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三姉妹爆笑交響曲 — 大学生篇から陽翔&結音誕生まで  作者: リンダ


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37/108

日曜散歩〜春の東京散歩〜

日曜さんぽ、低出力モードでお願いします


日曜の昼前。

空はきれいに晴れてるのに、風だけはまだ冬の名残。マフラーに鼻先をうずめて、大学の外周をぐるっと歩く。


「外、気持ちいいね。」

「うん。でも耳が冷たい。耳たぶ、氷菓子。」


正門の前で、最初の声が飛ぶ。

「ファイブピーチ★だ! いつも聴いてます!」

「ありがとう。今、曲作りも進んでます。もうすぐ新曲いきます、楽しみにしててくださいね〜。」


小さな拍手。つられて自転車の高校生まで手を振ってくる。よそ見して縁石にコツン——「あぶな!」で、無事。こっちも胸に手を当てて一礼。


校門脇のベンチでは、おばあちゃんと孫がパンを半分こ。

孫が恐る恐る近づく。「テレビの人?」

「うん、でも今日は散歩の人。」

「…がんばってください。」

「がんばります。」

丁寧にお辞儀したら、おばあちゃんまで立ち上がって90度。こちらも慌てて90度。風だけが100度。


角を曲がると、ジョガー集団がすれ違う。先頭の人が息切れ気味に「新曲…ほんとに…出るんですか…?」

「出ます! 走り切る前に配信されると思います!」

「じゃ…全力で…期待してます…!」スッとペース上がった。応援がカロリーになるタイプだ。


横断歩道の前、柴犬がリードをぐいっとくわえて飼い主をストップ。「え、自己主張つよ…」

飼い主さんが笑う。「この子、音に反応するんです」

しゃがんで小さく“タタン”と指でリズム。柴の前足がタッ、タッ。

「天才。」

「うちの新メンバー、決定かも。」

「ギャラはササミで。」


コンビニ前では大学の後輩たち。

「先輩!ライブ配信見ました!」

「ありがとう。寒いから風邪ひかんごとね。」

「はい!…って言ってるそばからアイス買ってました。」

「若いって強い。」


スマホが震える。篠崎店長からメッセージ。

《今店内BGM“TOKYO”デモ流してます。お客さん、足が止まる止まる》

思わず立ち止まる二人。

「うちらの足も止まったね。」

「なら、店にお礼言いに寄ろ。」


途中、三人組に声をかけられる。

「すみません、写真いいですか?」

「もちろん。風で前髪が自由なので“自然派”でお願いします。」

撮り終えたら、ひとりが遠慮がちに手を挙げた。

「…あの、ウィンクと投げキッス、見てみたいです」

「本気のは危険物指定なので、今日は体験版で。」

右目チラッ、手のひらヒョイ。超低出力。

「ぎゃー! 充分です!」

その場の誰かが「腹筋にくる…」とお腹を押さえる。

「整骨院いかんでいい強度でやりました!」

「すごい配慮!」


校舎の影に入ると、風がやわらいだ。

「…こうやって歩くの、好きだな。」

「うん。『届いてる』って、直接わかるもん。」

ポケットの中で指先がぶつかる。ふたりで苦笑して、マフラーをいっこ分け合うみたいに近づいた。


最後に守衛さんへ会釈。

「おかえり。今日もファン多かったね。」

「ありがたいです。守衛さんも新曲、ぜひ。」

「出たら、ここで流しとくよ。」

「校門で初オンエアは、アツい。」


寮までのラスト100メートル。

歩数計が軽く震える。

「じゃ、作業再開だ。」

「うん。歩いた分だけ、言葉がほどけた気がする。」


扉を開ける前に、振り返って手を振る。

道ゆく人へ、今日へ、次の曲へ。

「ありがとうございます。またすぐ届けます——ほんとに。」





現役高校生セット(ライト&ギャグ)

•勉強系:赤シート/ルーズリーフ厚盛り/タイマー(テスト本番ごっこ用)

•音系:スマホのメトロノーム&録音アプリ(先生の一言メモ用)

