んでタブレットを起動した。
光子「ねぇソフィーア、ちょっと聞きたい。前に観た『ゴースト&レディ』、覚えてる? クリミアの夜を映したみたいな、あの曲——『走る雲を追いかけて』。」
画面に現れたソフィーアが、静かに頷く。
ソフィーア「もちろん。あれは“失ったもの”と“それでも進むこと”を同じ景色に置く歌です。雲、風、岬。約束じゃなく“追いかけ続ける姿勢”が核になっている。今でも胸に残っています。」
優子「やっぱりそうだよね。もし許可がいただけるなら、チャリティの場で歌わせてもらえないかなと思ってて。編成はまずアカペラ三声。リードを二人でユニゾン→途中でハモりに割れて、最後だけ半音上げる。言語は日本語がベースで、ブリッジにウクライナ語の一節を差したい。」
ソフィーア「賛成です。ただ、歌の最中は“静けさ”を守ってほしい。終わって一拍おいて、やわらかな一言で空気を上げるくらいがちょうどいい。」
光子「了解。じゃあ段取りは——」
(付箋をペタペタ額に貼りながら)
「①今夜スマホで仮デモ録音(Gメジャー、♩=72)。
②明日、権利元に非営利使用のお願いを送る。
③寄付フローや明細公開のチャリティ設計書をPDF化。
④許諾がおりたら、小さな会場で初演。」
優子「段取り、雲より速いね。」
ソフィーア(ふっと笑う)「その“速さ”に何度救われたことか。…ありがとう。私の故郷に向ける思いを、借景じゃなく“あなたたちの声”で描いてほしい。」
光子「うん。私たち、声で太陽になるから。」
優子「じゃ、まずはデモ。母屋が寝静まる前に録っちゃお。」
ソフィーア「楽しみに待っています。福岡の風、こっちにも届いてますよ。」
通話が切れる。
ふたりは同時に深呼吸して、ハミングで冒頭のフレーズを重ねた。
雲が流れる速さで、でも走りすぎない速さで。
送る情報(要点)
•目的:ウクライナ地雷被害支援のチャリティ。収益は全額寄付、出演料なし。
•演目:『ゴースト&レディ』より「走る雲を追いかけて」1曲のみ。
•形態:アカペラ三声(キー変更あり)。歌詞改変なし(※ウクライナ語1フレーズ挿入の希望は別途明記して可否を仰ぐ)。
•規模:会場名、客席数、上演回数、上演時間。
•記録・配信:有無(あるなら範囲、アーカイブの有無)。
•クレジット表記の案。
•添付:出演者プロフィール、チャリティ設計書(寄付フロー)、仮デモ音源URL/資料。
⸻
問い合わせメール(コピペOK)
件名:〔使用許可のお願い〕『ゴースト&レディ』「走る雲を追いかけて」チャリティ上演について
劇団四季 ご担当者様
突然のご連絡失礼いたします。
私どもは「ファイブピーチ★」の小倉光子・小倉優子(東京○○音楽大学在籍)と申します。
このたび、ウクライナの地雷被害支援を目的とした非営利チャリティ・イベントにて、貴団上演作品『ゴースト&レディ』より**「走る雲を追いかけて」をアカペラ三声**で1曲のみ上演したく、使用許可の可否と必要なお手続きについてご相談申し上げます。
▼企画概要
・目的:地雷被害支援(入場収益は経費控除後、全額を認定NPOへ寄付)
・日時/会場:20XX年X月X日 ○○ホール(定員○○名)
・演目:上記1曲のみ(上演時間約4分)
・形態:アカペラ三声、キー変更あり/歌詞改変なし
※ブリッジ部にウクライナ語1フレーズを挿入したい希望があり、可否をご指示ください(不可の場合は日本語歌詞のまま上演いたします)。
・記録/配信:当日ライブ配信の予定 なし(※実施する場合は別途ご相談)
・クレジット表記案:
『ゴースト&レディ』より「走る雲を追いかけて」
作詞・作曲:〔権利者表記に従って明記〕
©〔権利表記〕 上演許可:劇団四季
▼添付(またはURL)
・チャリティ設計書(寄付フロー・会計公開方法)PDF
・出演者プロフィール/過去活動実績
・仮デモ音源URL(非公開設定)
当方、商業利用の意図は一切なく、作品世界と権利を最優先に尊重いたします。
許諾にあたり必要な条件・費用・契約手順がございましたらご教示ください。
お忙しいところ恐れ入りますが、何卒ご検討のほどよろしくお願い申し上げます。
――――――――――
小倉 光子/小倉 優子
東京○○音楽大学/ユニット「ファイブピーチ★」
連絡先:xxx@example.com / 090-XXXX-XXXX
資料一式:〔共有フォルダURL〕
――――――――――
⸻
電話での一次問合せ(30秒スクリプト)
「作品の単曲チャリティ上演について、必要手続きと窓口を教えてください。
『ゴースト&レディ』の“走る雲を追いかけて”を、非営利アカペラで1曲のみ上演希望です。
