ただいまの会
ただいまの会
玄関で靴をそろえ、荷物を部屋の隅に寄せる。湯気の立つ麦茶が丸卓に置かれ、座布団が円になる。
光子が肩の力を抜いて言う。「ふぅ。やっと落ち着いたね」
優子もうなずく。「腹も心も、ただいまモードや」
美鈴が湯呑みをくるっと回す。「まずは一息つきんしゃい」
優馬が笑う。「報告会、開会〜」
ソフィーアが両手を膝に置いて、しっかり顔を上げた。
ソフィーア(標準語)「みなさん、本当にありがとうございます。渡航の準備から毎日の連絡まで、ぜんぶ支えでした。無事に帰ってこられたのは、ここにいる皆さんのおかげです」
アキラが軽く会釈。「こちらこそ。で、現地の様子、みんなにも見せてやって」
ソフィーアがスマホをテレビにつなぐ。画面に写真が次々映る。
•病院ロビーでのアカペラのミニコンサート。
•リハビリ室で、義手と義足で一歩ずつ前へ進む祖父母。
•ベンチに座る看護師と子どもたちの小さな拍手。
•窓越しに見える、修復途中の街並み。
ソフィーア「これは病院の許可をいただいて撮ったものです。祖父母は手術が終わって、いまはリハビリに集中しています。医師も“回復は時間が味方する”と言ってくれて」
光子が静かに頷く。「よかった…時間は味方、覚えとく」
優子が画面を指さす。「この拍手、やさしい音やね」
春介が身を乗り出す。「この歌、お姉ちゃんの声?」
光子「そうたい、みんなで歌ったとよ」
春海が真剣に頷く。「歌、元気になるね」
——そこで春介がいきなり立ち上がる。
春介「作戦・帰還キッス!」(ハイパー誘惑ウィンク→極上投げキッス)
春海、1秒だけ目がハート。
春海「……え、待って。何で私いま兄ちゃんに落ちかけたと!?」
(額をコツン)「正気スイッチON!」
家族、どっと笑う。
美鈴「切り替え早かねぇ」
優馬「作戦は家庭内限定で頼むばい」
ソフィーアが続ける。
ソフィーア「空爆は止まっています。でも、地雷や不発弾の問題は残っています。だから、帰国後に話していた新曲と創作劇、本当に形にしたい。売上は地雷除去の活動に」
光子「うちら、やる。歌と笑いで、前へ進む」
優子「ドームのステージでも、ちゃんと伝えるけん」
美香がうなずく。「じゃあ、福岡の報告会の段取り、うちで引き取るね。資料はこげん感じでまとめて」
アキラ「音の準備は任せとって。現地の環境音もそっと混ぜよう」
画面が最後の写真に変わる。夕暮れの窓辺、祖母の笑顔と、祖父の親指グッ。
ソフィーア「“帰って来たら、あなたたちの歌をまた聴かせてね”って。…だから戻ってきました。ここに」
光子が息を吸い、いつもの合図を出す。「じゃ、家族円陣——眉ピッ → ぎゅー」
全員の肩の力がふっと抜ける。麦茶の湯気が、笑い声にまじってゆっくりほどけた。
春介が手を挙げる。「作戦・おやつタイム、発動?」
春海が即ツッコミ。「まず片付け発動やろ!」
美鈴「はい決定。片付け→おやつ→練習。順番守ったら、追加ゼリーつけたげる」
優馬「議決、満場一致!」
リモコンの電源が落ち、部屋に静けさが戻る。
“ただいま”と“よう帰ってきた”が、今日いちばんいい音で重なった。
ただいま報告・オンライン全員集合
場所:NPOみらいのたね事務所・ミーティングルーム
カメラ、リングライト、テレビ会議用の大画面。
光子が配線を手早くまとめ、優子が音声チェック。
光子「テステス、聞こえとー?」
優子「映像もよか顔で出とる。いくよ——接続!」
「ピコン、ピコン」と入室音が続き、画面がタイル状に賑やかになる。
•山口の温也・郷子夫妻+真幸(5)
•環奈&塁(環奈はお腹をさすりながら)
•さおり・朱里・樹里・小春・奏太
•そして横にソフィーアが座り、手を振る。
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オープニング
郷子「おかえり〜! よう無事帰ってきたねぇ」
温也「まずは労いや。おつかれさん」
真幸「みっちゃん、ゆうこちゃん、ただいまー!(←勢いで言い間違え)」
優子「そこは『おかえり』やろ(笑)」
光子「でも合格。気持ちは受け取った!」
環奈「体調はどうね? 無理しとらん?」
塁「画面越しでもがんばった感出とる」
さおり「報告、聞かせて」
小春「資料、共有お願い」
奏太「音、OK。回して」
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報告パート(写真・動画共有)
