卒論
――日本テレビ系・長寿バラエティ番組
『世界まる見え!テレビ特捜部 2044 新春スペシャル』
スタジオの巨大スクリーンに、世界中の珍プレー&爆笑映像が流れる。
そのオープニングナレーションが終わった瞬間、
司会の所さんが満面の笑みで紹介した。
「さあ今夜のスペシャルゲストは、笑いと音楽を融合させた天才デュオ、
M&Yこと――小倉光子さん、優子さんですー!!」
観客から拍手と歓声が巻き起こる。
二人は揃ってステップを踏みながら登場。
光子は軽くお辞儀し、優子はハートの形を手で作って笑顔。
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オープニング映像
「世界のおもしろ映像・ベスト10」には、
以前に放送された**“スポドリ噴射事件”**の再編集版が堂々のランクイン。
ナレーション:「第8位、日本・福岡。“奇跡のスポドリ噴射”」
映像:翼が試合後に飲んだスポーツドリンクが鼻から大放出。
所さん、椅子からずり落ちる。
ゲスト芸人:「これ、CGじゃないんですか!?」
優子(苦笑):「リアルです(笑)鼻圧で勝負してますから!」
光子:「しかもこの瞬間、審判が『ノーカウント!』って叫んでましたからね!」
(スタジオ大爆笑)
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トークコーナー
所さん:「M&Yのお二人、最近は音楽活動も再開されたとか?」
光子:「はい!去年、世界ツアーを終えてから久々に“ギャグクラシック”シリーズを出したんです!」
優子:「あの、笑いながら聴くクラシックです!」
所さん:「笑いながら聴くクラシック!? どんな感じ?」
光子:「例えば“ベートーベンの第九・鼻笛バージョン”とか、“威風堂々(いふうどうどう)”を“威風どうどう(胃風どうどう)”にして胃薬のCM風にしたり…」
(観客すでに爆笑)
優子:「あと、“カノン in D(どんだけ〜Ver.)”とか、“トルコ行進曲(行進せんでよかVer.)”も!」
司会席総崩れ。
所さん、涙目で:「それCD売ってるの?タイトル教えて!」
光子:「アルバム名は『笑奏曲第1番〜腹筋崩壊の調べ〜』です!」
優子:「発売初週で“クラシックチャート1位なのに笑いすぎて途中で再生止めた人”が全国で5千人!」
(会場:爆笑と拍手)
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スタジオ試聴コーナー
番組側が特別に用意したVTR。
BGM:「アイネ・クライネ・おならブー・ムジーク」
オーケストラの中でティンパニがプスーと不穏に鳴り、
ストリングスがリズムに合わせて肩を揺らす。
所さん:「これ、NHKホールでやったの!?」
光子:「はい!指揮者の方も途中で吹き出して棒落としました(笑)」
優子:「その後、観客も総立ちで“ブラボー!”じゃなくて“ブーブー!”って叫んでました!」
もうスタジオは爆笑の嵐。
ゲスト芸人が机を叩きながら叫ぶ。
「この人たち、音楽界のM-1ファイナリストやろ!!」
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番組エンディング
世界の珍映像ダイジェストが流れる中、
所さんがコメント。
「いやぁ〜今日のM&Yは、世界の笑いを超えたね。
音楽とギャグの融合、これぞ日本の新文化だよ!」
光子:「笑いは世界共通語ですけん!」
優子:「鼻笛も、ちゃんと国際楽器です(笑)」
(観客総立ち、拍手と笑い声)
テロップが流れる:
『笑奏曲 第2番〜鼻笛とともに世界へ〜』発売決定!
