休日遠征、海風とビジター白
休日遠征、海風とビジター白
朝。寮の玄関で光子と優子は、ホークスのビジターユニをぱしっと着込む。
「チケット、プレイガイドで確保。座席はビジター外野。よし、行くばい!」
海沿いの電車、遠足テンション
京葉線の車窓に、ぎらっと海。
優子「潮の匂い、福岡のドーム帰りを思い出すね」
光子「遠征やけど、心はホームやん」
カイヒンマクハリ到着。スタジアムに近づくほど、白黒のマリーンズと、白金のホークスがミルフィーユみたいに混ざる。売店の列、ドラム缶みたいな唐揚げバケツ、チュロスの匂い。
ZOZOマリン、ビジター色を足す
ゲートをくぐると、海風がふっと背中を押す。
光子「風、きもちー。ピッチも低音も伸びそう」
優子「ここは球場、**出力45%**で笑って、**声は100%**で応援ね」
席を確認して、まずは燃料補給。
・唐揚げ舟盛り(共有)
・ポテト大(光子)
・ソーダにレモン(優子)
優子「飲み物は先に飲み切ってからネタする。スプラッシュ事件は封印」
光子「心得た」
試合開始、リズムは外野から
トランペットの合図、手拍子が波になる。
優子は太鼓のリズムに合わせて声を置き、光子はベース隊のノリで手拍子を分厚くする。
「若鷹いけー!」
隣のマリーンズファンのお姉さんが笑う。「今日はよろしくね〜。でもウチが勝つけん!」
優子「いやいや、こっちも負けんよ!(にっこり)」
三回、ホークスがセンター前。外野席がドッと沸く。
光子「ドゥン!(ベースの口まね)」
優子「タッ!(スネアの口まね)」
周りのホークス陣が「それリズム良か!」とまねしてくれる。いつの間にか列全体が合いの手隊に。
小さなハプニングも、笑いで着地
四回裏、風がふいて応援ボードが裏返しに。
優子「『がんばれ』が**『ればんが』になっとる!」
光子「逆読みでも縁起よさそうやん」
前の席の小学生がクスクス。「それ、うける」
優子「じゃ、ハイパー誘惑ウィンクは出力5%**で。安全運用」
(ぱちん)
小学生「効いた」
五回裏、ラッキーセブン前の腹ごしらえ
スコアは拮抗。
光子「明太おにぎり持ってきて正解」
優子「唐揚げはまだ温い。博多の風、ここにも吹いとるね」
隣のマリーンズお姉さん「一個ちょうだいは冗談やけど、心はシェアで!」
光子「ありがとう先出し(胸に手→うん→親指ちょん)」
七回、風船は心で飛ばす
ラッキーセブン。ビジター外野がひとつになる。
優子「声、置くよ——せーの!」
球場の音が重なる。潮風が合唱をふわっと運ぶ。
光子「休符=踊り場、ちゃんと置けた。ええリズム」
終盤、勝負どころ
九回、マウンドに緊張が立つ。
優子「ここ、低音で支えるとこ」
光子「ドゥン……ドゥン……(手拍子、ゆっくりと厚く)」
最後の打球が高いフライで上がる。スタンド全体が立ち上がる——
グラブにすぽん。
ビジター外野、大歓声。
隣のマリーンズお姉さんも拍手。「**いいゲーム!**またおいで〜」
優子「もちろん!こんどは福岡でね」
余韻、海と鉄路の帰り道
夕方の海風が、汗をさらう。
光子「球場はやっぱ生の低音が気持ちいい」
優子「声出すと心も整うね。ねぇ、今日のベストプレーは?」
光子「三回のヒットもやけど、逆読み『ればんが』がじわる」
優子「あれはM3.0のソフト笑い。整骨院回避成功」
電車の窓に二人のユニが反射する。
光子「福岡の風、ちゃんと届いとった」
優子「うん。ここ東京でも、心はホームやった」
夜、寮に着いたら、みんなに戦利品のチームタオルを見せて、
最後はいつもの眉ピッ。
——いい土曜日。海風と声援で、胸のリズムがすこし強くなった。
帰寮トーク:地元愛と推し語りナイト
女子寮ラウンジ。ユニ脱いで、タオル首にかけたまま円座。テーブルには唐揚げ残りとスポドリ。
さくら「やっぱ福岡って、ホークスファン多いと?」
優子「多い。うちの近所は犬も猫もホークス派って言われとる」
光子「商店街の**“勝った日だけ割引”**があるけん、地元愛は生活圏に直結しとる」
りり「推し選手は?」
優子「私は外野のガッツ系。一歩目の速さが好き」
光子「私は捕手のリードに惚れる。空気読む手、かっこよか」
あかね「なんか語彙が職人愛w」
優子「そこはベースとドラム育ちやけん、現場推しになるっちゃん」
小雪「はい、飲み物は先に飲み切ってから続けて〜(噴き対策)」
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みんなの「好き」回してこ!
