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三姉妹爆笑交響曲 — 大学生篇から陽翔&結音誕生まで  作者: リンダ


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31/115

園内恋バナ緊急会見?

寮ラウンジ/深夜の“職人工房”ミーティング

•光子「笑いは工芸品。下ごしらえガチ→本番は脱力」

•優子「“面白い”の前に“整える”。だからうちら毎回これやる↓」


5分ドリル(真面目にふざける稽古)

1.無音10秒:全員で黙って目だけ合図。

2.2-5-2手拍子→ピタ停止:音の“切り”を磨く。

3.3拍ディレイ拍手:反響のある会場用。

4.アイコンタクトだけでオチ誘導:声を使わない段取り。

5.深呼吸BPM60:暴走しそうな笑いを“整える”ブレーキ。


職人の七つ道具

タイマー/メトロノーム/タオル/のど飴/ホワイトボード/モバイルバッテリー/サロンパス(腹筋用)


ソフィーア「まとめます。“Professional silliness is serious business(真剣なふざけは、真剣な仕事)”」

全員「はんこ、ドン!」(ダンボール製“職人免許”を自作で授与)


光子「次の現場はマリンで“沈黙の職人芸”いこ」

優子「無音→拍手の一撃で、今日も真面目に笑い取りに行きます!」




土曜ひるさがり「園内恋バナ 緊急会見」


ピコン。

画面いっぱいに春介、横からほのか、もう一方から春海、そして後ろでみなとがピョコ。


光子「四人そろってるの珍しいね。なにが起きたの?」

優子「はい、ただいまより“園内恋バナ 緊急会見”を開始しまーす」



第1部:春介サイド


ほのか(マイク代わりの積み木を握って)

「質問です! きのう幼稚園で春介くんの左右に女の子が座った件、**彼女(=わたし)**がいるのにどういうおつもりですか!」


春介(胸に手)

「えー、園内の風向きの問題で、左からは“おやつかぜ”、右からは“おしゃべりかぜ”が…」


ほのか「風のせいにしたっ!」


春介「じゃ、証拠映像です」

(お決まりのハイパー誘惑ウィンク→空中にチュッ)


ほのか「……はいメロメロになりました。無罪!」

(自分で判決を出して照れる)


優子(小声)「判事ちょろすぎ問題」

光子「でも平和になったならヨシ」



第2部:春海サイド


春海(胸を張って)

「きのう、まえと左右に男の子が座って『ぼくとけっこんしてください!』って三方向から言われました。

それでわたし、『すきなひとがいるの』って言いました。…はい!」


みなと(ガバッと前に)

「それって、ぼくのこと?」


春海(即答)

「べつに。……たぶん」


みなと「“たぶん”ってなに!?」

(床に倒れこんでジタバタ)


春介すかさずツッコミ

「おいおい、虹色の希望を出してから消すの、やめてあげて!」


春海「じゃあ、みなとのがんばりをみてけんとうします」

(ペコリ)


みなと「がんばります! あしたからお当番増やす!」


優子「努力の方向は正しい」

光子「現実的な加点方式、好き」



第3部:クロス質疑


ほのか「春介くん、つぎに左右に座られたらどうするの?」

春介「中央宣言します。『ぼくはまんなかのほのか派です』」

ほのか「よくできました(満面)」


みなと「春海ちゃん、ぼくになにしたら加点ですか」

春海「おやつをわける勇気と、すべり台で先に行かせるやさしさ」

みなと「(メモ)了解!」


春介「じゃ、最後に共同声明」


四人そろって、せーの——

「けんかしない/やきもち言葉はやわらかく/おやつは半分こ!」


(拍手)



