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三姉妹爆笑交響曲 — 大学生篇から陽翔&結音誕生まで  作者: リンダ


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25/113

帰国。博多へ

月曜のちいさな舞台、錆びた観覧車、そして「明日、帰るけん」


小児リハビリ病棟のロビーにて


昼どき。カラフルな壁画の前に、ちいさな車椅子と松葉杖が半月形。

光子(博多弁)「今日は“歌の散歩”ば連れて行くけん」

優子(博多弁)「息がしんどくなったら、眉ピッ→ぎゅーで休憩ね」

ソフィーア(標準語)「英語詞で歌います。口の形だけ真似してくれても大丈夫」

•『Let It Go』:手を広げるジェスチャーだけで、声はやさしく。

•『Part of Your World』:指先で“泡”を作って、子どもたちが空へ放つ。

•『さんぽ』(Totoro):足踏みはしない。**指で“とことこ”**の合図だけ。

•『君をのせて』(Laputa):最後の和音を胸に当てた手でそっと着地。


看護師さんが目だけで笑う。

小さな男の子が、外した義手の先でひらひら拍手をしてくれた。

光子「歩数はゼロでも、今日は遠くまで歩いた気がする」

優子「息が入ったぶんだけ、世界が広がるね」


壊れた遊園地と動物園の跡


午後、郊外。フェンスの向こう、止まったままの観覧車、割れた木馬、空の檻。

ソフィーア(標準語)「ここ、家族で来た場所。綿あめの匂い、ライオンの昼寝……」

光子(博多弁)「音が全部“昔の形”で残っとる気がする」

優子「再開の日に鳴らすファンファーレ、うちらが作ろう」


三人でメモ。

•金属の軋み=低いハミング

•風に回る旗=ささやきのトリル

•最初の再点灯=長い休符のあと一粒の高音


夜の報告と「明日、出国」


ゲストハウス。ハーブティーの湯気越しに、家族・仲間のグルチャ。


光子「本日のキーウ報告——眉ピッ→ぎゅー」

優子「小児リハでアカペラ、『アナ雪』『リトルマーメイド』『さんぽ』『君をのせて』。指先の拍手がいっぱい」

ソフィーア「壊れた遊園地・動物園跡を確認。安全線厳守。作品のモチーフを記録」


光子「明日、出国するけん。朝は短い面会、昼には空港へ」

優子「生存ピンはいつも通り入れる。単独行動なし、深呼吸多め」


翼「無事が最優先。帰国動線はこっちでも二重に確認した」

拓実「空港〜国境の警備情報、朝イチで送る」

美鈴「体あたためて寝り。泣きたい時は泣いてよか」

優馬「父のダジャレは検疫で没収(封印継続)」

(全員、笑いをこらえて肩が揺れる)


光子「荷物最終チェック——パスポート、チケット、青黄リボン、ひまわりバッジ」

優子「眉ピッ」

ソフィーア「ぎゅー」


窓の外、観覧車は暗いまま。でも、

三人のノートには再開のファンファーレが、もう小さく書き込まれている。

——明日、無事に帰る。そして必ずまた来る。




画面越しの眉ピッ


ゲストハウスのWi-Fi、接続良好。

光子がビデオ通話を押すと——どアップで春介と春海が飛び込んできた。


春介「おねえしゃん!いたいいたいない?」

はるみ「**けがした?**はやくかえってきてぇ〜」

(背後で美香の笑い声)