小雪「じゃ、二本立てで聞くよ。①好きなスポーツ ②好きな歌手。眉ピッした人から!」
さくら「①マラソン観戦(沿道で手たたくの好き) ②MISIA(声、宇宙)」
りり「①野球(今日ハマった) ②YOASOBI(物語ごと刺さる)」
あかね「①バスケ(Bリーグ通い) ②Official髭男dism(鍵盤厨)」
小春「①フィギュアとスキー ②いきものがかり(合唱の原点)」
つむぎ「①テニス ②宇多田ヒカル(休符の置き方が神)」
ひかり「①ラグビー(接点で泣く) ②Aimer(灯り系ボイス)」
梢「①相撲(仕切り直しが美) ②スピッツ(言葉の距離感)」
ヨナス「①サッカー(ブンデス) ②Queen(合唱うたいやすい!)」
ソフィーア「①体操 ②Billie Eilish(ささやきの芯が好き)」
優子「私は①野球&駅伝 ②X JAPAN(速いの叩くと血がめぐる)」
光子「①野球&ラグビー ②スピッツと福岡勢(地元びいきは正義)」
つむぎ「“地元びいきは正義”名言でた」
小雪「ホワイトボードに書いとく。地元愛=生活の誇り」
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推しトークでじわっと博多
ひかり「福岡って、どこ行ってもホークス話出ると?」
優子「タクシーでも八百屋でも出る。翌朝のあいさつが『昨日よかったね』やったり」
光子「勝った日は商店街が明るい。負けた日は明太子がやさしい(気のせい説)」
りり「なんか帰省したくなる話…」
さくら「ビジター外野でちゃんとホーム感じてたもんね、今日」
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まとめ:好きは“元気の入口”
小雪「今日のまとめ——
1.地元愛は生活のリズム(割引も挨拶も含む)
2.推しは体温(語ると血が巡る)
3.飲み物は先に飲み切る(大事)」
優子「よし、次のデーゲームも前向きで行くばい」
光子「眉ピッ。それと…今日の**“ればんがボード”はM3.0**でじわる」
ラウンジに笑いの余韻。
福岡の風は遠くても、推し語りでちゃんとここに吹いとった。
恋バレ・ビデオ通話大混戦
女子寮ラウンジ。全員で画面を囲む。
画面は二分割。左は美香の家(後ろで春介と春海がピョコピョコ)、右は小倉家(優馬と美鈴)。
優馬「どげんした? うちが恋しかなったとかね?」
光子&優子「ちがーう!(同時ツッコミ)」
美鈴「飲み物はいま飲み切ってね〜。今日は危険ワードが飛ぶ気がするけん」
(寮メンバー、慌てて紙コップを空にする)
そこへ第三の小窓がポンと増える。
翼「おーい、光子。相変わらず美人やね〜」
さらに第四の小窓。
拓実「優子、今日もかわいっちゃね」
——寮ラウンジ、静寂0.5秒ののち、爆発。
さくら「はい出た!」
りり「恋人乱入型・確定演出!」
小春「ビデオ通話バレは逃げ道ないべさ!」
あかね「証拠映像あがってます〜!」
光子「ちょ、ま、これは、その……」
翼「え、言うてよかろ? 隠す気ゼロやけど」
優子「ちょ、拓実、今は……」
拓実「(赤面)あ、えっと……その……大事にしとうとだけ」
美香「え〜、詳しく」
美鈴「母は聞く側やけんね」
優馬「父は聞きたいけど聞きたくない側です」
春介「みちゅこおねえしゃん、ちゅばしゃにいしゃんだいちゅき?」
春海「ゆーこおねえしゃん、ちゃくみおにいしゃんとけっこんする?」
寮メンバー、床ドンで笑う。
小雪「議事録:恋バレ事件、幼児確認で完全確定」
ひかり「第三者(3歳)証言入りました〜」
優子「……はい。お付き合いしとります。真面目に、です」
