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三姉妹爆笑交響曲 — 大学生篇から陽翔&結音誕生まで  作者: リンダ


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高校生日下部ひよりの悩み

ラウンジ/夜。

テーブルにお茶とクッキー。ホワイトボードには小雪の字で「※飲み物は先に飲み切ってから笑ってね」。


優子「はなまるツインズ、観察眼つよっ。小四であの切り口は天才やん」

光子「うん。見たまんま+半歩ズラすが自然にできとる。あれ、地元超えて全国いけるやつやね」


さくら「え、全国? どうやって?」

光子(マーカー持って)「作戦会議、いこうか」

(ホワイトボードに書く)


①地元深掘り

②音声映え

③全国おためし


りり「三段ロケット方式!」

優子「①は**“身近あるある”を毎月1テーマ**。学校/商店街/バス/図書館とか。30秒版と2分版を磨く」

つむぎ「②はラジオ?声だけで刺すやつ」

光子「そう。『はなまる取締課』みたいなコーナー作って、スリッパ一方通行とか洗濯機“あと3分”とか、SEと掛け合いで耳に残す」

梢「③は朝の情報番組とかで短尺中継ネタ。締めは**『またあした!』+眉ピッ**で認知を取りに行く、と」


小雪「いい。守りのルールも決めよ。まだ小四やけん」

優子「出演は土日昼&早帰り、夜は19時まで。宿題最優先」

光子「合言葉は**『飲み物は先に飲み切る』『拭いてから笑う』『出力45%』**」

ひかり「100%封印のやつね」

優子「200%は都市伝説ってことにしとこ」


あかね「プロフィール、15秒で言えるやつ要る」

光子「考えとる。“日常を観察してやさしいルールに変える小学生コンビ。合言葉は拭いてから笑う、決め台詞はまたあした!”」

さくら「もう番宣やん」


小春「ショート台本も試す?」

優子「やろう。現場30〜45秒、今ここで台本稽古」



ミニ台本①「ランドセル渋滞」(30秒)


(りり=ひなた、つむぎ=みずほ)

りり「昇降口、本日右側通行でーす!」

つむぎ「逆走は飴1個で反省!」(笛ピッ)

りり「飴はありがとう先出しで受け取ります〜」

二人「またあした!(眉ピッ)」


小雪「耳に残る!」



ミニ台本②「洗濯機“あと3分”詐欺」(15秒)


(梢=みずほ、さくら=ひなた)

梢「あと3分って言いながら8分25秒!」

さくら(洗濯機役)「回ってみたら回りたくなって〜♪」

二人「拭いてから笑う!→またあした!」


優子「完璧。SEは小春お願い」

小春「了解。ドラムスティックで洗濯機の音つくる」



ひかり「ラジオ用のジングルも要る」

光子「奏太にギターでキュイーン→ぽん、美香のピアノで**“またあした”コード**入れて完成」


さくら「持ち込み番組名は?」

優子「テレビは**『はなまる取締課・本日のゆる規則』」

光子「ラジオは『はなまる回覧板』。リスナーから“ありがとう先出し”募る」

りり「配信短尺は『はなまる断層・観測ログ』**で15秒クリップ連投」


つむぎ「ネタの種メモはどう集める?」

光子「1行で記録。“気になったこと+半歩ズラす案”」

優子「大人が15秒台本に整える。時間割ガードしながら」


小雪「自己紹介CM(30秒)も撮る?」

光子「撮る。校庭→昇降口→給湯前で3カット。最後眉ピッ」

優子「ナレーションはうち:『笑いは回覧板、またあした』」


梢「で、免許皆伝は?」

優子(胸ポケットからバッジを出すふり)「今日付で**“眉ピッ初段”授与、というごっこで」

光子「条件は①ありがとう先出し ②相手の歩幅に合わせる ③整骨院送りにしない**」


さくら「守り強っ(笑)」



小春「あと、緊張対策ルーティン決めとこ」

優子「本番前に**“ありがとう先出し”を1回**言ってからスタート」

光子「親子で眉ピッ45%合わせる→深呼吸→入る」


りり「スケジュールは?」

小雪「土曜昼:地元TV、日曜午前:ラジオ、平日夕方は宿題。19時完全オフ」

優子「守る。ここブレたら全部アウトやけん」


ひかり「じゃ、結論まとめ——」

(ホワイトボードに書く)


