３ 安全を求めただけ、排除と隔離はその結果
最初は自宅の周りに警備体制を設置するだけだった。
防壁を立てたり、警報を付けたり。
その程度のものだった。
それだけでは無理だとなると、比較的穏便な地域に人があつまるようになった。
自宅だけを守るより、まともな人間があつまる場所に逃げ込んだ方が楽だ。
一人で防衛・警備体制を作るより負担は少なくなる。
平穏を求める者達は次々に集まり、自分達が平穏に暮らせる町を作っていった。
流入する人間によって町は大きくなっていく。
それが国中に拡がっていく。
その中に排除されてる人間は入れない。
だんだんと居場所がなくなっていく。
数の少ない排除された人間は、自然と隔離される事になる。
誰からも接触を拒否され。
問題があるからと就職もできず。
人が集まる町にも入れず。
人から拒絶された者達は食うに困るほど落ちぶれていく。
そんな者達は文字通りに襲撃を始めていく。
食い物を、金を奪うために押しよせる。
もともと誰かを傷つける事に疑問を抱かない者達だ。
むしろ、それが当たり前で良いことをしてるととらえてる者達だ。
誰かを襲う事に躊躇いはない。
むしろ、「俺達だって生きてるんだ！」と開きなおる。
そんな人間なのは既に判明している。
ＡＩも事前に襲撃の可能性を多くの者達に伝えている。
問題のある人物だとこれまでの言動・行動から割り出してるのだ。
犯罪・暴動を予測するなど簡単なもの。
それでも防げない事もあるが。
事前に対処できる事も多い。
襲撃を企ててる者達の多くは、実行にうつる前にとらえられていった。
警察がではない。
騒動になる前に解決しようと動いた有志によってだ。
有志達は問題を起こしそうな者達を捕らえていく。
そして、人知れず処分していく。
生かしておけば確実に問題を起こす。
ならば、何もしないうちに殺せば問題はない。
何か起こってからでは遅いのだ。
警察は動くだろう。
だが、犯罪や暴動で発生した損害や被害は消えない。
誰かが危害を加えられる。
なぜそれを待たねばならないのか？
それに、刑務所に入れば入ったでそれも問題だ。
収監中の衣食住は税金でまかなわれる。
なぜ問題を起こす輩を生かさねばならないのか。
なぜ問題を起こす連中の生命を、他の者達の金でまかなわねばならないのか？
おかしな話だ。
それならば、さっさと死んでもらった方が良い。
命をとるのはかわいそうなどとは言ってられない。
かわいそうなのは、襲撃を起こし危害を加える者達の生活を負担させられる者達だ。
その多くは日々を平穏に過ごしてるまっとうな者達である。
なぜ問題を起こさずに平穏な生活をしてる者達が責め苦をおわねばならないのか？
どんな業があって、自分を虐げる者達に生活費を貢がねばならないのか？
結局、人に危害を加え、暴動を起こし、迷惑をまき散らす。
その方が得という事になる。
悪さをしても生活が可能な空間に放り込まれる。
衣食住の面倒をみさせる事ができる。
刑罰というが、全く刑罰になってない。
働かずに生きていけるだけ得をしている。
刑務所に入るのが、誰かに危害を加えた者という事からも明らかだ。
危害を加えた者が衣食住を保証される。
それのどこが刑罰だというのだろうか？
どこに苦しみがあるのだろうか？
結局、殺すしかないのだ。
問題を起こすような輩は。
問題を起こす者達を生かす。
こちらの方がよっぽど業が深い。
悪行とすら言える。
なぜ悪行を蔓延させ、業を積み重ねるのか？
どうして罪を連ねていくのか？
理解できない問題である。
そうさせないためにも、事前に処分するしかない。
排除されることに、隔離される事に納得ができないなら。
自分の考えや行いをあらためるのではなく、他者を傷つけて物を奪うというなら。
そんな者達を生かしておいた方がよっぽど危険だ。
どこで問題を起こすか分からない。
危険と隣り合わせで生きる。
こんな悲惨な事を強いられる理由はない。
ネットワークを通じての排除登録。
これによる隔離。
これが限界ギリギリの譲歩なのだ。
命までは取らない。
あとは自分で生きていけという。
そうと意識してるわけではない。
だが、自然とそうした意思表示になっている。
あとは、された側が反省できるかどうかだ。
無理である。
反省できる人間などいない。
あやまちに気付く事も、考えや態度をあらためる事も。
人間にはできない。
持って生まれた素質と素養をで生きていく。
生まれたあとの学習で、これらが変わる事もない。
問題を起こす者達が変わる事は無い。
いつでも問題を起こす。
だからいつまでも隔離する。
排除登録が解除されない所以だ。
排除した後の事が分からないとうのはある。
その後、性格が変わったとしても、それが分からない。
分からないから登録解除する事もない。
変わっていると分かれば、解除する人間もいるだろうが。
しかし、より大きな問題として、何一つ変わらないからというのがある。
まれにその後の事を知る事もある。
排除登録した者の消息をだ。
しかし、漏れ聞く話は以前と変わらない態度や行動。
より悪化してる事はあっても、改善はみられない。
少しは変わろうという努力もみられない。
だから排除登録は解消される事はない。
問題を起こすのが分かっているのに、なぜ付き合わねばならないのか？
なぜ接点を持たねばならないのか。
そうなる可能性があるというだけでも危険なのに。
かくて排除登録は延々と続き。
隔離された者達は己を顧みずに文句をいう。
謂われなき怨嗟と怨念を口にして行動にうつす。
排除・隔離で満足しておけば良いものを。
やむなく、事前の処分が行われていく。
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以前、こちらのコメント欄で、俺の書いた話を話題にしてくれてたので、覗いてみると良いかも
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