優子(博多弁)「大丈夫やけん、心配ばありがとう。もうすぐ帰るけんね」

光子「眉ピッ→ぎゅーしよっか。ほら、こう」


三人+幼児ズで同時眉ピッ。

春介「まゆぴっ!」

はるみ「ぎゅー!(画面にほっぺ押しつけ)」


光子「日本帰ったら、おみやあるよ」

優子「木のオーナメントと、ひまわりバッジ。あと、どうぶつの絵本も買うてきた」

春介「ぼく、きいろのひまわり!」

はるみ「どうぶちゅ、きりんがいい!」


美香(博多弁)「二人とも、よかったねぇ。ばあば(美鈴)とじいじ(優馬)にも見せに行こうね」


春介「おねえしゃん、おみやは “はこパカッ” していいと?」

優子「到着してからね。フライング開封は禁止〜」

はるみ「ふらいんぐ? とりさん?」

光子「ちがうちがう(笑)。先走りのことたい」


春介「じゃあ、はやく “せんそうぴん” おしてね!」

優子「生存ピンな!ちゃんと毎晩押しよるけん安心せい」

はるみ「じゃ、はるみから “はっぴーぴん”!(両手でハート)」


光子「最後に合図、いくばい——眉ピッ」

優子「ぎゅー」

春介「ぴっ!」

はるみ「ぎゅ〜〜〜(からのハイパー誘惑ウィンク&極上投げキッス)」


画面のこちら側で三人、被弾して笑顔。

ソフィーア(標準語)「完璧な命中です。これで今夜も安心して眠れます」


光子「二人とも、よか子で待っとって。**明日出国→あさって“ただいま”**やけん」

優子「歯磨いて、ねんねよ〜」

春介・はるみ「「はぁ〜い!おやちゅみ〜!」」


通話が切れ、部屋に静けさ。

三人は小さく手を合わせて——眉ピッ→ぎゅー。

帰る理由が、また一つ増えた。





火曜の朝、手を振る約束/国境を越えて、帰路へ


病室にて——「また来るけん」


消毒液の匂い。朝の光が白いカーテンを透けてくる。

ベッド脇でペトロ(祖父)が左の義手を軽く持ち上げ、ナディヤ(祖母)が右足の義足にそっと手を添えた。


ソフィーア(標準語)「きょう、日本に戻ります。ありがとうございました。また、かならず来ます」

ペトロ(ウクライナ語/微笑)

ソフィーア(訳)「**“歌は遠くまで届く。今日も聞こえていたよ”だって」

ナディヤ(静かに)