優子「本日の会見は以上です」

光子「記念撮影——って、ちょ、春介近い近い!」


春介がドアップでまたウィンク。

ほのかはハート目、みなとは気合のガッツポーズ。

春海は一拍おいてから小声で「……やっぱりちょっとメロったかも」と自白。


優子「セルフ暴露! きょうのMVPは正直です」

光子「ごほうびはクッキー。全員半分こな?」


四つの手が画面越しにぱぁっと広がって、

土曜の午後は、平和に、そして盛大に笑いながら閉幕した。





ビデオ通話の画面が四分割。

左上にアキラ、右上に美香、左下に光子、右下に優子。その下から春介と春海がぴょこん。


アキラ「——で、あんたたち何やってんの〜?」

美香「みっちゃん、ゆうちゃん、ごめんねぇ。報告。じいじとばあば、笑いすぎて腹筋つったって。」


光子「む…無事!?」

美香「生きてる生きてる。サロンパス貼って**“無音でうめき声”**しとる。」


優子「“無音でうめき声”って新ジャンルやん!」(笑い崩れる)


アキラ「さっき整骨院に電話したら、『小倉家名義で笑い外傷ポイント溜まってます』って言われたよ。」

優子「うちの家系、健康保険の欄に“原因:小倉家コント”って書かれる未来見えた。」


春介(胸を張って)「ぼく、ハイパー誘惑ウィンクがんばった!」

春海(得意げ)「わたし、冷静ツッコミでバランス取った!」


美香「それよ、それ。攻撃と守備がプロ仕様なのよ。」

アキラ「次から“やさしいモード”搭載しよ? 出力つまみ、200%を**80%**へ。」


光子「了解。まずは被害者説明会やろう。『笑う前のストレッチ三箇条』——

①飲み物は置く ②腹式呼吸で予熱 ③笑いのピーク前に一回無音。」


優子「それと**“笑い避難訓練”**な。サイン出したらみんなで“2-5-2手拍子→ピタ停止”。」


(そこへ背後で「イテテ…」と小さく聞こえる。画面の端に優馬と美鈴が登場、腰を押さえながらピース)


優馬「ご心配なく。笑いは命に別状なし。」

美鈴「ただし翌日筋肉痛は別件扱い。」


光子「ほんとごめん。次からやさしいモードで行くけん。」

優子「代わりに無音ウィンクを増量します。」


美香「それはそれで危険物。」

アキラ「じゃ、最終確認。今日の夜、じいじばあばに**“クールダウン・コント”**届けて?」


春介「タイトル『しずかなハイパー』!」

春海「“ハイパー”が残っとる!」


光子「台本、いま切る。ボケ3割・ツッコミ3割・無音4割。」

優子「プロの配合比きた。」


美鈴「はいはい、じゃあ今から白湯飲んで横になります。」

優馬「次の連絡は“腹筋に優しい報せ”で頼む。」


全員「了解でーす!」


通話が切れたあと、双子は顔を見合わせる。

光子「…やさしいモードでも笑わせるのが、プロ。」

優子「**真面目にふざけて、家族を守る。**それがうちらの職人芸。」


二人は即席ホワイトボードに“今夜の配合”を書き出し、

サロンパスと白湯を画面の端にそっと置いた。

準備OK——今夜は“穏やかに効く”コントで、家族の腹筋を守って笑わせる。





笑い家系図(予定…いや、ほぼ確)


— 優馬&美鈴

  ↓(ボケ:無意識/ツッコミ:秒速)

— 光子&優子 + 美香

  ↓(職人化・台本なき台本)

— 春介&春海

  ↓(出力可変・やさしいモード実装)

— 春介&ほのか / 春海&みなと

  ↓(園内恋バナ式コントへ進化)

— 未来の「四葉よつばシステム」完成。予定? → 予定(ほぼ確)。


受け継がれる“笑いの家訓・五箇条”

1.真面目にふざける。(下ごしらえはガチ、本番は脱力)

2.無音を恐れない。(2-5-2手拍子→ピタ停止は万能合図)

3.出力は可変。(200%は年1回、普段は80%で家族を守る)

4.オチはやさしく。(笑った後に「だいじょうぶ?」の一言)