•体調系:のど飴/水筒/小さめ加湿スプレー(教室乾燥注意)

•メンタル系:小さいお守り+“受かるノート”(よかったことだけ書く)

•交渉系:提出物“秒で出すフォルダ”(内申は味方に)



ミニ小説:高1・音大志望の朝


目覚ましの二回目で起きる。カーテンを開けたら、空がやたら青い。

「今日いける気しかしない」——と毎朝言う係の優子。

「毎朝言ってるけど、そのうち本当に当たるやつ」——と光子。


朝ごはんをもぐもぐしながら、昨日の“受かるノート”を開く。

・英語の長文、時間内クリア

・体育のシャトルラン、笑ったまま完走(気合いで)

・音階録音、前より滑らか(自画自賛OK)


玄関で靴ひもを結ぶと、母の声。「ハンカチと自信、持った?」

「ハンカチOK、自信は増し増し。」

父が新聞越しに「帰ったら録音聞かせなさいよ、オーディション面接想定でツッコミ入れるから」

「家の面接官が一番手ごわい件。」


通学路。信号待ちで、ふたりは小声リハ。

「自己PR、30秒版で」

「はいどうぞ」

——隣の小学生がガン見。「お姉ちゃんたち、ラジオ?」

「受験ラジオの生放送中です。」


教室に着く。席に座る前に深呼吸一回。

プリントが配られる。進路希望調査。

第一志望:音大。第二志望:音大。第三志望:音大(で違う学科)。

担任がニヤリ。「背中押すけん、押される準備しときなさい」

「はい、靴ひも二重結びにしてます」


放課後、練習室の空きを確保して、録音ボタンを押す。

ワンテイク終わって、ふたりで顔を見合わせる。

「今日の“よかった”は?」

「最後のフレーズ、心が前に出た」

「採用。受かるノート、追記っと」


帰り道、夕焼け。

「音大、遠く見えて、近づいてきた感じする」

「うん。明日も“いける気しかしない”でいこう」



オープンキャンパス・ワンシーン(ショート)