ソフィーア(訳)「“次は畑の前で写真を撮ろう”**って」


光子(博多弁)「また来るけん。今度は畑で“眉ピッ写真”撮ろ」

優子(博多弁)「無理はせんでよかよ。うちらもこっちで深呼吸しとくけん」


ドアのところで、ソフィーアの両親——アンドリー(父)とオレーナ(母)が頭を下げる。

アンドリー「あなたたちの勇気に感謝します」

オレーナ「娘の心を支えてくれて、ありがとう」


光子・優子は連絡先カード(メール/メッセ/ビデオ通話ID)を渡す。

光子「なにかあったら3タップでつながるけん」

優子「時差は“眉ピッ”で乗り切ると(笑)」


最後に三人で眉ピッ→ぎゅー。

窓の外で、朝の雲がゆっくり形を変えた。



国境越え——舗装の上だけ


昼前、イリーナ(現地コーディ)が運転する車で国境へ。

舗装道路の端に赤い杭とドクロの標識。

財布にしまった青黄のリボンをもう一度、指で撫でる。


検問の隊員がパスポートを返し、親指を立てる。

優子(小声)「無事に、線の向こう」

光子「ただいま(仮)達成」



ワルシャワ近郊空港——出発口前のメモ


出発ロビー。掲示板にNRTの文字。

ハーブティーを分け合いながら、三人でノートを開く。

•小児リハの指先拍手=トライアングルの無音キュー

•観覧車再点灯=長休符→単音高音

•寄付配分フロー:地雷除去/義手義足調整/子ども病棟の本


ソフィーア(標準語)「帰ったら、まず“ただいま便り”を書こう。ここで会った人たちへ」

光子(博多弁)「それ、歌詞の“0番”にしよ」

優子(博多弁)「タイトルは帰りの機内で決めるか——“線の内側”とか?」


ゲートが開く。

三人は端末を取り出し、家族・仲間グルチャに一斉送信。


【生存ピン】国境通過→ワルシャワ発 成田行き、これから搭乗。眉ピッ→ぎゅー。


画面の向こうで既読が並ぶ。

**「無事最優先」「帰ったらラーメン」「ダジャレ検疫継続」**のスタンプが雪崩れ込む。


光子「**行ってきます、じゃなくて“帰ってきます”**やね」

優子「うん、帰ると。そしてまた来ると」

ソフィーア(微笑)「また、畑の前で」


三人は小さくハイタッチ。

眉ピッ→ぎゅー。

飛行機のドアが閉まる音が、今日の区切りになった。





「ただいま」成田→寮→そして博多へ


成田、タッチダウン


機体がふわりと滑走路に触れ、逆噴射の低い唸り。

光子(博多弁)「着いた!——ただいま日本やね」

優子「生存ピン送るよ。『成田着陸、無事。眉ピッ→ぎゅー』」

ソフィーア(標準語)「私も送った。みんな、すぐ既読だね」


画面の向こうで、“おかえり”スタンプが雪崩れる。

「ラーメンで迎撃」「ダジャレ検疫継続」のコメントに三人で笑う。


成田エクスプレスで東京へ


成田エクスプレスの座席に沈む。車窓のビルが日本の速度で流れはじめる。

優子「揺れが子守唄やね。眉ピッ睡眠入ろ」

光子「寝過ごさんように東京駅アラームセット完了」

ソフィーア「到着後の動線、メモにまとめたよ」


東京駅・地下ホーム


東京駅の深〜い地下ホームに到着。

光子「地球の中心からエスカレーター登っとる気分」

優子「ここで迷子なったら終戦まで出られん(小声)」

三人は笑いながら改札を抜け、タクシーで学生寮へ。



寮に「ただいま」報告


食堂に、小春・梢・ひより・寮のみんなが集合。

光子「ただいま戻りました。眉ピッ→ぎゅー」

優子「ウクライナの報告、簡潔にいくね」

•祖父母(ペトロ/ナディヤ):リハビリ前進。笑顔あり。

•病院ロビー:アカペラ+静音ショートコントで指先拍手いっぱい。

•郊外視察:地雷標識と荒れた畑。線の内側のみ移動徹底。

•制作計画:ドームツアー後に新曲&創作劇。必要経費以外は地雷除去・義手義足へ寄付。

•おみや:ひまわりバッジ/刺繍ブレス/はちみつ/木工オーナメント/絵本(購入=復興支援)。


ソフィーア(標準語)「みんなの支援とメッセージ、ぜんぶ届いていました。ありがとう」


寮生たち、ひらひら拍手。

小春「おかえり、まずは風呂、次に白飯」

梢「その前に眉ピッ(真似)」



金曜の「サンライズ」→岡山→博多へ


光子「今週金曜の夜、サンライズで岡山まで行くけん」

優子「土曜朝に岡山着。そこから新幹線で博多。福岡でも報告会やるよ」

ソフィーア「会場は“みらいのたね”のホール。寄付の集計方法と収支の公開フォーマットは私が用意します」


ざっくり行程

•金 21:50 頃 学生寮発 → 東京駅へ

•金 22:00台 寝台特急 サンライズ 乗車(岡山行き)

•土 6:00台 岡山着 → 新幹線で博多へ

•土 午後 福岡・みらいのたねで報告会(ミニライブ&トーク)

•日    関係者訪問・お礼回り


小春「サンライズ乗車前、駅ナカで“おにぎり儀式”やる?」

優子「やる。梅→鮭→昆布で三段眉ピッ」

光子「寝過ごして出雲行きにならんよう、交代見張りもしとこ」



ひと息ついて


報告を終えると、寮のキッチンから湯気。

梢特製の味噌汁に、誰かが差し入れたおにぎりが並ぶ。


光子「帰ってきた味やね」

優子「この塩加減で、また走れる」

ソフィーア「“ただいま”って、栄養ですね」


最後にみんなで、眉ピッ→ぎゅー。

夜風がすこし秋を連れてきていた。

——金曜の夜はサンライズ。次の「ただいま」は博多で。




学生寮ラウンジにて——みんなの本音


小春(札幌)

「静かな空って、ほんとは“当たり前”なんだよね。話を聞いて、当たり前って守らないと消えるんだなって思ったっしょ。」


玲奈(仙台)

「震災ん時の街の静けさ、ちょっと思い出した。『戻る音』を増やすの、私も手伝いたい。コーラス隊、やる。」


真央(青森)

「地雷の線、写真見ただけで背中が()えた。“入らん・触らん・知らせる”、まずウチらが覚えて、配ろうや。」


梢(金沢)