ソフィーア(標準語)「では、順に。これは病院ロビーでのミニコンサートです。許可を得て、患者さんとご家族、スタッフの方に向けて歌いました」
(画面に:ロビーで歌う三人、静かな拍手)
優子「空爆は止まっとーけど、地雷や不発弾の問題は残っとる。病棟の子どもたち向けに、ディズニーやジブリもアカペラで歌ったよ」
(動画:子どもがリズムを取る様子)
光子「それから、ソフィーアのおじいちゃん・おばあちゃん。手術は成功、いまはリハビリ中。医師の先生は『時間は味方』って言いよった」
(写真:祖父が親指グッ、祖母が微笑む)
ソフィーア「街は修復が進んでいる一方で、郊外には手つかずの畑が残っています。安全が確認されるまで入れない場所も。…でも、人は前を向いていました」
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みんなの反応
朱里「写真だけでも胸きゅっとなる…でも笑顔が力やね」
樹里「『時間は味方』、うちのメモに太字で書いとく」
小春「コンサートの“音”がやさしい。音量じゃなくて温度が高い感じ」
奏太「次の曲、環境音も薄く混ぜよう。現地の空気を“音景色”として」
環奈「お腹の子もぽこぽこ動いとる。たぶん拍手しよる」
塁「たぶん将来ドラマー」
さおり「こらこら、パパの願望入っとるよ(笑)」
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真幸くんタイム(小ネタ)
真幸「ぼるしちって、なに味?」
ソフィーア「スープだよ。赤い色はビーツ。優しい甘さ」
真幸「じゃあ、いちごスープ?」
優子「似とるけど違う!(笑)」
(空気が和む)
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今後の動き
光子「帰国報告会、福岡でも開くけん。資料まとめは美香、音はアキラが見る。売上は地雷除去へ寄付する楽曲と創作劇も進める」
優子「ドームツアーでも、この話はちゃんと伝える。笑いと音で、前に進む手助けするけん」
温也「配信手段は、うちからもサポートしちゃる。山口拠点でミラー配信しよ」
郷子「物販、寄付窓口の掲示も忘れんごとね」
さおり「わたしたちも会場スタッフ入るよ」
小春「コーラスの譜面、ひよりにも送っとく」
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ハプニング:兄の必殺技が火を噴く
(ちょっと沈黙)
真幸「…みっちゃん、キスのやつして」
光子「うちじゃなくて春介の必殺技たい」
優子「でも今日は代打で——」
光子「作戦・帰国記念キッス!」(ウィンク→投げキッス/※音量ゼロ演技)
画面の誰かが小さく悲鳴。次の瞬間——
春海(※横から顔だけ映り込む設定)「……一瞬、きゅんてした。…って、なんでうち今、姉ちゃんに落ちかけたと!?」
(額をコツン)「正気スイッチON!」
全員「ハハハ!」
塁「家庭内ブーメラン、炸裂」
環奈「笑いで胎教バッチリや」
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クロージング
ソフィーア(標準語)「みんな、ありがとう。次は福岡の会場で直接会えるのを楽しみにしています」
光子「最後、恒例いくよ。眉ピッ → ぎゅー」
優子「回線越しでも、気合は届くけん」
全員で小さく手を振る。画面が一枚ずつ消えていき、静かな事務所に戻る。
優子「…よし、次は資料の最終チェック」
光子「それ終わったらおやつ会議」
スタッフ一同「賛成!」
麦茶の氷が、からん、といい音で鳴った。笑いと仕事が同じ机で混ざり合う。今日も、小さくやさしい前進。
福岡高校・報告会「時間は味方」
講堂の緞帳が上がる。母校の校章、ステージ中央にスクリーン。
前原先生がマイクを握る。
「本日は、卒業生の小倉光子さん、優子さん、そしてソフィーアさんのウクライナ報告会です。会場の皆さん、そしてファイブピーチ★公式サイトと各メンバー公式アカウントで視聴の皆さん、どうぞよろしく」
後方の配信ブースで、アキラが音声、美香がスライド送出を担当。
カメラ三台、コメント欄が脇モニターに流れ始める(「見えてます!」「福井から視聴中」「寄付の案内あとで教えて」)。
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1. オープニング:ただいま、母校
光子が一歩前へ。