キャンパスの門をくぐったら、在学生スタッフが爽やかに手を振る。

「ようこそ!何学科?」

「まだ迷い中です(でも心はほぼ決まってる)」

体験レッスン後、先生が一言。「続けてたら、ちゃんと光るよ」

帰りのエスカレーターで、ふたり同時にガッツポーズ。

「光るって言われた」「磨くのは自分」

「…あと内申と睡眠」

「大事〜」





21:00で終了!充電タイム


20:40。

光子がノートPCを閉じて手をパンッ。「はいここで区切り。21時までに風呂→ストレッチ→就寝準備、いきます」

優子は即うなずく。「徹夜は美徳じゃない。健康は正義」


食堂で軽めに夜ごはん→浴場へ直行。湯に沈みつつも時計はチラ見。

小雪「あと15分で上がろ」

ソフィーア「了解。今日は“リラックス優先デー”ね」


20:55。脱衣所でドライヤー隊が一斉稼働。

梢「恋バナの続きは土曜!」

優子「異議なし。睡眠は最強の美容液」


部屋に戻って、歯みがき→軽いストレッチ。

光子「今日の成果メモ:新曲BメロOK、コーラス案◯、あとは寝て脳に整理させる」

優子「明日の自分に期待して——」


21:00、タイマーがピッ。

ふたり同時に「消灯!」

布団にもぐり、短くハイタッチ。

光子「おやすみ」

優子「おやすみ。健康で勝つ」


廊下はすぐ静かになり、寮の灯りが一つ、また一つと落ちていく。

21時就寝、明日フルパワー。これが、二刀流の秘密。





学年末テスト、静かな快勝


週明け。校舎の空気が少し硬い。

講義は学年末モードに切り替わり、いよいよ一年の総決算——期末テスト。


教室に配られる問題用紙。カウントダウンのような静けさ。

最初のページをめくった瞬間、どこかでシャーペンの芯が「ポキ」。

前列の梢が小声で「あ、終わったかも」とつぶやき、後ろの小雪が“替芯どうぞ”とメモ用紙でスライド。机の下で小さな助け合いが連鎖する。


光子はテンポよく解き進める。譜面を書くときの集中力が、そのまま数式にも言語にも乗る感じ。

優子は見直し前提で一周目をサクッと回収。余白にミニ図解、要点に下線。呼吸は一定、目線は滑らか。


二人とも予定より早く本体を解き切り、同時に深呼吸。

「誤字チェックいく」「うん、数え落としなし確認」

静かなアイコンタクトだけで会話は完了。解答欄を指でなぞり、最後に名前の字形まで整える。


提出の列。

小春は「第3問の地雷原、なんとか突破…!」と胸を押さえ、

ソフィーアは「論述、言い切りで締めたから加点くるはず」と小さくガッツポーズ。

梢は「芯が4本消えた。努力の可視化」と笑う。

みんなの“悪戦苦闘”が、汗と消しカスで足元に積もっている。


放課後。掲示板の前は人だかり。

成績一覧が更新され、ざわめきが一段高くなる。


——年間総合順位:

1位 小倉光子

2位 小倉優子


「うわ、やっぱ双子トップ」「今年もワンツーか…!」

歓声とため息が混ざる中、当の本人たちは派手に喜ばない。

光子「一年ぶん、ちゃんと返ってきた感じ」

優子「支えてくれたみんなの点も入ってる気がする」


講師が近づいて、短く一言。

「おめでとう。ただし——“ここから”が本番」

二人は同時にうなずく。「はい」


その夜、寮のキッチン。

紙コップのホットココアでささやかな乾杯。

光子「一年、おつかれ」

優子「来年も、更新しよ」

コップが小さく触れ合って、静かな音が鳴った。

外は冬の気配。中は、次の挑戦に向けて温まっていた。





3月、帰省の段取り


昼下がりのミライマート。

レジに立つ光子と優子が、会計の合間に店長へ一礼。


光子「店長さん、今度のお彼岸に福岡に帰ります。3月中旬〜月末は帰省で、4月1日に東京戻ってきます。」

篠崎店長「了解。シフトは僕が調整しておくから、安心して行っておいで。向こうでも無理はしないこと。」

優子「ありがとうございます。戻ったら“土産話”と“おはぎ話”持ってきます。」

店長「おはぎ話って何(笑)」


横で品出し中の先輩・茜がひょい。

茜「つまり——粒あん派か、こしあん派かで全国討論会?」

光子「壇上に“きな粉界の伏兵”も控えてます。」

優子「決勝は“ご先祖さまが微笑む方が勝ち”。」

店長「お彼岸に優勝トロフィー持ってかないで(笑)。」


常連さんにも一言。

光子「今度、福岡に帰省します。4/1には戻ります!」

常連さんA「うわ、じゃあこの10日間、レジ前の“笑い声BGM”が欠品だ。」

優子「録画して置いときます?“いらっしゃいませぇ!”の高音質版。」

常連さんB「それはそれで欲しい。」



寮に戻ると、帰省リスト会議。

優子「墓参りセット、よし。実家への手土産、よし。春介・春海には東京バナナ+キラキラシール。」

光子「みらいのたね事務所にも顔出し連絡。おっちゃんの現場は何日目安?」

優子「中3日で押さえた。あと“おはぎ最終決戦”は祖母の台所で。」

光子「勝ち筋:粒あん。」

優子「対抗:きな粉。大穴:黒ごま。」


家族グルチャに日程送信。

美鈴〈了解。空港→家まで直行コース用に冷蔵庫パンパン〉

優馬〈庭の桜、つぼみ。帰ってくるまで待機宣言〉

美香〈春介・春海、カレンダーに“おねえちゃん帰還”って書き込み済み〉



翌日、店頭ポップに小さくお知らせ。

《双子スタッフ・帰省のお知らせ:お彼岸中は席を外します。4/1に帰還。代わりに“笑顔”多めで営業します(店長)》

篠崎店長「戻ったら春の新作BGMも頼むね。」

光子「“桜とコロッケ”の二部作、鋭意制作中。」

優子「後半、なぜかコロッケが主役。」


レジを閉める頃、風はまだ冷たい。

でも、カバンの中には新幹線eチケットと、帰省のスケジュール。

光子「よし、準備完了。」

優子「福岡、待っとって。4月1日、ちゃんと戻ってくるけん。」


二人の“春の往復便”が、静かに走り出した。





土曜はピンポン、日曜は歌詞──そして“スタートライン(仮)”