「“修復跡に花のモザイク”って聞いて、胸がつまった。ポスターのデザイン、私つくる。危険区域マップも読みやすくして掲示しよう。」


紗英(広島)

「平和公園で“忘れんこと”の重さ、ずっと考えとる。記録展、寮のロビーでやらん?写真と音、静かな展示で。」


美和(長野)

「山の静けさは守りの静けさ。でも、戦争の静けさは我慢の静けさなんだね。収支の公開とか、続ける工夫もしよ。」


遥(名古屋)

「ミライマートの募金箱、POP作るで。QRも貼って、**“買う=支援”**をわかりやすくするわ。」


エミ(新潟)

「義手・義足の支援先、サイズの聞き取りシート要るよね?私、フォーム化する。英語版もつけるっけさ。」


朱音(京都)

「“音で線を見える化”ってええやん。前説のミニ講座、私が台本書くし、拍手は小さくって合図も入れよ。」


佳乃(奈良)

「月いちの“息合わせの会”、進行やるで。歌って、お茶飲んで、帰りに連絡カード配るんや。」


陽菜(東京)

「メディアリテラシーの勉強会、組むね。“3秒止まって確かめる”を習慣にするワーク、私の担当で。」


ナディア(メルボルン)

「ブッシュファイヤーの後も、笑いと歌が戻るまで時間がかかった。ここでも同じ。長距離走だね。続けよ。」


ひより(高校生・東京)

「私、合唱の独唱でも言う。“線の内側で、生きよう”って。小さくても、届く声にする。」



その場で決まったこと(メモ)

•安全ポスター&連絡カード:梢デザイン、陽菜監修。寮・キャンパス・ミライマートに掲示/配布。

•ロビー記録展「線の内側」:紗英キュレーション。写真・地図・“静音の歌”音源。

•毎月の“息合わせの会”:佳乃進行、朱音前説。終わりに寄付と相談窓口を案内。

•支援の見える化:美和が収支ダッシュボード、遥が店頭POP、エミが義肢フォームを作成。

•勉強会:陽菜がメディアリテラシー会を月1開催。小春・玲奈・真央がコーラス部隊。


最後に、みんなで深呼吸。

全員「合図いくよ——眉ピッ → ぎゅー。」


静かな息がそろった。

“見る・知らせる・続ける”を、ここから。





もし自分の身内が地雷被害に遭ったら?


光子(博多弁)

「正直に言うね。まず心が折れかける。でも、うちは“合図”で戻す——眉ピッ→ぎゅー(深呼吸)。そんで順番決めるっちゃん。

1.命いちばん:救急要請、止血・保温、搬送の同伴。

2.安全の確保:現場に近寄らん、残存危険がないか**プロ(除去隊・警察)**に確認。

3.連絡網:家族・友人・職場へ短い定型文で状況共有(誰が・どこで・今どうか)。

4.記録:時刻・場所・見たことをメモ、写真や医師の所見もぜんぶ残す。

5.支えの役割分担:病院付き添い係/家の段取り係/公的手続き係——一人で抱えん。

涙は出る。出してよか。泣いたあと、手ば動かす。それがうちのやり方たい。」


優子(博多弁)

「うちは**“今日・3日・30日”**で考える。

•今日:救急・安全・連絡・記録。

•3日:主治医とリハ計画の芽を作る、義肢装具やカウンセリングの窓口を予約、現場の法的報告も出す。

•30日:家の動線(段差・手すり・照明)を見直し、お金の支援と書類を整える。PTSDは遅れて来るけん、定期の“息合わせの会”(歌と雑談)を家族で続ける。

怒りは飲み込まんでよか。ただ、怒りを段取りに変える——それがうちらの癖やね。」


ソフィーア(標準語)

「私は“仕組み”に落とします。

1.医療とリハの長期線:義手・義足、疼痛管理、心理支援を同時に並行。担当者名と次回予約日を一枚にまとめ、家族全員が見える場所に。

2.法と補償:事故証明、捜査協力、補償・給付の申請。必要なら弁護士・被害者支援団体と連携します。

3.仕事と学校の調整:復職・復学の合理的配慮を先に相談。

4.記憶の保存と語り:写真・日誌・診療情報を匿名化してアーカイブ。同意が得られれば、教訓として共有します。

悲しみは波です。波に合わせて休む→動くを繰り返せば、必ず前へ進めます。」



すぐ使える“家族のための短いチェックリスト”