歌詞改変は基本なし、ウクライナ語1フレーズ挿入の可否も伺いたいです。」
⸻
進め方のミニ工程表
1.今日:上のメール送付(資料添付)。
2.3営業日後:未返信なら「資料届いていますか?」の軽いフォロー。
3.条件提示が来たら:文面で合意→必要書類(契約/誓約/費用)対応。
4.不可の場合:オリジナル曲で趣旨を継承する代替案に即切替(下記)。
⸻
もし不許可だった場合の“代替案”
•オリジナル新曲「雲は東へ(仮)」を制作。
モチーフは「追いかける雲/岬の風/夜明け」。
収益は同様に寄付、趣旨は変えない。
•併せて朗読×アカペラの構成で、物語性を補完。
⸻
ちょいメモ(権利の勘所)
•ミュージカルの個別曲でもグランドライツ扱いになるケースが多い。JASRAC/NexTone照会は並行しつつ、最終的には上演権者の書面許諾が鍵。
•歌詞改変・言語挿入は原則NGのことが多いので、希望として明示→指示に従う。
•録音・配信は別許諾になることが一般的。今回はまず上演のみで相談が無難。
件名:Re: 『ゴースト&レディ』「走る雲を追いかけて」 上演ご相談の件
小倉 光子 様/小倉 優子 様
劇団四季 ライツ担当でございます。
このたびは、チャリティ目的での上演ご相談をお寄せいただき、ありがとうございます。ウクライナ復興への思いとご趣旨、拝読いたしました。
本件につきましては、当該楽曲・台本等に関わる権利処理の確認が必要です。検討にあたり、下記の情報をご提示ください。
1)公演概要
・開催日/会場(座席数)/上演回数・上演時間
・入場料の有無と金額、収支計画(寄付先・寄付方法)
・出演者・編成(アカペラ三声想定/キー変更の有無)
・配信・録画の予定(有/無、アーカイブ有無)
2)上演内容
・使用楽曲:『ゴースト&レディ』より「走る雲を追いかけて」単曲
・歌詞:原則として原詞のまま(言語の挿入・改変をご希望の場合は理由と箇所)
・クレジット表記案(パンフレット・掲示・MC想定を含む)
3)資料(添付歓迎/URL可)
・チャリティ設計書(寄付フロー・会計の公開方法)
・出演者プロフィール/過去実績
・参考音源(デモ可)
いただいた情報を基に、権利元各位と調整の上、可否/条件(必要手続・費用が発生する場合がございます)をご案内いたします。
人道的ご目的に深く敬意を表しつつ、作品性と権利を守る形でご一緒できればと存じます。
お手数ですが、上記をご準備のうえご返信ください。
何卒よろしくお願い申し上げます。
――――
劇団四季 ライツ・ライセンス窓口
rights@shiki.jp(※仮)
――――
――――――――
「来た!」
光子と優子、同時にガッツポーズ。
「必要書類、全部そろえよっか。寄付フロー図はわたし作るけん」
「デモ音源とクレジット案、うちが書く。キーは半音下げで安定させよ」
「歌詞は原詞のまま提出、ウクライナ語フレーズは“希望”として別紙に。OK?」
「賛成。あと会計の公開方法はサイトとSNS同時掲出で」
二人はPCを開き、資料フォルダを作って一気に分担。
――5分後。
「優子、のどに“海苔”…じゃなくて“ノリ”は十分?」
「十分通り越して“ハイノリ”やね。…って海苔は付いてないけんね!」
軽口で肩の力を抜きつつ、文面はきっちり。
企画書PDF、寄付フロー図、プロフィール、デモ音源URL、クレジット案まで揃え、返信メールに添付。
件名:〔資料送付〕「走る雲を追いかけて」チャリティ上演の件(情報一式)
送信――ピッ。
画面の送信トレイに「✓」が灯る。
「よし。あとは返答待ち。準備は全部こっちの番、やることやった!」
「次の段取り、リハ会場の仮押さえもしとこ。いつでも走り出せるように」
二人はハイタッチ。
笑いのエネルギーと、歌の熱量と、ちゃんと整えた段取りを、ひとつのメールに詰め込んだ。
件名:ご承認/『ゴースト&レディ』「走る雲を追いかけて」チャリティ上演の件
小倉 光子 様/小倉 優子 様
劇団四季 ライツ担当です。
ご提出資料一式、拝見しました。ご趣旨・寄付設計・クレジット案ともに明快で、作品への敬意も十分と判断いたしました。
下記条件のもと、当該楽曲のチャリティ上演を許諾いたします。
1)実施枠
・実施地域:東京/福岡 各1公演(計2公演)
・編成:アカペラ、またはピアノ伴奏+コーラス(キー変更可)
・歌詞:原詞のまま使用(MCでの背景説明・多言語の“祈りの一言”の挿入は可)
2)クレジット表記(掲出・口頭)
「『ゴースト&レディ』より『走る雲を追いかけて』