・はなまる=後継者やなくて共鳴仲間

・三段ロケットで半歩ずつ全国へ

・守りの時間割と合言葉は厳守


光子「最後、コールいくよ。さみ!」

全員「ちいでちゅ!」

優子「春介〜!(条件反射)……でも今は就寝中でした」

一同「(笑)」


小雪「“またあしたポスト”、今日の一言入れて解散」

—紙の音がカサッと落ちる。


優子「はなまる、半歩ずつ。うちらも半歩」

光子「眉ピッで締め!」


ラウンジの灯りが和らぐ。

“観察して半歩ズラす”——その合言葉が、今夜の女子寮にそっと根を下ろした。




radikoナイト:寮で拝聴、はなまる無双


ラウンジ。Bluetoothスピーカーの前に円陣。

ホワイトボードには小雪の注意書き——「飲み物は先に飲み切ってから笑ってね」。


優子「よし、radiko入った。音、出すよ」

光子「音量36、ちょうどいい」


――【ジングル♪】

DJ「本日のゲストは小学生お笑いコンビ、はなまるツインズ!」

ひなた「こんばんはー! ひなたです!」

みずほ「みずほです! 今日もやさしいルール持ってきました!」


(寮メンバー、姿勢が正しくなる)



コーナー①「校内ニュース・やさしいルール」


ひなた「第一報! 昇降口のスリッパ右側通行、守ってくれたら飴ポイント+1!」

みずほ「逆走したら**“ありがとう先出し”**言ってから並び直し〜」

DJ「ありがとうで解決していく…通貨が尊い!」

(寮:くすくす→慌ててコップを置く)


ひなた「第二報! 洗濯機“あと3分”詐欺は8分25秒! 対策は——」

みずほ「拭いてから笑う!(フィルター掃除)」

DJ「家訓きた!」



曲紹介:先輩への敬意


みずほ「ここで一曲。私たちの偉大な先輩——」

ひなた「小倉光子さんと優子さんがいるバンド、ファイブピーチ★で**『スタート』**!」

みずほ「いつも背中を押してくれて、ありがとうございます。聞いてください」


(寮、一瞬しん… → イントロ。

光子と優子、目だけで「ありがとう先出し」→親指ちょん。

サビ、全員の足先が揃ってリズムを踏む)


曲、フェードアウト。



コーナー②「生漫才・連絡帳ラップ」


ひなた(ビート)「つ・ぎ・の・ページ!」

みずほ「したく八つ、忘れ物ゼロ」

ひなた「でもハートは多め、笑顔は無限」

みずほ「先生チェック、母チェック、父は…さみ…」

ひなた&みずほ「春介〜!」

DJ「合図が全国規格なのよ(笑)!」


(寮:ドンッと笑いが跳ねる。小雪、腹を押さえながら「飲み物…先に…置いといてよかった…!」)



コーナー③「給湯ピーク・生対応」


みずほ「給湯ピーク22:10、渋滞を減らす**“順番ゆずり券”配布!」

ひなた「券は夜3枚まで。偽造したら飴納付**!」

DJ「モラル通貨だ、やさしい!」


(寮:りりがメモ「※寮でも導入したい」)



エンディング


ひなた「最後に合言葉! またあした!」

みずほ「眉ピッ!」

DJ「はなまるツインズ、ありがとー! また来てね!」


――【ジングル♪】配信終了。



寮・アフター爆笑


優子「……プロやん。間合い、完璧」

光子「曲紹介の敬意も、本番のキレも両立。観察→半歩ズラすが身体に入っとる」

小雪「腹筋、限界。明日、整骨院送り」

さくら「予約入れとく……(笑い泣き)」

りり「“飴納付”のポスター作って掲示する」

つむぎ「順番ゆずり券、プリンター回すね」


小春「radikoの番組ハッシュタグ、感想送っとく?」

優子「送る。『曲紹介ありがとう。先輩、胸いっぱい』」

光子「追伸:『またあした』」


(送信ポーン)


ひかり「じゃ、“またあしたポスト”。一言ずつ入れて寝よ」

•優子:先輩って呼ばれて背筋が伸びた

•光子:敬意のあとに爆笑、これが理想

•小雪:飴は明日買う(納付用)