•救急:出血・呼吸・意識を確認→119(現地番号)/救急へ。

•安全:二次被害防止。現場に戻らない/触らない。

•連絡テンプレ:「〇月〇日〇時、〇〇(場所)で負傷。現在〇〇病院に搬送。主治医〇〇。必要物:身分証・保険証。」

•記録:時刻・場所・状況、医師説明、費用の領収書。

•窓口:除去機関/警察/弁護士/義肢装具/カウンセリングの連絡先一覧を作って冷蔵庫に貼る。

•心のケア:週1回、10分だけの“息合わせ”(一緒に深呼吸→短い歌)。

•支援:寄付・助成は継続少額で。金額と用途を家族ノートに記録。



小さな儀式(気持ちの置き場)

•向日葵の鉢を窓辺に置く(再生の象徴)。

•“今日はここまで”カードを作り、やれたことにチェック。

•夜は三人の合図で——眉ピッ → ぎゅー。息を整えて眠る。



三人の結び

光子「泣く→吸う→動かす。これでよか。」

優子「一人にせん。段取りに変える。続ける。」

ソフィーア「**制度と記憶に刻む。**それが、次の被害を減らす最短距離です。」





サンライズ発、きらきら夜行三人旅


金曜日の夜、東京駅の長いホームに、金色の帯の寝台特急が滑り込んだ。

車体側面の“SUNRISE”の文字が、ホームの灯りでちょっと誇らしげに光る。


「これが…日本の夜行列車。」ソフィーアが目を丸くする。

光子が胸を張る。「そうたい。うちらの曲の源流やけん、まずはご本家にご挨拶や。」

優子が切符をひらひら。「ほら見て、ノビノビ(のびのび座席)やけん、のびのびする気持ちで乗るとよ。」

「名前の通りですね。」ソフィーアが笑う。


出発の儀式:眉ピッ → ぎゅー


三人はデッキで深呼吸。

光子「合図いくよ——眉ピッ → ぎゅー。行ってきます。」

発車ベル。低いモーター音。車輪が「タタタン」と夜を切り始める。


夜行のルールを学ぶ時間


ノビノビ区画に転がりながら、光子が枕をぽすん。

「まず夜行の基本は、音量小さめ・気配大きめたい。」

優子が小声で追い打ち。「ガサガサ禁止、ギャグはサイレント版。笑いは肩の震えで表現して。」

「了解。静かな笑いにしてみます。」ソフィーアは頷き、荷物を枕元にまとめる。


東京→横浜:車窓シアター開幕


ガラスに街の光が流れる。東京タワーが小さなピンで刺したみたいに遠ざかる。

「日本の夜って、治安の明るさがある。」ソフィーアがぽつり。

「それ言い回しおしゃれやね。」優子が親指を立て、そっと親指の音を無音で鳴らすふり。


車内探検:シャワーカード争奪戦


「シャワー、行けるかね?」光子が腕時計を見て小声で作戦会議。

デッキの自販機前で立ち止まり、三人は一列。

ピッ…残り1枚の表示に、三つの視線が凍る。

優子、すっと前へ。「代表で取ってくるけん。時間半分こにしよ。」

カードを引き当てた瞬間、三人とも声を出さずに全身でガッツポーズ。

「静かな勝利、尊いです。」ソフィーアが小声で笑う




ノビノビに戻って、ミニテーブルに東京駅の駅弁と、前夜、寮のキッチンで握った**「美鈴レシピ再現おにぎり」**。

包みの上には小春の手書きメモ——

「食べすぎ注意/楽しみすぎ歓迎(元ネタ:美鈴さんのLINE)」。


光子(博多弁)「お母さん直伝の味、東京で再現したら勝ちやろ?」

優子「駅弁はコラボゲストね。主役は“再現おにぎり”たい。」

ソフィーア(標準語)「衣が“サクュ”って音します。**再現度95%**です。」




静音ギャグ:サンライズ vs 目覚まし


消灯後、三人は小声でショートコント。

光子(囁き)「目覚まし時計役やるけん。」

優子(囁き)「うちはサンライズ役ね。」

光子「ピピ…(超小声)」

優子「夜明けで起こすけん、寝とってよか(超小声)」

