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異世界に行った先で、

「私は桔乃といいます。あなたは?」

唐突すぎる自己紹介にびっくりしたが、

「颯太です。よろしくお願いします、、」

と自然な感じで答えることができた。

「、、、」「、、、」

けどそのあとの会話が続かず沈黙が続いてしまった。

「あの、、、」

「颯太くんは、、」

沈黙でさえも気まずいのに追い討ちをかけるようにさらに気まずくなってしまった。気まずさを悟られないようにあえて明るい声で話す。

「あ、先どうぞ、ぼくは別に大したことないので」

そういうと彼女は口を開いた。

「じゃあ、颯太くんは今何歳ですか?」

えっ?そんなこと?と思いながらも

「15歳、高1です。」

と答える。すると少し彼女の顔が明るくなって、

「じゃあ同い年ですね!」

と言われた。正直ぼくは驚く。なぜならすごくお姉さん感があるから。もっと高3くらいだと実際思っていた。

「なら敬語じゃなくて大丈夫だね!」

「そうですね、あ、、」

つい敬語で話してしまった。

「だから敬語じゃなくても大丈夫だって、楽にいこ」

「あー、分かった」

「ふふっ」

桔乃は笑顔を浮かべる。とてもかわいらしい笑顔を。

「そういえば、意味分かんなくなってきたー。とか言ってたけどなんか悩み事?」

「あ、あーそうだ忘れてた」

こっちの世界に来てから町の感じが少しだけ変わっていたり、急に話しかけられたりしたから頭がごっちゃになっていたが、おれが本当に聞きたいのはここはなんという世界なのかということだ。

けど桔乃にそんなこと話していいのだろうか?どうなんだろう?んー、、、

考えていると桔乃が不思議そうな顔でこちらをのぞいてきた。

「大丈夫?」

「うん。学校でめんどくさいことがあってそれで悩んでただけ、別に大したことことじゃないから大丈夫」

「そっかー学校大変だね」

「入学して少ししか経ってないからね」

結局、桔乃には別の世界から自分が来たことは言わなかった。言ったらなんとなく変な空気になってしまうから。

太陽が眩しく、とても暑くなってきた、、

「これからなんか予定あるの?」

「いや、ないよ。というか今何時?」

「今はねー、、8時ちょうどだよ!」

「8時?!」

気づかない間にそんな時間たっていたんだ、、

というか8時ってこんな暑いのかーと改めて夏の暑さを知った。

「じゃあ私は家に帰るね。また会ったらお話しようね!」

「そうだね!じゃあ、また」

桔乃の背中が見えなくなるまで見送ったあと、僕は猛烈に考えた。 

「、、、んで、どうやって戻るんだ、?」

僕は戻り方を知らなかった。普通に焦る。さすがにこのままこの世界で生きていくことはぼぼ不可能だ。どうしようかと考えていたとき、ふと左手の中指につけていた紙の指輪がはずれた、、

それと同時に自分の意識も遠のいていった、、、




目が覚めると僕は家に近いコンビニの洋式に腰かけていた。

「さっきまで違う世界にいたのに、、これが異世界に行くってことかー」

と感心する。携帯の時計は午前8時15分。

「そろそろ家に帰るか。母さんとかもここまで長い散歩をすると心配するだろうし、、」

案の定、携帯には母さんから10件くらいの着信履歴がきている。僕はゆっくりトイレから出て、コンビニを出て家に向かう。その道はいつも通る道と同じ。だけど今日は少し違うように感じた。僕は誰も知らない世界の秘密を知った喜びを噛みしめ、家へ向かった。

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