放送後、Amazonランキング1位を記録。
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収録を終えた帰り道、優子がぽつり。
「ねぇ光ちゃん、あれもう“まる見え”じゃなくて“笑い見え”番組やったよね。」
光子は笑いながらうなずく。
「うん、でも世界中の人が笑ってくれるなら、
それがうちらの“最高の音楽賞”やね。」
夜のスタジオに、笑いと拍手の余韻が長く残った。
――三年の終わりが、足音を立てて近づいてくる。
音大の掲示板には「総仕上げ試験 時間割」の白い紙がずらり。
「実技(専攻)」
「副科ピアノ」
「ソルフェージュ/聴音」
「和声・対位法 実技」
「アンサンブル評価」
ひとつひとつの行に、厳密な時刻と会場番号、そして赤ペンで「遅刻厳禁」。
寮の廊下は朝から静かだ。
笑いの絶えない談話室も、今週ばかりは鉛筆の音とメトロノームのクリックが空気を刻む。
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実技・専攻(M&Y個別)
光子(作曲/ピアノ)
課題:自由作品+規定小品(20分)
レパートリー:
1.組曲より《Northbound to Stockholm》ピアノ縮約版(自作)
2.ドビュッシー《映像 I》より「水に映る影」
3.課題様式《四声体コラール》のピアニスティック転写(新作)
舞台袖。
優子が手を握る。「テンポは海。最初は寄せ、最後は引く」
光子は深く一度だけ呼吸して、椅子の高さを2ミリ下げた。
—鍵盤に落ちた最初の和音は、冬の校舎をやわらかく温めた。
審査員のひとりが楽譜に小さくメモする。
「自作のモチーフ処理、良。後半の駆動は冷静。」
優子(声楽/アンサンブル)
課題:古典アリア+近現代邦人作品+任意曲(15分)
レパートリー:
1.ヘンデル《Ombra mai fu》
2.木下牧子《サッカー小僧》(※“呼吸”の間を活かす)
3.《Wings to Stockholm》(M&Y二重唱版・試験用短縮)
ピアノ伴奏は光子。
二人の“間”は、今年いちばん静かにぴたりと合った。
最後のカデンツァ、優子は欲しがらない。のせず、外さず、音を置く。
—講評係のシャープペンが、ゆっくり頷くように止まる。
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ソルフェージュ/聴音
黒板の前、砂時計のように時間が落ちていく。
三和音→変化和音→旋律聴音…
光子は五線の3段目に迷いなく音符を置く。
「7小節目、裏からの導音…上。」
優子は指先でリズムを刻む。「3連→付点→休符、吸って、吐く。」
最後の和声課題。
“V⁷/IVからの偽終止”
二人は別々の席で、同じタイミングで小さく笑った。
(今年、どれだけ“未完の終止”と付き合ってきたか——身体が覚えてる。)
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アンサンブル評価(室内楽)
編成:Cl(B♭)- Vc - Pf(M&YはPf/Voで客演)
課題:テンポ・ダイナミクスの合意形成/即時修正
リハ5分。
クラリネットの息がほんの少し早い。
光子がアイコンタクトでテンポの支点を譲り、
優子がフレーズの頭に“無言の子音”をひとつ置いて、音楽が合う。
—審査員:「合奏=会話、の理解が深い。『直す力』が見える」
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試験の合間の通知音
ピコン。
翼《東京の空、快晴。試験、勝ち切れ》
拓実《一本ずつ取れば勝ち。小節も同じ》
蓮《鼻歌は途中で止めるな(止めたら転ぶ)》
優子「…最後の助言がいちばん不穏(笑)」
光子「でも、ちゃんと効くやつ」
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最終コマ:総合面談
教授:「一年で何が変わりましたか」
光子:「“勝負の音”を、怖がらなくなりました」