光子「うちも、真剣です。コントより真面目に」
(翼と拓実、同時に会釈)
美鈴「よかね〜。約束は三つ。一つ、お互いを雑にせんこと。二つ、学びは最優先。三つ、笑いは安全運用」
優馬「四つ目、父はさみち……」
全員「言うなーー!」
(危うく危険ワード。寮の何人かが口を手で塞いでセーフ)
美香「まぁ、公認でよかやん。報告ありがとう。春介と春海、拍手〜」
春介&春海「ぱちぱちぱち〜」
翼「光子、今度そっち行くけん、寮の皆さんにも挨拶させて」
拓実「優子、からあげ持って行く。量はどれくらい?」
優子「バケツで」
あかね「外せん答えきた」
小雪「じゃ、公式まとめいきます。
•光子×翼、優子×拓実は真面目交際。
•学業最優先、**笑いは出力45%**で運用。
•次回対面はからあげバケツ会にて。——以上!」
美鈴「よし。親側からも祝福します。無理せんでね」
優馬「父はさみち……(自粛)がんばりんしゃい」
通話が切れたあと、ラウンジはふわっと拍手。
さくら「いい夜やん」
りり「推しカプ成立、めでたい」
小春「合唱のキー上がった感じするべさ」
優子「飲み物、先に飲み切っとって助かった」
光子「父の禁句、ギリ回避できたしね」
二人は顔を見合わせて、眉ピッ。
——恋も学びもギャグも、前向きでいくばい。
GW来訪!ラウンジ崩壊のちプー垂れ宣言
女子寮ラウンジ。扉が開いて——
美香とアキラ、そして翼、拓実、手をつないだ春介と春海が登場。
優子「いらっしゃーい!」
光子「まずは偉大な先輩(=美香・アキラ)、お越しいただきありがとうございます!」
(寮メン一同、直立・会釈深め)
小雪「今日だけ**“先輩モード”**でお願いします」
アキラ「はいはい、やわらか先輩でね」
美香「最初に言っとくけど——飲み物は今のうちに飲み切って!」
そこへ翼と拓実が一歩前へ。
翼「光子、相変わらずまぶしいね」
拓実「優子、今日もかわいっちゃ」
(寮メン、ひゅ〜〜)
春介「おねえしゃんたち、はーい!」
春海「おねえしゃん、みててね〜!」
——次の瞬間。
春介がハイパー誘惑ウィンク、極上投げキッスを200%で連射。
春海も負けじと両手キッスの二刀流。
さくら「あっ、くるっ……!」(紙コップをそっと置く)
りり「直撃——どんっ!」
あかね「崩落〜!」
小春「保冷剤ー!」
つむぎ「床がふわふわしてるんだが……」
ひかり「尊いで血糖値上がる」
梢「合唱で支えられない破壊力」
ヨナス「メロメロ・エマージェンシー!」
ソフィーア「字幕:Total Charm Saturation.」
優子「ちょ、200は反則!」
光子「5で十分のやつ!」
美香「園長(=私)指導入りまーす。“笑い・きゅんは安全に”!」
アキラ「ちび先輩、火力下げような〜」
春介「はーい……すこしだけ」
(すこしだけと言いながら片目ウィンクをもう一発。寮メン、二度目のどさっ)
……が、春海が急にぷーっと頬をふくらませる。
春海「イケメンおにいちゃんがいない……」
(ラウンジ静止)
優子「え、拓実おるよ?」
春海「たくみおにいしゃんはすき。でも、もっといっぱいほしい」
小雪「欲しがり設定きた」
ひかり「GW限定・イケメン回覧板どこに……」
翼「えーと、追加で呼ぶ?(冗談)」
美香「呼ばん! これ以上倒れる人が出るけん!」
春介「はりゅみ、じゃあぼくがもういっかい——」
全員「やめてーー!(合唱)」
場を整えるため、小雪がホワイトボードに緊急アジェンダを書く。
1.先輩に質問コーナー(美香・アキラ)
2.恋人自己紹介・安全版(翼・拓実)
3.ちび二刀流の火力調整(春介・春海)