午前。

ノートPCの画面に、ほぼ埋まりきった歌詞ファイル。

光子「……ここ、“夢の残像”より“笑いじわ”の方がウちらっぽくない?」

優子「採用。副題は“腹筋に咲いた花”。」


二人は執筆で振り返った出来事を、そのまま曲に落としていく。

—事故からの再起、仲間、家族、あの日の舞台袖の震え。

キメすぎない言葉で、でも芯は熱く。


「保存」→「クラウド同期」→「深呼吸」。

優子「よし、午後は“拓実の卓球”応援モード。」

光子「翼は沖縄だよね。福大テニス部の公式配信、寮のラウンジで流すけん。」



都内アリーナ:拓実、出陣


客席。

手作りの“TAKU・WIN”タオルと応援うちわ(※裏面は“優子LOVE”)。

アナウンスが響くと同時に、会場に軽快な打球音が散る。


優子「(小声)た、た、拓実の前髪が今日も爽やかすぎる……」

光子「ボール見てボール。」


第一ゲーム。

ラリーが伸びるたび、優子の喉も伸びる。

優子「たーくみ! ナイスレシーブ! そこ! サイド! いやミドル! あ、取った! 取ったぁぁ!」

周囲の席の人がつられて笑い、でも拍手は揃う。


—デュース3回目、バックのカウンターがズバン。

ゲームセット。

拓実、ガッツポーズ。スコアボードに“2-0”。


優子「っっしゃあああ!」(立ち上がりタオルぶんぶん)

光子「優子、落ち着き。係員さんがにっこり見てる。」


試合後の通路で合流。

拓実「応援、聞こえた。というか、響いてた(笑)」

優子「ナイスゲーム! これ、スポドリ。あと“勝利のどら焼き”。」

拓実「甘やかしが過ぎる。」

光子「糖分は正義。」


パシャっと記念写真を撮って、次の対戦エリアへ送り出す。

優子の頬は、しばらく赤いまま。



寮ラウンジ:翼 in OKINAWA


同時刻、寮。

大型テレビに「福岡大学テニス部 公式SNS配信」の文字。

小雪・ソフィーア・梢たちがポップコーン片手に集合。


光子(配信コメント打ちながら)「#翼が飛ぶ #南風フォア」

小雪「サーブのルーティンかっけぇ〜」

ソフィーア「この落ち着き、絶対ポイント取るやつ」


—サーブエース。

歓声の代わりにラウンジでクッションが宙を舞う。


光子「っしゃ! 翼、ベスト8進出!」

梢「コメント欄“博多ノリ”で賑やかになっとるよ(笑)」



祝・勝利、ビデオ通話


夜。

画面分割で、拓実(都内アリーナ裏)、翼(沖縄の夕焼けコート脇)、寮の双子が繋がる。


翼『応援ありがと。コメント欄、光子バレバレやったぞ(笑)』

光子「“匿名の観客A”やったのに!」

拓実『どら焼き効果、出たわ。次も頑張る』

優子「どら焼きスポンサー契約、組みます?」

—そこへ春介・春海からも一瞬乱入。

春介『拓実兄ちゃん、スマッシュ速かった!』

春海『翼兄ちゃん、夕日よりイケメン!』

全員「言い方がプロ。」



夜更け、ふたたび歌詞机


今日の鼓動を、そのまま曲の設計図に。

・Aメロ:上京してからの秒針の速さ

・Bメロ:笑っても泣いても隣にいた手の温度

・サビ:ラリーのように続く“挑戦→応答→前進”


