表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/4

2 望まない触れあいの強要

「人と人の触れ合いを!」

「取り戻そう、人が互いに手を取り合う世界を!」

 そんな声が上がったのはいつの頃だったか。

 人が嫌な人間を遮断して久しくなった頃。

 このような社会に反対する者達が声をあげるようになった。



 人が他人を拒絶して出会わなくなる社会。

 そんなのはおかしい。

 人は手を取り合って助け合って生きていくものだ。

 …………要約するとこのような事で、他人を遮断する事を否定していった。



 もちろん、多くの者がこういった者達を遮断していった。

 嫌な奴との接触を断ち切る事を望んでる者が大半なのだ。

 それを否定する者達など遮断するに決まっている。



 遮断されるならまだ良い。

 一度は意見を聞いてもらえる事もあるのだから。

 しかし、あがる声の大半は他の者に届く事もない。

 声を上げる者達の大半が、既に他の多くから遮断されてる者なのだから。



 嫌われてるから接触を断られている。

 そうした者達ほど現状に反対・否定していく。

 何が気に入らないのか、自分が拒絶されてる事が認められないらしい。

 そうなるだけの事をしてるのだが、それも理解できない。

 そんな者達が叫んでるのだ。



 不思議なものだ。

 他者に危害を加える。

 他者に嫌がらせをする。

 そういう者ほど他者との接点を求める。

 他の多くの者達からすれば迷惑でしかない。



 なぜ嫌がらせをするような輩と接点を持たねばならないのか?

 なぜ嫌がらせを受け入れねばならないのか?

 そんな事をする義務など他の者にはない。

 むしろ、嫌がらせや危害を加える者を拒絶・成敗する事こそ求められる。

 道義的にも道徳的にも倫理的にも、拒絶する方が正解だ。



 だが、拒絶されてる者達は気付かない。

 そもそも自分達が悪いことをしてると思ってない。

 嫌がらせも危害を加えてる事も悪いとは思ってない。

 まともな人間なら「そんな馬鹿な」と思うだろう。

 だが事実だ。



 むしろ、嫌がらせや危害を加える事が当たり前。

 これこそ常識だと思ってる。

 悪いことどころか良いことをしてると思ってる。

 ……そんな人間にどうして付き合う必要があるのか?



 多くの人間が拒絶をしてるのは当然だ。

 拒絶するだけの事をしている輩なのだ。

 排除されない方がおかしい。

 むしろ、こういった者達との接点を強要する事こそ問題だ。



 しかし、世の中には奇特な人間もいる。

 拒絶されて当然の者達に同情する輩もいる。

 拒絶されてるのがかわいそうだと。



 かわいそう。

 これほど邪悪な言葉もない。

 本来なら良い意味のはずである。

 しかし、かわいそうという者はたいてい排除するべき者をかわいそうと言う。

 そうして問題の発生源を他の多くの者達の中に放り込む。

 そうして問題を永遠に継続させていく。



 これが分かってるから、かわいそうと言う者達も排除されていく。

 多くの者がより多くの者達から拒絶される。

 家庭で、学校で、職場で、趣味の集まりでの接点を失っていく。



「かわいそうは共犯者」

 そんな認識が世間にひろまっている。

 これも、これまでの様々な問題の反省から生まれたものだ。

 問題を起こす者も、それを擁護する者も同罪だ。

 問題を拡大していくのだから。



 こうして接触を断ち切られた者達は、ならばと強硬手段に出ていく。

 接触を拒むといってもあくまで出会わないようにするだけ。

 家や学校、会社などに人はいる。

 接触を断ち切られた者はそこに押しよせていく。



 それが世の中を更に動かしていく。

 無理やり会いに来る者達。

 これはもはや襲撃である。

 それを排除するために、多くの人々は自分の住処の回りに防壁を作っていった。



 それが次々に拡がっていく。

 やがては国中に、世界中にと。



 それがすすんでいく事で、襲撃した者達は隔離されていった。

気に入ってくれたら、ブックマークと、「いいね」を



______________________



以前、こちらのコメント欄で、俺の書いた話を話題にしてくれてたので、覗いてみると良いかも

http://mokotyama.sblo.jp/

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。


活動支援はこちら
こっちにはない小話なども出していく予定

支援サイトFANTIAを始めたので
https://rnowhj2anwpq4wa.seesaa.net/article/493807952.html
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