作詞・作曲:原作権利者/上演許諾:劇団四季」
※パンフ、サイト、SNS、会場アナウンスに明記をお願いします。
3)メディア対応
・配信:不可(2分以内のダイジェスト“歌唱を含まない舞台映像”のSNS掲載は可)
・報道:可(ニュース用途の15秒以内クリップは事前共有ください)
4)会計報告
・寄付入金控えを含む簡易決算を、公演後30日以内にご送付ください。
・寄付先:ご提示の地雷除去団体・医療支援団体、いずれも承認済み。
5)その他
・譜面・言語に関わる確認事項は、初回リハ前日までに最終版をご提示ください。
・今後の追加上演をご希望の場合は、実績報告後に改めてご相談ください。
皆さまの想いが、音楽とともに多くの方へ届くことを願っております。
当日は安全第一で、素晴らしい舞台となりますように。
――――
劇団四季 ライツ・ライセンス窓口
rights@shiki.jp(仮)
――――
――――――――
「……来た!許諾きた!」
同時に立ち上がって、ハイタッチ。椅子がコロコロ後ろへ逃げる。
「東京/福岡で各1公演、アカペラかピアノ+コーラスOK。歌詞は原詞のまま」
「ダイジェストは歌ナシ映像2分まで、クレジットは台本に差し込むっと…」
ノートを開いた優子が、やることをサクサク読み上げる。
「①会場押さえ ②クレジット掲出デザイン ③MC原稿の最終化 ④会計テンプレ準備」
「⑤デモのキー半音下げ版を本番キーに確定 ⑥ソフィーアの“祈りの一言”録音」
光子が笑う。
「“祈りの一言”、ウクライナ語でいこう。意味は字幕で出す」
「OK。じゃあ今夜オンラインでソフィーアと最終合わせ。ピアノは美香姉にお願い」
スマホが鳴る。
〈ソフィーア:どうだった?〉
「フルアクセルでOKだよ!」とスタンプを連打。
すぐにビデオ通話がつながって、三人の画面に同時にガッツポーズ。
「本番タイトル、決めようか」
「“Light Over the Storm(嵐の上に灯りを)”どう?」
「いい。副題は“for Ukraine”で。…よし、走ろう」
二人はPCに向き直り、告知ビジュアルの叩き台を作り始めた。
笑いも、歌も、段取りも、ぜんぶ混ぜて前へ。
許可のメール一通で、世界が一歩、明るくなった気がした。
件名:許諾御礼/『ゴースト&レディ』「走る雲を追いかけて」チャリティ上演の件
劇団四季 ライツご担当者様
このたびは、当方の趣旨をご理解のうえ上演をご許諾くださり、誠にありがとうございます。
頂戴した条件に全面的に同意し、下記のとおり遵守いたします。
— 確認事項 —
・実施枠:東京/福岡 各1公演。編成はアカペラまたはピアノ+コーラス(必要に応じてキー調整)。
・歌詞:原詞のまま使用(MCでの背景説明・多言語の“祈りの一言”挿入のみ)。
・クレジット表記:
「『ゴースト&レディ』より『走る雲を追いかけて』
作詞・作曲:原作権利者/上演許諾:劇団四季」
→パンフ・Web・SNS・会場アナウンスに必ず掲出/口頭明示します。
・メディア対応:配信不可。SNSは歌唱を含まない2分以内のダイジェスト映像のみ。
報道用途の15秒以内クリップは事前に素材を共有いたします。
・会計報告:公演後30日以内に、寄付入金控えを含む簡易決算を提出。
寄付先はご承認済みの地雷除去団体/医療支援団体といたします。
・資料提出:初回リハ前日までに、譜面最終版・言語確認・MC原稿・クレジット掲出デザインを送付。
— 現時点の計画(概要) —
公演名(仮):Light Over the Storm – for Ukraine
演目:『ゴースト&レディ』より**「走る雲を追いかけて」**
趣旨:ウクライナで負傷した家族や、戦禍で傷ついた人々への支援と追悼の思いを、音楽を通じて広く共有し、寄付につなげるチャリティ公演。
スケジュール:会場・日程はただいま調整中で、確定次第すぐにご報告いたします。
作品と創作陣への敬意を胸に、丁寧に上演し、責任をもって寄付まで遂行いたします。
追加で必要な手続きや表記上のご指摘等がございましたら、遠慮なくお申し付けください。
心より御礼申し上げます。
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小倉 光子/小倉 優子(ファイブピーチ★)
メール:mizuki-yuko@fivepeach.jp(仮)
電話:080-0000-0000(連絡担当:小倉)
会場、いま押さえます。
寮ラウンジ。ノートPC×2台、電話×1、カフェラテ×2。
光子が指を鳴らす。「じゃ、ドームと武道館、今から押さえとこ」