4.記念撮影 → 休符(おひや・保冷剤)
1) 先輩に質問
さくら「音大生活で一番大事なことは?」
美香「“ありがとう先出し”と“休む勇気”」
アキラ「それと**“拭いてから笑う”**(重要)」
2) 恋人自己紹介・安全版
翼「からあげバケツ持ってきました」
拓実「ポテトLとドーナツも」
寮メン「神/正義/拍手」
3) 火力調整
春介「ごめんね。ちょびちょびにする」
春海「つぎはイケメンいっぱいのときに200する」
優子「その会合どこ」
光子「開催禁止」
4) 記念撮影
小雪「はい、眉ピッで——カシャ!」
りり「#GW来訪 #ちび先輩200はやめて」
あかね「出禁ワードできたな」
最後はお茶でかんぱい。
美香「GWも安全運用で楽しく」
アキラ「笑いは控えめ、愛は濃いめでいこ」
翼「また来るね」
拓実「次は火力5%で」
春海「イケメンいっぱいのひ、よろちく」
春介「ぼく、れんしゃは5にする(たぶん)」
ラウンジに笑いとため息が混ざって、
GWの午後は、記念写真とからあげの匂いを残してゆっくり傾いた。
GWスペシャル:東京遠征 × ちび審判コント
女子寮ラウンジ。
ドアが開いて、翼・拓実・美香・アキラ、それに手をつないだ春介と春海が入ってくる。
優子「いらっしゃい! 東京へようこそ〜」
光子「まず確認! 飲み物は今のうちに飲み切ってくださーい(安全運用)」
翼「実はテニスの大会で上京。明日が本戦やけん、今日しか時間が取れんかった」
拓実「俺は卓球の公式戦。午前で終わったけん合流できた」
美香「うちは東京の交響楽団さんにゲスト出演。私はピアノとトロンボーン」
アキラ「俺はトランペットとサックス。今夜リハ、明日本番たい」
一同「豪華やん!」
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ちび発案「ダブル審判ごっこ」はじまる
春介「ちゅばしゃにいしゃん(=翼)、がんばってね。ぼくがしんぱんする〜!」
春海「ちゃくみおにいしゃん(=拓実)もがんばって。はりゅみはたっきゅうしんぱん!」
椅子の上に上がった春介が、紙コップをマイクに見立ててテニス主審。
春海は割り箸を赤白フラッグにして卓球の副審。
春介(主審)「ぷれい! ……いん? あうと? いーん!」
(全員:早い)
春海(副審)「ねっとー! やりなおち!」
拓実「ねっとって言いたいだけやろ(笑)」
翼「主審さん、水分補給してから判定してね」
春介「はい……ごくごく。じゃあ 200% ちゅっちゅぱわー いれまーす」
優子「待って! 今日は45%制限やって言ったやろ」
春介「45にする(と言いながら片目ウィンク)」
小雪「はい、ビジター外野直撃級。全員セーフ、よく耐えた!」
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指揮者ごっこ 〜 交響“さみちいでちゅ”前日リハ(やさしめ版)
美香「じゃ、指揮は春海ね。四拍子でトントン」
春海「いち、にー、ちゅり、ちー!」
アキラ「可愛さでテンポ上がるやつ」
光子が口ベース(ドゥン・ドゥン)、優子が膝スネア(タッ・タッ)。
美香はトロンボーンの口まね「ぶおー」、アキラはトランペットの口まね「ぱらら〜」。
春介はテーブルでピアノ役、春海はストローでサックス役。
やさしめ版ワンフレーズ
「またあした、って いえるから」
(全員で小声、飲み物は置いて、安全に)
翼「この落とし方、試合前の心拍にちょうどいい」
拓実「卓球の台にも休符いるんやな、って思える」
⸻
取材ごっこ 〜 ちびアナの容赦ない質問