「帰ってこれて、うれしかね。今日は“見たこと、聞いたこと、感じたこと”を、ぜんぶ言葉にして持って帰ってきたけん、最後まで聞いてくれんね」
優子が頷く。
「難しか話はなるべく噛みくだいて話すけん。途中で分からんとこあったら、後のQ&Aで何でもどうぞ」
ソフィーアが深く一礼。
「支えてくださって、ありがとうございます。写真と動画で、現在地をいっしょに確認していただけたら」
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2. スライド①:病院のロビーで
スクリーンに、ロビーのミニコンサート、静かな拍手の映像。
「空爆は止んどる。でも、病院には地雷や不発弾の被害を受けた方が多くおってね」光子。
「歌の音量は小さく、でも温度は高く」優子。
ソフィーアが補足する。
「“時間は味方”と医師が言いました。祖父母は手術を終え、今はリハビリに集中しています」
配信コメント:
「時間は味方、メモった」
「拍手がやさしい……」
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3. スライド②:街と畑
修復途中の建物、郊外の荒れた畑。
「ここ、昔は小麦畑やった。今は安全確認が終わらんけん、誰も入れん」光子。
「見た瞬間、胸がぎゅっとなった。けど、人は前に進む準備を始めとった」優子。
ソフィーアが小さく微笑む。
「祖父母は“また種をまく”って言っています」
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4. ミニ朗読&アカペラ
三人がマイクを持ち、短く朗読。
•光子「わたしたちは、生きとる。生きとるけん、声を出せる」
•優子「声を出せるけん、届く」
•ソフィーア「届く声は、いつか守る手になる」
続けて、祈りのアカペラをワンコーラスだけ。会場が静かに息を合わせる。
配信コメント:
「泣いた」「でも前を向ける歌や」
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5. 具体的な学び(短く要点)
•現地で役立ったこと:通訳の準備、許可取り、低刺激の演出、現金より現物支援先の確認。
•課題:地雷・不発弾、メンタルケア、復興の担い手不足。
•わたしたちがやること:
1.新曲「TOKYO/光の縫い目」(仮)に現地の音景色を織り込む。
2.創作劇「時間は味方」制作。
3.物販と配信の売上の一部を地雷除去活動へ。
(寄付窓口や詳細は配信画面と場内QRで提示)
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6. Q&A
生徒「怖さとどう向き合いましたか?」
優子「怖か。だからこそ“できる準備”を全部やる。許可、動線、撤退基準。準備した分だけ、心拍が落ち着く」
生徒「笑いって、役に立つんですか?」
光子「立つ。緊張をゆるめるけん。笑いは“余白”を作る。そこに言葉が入るっちゃん」
ソフィーア「笑顔は“痛みを消す”わけではありません。でも、“痛みに場所を与えてくれる”。それで前に進めます」
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7. ちょびっとだけ、いつもの彼ら
前原先生「最後に、少しだけ…いつものやつ、お願いできる?」
会場ざわつく。配信コメントが一気に流れる。
光子「じゃあショートだけ。タイトル**『校門前・ただいまの術』**」
優子「“ただいま”と言うたら?」
光子「“おかえり”が返ってくる」
優子「“助けて”と言うたら?」
光子「“おるばい”が返ってくる」
二人「それが、うちらの校風。」
(拍手、笑いと涙が混じる)
ここで観客席の通路に——春介と春海(家族席)がそっと手を振る。
春介がこっそりウィンク。
春海、一瞬目がハート→額コツン「正気スイッチON! 家庭内限定やけん!」
客席、どっと笑い。
前原先生「オチまで完璧」
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8. クロージング
光子「まとめ。時間は味方。そして、声は届く。今日ここにおるみんなの“ただいま”が、遠くの“おかえり”につながるけん」
優子「ステージでも配信でも、また会おう。眉ピッ → ぎゅー」
大きな拍手。配信コメントが滝のように流れる——
「寄付した」「現地のこと知れた」「福岡から誇り」
緞帳が下がり、配信はエンディングへ。