優子:「“呼吸”を、音楽の中に言葉として置けるようになりました」
教授は書類を閉じ、穏やかに言う。
「舞台もコートも、結局“自分の時間”をどう作るかだ。
君たちはその方法を手に入れかけている。卒業制作では、さらに遠くへ投げなさい。」
廊下に出ると、冬の日差し。
ふたりは拳を軽く合わせた。
「総仕上げ、完了」
「うん。“いつも通り”で全部出せた」
掲示板の横を通る風が、紙をかすかに揺らす。
結果発表は来週。
でも、もう二人は知っている。
この一年の音は、確かに“前へ”進んだ——と。
夜、練習室の灯りがひとつ消え、
代わりに寮の台所の明かりがともる。
プリンのスプーンが小さく鳴って、笑い声が戻ってくる。
試験週間の終わり方も、やっぱり“いつも通り”だった。
――春休み目前の音大キャンパス。
桜のつぼみが膨らみはじめる一方で、学生ラウンジにはコーヒーとノートPCの光が並ぶ。
光子と優子も、卒業研究(卒論) の本格的なデータ収集に追われていた。
⸻
光子の卒論テーマ:
「音楽と感情同期における“笑い”の神経的効果」
笑いと音楽の関係を科学的に分析するという、光子らしいテーマ。
彼女は音響心理学ゼミの研究室で、被験者にクラシック演奏+ギャグクラシックを聴かせ、
その時の脳波・心拍・呼吸を計測している。
「同じ曲でも、笑いが混ざるとα波が一気に安定するんです」
モニターを見つめながら光子がつぶやく。
「“笑い”って、音楽の“緊張と緩和”そのものなんだね」
優子は被験者の一人として協力。
「光ちゃんの曲聴きながら笑うって、これもう家でも職場でもやっとることやん」
(研究室爆笑)
⸻
優子の卒論テーマ:
「歌唱における呼吸共有と情動伝達の関係」
優子は声楽と生理学の共同研究。
ペア歌唱中の“呼吸の一致率”を測る実験で、
光子を相方にしてデュエットを何度も録音している。
教授:「二人の呼吸データ、すごいね。完全に同期してる」
優子:「そりゃもう、“M&Y”ですけん!」
光子:「ほぼWi-Fiみたいなもんです(笑)」
実験データは1曲あたり平均呼吸一致率92%。
“呼吸を共有するほど感情伝達が強化される”という仮説が、見事に裏づけられた。
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春休みのスケジュール
――春休み目前の音大キャンパス。
桜のつぼみが膨らみはじめる一方で、学生ラウンジにはコーヒーとノートPCの光が並ぶ。
光子と優子も、卒業研究(卒論) の本格的なデータ収集に追われていた。
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光子の卒論テーマ:
「音楽と感情同期における“笑い”の神経的効果」
笑いと音楽の関係を科学的に分析するという、光子らしいテーマ。
彼女は音響心理学ゼミの研究室で、被験者にクラシック演奏+ギャグクラシックを聴かせ、
その時の脳波・心拍・呼吸を計測している。
「同じ曲でも、笑いが混ざるとα波が一気に安定するんです」
モニターを見つめながら光子がつぶやく。
「“笑い”って、音楽の“緊張と緩和”そのものなんだね」
優子は被験者の一人として協力。
「光ちゃんの曲聴きながら笑うって、これもう家でも職場でもやっとることやん」
(研究室爆笑)
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優子の卒論テーマ:
「歌唱における呼吸共有と情動伝達の関係」
優子は声楽と生理学の共同研究。
ペア歌唱中の“呼吸の一致率”を測る実験で、
光子を相方にしてデュエットを何度も録音している。
教授:「二人の呼吸データ、すごいね。完全に同期してる」
優子:「そりゃもう、“M&Y”ですけん!」
光子:「ほぼWi-Fiみたいなもんです(笑)」
実験データは1曲あたり平均呼吸一致率92%。
“呼吸を共有するほど感情伝達が強化される”という仮説が、見事に裏づけられた。
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春休みのスケジュール