•さくら:腹筋は悲鳴、心は満腹


カサッ、カサッ。紙の音が落ち着く。


優子「全国、見えたね」

光子「半歩ずつ、ね」


消灯前、全員で小さく。

全員「またあした」

光子・優子「眉ピッ」


——ラジオ越しの小四コンビが、今夜も寮を笑いで満たした。

そしてほんの少し、未来の地図が広がった。





夜の博多、ラジオ越しの“はなまる”は


リビング。湯のみ二つ、テーブルの上にスマホ。

radikoから、あのはなまるツインズの声が弾む。


ひなた(ラジオ)「昇降口は右側通行でーす!」

みずほ(ラジオ)「逆走は飴1個で反省〜!」

(ジングル、笑い)


美鈴「……このテンポ、ようできとるねぇ」

優馬「小四やろ? たいしたもんたい。優子の小学生ん頃を思い出すばい。光子がネタ振って、優子が捌く、あれとそっくり」


ラジオは続く。


みずほ(ラジオ)「ここで一曲、偉大な先輩・小倉光子さん優子さんの**『スタート』**!」

(曲イントロがふわっと流れる)


美鈴「先輩立てる言い方、ちゃんとしとるね。育ちがよか」

優馬「全国、行くやろあの二人。半歩ずつでよかけん、遠くまで行くたい」


曲がフェードアウトし、ふたたび漫才のキレ。

二人は思わず笑って、湯のみを置く。


美鈴「そういや光子と優子が言いよった。**『博多南小学校に、笑いの火が灯り続けるのが嬉しい』**って」

優馬「可愛がっとるもんねぇ、あの二人のこと。ネタの種まで一緒に拾いよるやろ」


ラジオがエンディングへ。


ひなた(ラジオ)「またあした!」

みずほ(ラジオ)「眉ピッ!」

(ジングル、終了)