5.半分こ。(おやつも、拍手も、スポットライトも)


未来の継承式ショートシーン


リビング。家族全員集合。

光子が額装した“笑い免許”を掲げる。

優子「本日、『無音ウィンク・初段』を春介に、『冷静ツッコミ・初段』を春海に授与します」

美香「ほのかちゃん、みなとくんは特別研修枠ね。課題は“おやつ半分こコント”」

春介「はい! 無音……(ウィンク)」

ほのか「(即メロ)合格!」

春海「では検定。『好きな人は?』」

みなと「(深呼吸)努力は加点待ち!」

一拍の無音——ドッ。リビングに、また“やさしい笑い”が灯る。


この家の笑いは、いつもそばに座ってくれる光だ。

バトンはもう、ちいさな手の中。

予定? 予定。ほぼ確定。





第一幕:春介×ほのか「左右問題・令和版」


ほのか(18)(裁判長っぽく腕を組む)

「本日の審理。中学校の席替えで**春介(13)**の左右に“委員長とAIリコメンド係”が座った件。どう釈明しますか?」


春介(姿勢よく)

「えー、左右に進捗圧と通知圧が発生しまして、心拍を守るため中庸を選択。以上です。」


ほのか「“圧”のせいにしがち。——弁護側、証拠は?」


春介(深呼吸して)

「無音ウィンク(13歳版・やさしいモード)」


[無音 1.5秒] → ウィンク一発。

ほのか(笑顔、すぐ平常心)「はい可愛い。無罪(ただし宿題は一緒にやること)」


春介「判決、前向きに受け止めます!」



第二幕:春海×みなと「加点方式アドバンス」


みなと(16)(メモ帳をぱっと開く)

「検定お願いします。項目は“やさしさ”“実行力”“おやつ半分こ意識”。」


春海(13)(顎に手)

「まず“やさしさ”。廊下で走ってきた一年生にドアを先に譲った、加点+2。

“実行力”。落ちた楽譜を黙って全部揃えて返却、加点+3。

“半分こ”。ポテチを奇数だったのに一枚分けた、神加点+5。」


みなと「やった!」(小さくガッツポーズ)


春海キリッ

「ただし“自分の分を忘れて配り切った”のは天然減点−1。でも総合は合格。」


みなと「“努力は加点待ち”から“努力は加点済み”へ更新されました!」



第三幕:クロスコンボ「無音→手拍子→落ち」


春介「では四人で2-5-2手拍子いきます。合図は目で。」


四人:パンパン・(パン×5)・パンパン → ピタッ。


[無音 2秒]

同時に:

•春介「中央宣言:ぼくは真ん中でもぶれません」

•ほのか「ぶれないなら宿題もぶれずに」

•春海「本日のオチは半分こ」

•みなと「拍手も半分こ(左右にわけて叩く)」


[間] → どっと笑い。



終幕:家訓アップデート


春海「家訓、その六を追加。“強い言葉より、やわらかい無音”」

春介「その七。“勝つより笑わせる”」

ほのか「その八。“やらかしたら正直に”」

みなと「その九。“おやつとスポットライトは半分こ”」


ほのか(判子を押す仕草)「全会一致で採択。」

春海「以上、『十年後ショーケース』閉廷。」

春介「次回、期末テスト前“勉強あるあるコント”でお会いしましょう!」


四人、深呼吸しておじぎ。

[無音 1秒]——からの、ちゃぶ台の下でそっとクッキーを四等分。

笑いは、今日もやさしく受け継がれていく。




最大出力、誤爆。


昼下がりのリビング。

ちゃぶ台の上、出力ダイヤルは——**なぜか200%**の位置で止まっていた。


春介「それでは……ハイパー誘惑ウィンク・フルスロットル!」

ほのか「判決! きょうの私は——(受信)……一時的に理性停止!」

春海「全力ツッコミ・オーバークロック!」

みなと「がんばりポーズ・マキシマム!」


——ドッ(笑)