春介(アナ役)「しゅざいです。ちゅばしゃにいしゃん、ゆうしょうのひけちゅは?」
翼「水分・睡眠・ちょびっと笑い」
春海(アナ役)「ちゃくみおにいしゃんは?」
拓実「サーブ前の深呼吸と、おねえしゃんの応援」
(優子、顔が一瞬で赤)
さくら「実況:ここで表情筋崩壊」
りり「寮ベンチも温まってまいりました!」
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天然おかわりタイム
春海「イケメン、きょうはふたりおるからぷーしない」
優子「素直でよろしい」
春介「はりゅみ、ごほうびちゅー(→優子にエア投げキッス45%)」
優子「被弾……でも45%なら整骨院回避!」
美香「じゃ、本日のまとめ。
1.大会・本番の前は笑い45%で安全運用。
2.休符=踊り場を置いて、深呼吸。
3.拭いてから笑う(大事)。」
アキラ「それと勝っても負けても、ごはんはうまい。腹が土台やけん」
光子「全員、眉ピッで気合い入れ直し!」
全員「眉ピッ!」
⸻
記念撮影 → 送り出し
玄関前で記念写真。
春介「ちゅばしゃにいしゃん、がんばれ!」
春海「ちゃくみおにいしゃん、がんばって!」
翼「任せて!」
拓実「任されました!」
エレベーターが閉まる瞬間、春介と春海がそろってウィンク45%+投げキッス45%。
ラウンジにふわっと笑いが残り、
明日の本番と試合に向けて、空気はほどよく温まった。
梢、うっかり恋バレの夜
ラウンジ。翼&拓実の余韻がまだ温かい。
さくら「いや〜、翼くんも拓実くんもかっこよすぎ」
りり「うちも彼氏ほしい……春海プロデュースで紹介してほしい」
あかね「3歳の人材派遣はアカンて」
小春「でもきゅん供給大事だべさ」
テーブルの端で梢がぽそっと。
梢「……私も彼氏、呼ぼうかなぁ」
——静寂0.7秒。
優子「え? 彼氏“いるの”?」
梢「へ? あ、まずい。つい口が……」
全員「出たーー!」
小雪が瞬時にホワイトボードを持ってくる。
でかでかと 《恋バナ取調室》。
光子「はい、それじゃ取調べ開始。まずは氏名・交際期間・出会い!」
梢「梢。交際は4か月。出会いは奈良の受験塾……再会は東京の図書館の落とした付箋を拾ってくれたとき」
ひかり「運命の付箋……強い」
さくら「付箋ラブはじまる前に飲み物飲み切って!」(全員ごくごく)
優子「彼氏の名前は?」
梢「……大和 秋斗。経済学部」
りり「苗字が大和、出身は奈良、もう勝ち確フラグ」
あかね「で、どこが好きなん?」
梢「静かなとこ。並んで歩く時の歩幅、ちゃんと合わせてくれる。あと、おでこがちょっと広い」
小春「具体ぃ〜! 好感度たか!」
光子「初デートは?」
梢「古本屋→喫茶店。コーヒー頼んだら、私が砂糖入れるの忘れるクセまで見抜かれて、『甘いのは話で十分だよ』って」
一同「名言〜〜!」
優子「はい、甘さ警報。鼻からコーヒー注意!」
つむぎ「告白の言葉は?」
梢「『無理しなくていい日は、無理しないで一緒にいる日にしない?』」
ひかり「**休符(ひと呼吸)**を彼氏が提案してくるタイプ……最高」
小雪「じゃ、検証タイム。秋斗さんの良さを10秒で要約して」
梢「静けさで支える人。並走力とさりげなさが武器。**“ありがとう先出し”**が自然に言える」
さくら「満点。彼氏、優等生」
りり「写真は?(ニヤ)」
梢「今日はない……けど、これ付箋」
(小さなメモに “読んだら返事はいつでも — 秋斗**”**)
あかね「返事待ちの余白までイケメン」
優子「呼ぶ? 今度、からあげバケツ会あるけん」
梢「からあげ目当てってバレそう……でも、うん、紹介したい」
光子「じゃ正式アナウンス!