日付
内容
3/1〜3/5
被験者追加データ収集(光子研究室)
3/6〜3/15
音声解析+統計処理(優子研究室)
3/16〜3/25
中間報告会・指導教員レビュー
3/26〜4/5
M&Yユニット練習+学外公演準備
4/6〜
卒業制作リハーサル開始
夜の寮の談話室。
机には楽譜、ノートPC、そしておなじみのプリン。
「春休みが春休みじゃない〜」とぼやきつつ、
二人は笑って、肩を並べてタイピングを続ける。
光子:「データも音符も、積み上げた分だけ響くね」
優子:「うん。いつかこの研究が、“笑いながら生きる音楽”に繋がる気がする」
その会話の向こうで、寮の外からは夜桜のつぼみがほころび始めていた。
――忙しさの中にも、次の春の音が確かに聴こえていた。
――春休み・久留米&黒崎「帰省できなくて残念会」ホームビデオ(撮影:親戚一同)
【00:00】
画面がガタガタ揺れて、いきなりアップで小倉 駿。
「只今より、“おねえちゃんズ不在だけど全員集合!”はじめます!」
後ろから美羽がクラリネットで「威風どうどう(胃風どうどう)」を一節。
「いきなり胃にくるやつ演るなって!」(家族総ツッコミ)
【00:14】
ちゃぶ台の向こう、瑛斗がサッカーボールをちょいリフ。
「光子おばちゃん、見て!“ちょっと待てやドリブル”!」
莉音がチアポンポンを振り、「せーの、“帰省やめてもー?”」
「もーーー(コール)!」(※冗談です)
【00:31】
黒崎家リビングへカット。
陽斗がタオルを首に巻き、実況口調で
「本日のカード、“会いたいvs会いたすぎる”開幕!」
**心菜(黒崎)**がピアノの和音を鳴らし、
「“M&Yの呼吸・いちの型:ビデオ通話!”」
美空がカメラに向かって小さく手を振る。「はるみちゃん、げんきー?」
【00:48】
台所カウンターの上、晴翔(空手着)が正座。
「遠くからでも守る。……遠隔見守り正拳突き!」
(後ろで**心菜(小倉)**がダンスの“遠隔ウェーブ”を合わせる)
慧はおにぎりを持ってニコニコ。「ひかってるごはん〜」
【01:06】
黒崎分家の縁側。
翔真&響&花音(年長)が並ぶ。
「M&Yさんに捧げます、“帰ってこんでも気持ちは合奏”」
——ふいに花音が「ふーっ」と吹いて音が裏返る。
「いまの、鼻笛クラシック!」(全員爆笑)
【01:22】
再び久留米・庭。
ブルーシートの上に、春介と春海が正座して登場。
春介「おねえちゃんズ〜〜、カメラのむこうにいる?」
春海「“いちばん輝く色のプリン”買って待っとるけん」
(大人たちが「それ金色やろ」と優しくツッコミ)
【01:38】
縁側で駿が進行。
「本日の目玉企画:“遠隔M&Yごっこ”、スタート!」
——黒崎・小倉の子どもたちがスマホを二台立て、画面越しに二列に整列。
前列:陽斗・春介・晴翔・瑛斗(ビート担当:手拍子)
後列:美羽・翔真・心菜(黒崎)(歌)・莉音
サイド:美空&花音(ポーズ係)/慧(合いの手“おいしい〜”)
【01:50】
♪「Wings to Stockholm(キッズ版)」イントロ。
美羽が2音モチーフを“ぴー♪ ぴー♪”と鳴らす。
心菜(黒崎)が歌い出す。
まだ誰も見ない朝——(ここで春介が「おはよー!」と割り込み)
靴ひも結ぶ音が、スタートの合図——(陽斗の手拍子がズレて全員笑う)
莉音「せーの、“笑って仕切り直し!”」
二度目のテイク、ぴたりとハマる。
響がバドのステップで“7/8”(インターメッツォの拍)を刻む。
翔真がサビで高らかに被せる。
花音は両手を上に伸ばして“北の光ポーズ”。
慧「おいし〜」←(なぜかここでも言う)
【02:24】
ラストは全員で合唱。
いつかじゃない 今を連れて行こう
北の光へ 風よ、道を拓け
——歌い終え、しばし沈黙。
その一拍の静けさが、スマホ越しにも“間”の温度を運ぶ。
遠くの東京、寮の談話室で見ている光子と優子が、画面の向こうで同時にうなずく。
【02:36】
エンドロールふうに、子どもたちの“ひとことカード”が次々アップで映る。
•駿「テスト終わったらそっち行くけん、即席セッションしよ」
•美羽「次の合奏、クラの譜面ちょうだい!」