部屋の空気が一瞬、弾けた。


ドミノ的被害(平和的)

•隣室のスマートスピーカーがなぜか「拍手」の効果音を勝手に再生。

•じいじ・ばあば宅のサロンパス使用枚数が自動更新(貼り過ぎ注意)。

•ミライマートの篠崎さん、レジ横で笑い咳き込み→「コーヒーは置いて笑う」の貼り紙が増設。

•整骨院の予約アプリが「笑い外傷・腹筋」で埋まる(先生苦笑い)。


緊急停止フロー(家訓・即時発動)

1.無音サイン(全員で目配せ→黙る)

2.2-5-2手拍子 → ピタ停止

3.深呼吸×3(腹式でクールダウン)

4.水分補給(白湯 or 常温の水)

5.**“低出力宣言”を誰かが口にする

 「ただいまよりやさしいモード80%**に切り替えます」


(実行)


ほのか「……戻った。宿題のページ数、現実が見えるようになりました」

みなと「腕のプルプルも治まった(がんばりポーズ下げ)」


反省会(30秒)


春海「最大は年1回のフェス限定、家での常用は禁止」

春介「ダイヤルに赤テープ貼ってロックしよう」

ほのか「“理性停止”が出たら撤収コール」

みなと「飲み物は先に置く——これ最重要」


アフターケア・オチ(やさしい仕上げ)


四人でクッキーを四等分。

春介「笑いもおやつも半分こ」

春海「強い笑いほど強いケアで中和」

ほのか「判決:本日の最大出力は執行猶予」

みなと「次回は“無音→小出し→やさしい”の三段階で」


——静かな拍手。

ちゃぶ台の上のダイヤルには赤いテープと小さな鍵。

最大出力は封印、でも笑いはちゃんと残る。

それが、この家の“プロのふざけ方”。





カオス十二手「いとこ会、全員主役」


日曜の午後、リビング。

今日は特別——春介&春海に加えて、

光子×翼の子ども3人と、優子×拓実の子ども3人が合流。

(年少〜小2くらいの粒ぞろい)


ちゃぶ台の上には、折り紙・積み木・無線マイク(おもちゃ)・

そして恐怖の**“出力ダイヤル”**(紙製)。



① オープニング:列車は突然に


春介「本日のコント、『最強ごっこ列車』! 先頭はぼく!」

年長組A「私は車掌!」

年少組B「ぼく、ドア〜!」(両手で開閉ポーズ)


— ずらり連結。

曲がり角でクッション山に正面衝突→ふかふか雪崩。

全員、笑いの転覆。


春海「無事〜? 指ふやして点呼!」

子どもたち「いーち、にーい、さーん!」(元気)


光子(小声)「クッション助かるね…」

優子「安全第一。笑い第二。ダイヤルは**80%**固定ね」



② おやつ半分こ裁判


ほのか(18)(冷静判事モードで見守り参加)

「みんな、おやつは平等に。『半分こ裁判』はじめます」


年少C「チョコ一個は半分こむずかしい!」

春介「ここで家訓・第五条。『スポットライトもおやつも半分こ』」


チョコをホットケーキに埋蔵→切り分け。

「出てきた!」→歓声。

**みなと(16)**がカット係で神手さばき。

「職人!」と拍手の渦。



③ 最大出力、誤爆寸前


年長組Dが例の出力ダイヤルをクルッ…

ほのか「待った。針が**200%**に近づいた!」


春海「緊急停止! 2-5-2手拍子!」

全員:パンパン・(パン×5)・パンパン → ピタ。


[無音 2秒]

…空気が落ち着く。

優子「よし、呼吸。白湯いこ。」

紙コップで一斉に“かんぱい(白湯)”。



④ ミニ発表会:無音→小出し→やさしい


春介「では“やさしいモード”で順番に一発芸」

•年少B:無音ウィンク → 0.5秒遅れてニコッ(会場とろける)