優子が深呼吸。「緊張するー。予約で手が震えるー(でも押す)」
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1本目:PayPayドーム(福岡)
優子「もしもし、福岡ソフト…いえ、会場予約の担当の方、いらっしゃいますか?」
担当・原田さん「はい、原田です」
光子「チャリティ公演『Light Over the Storm』で、夏〜初秋に一本入れたいんです。規模はフルドーム、合唱隊あり、ピアノ&アカペラ中心。客席は“笑いで腹筋に優しく”の運営です」
原田さん「腹筋に優しい…?(笑) 空きは8/31(土)と9/1(日)が候補ですね。仮押さえ2日とも可能です」
優子「両方ください!初日が本番、翌日を“被腹筋ケア”アフターイベントに」
原田さん「“被腹筋ケア”…新しい。では仮押さえ入れます。ステージはセンターステージ案でよろしい?」
光子「はい。ピアノ+コーラス台(合唱隊:学生&一般公募)、大型スクリーン2面。あと注意書きに『投げキッス直撃ゾーン』を明記で」
原田さん「了解しました。湿布メーカーさんがスポンサーで来そうですね(笑)」
通話後、ふたりでハイタッチ。
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2本目:東京側(武道館 or 東京ドーム)
優子「武道館、第一希望で行こ」
(プルル…)
担当・久保田さん「武道館・久保田です」
光子「チャリティで**『走る雲を追いかけて』**の許諾をいただいてまして、東京公演を武道館で。候補は?」
久保田さん「9/14(土)、**9/28(土)**が空きです」
優子「9/14、ください!学期前半で動きやすい」
久保田さん「承知。仮押さえ。舞台はフロント全面使用、客席合唱の演出は?」
光子「やります。客席から“祈りのハミング”を受ける形で」
久保田さん「素敵。必要資料はレイアウト図、クレジット、会計の寄付報告フロー。メールでどうぞ」
光子「即送ります。あと注意喚起に“笑いすぎ注意”のピクトも」
久保田さん「前例はないですが、嫌いじゃないです(笑)」
(東京ドームは一応セカンド案で空き照会だけ実施→冬の追加公演用に保留)
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速報を内輪発表
寮のラウンジに集合。
光子「福岡:8/31、9/1 仮押さえ。東京:武道館 9/14 仮押さえ。」
小雪「はやっ」
ソフィーア「ありがとう。“祈り”を大切に歌います」
ひより「合唱隊、私まとめます!」
優子「頼もしすぎ。じゃ、制作タスクだけ整理ね」
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ざっくり進行(みんな向けメモ)
•〔演目〕
•アカペラ&ピアノ版「走る雲を追いかけて」
•新曲「TOKYO」「Light Over the Storm」他
•病院ロビー版ミニコンサート再構成(短編MC+合唱)
•〔合唱隊〕
•ひよりをコーラスリーダーに任命。学生・一般公募(パート分け簡易オーディション)
•〔ステージ〕
•センターステージ(福岡)/フロントステージ(武道館)
•大型スクリーン:現地の写真・映像(配慮した編集)
•“投げキッス直撃ゾーン”表示(ジョーク+安全配慮)
•〔クレジット・会計〕
•四季のクレジット掲出/配信はダイジェストのみ
•寄付は地雷除去・医療支援へ。公演後30日以内に報告
•〔広報〕
•予告動画(歌唱なし)/記者向け15秒素材
•「笑って、祈って、届ける」をタグラインに
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家族&ミライマート&ホークス方面へ
優子(家族グルチャ):「武道館9/14、福岡8/31&9/1、仮押さえ完了!」
美鈴「腹筋ストレッチ会しとくね」
優馬「湿布段ボールで送る」
篠崎店長「店内BGM、告知ループ回します」
ホークス広報「“始球式組”の特設ブース検討しましょ」
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夜の小ネタ
光子「現場に“笑いすぎ救護所”作っていい?」
優子「AEDの隣に“腹筋用冷却ジェル”置こ」
ソフィーア「真顔で頷くスタッフの図、もう浮かぶ」
——こうして、PayPayドームと日本武道館の仮押さえは完了。
あとは稽古して、整えて、笑って、歌って、ちゃんと届けるだけ。
準備、始動。