裏方で美香が親指を立て、アキラが静かにOKサイン。
母校の廊下に、拍手の余韻が長く長く残った。
反応ダイジェスト
•キーワード拡散:「時間は味方」がトレンド入り(福岡圏内ローカルトレンド1位、全国でも上位に浮上)。
•切り抜き爆伸び:
1.病院ロビーのアカペラ(30秒版)
2.春海の「正気スイッチON! 家庭内限定やけん!」のオチ
3.校門前ミニコント「“助けて”—“おるばい”」
•寄付導線:配信中に寄付ページへのアクセス急増。一時的に読み込みが重くなる時間帯も。
タイムラインの声(抜粋)
•「涙と笑いが同時に来た…“時間は味方”、今日の合言葉」
•「歌の音量は控えめやのに“温度”が高いって表現、わかりみ」
•「“おるばい”って返事、博多の温度やね」
•「春海の『正気スイッチON』、秒でスタンプ化希望」
•「寄付した。使途レポも楽しみにしてる」
•「ソフィーアさんの語り、すごく落ち着く。字幕付きアーカイブ欲しい」
•「現地の写真、現実が刺さる。でも前を向く力をもらった」
バズったポイント
•言葉:短く覚えやすいフレーズ(「時間は味方」「おるばい」)。
•温度:過度な煽りなしの事実+優しい笑い。
•連携:音楽・コント・寄付導線が一本のストーリーで繋がってたこと。
リクエスト&建設的な指摘
•「英語字幕つけて海外の友達にも見せたい」
•「要点スライドの配布PDFお願いします」
•「音が小さい場面があった(スマホ視聴)。音量オート正規化あると助かる」
•「寄付の使い道レポ(四半期ごと)を継続公開してほしい」
•「アカペラのハーモニー解説、配信でやって!(作曲科・声楽科の視点)」
二次創作・ファンムーブ
•早速「眉ピッ→ぎゅー」のファンアート。
•春海の「正気スイッチON」手振りGIFが拡散。
•合唱部・吹部アカからコーラスカバーの投稿予告が相次ぐ。
ざっくり数字(速報・事務局集計ベース)
•同時視聴ピーク:約3.8万
•24時間再生:42万
•切り抜き合算:160万再生超
•寄付トライ件数:1.6万件(※最終確定は後日レポ予定)
次アクション(ネットの声を受けて)
1.アーカイブ公開(チャプター付/音量正規化/日本語・英語字幕)。
2.寄付レポの定期公開(四半期ごと・グラフ付)。
3.「時間は味方」の歌詞カード&簡易スコアをウェブ掲載。
4.春海「正気スイッチON」スタンプ(無料配布のミニ絵文字)検討。
反応の主なかたまり
•「本来は政府の仕事」派
「復興・地雷除去は国家や自治体がやるべき。民間はどう関わるのが適切?」
•「個人でここまで」派
「学生とアーティストがここまで動くの凄い。行動力に敬意」
•「まずは無事でよかった」派
「安全第一で帰ってきてくれて本当に安心した」
公式アカ・個人アカでの“短文テンプレ”案
1.政府の役割について
「公的支援が柱です。うちらは“隙間を埋める補助線”。現地公的機関・NGOと連携し、寄付は信頼できる団体へ透明に流します。」
2.個人でできる範囲
「できることは小さくても、継続と透明で大きく。四半期ごとに使途レポ出します。」
3.安全面
「事前許可/現地コーディネーター同行/撤退基準を設定。無理はしません、命最優先です。」
4.感謝&次アクション
「見てくれて、考えてくれて、ありがとう。寄付・拡散・学ぶこと、どれも力になります。」
5.双子口調(博多弁・ショート)
「公の仕事は公が柱。うちらはよか補助線になれたら十分やけん。安全第一で、笑いと歌で前へ進むばい。」
すぐ出せるFAQ(掲載推奨)
•Q. 政府がやるべきでは?
A. その通りです。国家・自治体・国際機関が主役。私たちは文化の力で関心を保ち、認定団体へ資金と注意を橋渡しします。
•Q. 寄付はどこへ?
A. 地雷除去・義肢支援などの第三者評価済み団体に限定。配分例(案):除去70%/医療・リハビリ20%/運営10%。四半期レポで公開。
•Q. 安全は?
A. 事前許可・行動計画・危険地域回避・現地ガイド・保険加入・情報の時差公開を徹底。
•Q. 政治的立場は?
A. 特定勢力の支持ではなく人道支援。被害者の安全と回復を最優先にします。
次の打ち手(広報運用)
•アーカイブに英語字幕+スマホ向け音量正規化。
•**寄付使途レポ(四半期)**の雛形公開(グラフ・領収書抜粋・連携先一覧)。
•「時間は味方」特設ページ:目的/できること・できないこと/安全ポリシーを明記。
•コメント対応方針:異論は歓迎、誹謗・差別は非表示。丁寧に一次情報と連携先を提示。