光子「タイトル、どうする?」

優子「“スタートライン(仮)”……いや、“笑いじわのスタートライン”にしよっか。」

光子「長いけど、好き。」


保存を押す指先が、少し震える。いい意味で。

窓の外は春の手前。

明日もまた、練習とバイトと、ちょっとのコント。

そして、歌。

ラケットの音と、波の音と、キーボードの打鍵が、同じテンポで胸に響いていた。






1本目:光子 → 翼に捧ぐ「SWING! TSUBASA」


夜、寮ラウンジのホワイトボード。

光子はマーカーを握って、まずタイトルをでっかく書く。


光子「“つばさ”って言葉自体がもう飛ぶやん。テニスのスイングと、“羽ばたく”のダブルミーニングで行こう。テンポは軽快、ギターはカラッと、ストリングスはきらめき多め」


優子「心拍数が上がる感じをリズムで出したいね。観客の手拍子みたいなクラップ入れるとライブ映えする」


光子「サビ、試しに——」


君のラケットが空を切るたび

迷いが風に変わってく

ねぇ、飛べるよ もう怖くない

ここが二人のスイング・スタートライン


優子「うん、まっすぐで好き。比喩が軽やか。Aメロは“朝の練習コート”とか“乾いた風”とか、具体物ちょい入れしよ」


光子「OK。ブリッジで“負けた夜も笑わせてくれた既読のハート”とかどう?」


優子「その“既読のハート”、完全に翼のこと(笑)」



2本目:優子 → 拓実に捧ぐ「P!NG-P!NG HEART」


優子は机をトントン叩いて、リズムの核を探す。


優子「卓球の“ピン→ポン→間”がカワイイけん、リズムは跳ねさせる。スネアは軽く、間に“キュッ”ってラバーの摩擦音“風”の効果入れたい」


光子「音オタ(笑)。言葉で遊ぼ。“デュース”“ラリー”“マッチポイント”——全部“日常の押し引き”のメタファーに」


優子「じゃ、サビ叩くわ」


ねぇ 言えないままラリーしてた

心のコース読まれてたかな

デュースの夜を越えて今

君に決めるよ——マッチポイント


光子「優子、ズルい。ストレートすぎて刺さる。Bメロで“汗の粒”“体育館の木の匂い”とか入れると、情景が立つ」


優子「了解。最後に“君となら、負けても笑える”って一発しめたい」



こっそりデモ録り計画


二人はスマホのボイスメモを同時に起動。

光子はギターで「ジャラ〜ン」。優子は膝で「トン・トン・カッ」。

30秒デモを2曲分サクッと録音してファイル名を付ける。

•SWING_TSUBASA_demo01.m4a

•PINGPING_HEART_demo01.m4a


光子「翼と拓実には、完成まで内緒でサプライズしたい」

優子「異議なし。次の空きスタジオで一気に骨組み固めよ」



そして、乱入の2いつもの


そのとき、ビデオ通話がピコン。画面に春介と春海。


春介「タイトル案あります! “つばさのバコーン!”」

春海「“たくみのシュバババ!”」

光子「擬音が強い(笑)」

優子「でも嫌いじゃない(笑)サブタイトルに入れるか」


春介「じゃあ“ハイパー誘惑ウィンク”のSEも作ってね!」

春海「最後に“チュー”の音も!」

二人「——検討します!」



仕上げロードマップ(ざっくり)

•明日:A/Bメロの詞を磨く(情景ワード追加)

•週内:スタジオで仮アレンジ(SWINGはギター中心、P!NGは打楽器遊び)

•来週:小春・奏太・美香にアイデア投げ、コーラス当ててみる

•再来週:恋人たちに“サプライズ初聴き”実施(カメラ回す)


光子「よし、恋の曲は“照れ”がスパイス。“照れ”は私たちの必需品」

優子「でも最後はちゃんと言う。“好き”は言葉で届ける」


モニターには、白いテキストカーソルが小刻みに瞬く。

二人の指が、また同時に走り出した。





PayPayドーム開幕シリーズ:双子の“投げて・喋って・笑わせる”完全台本


メールの件名に「【開幕戦】タイムテーブル共有」が光った。

二人は同時に開封→スクロール→顔を見合わせてガッツポーズ。


光子「よし、金曜ナイターの場内アナウンスは私、始球式は優子。」

優子「土曜デーゲームは逆ね。MCは両日とも“爆笑モード全開”っと。」



タイムテーブル(概略)