しん、として、家の空気だけがほのあたたかい。 


優馬「……よか時間やった。うちの昔も、ちゃんと今に続いとる感じがする」

美鈴「笑いの回覧板、いまも回っとるね。次は誰ん家に回るっちゃろ」


美鈴は食卓の**「またあした瓶」**に紙を一枚。


博多南の火、いまもあかるい。

ラジオ越しに、ちゃんと見えた。


**コトン。**小さな音が夜に沈む。


優馬「父は……さみ——」

美鈴「しーっ。今、春介と春海は寝とるけん(笑)」

優馬「はい、またあした」

美鈴「またあした」


二人で小さく眉ピッ。

窓の外、川風がすこし笑った気がした。





コンビニ前、夜風一本分の相談


レジに来た女子高生は、いつもの笑顔をどこかに落としてきたみたいだった。

カップに氷。コーヒーマシンのボタンを押す手が、少し震えている。


光子「どうしたん? 今日はなんか落ち込んどる?」

女子高生「……いえ、別に」

言葉は濁って、視線はカップの中。


ちょうど退勤10分前。光子は優子と目を合わせた。

光子「もうすぐ上がるけん、ちょっとだけ待っとって」

優子「悩みあるなら、うちらでよければ聞くよ」


女子高生は小さくうなずいて、会計を済ませた。

外に出て、店先のベンチに腰を下ろす。


——退勤。タイムカードを押して、二人はドアを開けた。

夜風が、揚げ物ケースの匂いを薄めていく。


優子「ごめんね、待たせた」

光子「ここ座ってよ。名前、前に教えてくれとったよね?」

女子高生「……日下部ひよりです」

光子「ひよりちゃんね。じゃあ、改めて。どうした?」


ひよりは紙コップを両手で包んで、息を落とし込むみたいに話し出した。


ひより「……合唱部で、明日の発表のソロ、わたしのだったんです。

でも今日、『声が重いから交代』って。先輩にも『調子乗るな』って言われて。

SNSも……陰口が流れてて。なんか、全部自分が悪い気がして……」


言い終わると同時に、紙コップのフタがカチと鳴った。

光子は、言葉を選ぶみたいに、空を一度見た。


光子「“重い”って、言い方やね。うちにはそれ、温度があるって聞こえた。

ひよりちゃんの声、ぬくい。冷たい体育館でも、人を包める声やん」


優子「“調子乗るな”は、相手の調子が見えきれん時に出る言葉やけん。

ひよりの調子まで下げんでよか。ボリュームつまみは自分で持っとって」


ひよりの目が、少しだけこちらを向く。

優子はコップ蓋のフチを指でなぞって、テンポをつくるみたいに言った。


優子「今夜やること、三つだけ。むずかしいのは無しね」

光子「① 深呼吸。4吸って6吐くを3回。

② 今日のよかった一言をメモ一枚。『またあした瓶』って名前で財布に入れとく。

③ SNSを今夜は閉じる。通知もおやすみ」


ひより「……できる、かも」

光子「できるよ。半歩ずつでよかけん」

優子「それとね。録音できる? ひよりの“今の声”を8小節だけ、スマホに残す。

明日また聴いたら、今日のひよりにありがとう言えるけん」


ひよりは、ふっと笑った。泣き笑いに少し似ている。


ひより「……先輩、お二人、いつも明るいから。

こんな真面目な話、してくれるって思わなかった」


光子「真面目もギャグも半々やけん。ほら、ありがとう先出し」

(胸に手→うん→親指ちょん)

優子「最後にこれ、眉ピッ45%。200%は都市伝説やけんね」

三人で小さくウィンクした。ベンチの空気が少し軽くなる。


ひより「……ありがとう。明日、また来ます。

もしよかったら、ソロの録音、聴いてください」


光子「もちろん。レシートの裏でもノートでも、“またあした”一言、忘れずに」

優子「帰り道、4-6の呼吸、ね」


立ち上がるひよりの足取りは、来た時より半歩だけやわらかい。

自動ドアの前で振り返って、ぺこりと頭を下げた。


ひより「またあした」

光子・優子「またあした」


ひよりの背中が角を曲がるまで見送って、二人は顔を見合わせた。


優子「半歩、進んだね」

光子「半歩でも、道になるけん」


夜風が、看板の端っこを少し揺らした。

店内からは、いつものBGM。

ベンチの上には、温くなったコーヒーのリングがひとつだけ残って、すぐに夜に溶けた。





コンビニ前、もう一枚深い話


ベンチに座ったひよりは、紙コップのフタをいじりながら、もう一度息を整えた。

夜風が少し冷たい。光子と優子は、ただ横で待った。


ひより「……もう一個、深刻なんがあって。

お母さん、宗教にのめり込んでて。わたしにも入れって。

お父さんとわたしは断っとるけど、ずっと言い合いで……。

最近は、儀式みたいなんにも連れていかれそうになって……こわい」


言葉が切れるたび、紙コップがコトと鳴る。

光子は、うなずくだけ。優子も、うなずくだけ。せかさない。


光子「話してくれてありがとう。まず、今ここで安全?」

ひより「うん。今日は、お母さんは集まり行ってる」

優子「よかった。今夜はまず、安心できる場所で休むのが一番」


少し間をおいて、光子がゆっくり提案する。


光子「“どう向き合うか”を、段階で考えよ。無理はせんでいい。

① 味方の大人リストをつくる:お父さん/担任・スクールカウンセラー/親戚で話せる人。

合図セーフワードを決める:お父さんや友だちに“今助けて”が伝わる絵文字や一言。

③ 出来事メモ:日にち・言われたこと・連れていかれそうになった場所を短く記録。感情も一言。

④ 境界線の言い方を用意:

 『今は自分で考えたい』『怖いから行けない』『信じるかは自分で決めたい』——“私は”で始める」


優子「⑤ 学校にも共有。先生かスクールカウンセラーに、お父さんと一緒に相談。

⑥ もし、無理やり連れていかれそう、怖い、暴力・脅しがあったら、すぐ離れて、安全な場所へ。大人に110や児相へ助けを求めてOK。あなたのせいじゃない」


ひより「……メモ、できる。合図も、作る」

光子「よか。今夜は“味方リスト”と“合図”だけで合格。

メモは一言で十分。『〜と言われて怖かった』みたいに」


優子「お父さんとも、タイミング合わせて話そう。

『学校の人にも聞いてほしい』って、ひよりから先に言っとくと、お父さんも動きやすい」


ひよりが、やっと二人の目を見る。瞳の揺れが、少し落ち着いた。


ひより「……お母さんのこと、嫌いになりたくない。

でも、怖い。どうしても入れって言われて……」


光子「嫌いにならんでいい。距離を置くのは、守りやけん。

『好きだけど、これはできない』っていう線は、愛情と両立する」

優子「信じる/信じないは個人の自由。未成年のひよりが嫌って言う権利もある。味方でおるけん」


三人で4吸って6吐くを3回。夜の音が少し透明になる。


優子「最後に具体、もう一個だけ。

LINEで“(青四角)”が来たら『今は大丈夫』、

“(オレンジ四角)”が来たら『迎え希望』、

“(赤四角)”が来たら『至急、電話』。——合図運用ね」

光子「学校の正門と図書館、交番、コンビニ、人がいる場所を避難ポイントに。地図に星つけとくと安心」


ひより「……やってみる。

明日、録音と、先生のとこ、行く。

ありがとう。また来てもいい?」


光子「いつでも。“またあした”瓶も作ろ」

優子「今日はここまでで花丸。**眉ピッ45%**で解散」


三人で小さくウィンク。

ひよりの歩幅が、来たときより半歩、まっすぐになった。


背中が角を曲がるまで見送って、二人は息を吐く。


優子「……重さを、言葉にできたね」

光子「うん。重いはぬくいにも変わる。半歩でいい」


夜風が看板を鳴らす。

ベンチの上、冷めたコーヒーの輪がひとつだけ残って、ゆっくり乾いていった。





ベンチでの約束/店内での根回し


光子はひよりの目線に合わせて、やわらかく切り出した。


光子「もうひとつ、提案ある。うちのお母さんは博多で幼稚園の先生(いまは園長)。お父さんは福岡市内で児童保護の仕事ばしよる。うちらより子どもの権利と保護に詳しか。

よかったら連絡してみる? うちらから話を通しとくけん、ひよりちゃんのお父さんと一緒にリモート相談できるよ」


ひより「……本当ですか」

優子「ほんと。日曜の夜とか、お父さんの都合がいい日で合わせる。顔出しナシでも大丈夫」

ひより「お願いしたいです。お父さん、一人で抱えてて……。心強いと思います」


光子「よか。じゃ、連絡先交換して、候補の時間をいくつか送って。うちらが二人に繋ぐ」

優子「合図運用(青=平気/=黄色迎え希望/赤=至急電話)は今日から継続でね」


ひよりが深くうなずく。少しだけ表情がほどけた。


ひより「ありがとうございます。……また来ます」

光子・優子「またあした(眉ピッ45%)」



店内:篠崎店長に共有


タイムカードを押し直し、二人は店長・篠崎に声をかけた。

(篠崎さんは標準語、物腰やわらか)


光子「店長、少し共有いいですか。さっき来店した高校生の子が、家庭の事情で困ってるみたいで。私たちがいない時に駆け込んだら、助けてあげてほしいです」

篠崎「わかりました。ここは町の明かりですから。まず安全確保、落ち着ける場所に案内して、水出します。状況によって保護者/学校/警察・児相に連絡、でいいですね?」

優子「はい。最寄りの交番の番号と、児童相談所のダイヤルは、事務所のボードに貼っておきます」

篠崎「お願いします。スタッフにも周知します。本人のプライバシーは守ります」


光子「あと、“合図”を決めてます。もし本人が来て『ホットのM、ゆっくりで』って言ったら、すぐバックヤードに通してください。それが助けてのサインです」

篠崎「了解。合言葉、全員に共有します」


篠崎さんはメモを取り、バックルームの緊急カードに連絡先を書き込んだ。


1.安全確保・同席者の有無確認

2.飲水・休憩

3.連絡(保護者/学校/交番/児相)

4.事実の簡潔な記録


篠崎「お二人、いい仕事してます。無理はしないで、困ったら私にも投げてください」

優子「ありがとうございます。心強いです」



連絡の橋渡し


休憩に入り、二人は美鈴と優馬に状況をLINEで共有した。

すぐに既読。


美鈴:了解。日曜19:30空けるね。

優馬:資料(学校・児相・相談窓口の案内)用意しとく。顔出し不要OK。


続けて、ひよりとひより父へ候補を送る。


光子:日曜19:30どう? 顔出しナシ可。録音禁止/外部共有なしで安心して話そ。

ひより父:ありがとうございます。その時間でお願いします。助かります。


優子「橋、かかったね」

光子「うん。半歩ずつ、堅めていこ」



しめ:またあした瓶


休憩終わり、レジに戻る前に、二人はメモ一枚を書いた。


“またあした瓶”追記

・味方の大人、一人増えた。

・合図は通じる。

・駆け込める灯り、この店にも点いた。


小さくコトン。

夜のコンビニに、目に見えない安心の灯りが一つ増えた。

二人は**眉ピッ45%**で、いつもの笑顔に戻った。

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