•梢の彼氏=大和 秋斗さん(経済学部)
•推しポイント:静けさ・歩幅・おでこ
•名言:『無理しない日は無理しないで一緒に』
•次回:からあげバケツ会でご挨拶」
小雪「議事録も完。恋バナは人の体温を上げる、以上!」
ひかり「休符基金にも効く話やった。しんどい時の一拍をくれる人、尊い」
ラウンジにふわっと拍手。
梢はちょっと照れたまま、胸に手を当てて親指ちょん。
優子「お幸せに。で、秋斗さん呼ぶ日は飲み物先に飲み切り、鼻コーヒー禁止やけんね」
光子「眉ピッで締め!」
——その夜、ホワイトボードの片隅に新しいタイトルが増えた。
《恋の歩幅メモ:無理しない日は無理しない》。
笑って、照れて、ちょっとあったかくなった。
5月3日10:00、恋の歩幅テスト
前夜、梢はスマホを握って深呼吸。
「秋斗、今度うちの大学に来ない? みんなに紹介したい」
返事はすぐ来た。
「10時に正門。歩幅、合わせるよ」
⸻
正門前 10:00
連休の青空。梢が門前に立つと、向こうから大和 秋斗が小走りで来た。
秋斗「ごめん、2分前行動しようとしたら3分前になった」
梢「その誤差がもう好き」
歩き出すと、ほんとに歩幅がピタ。角で人とすれ違う時、秋斗はさりげなく外側に移る。
梢「(小声)ありがと」
秋斗「ありがとう先出し」と親指ちょん。もう熱い。
⸻
ラウンジ突入
女子寮ラウンジでは、小雪がホワイトボードに**《祝・梢の彼氏来訪》と書き、さくらが飲み物の紙コップを配る。
小雪「今日は鼻コーヒー禁止**。飲み切ってからきゅんを受け止めて〜」
一同「はーい!」
梢「紹介します。大和 秋斗、経済学部です」
秋斗(丁寧に会釈)「はじめまして。静かめにお邪魔します」
りり「静かめの宣言、好感度高い」
あかね「静けさで殴ってくるタイプや」
秋斗は紙袋を差し出す。
秋斗「古本屋の焼き菓子屋で、カヌレとバターサブレ。全員分あります」
小春「配慮が焼きたて」
⸻
うっかり熱々①:付箋の続き
優子「質問! 出会いは付箋って聞いたけど、今も?」
秋斗「はい。今日の分も」
小さなメモを梢へ。
『帰り道、手が寒かったら言って。片方貸す — 秋斗』
さくら「甘い。飲み切っといてよかった」
ひかり「手袋の片方システム、合法的に距離ゼロ」
梢(耳まで赤い)「……ありがとう」
⸻
うっかり熱々②:砂糖は話で十分
光子「喫茶店でよく言う言葉、もう一回」
秋斗「(照れて)……甘いのは話で十分、って」
全員「名言〜〜!」
あかね「今日のM4.0、安全圏で爆発」
⸻
取調べ……じゃなくてQ&A
小雪「3問だけ。①梢の好きなとこ ②ケンカしたらどうする ③将来の歩幅」
秋斗「①言葉の仕上げが丁寧なところ。
②**“無理しない日は無理しないで一緒に”を提案します。
③歩幅は合わせ続ける**。速い日は速く、疲れた日はゆっくり」
梢「……はい満点」
さくら「歩幅で泣けるの初めてやわ」
⸻
実演「歩幅&コート直し」
つむぎ「実演お願いします!」
ソファ前を二人で一往復。秋斗は段差の前で自然に手を添え、梢のカーディガンのタグをそっと直す。
りり「タグを直す男、世界平和」
ひかり「静謐の魔法かかった」
⸻
記念撮影と、宣言
小雪「じゃ、眉ピッで記念写真!」
(カシャッ)
優子「秋斗くん、公式に公認やけん。学業最優先で、笑いは適量でいこ」
光子「梢の休符になってね」
秋斗「約束します」
梢「……じゃ、みんなに宣言。からあげバケツ会、今度は秋斗も参加します」
あかね「拍手! 追加でポテトLも頼む!」
⸻
帰り道、手袋の片方
午後の風が少し冷たい。
梢「(もじもじ)手、ちょっと寒い……かも」
秋斗「(うなずいて)片方、どうぞ」
手袋一個に、二人の指がぎゅっと寄る。
遠くで寮の窓が開いて、みんなが旗みたいにタオルを振る。
全員「お幸せに〜!」
梢は笑って、胸に手を当てて親指ちょん。
今日の掲示板には、新しい一行。
《無理しない日は、無理しないで一緒に。》
——熱々ぶり、見事に披露完了。ラウンジはまた一段、あったかくなった。