•年長A:冷静ツッコミ「今の無音、プロ」

•年少C:ドア役の開閉音まね「ピンポン、閉まります」

•春海:加点方式アドバンス「おやつを渡すとき目を見た、+2!」

•みなと:全力でうなずく(静かな笑いが広がる)

•ほのか:理性セーフの微笑(場内安全確認)


光子「うん、全員やさしさ勝ち」

優子「“勝つより笑わせる”、合格」



⑤ カオスのピーク:即興ごっこ歌


誰かがピアノのおもちゃでドレミ。

自然と輪ができ、即興ごっこ歌が始まる。


「♪ ならんで歩く いとこ道

 半分こしたら みんな主役

 無音で合図 ふわっと笑う

 つよいことばは 今日はいらない」


最後の一行で——[無音 1秒]。

拍手、ぱらぱら→やがて大きな拍手に。



⑥ エンディング:後片づけもコント


春介「片づけ選手権〜!」

春海「“速い”より“静か”が高得点!」

年長が年少をフォロー、積み木は“色別駅”へ帰還。

折り紙は“基地”へ収納。

スコア係・みなと「全員、満点!」


ほのか「判決。今日のカオスは良質。

次回は『宿題あるある・やさしいモード篇』を予定」


子どもたち「はーい!」


ちゃぶ台の上、出力ダイヤルには赤いテープ。

白湯の湯気、ふわり。

笑いは満ちたまま、音は小さく、余韻だけが部屋に残る。


——この家のカオスは、やっぱり優しい。





家族構成(確定案)

•光子 × 翼:3人

•長男 → 次男 → 長女(=男2/女1)

•優子 × 拓実:3人

•長女 → 次女 → 長男(=女2/男1)


ざっくりキャラ配置イメージ

•光子キッズ:上の兄2人は突発ボケ担当、末っ子妹がトドメの一言で場をさらう。

•優子キッズ:上の姉2人が司会&ツッコミの双頭体制、末っ子弟は無音で全部持ってくタイプ。


ミニシーン(30秒)


日曜のリビング。「いとこズ6」ミーティング。


姉①「本日の議題、おやつ半分この公平性について」

兄①「異議あり!ポテチは奇数」

姉②「奇数は**“一枚は拍手に回す”で解決」

兄②「拍手用!?」(叩いて食べるマネ)

妹「じゃあ私が拍手係長**ね」

弟(無音でうなずく→全員ふにゃっと笑う)


——静かな笑い、勝ち。





未来をちょい見せ




入園式は、だいたいコメディ


朝。玄関にランドセル未満の小さなリュックが六つ、整列している。

光子と翼の三きょうだい——陽翔はると燈真とうま彩羽いろは

優子と拓実の三きょうだい——結音ゆのん灯乃ひの悠翔ゆうと


「名札、確認ね!」と優子。

「はい! はると!」「とうま!」「いろは!」

「ゆのん!」「ひの!」「……ゆ、うと?」

最後だけ自信なさげに首を傾げる悠翔。名札を見ると——“はると”。


「待て、俺だけ今日、兄ちゃんのテスト版か?」


朝イチで入れ替わる名札。

ついでに燈真の上履きが左右逆。

彩羽は兄たちの靴まで全部靴箱に押し込み、靴箱が満員電車みたいになる。



幼稚園に到着。門には「入園式」の立て看板。

記念写真を撮ろうと並ぶが、陽翔が列車ごっこを始め、後ろ五人が自動的に連結。


「連結確認よーし!」


声が揃ったところで、シャッター音と同時にクッション芝生へ優しい脱線。

保護者の笑い声、早速の第一波。



式が始まる。園長先生の落ち着いた挨拶の最中——

悠翔の視線がマイクに吸い寄せられる。


(やめなさいよ、と優子の目が言う)

(今日ぐらい、ちょっとだけ…と拓実の目が甘い)