Day1:金曜ナイター vs イーグルス

•15:30 現地入り・音響チェック(BGM:ファイブピーチ★/インスト)

•16:00 MC/アナウンス導線リハ

•17:00 開場

•17:20 場外ミニトーク(5分)→場内MCへ移動

•17:30 場内MC(二人):開幕ご挨拶&爆笑ウォームアップ

•17:40 スタメン受領

•17:45 始球式:優子

•17:50 セレモニー(国歌独唱:球団手配/二人は舞台袖)

•17:58 場内アナウンス:光子 に切替 → 選手紹介

•18:00 プレイボール

•3回表後 “笑ってストレッチ”60秒(双子の場内コール)

•7回表後 ラッキーセブン演出で短尺コント(30秒)

•試合終了後 勝利時ヒロインタビュー → 〆の一言


Day2:土曜デーゲーム vs イーグルス

•10:30 現地入り・リハ

•11:00 開場

•11:20 場内MC(二人):デーゲーム限定の“お昼の笑い補給”

•11:45 始球式:光子

•11:50 セレモニー

•12:00 プレイボール

•3回裏後 “客席カメラで早口言葉チャレンジ”

•7回表後 ミニギャグ → スタンド一斉ウェーブ誘導

•試合終了後 勝利時コメント → 退場導線アナウンス(優子)



爆笑MCネタ(両日)


オープニング(二人)


優子「開幕おめでとうございます!今年も“真面目にふざけて全力応援”!」

光子「全力で声出す人、手あげて!——ありがとう。じゃあ次、全力で笑う人!」

(客席わー)

優子「今、笑った人はもうウォーミングアップ完了です。」

光子「選手より先に仕上がらないように気をつけてください。」


客席巻き込み“笑ってストレッチ”


光子「両手を上に〜、深呼吸〜。はい笑顔キープ!」

優子「その顔のまま、推し選手の方向にハート送って!」

(ビジョンに客席。ハートで埋まる)



始球式:演出メモ


金曜(投手:優子/ドラム女王)

•イントロSE:ハイハット刻み→スネア・ロール→「ピン!」(卓球ネタじゃなくスティックを回してから硬球へ)

•ひと言:「今日は“フォーク”じゃなく“フォート(Fort)=勝ちの拠点”、ここに作ります!」

•投球は“テンポ良く”ワンバン無しを狙う。外したら即ツッコミ。

•外した時の回収:「すみません、テンポ200で走りすぎました!」


土曜(投手:光子/“SWING”作曲者)

•ルーティンは“テニスのサーブ”風トス→静かに一拍置いて投げる。

•ひと言:「ダブルフォールトはしません。一球で決めます。」

•投げた直後、客席に向けてガッツポーズ→ビジョンに“SWING!”ロゴ。



場内アナウンス原稿(抜粋)


金曜:アナウンス担当=光子


「Ladies and gentlemen, welcome to Fukuoka PayPay Dome.

本日の対戦は、福岡ソフトバンクホークス 対 東北楽天ゴールデンイーグルスです。

ただいまより、スターティングラインナップを発表します——」


(各選手名は通常読み。テンポは軽快、噛まない、笑いはMCパートに集約)


土曜:アナウンス担当=優子


「本日はご来場ありがとうございます。球場内は飲食OKですが、笑いすぎて咳き込むのは自己責任でお願いします。

それではスターティングラインナップです——」


(審判交代・攻守交代・注意喚起はきっちり、声色は明るく)



7回ラッキーセブン:30秒ミニコント


タイトル:「今日イチの“見逃し”」

光子(審判モノマネ)「今のは……見逃し笑い三振!」

優子(打者役)「いや、笑いは振り切るもんやろ!」

二人(客席へ)「せーの——“全員フルスイング!”」

(客席ウェーブ、ビジョンに“SMILE FULL SWING”)