ソフィーア、肩を震わせ、タオルで口を押さえる。

「静かな大爆笑、新ジャンルですね。」


静かな夜、静かな確認


灯りの落ちた車内。車輪のリズムが心拍と同期していく。

ソフィーアが窓外を見ながら囁く。「列車の揺れって、**“進む子守歌”**ですね。」

光子は、そっとうなずく。「進みながら眠るって、なんか、今のうちらっぽい。」

優子が毛布を肩まで引き上げる。「明日、岡山で乗り換えたい。寝過ごしゼロ作戦発動——眉ピッ → ぎゅー×3回セット。」


明け方:姫路の白と、三人の約束


うすい桃色が窓を染める。姫路の手前、空がやさしく起きる。

ソフィーア「…起きる音が、します。」

「夜は確かに終わるっちゃんね。」光子が伸びをする。

車窓の向こうに白く浮かぶ影。「あれ、姫路城やない?」優子が小声で興奮。

三人は顔を寄せ、息を合わせるみたいに見入った。


岡山到着前:プチ事件と華麗な復帰


放送「まもなく岡山…」

その刹那、優子のスマホの優馬・美鈴ファミリーグルチャにスタンプ連打。

『起きてる?』『寝過ごすなよ(by 父)』『コラー!(by 春介謎ボイス)』

「春介スタンプの圧、すご。」光子が笑い、静音ハイタッチ。

ブレーキの音が優しく伸びて、岡山。

三人は毛布を畳み、荷物を肩に、出口で深呼吸。

「今日も合図で——眉ピッ → ぎゅー。いざ、九州へ。」


ホームに降りると、朝の空気が新しいページみたいに清々しい。

ソフィーアがぽつり。「夜行って、明日へ直通なんですね。」

光子「直通やけん、寄り道も歌にできる。」

優子「よし、朝ラーメン——いや、まずは新幹線たい。」

三人は笑いながら、**“続きの線路”**へ歩き出した。




みずほ601号、瀬戸内の朝を横切って


6:50、岡山。まだ人影まばらなホームに「みずほ601号 鹿児島中央行」。

三人で小さく円陣——眉ピッ → ぎゅー。


発車。ほどなく倉敷の工場群が朝もやに浮かび、車窓の右手に瀬戸内の光がちらっと跳ねる。

「朝が水平線から音を足す感じやね」優子が囁く。

「名言、朝イチで出た」光子が肩で笑う。


一瞬、線路脇に福山城の白壁がぬっと現れて消える。

「お城、新幹線ビューですね」ソフィーアが目を丸くする。


広島を過ぎると、山のトンネルが増えてリズムが深くなる。

「眠気、来るけん…二度寝禁止令」光子。

「代わりに静音ギャグで起こすけん」優子。

ショートコント(超小声):

光子「ピ、ピ…(目覚まし)」

優子「時速300でモーニングコール」

ソフィーア、タオルで口元を押さえて肩プルプル。


やがて新関門トンネル。闇を抜けた途端、光が少しだけ南っぽくなる。

「九州の空気、わかるっちゃん」光子が頷く。


8:28、博多。

ブレーキ音がやさしく伸び、ホームに止まる。改札前には家族の列。

美鈴「おかえり〜!」 優馬「寝過ごしゼロ褒章授与!」

アキラ・美香が手を振り、春介と春海がロケットみたいに突進。

春介「おねえしゃん、だっこ〜!」 春海「ゆーこおねえしゃんも〜!」

ダブル抱っこでくるくる。

光子「重たなったねぇ、成長ボーナス」

優子「筋トレ料金は投げキッス一発で」

(春介のハイパー誘惑ウィンク→投げキッス、周囲から「かわいか〜」のため息)


美鈴「まずは朝ごはん行こ。軽うて美味しか店、見つけとーよ」

優馬「その前に洗濯物の計画も確認な」

優子「現実、逃げ道なし!」

全員でもう一度——眉ピッ → ぎゅー。


サンライズの夜と、みずほの朝が一本の線になって胸に残る。

「帰ってきた」が、今日はいちばん良い音で鳴った。



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