次の瞬間、悠翔が超小音量ビートボックスを刻み出す。

すぐさま結音と灯乃が囁きコーラスで三度ハモりを乗せる。

陽翔と燈真は無言のジェスチャー隊になり、

彩羽は手話みたいな振りで花を添える。


園長先生、ちょっと笑う。保育士さん、完全に笑っている。


「えー……本園は、音楽と表現をたいせつにします」


(今、方針がひとつ増えた)



クラスごとの自己紹介。トップバッターは陽翔。


「はるとです。好きなものはテンポ120です」


担任の先生が一歩たじろぐ。

「えーと、趣味は、ですか?」


「趣味はテンポ変更です」


次の燈真。


「とうまです。好きなものは、光ってるステージと、太鼓の真ん中です」

(説明がいきなりアーティスト志望)


三番目、彩羽。


「いろはです。お日さまと、おやつ半分こが好きです」


教室の空気がふわっと柔らかくなる。



優子チームにバトン。


結音「ゆのんです。やさしい声で歌うのが得意です」

灯乃「ひのです。ライト役と、はっぱ役、できます」

悠翔「ゆうとです。ぼくは“音で道をゆうしょう(悠翔)する”係です」


自己紹介なのに、ほぼユニット宣言。

教室のあちこちから、小さい歓声と拍手が起きる。



休憩。保護者席では、光子と優子が

**出力ダイヤル(家訓の紙製)**をそっと取り出し、

80% のところに赤いテープを貼る。


「今日はやさしいモードね」

「うん、フェスじゃないからね」



教室に戻ると、先生が“おかたづけゲーム”を提案。


陽翔が手を挙げる。

「“速い”より“静か”が高得点のルールでどうでしょう」


先生「採用」


燈真が積み木をリズムに合わせて、色別にトントン仕分け、

彩羽が“お片づけ駅”と名付けた箱へ丁寧に収容。


結音と灯乃は歌でタイムキープ。


「♪ あと三十秒〜 おもちゃの電車しゅっぱ〜つ」


悠翔は小声でドラムカウント。


静かなのに面白い。

面白いのに静か。

先生、心の中でスタンディングオベーション。



いよいよ全体合唱。園の歌を歌うだけ……のはずが、

彩羽が隣の子に無音ウィンクを送る。


相手が0.5秒遅れてニコッ。

それを見た結音がさらに小さくウィンク。


波紋のように広がって、教室じゅうがふにゃっと笑う。


園長先生が慌てて前に出る……のではなく、

にこっと頷いて言った。


「いいね、やさしい笑いだ。歌は続けて」



最後の締め。園のカメラマンが集合写真を撮る。


「はい、ニコッ……の前に、深呼吸を三回どうぞ」

(完全にこの家系のやり方だ)


一同、すぅー、はぁー。


カメラマン「それじゃいきます。

無音 → 小出し → やさしい!」


パシャ。完璧。



式が終わり、靴箱で例の満員電車が再発する。

光子が救出、優子が交通整理。


「名札、もう一回確認しよっか」


悠翔の胸には、まだ“はると”。


陽翔が自分の名札を外して、悠翔の胸に付け替える。


「よし。これで今日のテンポ、そろうやろ」


悠翔が笑う。

「うん、じゃあ俺も120でいく」



帰り道。桜の花びらが風に回る。

六人はひとつの輪になって、

**“おやつ半分この歌”**を即興で歌いだす。


「♪ 半分こしたら 全員主役

  やさしい笑いで まるくなる」


後ろを歩く保護者の列が、そっと手拍子を合わせる。

出力ダイヤルは80%のまま。

それでも、道の空気はしっかり明るい。


——この家の入園式は、たぶん毎回こうだ。

ドタバタして、爆笑して、最後はやさしく落とす。


オチはいつも同じ結論に落ち着く。


「笑いは、みんなで半分こしたとき、いちばんおいしい」


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