ヒロインタビュー(勝利時)


光子「今日のヒーローです!ナイススイング!」

優子「最後にファンへ一言——“開幕から全員で突っ走ろう!”」

(選手コメント受け、二人で〆)

二人「今年も“勝って、笑って、また来週!”ありがとうございました!」



裏導線チェック(制作メモ)

•フィールド入退場:一塁側通路 → センター寄りアウトで集合→規定位置へ

•マイク:ハンド&ピン2系統(風防あり)

•BGMキュー:

•MC入場=“TOKYO”インスト(-10dB)

•始球式=各人テーマSE

•7回ミニコント=SEなし(客席音を活かす)

•安全配慮:ファウルエリア立ち位置マーキング、球団担当と再確認



光子「準備OK。緊張よりワクワクが勝ってる。」

優子「うちらの役目は“空気を上げる”。点も声も笑いも、全部取りにいこう。」


——開幕は、球も、声も、笑いも、全てが走る夜と昼になる。





桜トレイン、満開ツアー


日曜。開花宣言から最初の晴れ。

二人はICカード満タン、鼻セレブ、レジャーシート、からあげ棒——花見フル装備で出発。


1駅目:上野


改札を出た瞬間、空がピンクに切り替わる。

屋台の焼きそばの香り→即吸引。

「写真撮るよ!」

—シャッター:


〈スナップ#1〉桜の海の真ん中で、からあげ棒を掲げる二人。

キャプション「花よりタンパク質」


公園の路上ミュージシャンの横で、つい口笛ハモり。

通りすがりの子どもがチップ箱に小銭を投入。

「いや、うちらはギャラいらんよ!」

ミュージシャン:「そのままで大丈夫です(ニコ)」


2駅目:九段下(千鳥ヶ淵)


ボート待ち“120分”の行列。

「二時間あればアルバム一枚仕上がるね」

「じゃ、橋の上で“空中ボート”にしよ」

風が吹いて、桜吹雪が顔に直撃。

「無料のスノーマシン、季節限定」


3駅目:中目黒(目黒川)


橋の上、桜トンネル渋滞。

優子が小声で“車内アナウンスごっこ”。

「次は、恋バナ〜恋バナ〜、お降りの方は覚悟の上で〜」

周りのカップルがクスッ。

すれ違うおばあちゃんに席を譲られる勢いで、なぜか飴ちゃんもらう。

「え、関西式優しさ、ここで発動?」


4駅目:吉祥寺(井の頭公園)


スワンボート列の横で、スワンと目が合う。

光子「あなた、推し選手は誰?」

優子「返事は“クワー”だって」

ベンチでおにぎり広げ、鯉の視線が痛い。

「分かったよ、一粒だけな」→即大群。

学び:鯉はSNSより拡散が速い。


5駅目:浅草(隅田公園)


桜×スカイツリーの最強ツーショ。

強風で前髪が完全に“さくらサイクロン”。


〈スナップ#2〉髪ふわっふわの二人と、遠景のツリー。

キャプション「映えとバエてる」


電車内の小ネタ


山手線で、二人シート端っこ。

光子「今日のコール&レスポンス、“花より?”」

優子「“睡眠!”(昨夜2時までデモ修正)」

周囲の乗客、肩を震わせる。

降車時、ドア前で小声の早口言葉バトル。

「さくらさくらさくさくさくさく——」

「サクッと噛んだね?」

「花粉のせい(責任転嫁)」


〆:中央線の夕景


オレンジ色の車窓に、線路脇の桜が流れる。

コンビニで桜餅といちごミルクを買って寮へ。

レジャーシートは花びらだらけ。

グルチャに今日のベストショットを投下して、句会ごっこ。


光子「桜より 改札出たら 腹へった」

優子「満開と 満腹どっちも 優勝だ」


——電車に乗って、笑って食べて、また笑った。

東京の桜は、今年もちゃんと、うちらの春を連れてきた。

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