•瑛斗「リフのキメ、もっと決めたい!」
•莉音「ダンスのふり、動画送るけん!」
•晴翔「テニスのラダー、教えて!」
•心菜(小倉)「ダンスの衣装つくったよー」
•慧「だっこ!」
•陽斗「開幕戦、一緒にTV観戦な!」
•心菜(黒崎)「“笑いの呼吸”おぼえたよ」
•美空「いろはちゃんにおえかきおくる」
•翔真「金管+クラの譜面、作ってみる」
•響「7/8ステップ、もう一回教えて」
•花音「ぶーぶー(鼻笛)する!」
【02:58】
最後に、全員で手を振る。
「光子おねえちゃん、優子おねえちゃん——卒論がんばって!」
画面の端で、おとなたちが小声で合いの手。
「帰ってこんでいいけん、やり切って帰ってきんしゃい」
「ご飯は、こっちが“いちばん輝く色”にしとくけん」
(※カレーの鍋がキラッと映る)
【03:10】
——動画が終わる。
寮の談話室で、光子と優子はしばし無言。
次の瞬間、二人同時に笑って、拍手を送る。
光子「……完全に、家族合奏やね」
優子「うん。距離なんか、とっくに“同期済み”やった」
スマホに新着メッセージ。
《みんなへ:データ取り終わったら、遠隔発表会やるけん!》
《曲名は“帰れない春でも、帰れる場所”》
送信ボタンを押すと、画面の向こうの春が、少し近づいた気がした。
――春。
東京の桜は散り、キャンパスの木々が淡い新緑を纏いはじめる。
光子と優子の机の上には、長い戦いを終えた証――
厚さ3センチの製本済み卒業論文が静かに横たわっていた。
⸻
卒論・最終提出日
「よし……いくよ」
優子がファイルを手に取り、光子がうなずく。
研究室のドアを開けると、教授がにこやかに待っていた。
「提出します!」
「提出しますっ!」
二人が机に卒論を置いた瞬間、肩の力が一気に抜ける。
教授がページをめくり、うなずきながら言う。
「ここまでよくやりましたね。研究の筋もデータも完璧。
“笑いと音楽”の融合を、学問として形にしたことが素晴らしい。」
光子と優子、思わず顔を見合わせる。
「やった……!」
「終わった〜〜〜!!!」
研究室のドアを出た途端、廊下に響く二人の声。
「卒論、完っ成〜〜〜〜!!!」
(寮中にこだまするほどの大歓声)
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春休み後の進級発表
掲示板の紙に、二人の名前。
「進級:四年」
その文字を見た瞬間、涙と笑いがいっしょに込み上げた。
光子:「ついに大学最終年だね」
優子:「ね、あと一年で“学生”も卒業かぁ」
光子:「でも、最後の一年も全力で“笑い”と“音”に生きるよ」
優子:「うちららしい締め方にしようね」
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寮の部屋にて
ピコン。
ファミリーチャット《小倉家+青柳+柳川+親戚全員》が光る。
光子《卒論、提出完了!教授OKもらったよ!》
優子《これで四年生突入〜 GWに帰省するけん!》
すぐに返信がどっと届く。
•美鈴《お疲れさま!やっぱりうちの子たちはすごい!》
•アキラ《春介と春海が「おばちゃんにプリン作る」言いよる》
•翼《やったな光ちゃん!GWは空港迎え行くけん!》
•拓実《優子、おめでとう。今度は“卒論ギャグクラシック”出す?笑》
•穂乃果《待っとるよ〜!陽翔たちも大はしゃぎ!》
•水湊《姉ちゃん、帰ってきたらピンポン勝負やけん!》
そして、久留米&黒崎連合の甥姪グループからも——
「おねえちゃんず、おかえり準備始めた!」
「玄関に“卒論完了”の旗立てとくね!」
「帰省特番“ただいまM&Y”撮影会開催〜!」
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光子:「もう既に騒ぎ始めてるね(笑)」
優子:「たぶん空港から祭りやね」
二人は顔を見合わせて笑い、窓の外を見上げる。
春の風が、音大の桜並木をくぐり抜け、どこか懐かしい博多の匂いを運んできた。
「次は――家族のもとへ。」
そして、M&Yの新しい一年が、静かに幕を開けた。




