第5話
真円を描く太陽が最も高く昇ろうとするときに始まる。
その下には、分厚く堅固な要塞を見下ろす大きな門があった。十数人が手をつないで一度に通り抜けられるほどの大きさだった。
幅も尋常でなければ、高さも尋常ではない。
それはすでに威圧感を通り越し、驚きしか残さなかった。これほど巨大な城壁が広大な敷地を取り囲んでいたのだ。
マギカ王国の都市、要塞都市は、王国間の国境のいくつかに位置し、都市は5層の厚い城壁に守られていた。それぞれの壁には特徴があり、人間界とモンスター界を隔てる壁や、軍事訓練や冒険のための壁がある。
実際、一攫千金を狙う者、権力を求める者、名を広めたい者......そんな欲望を持った人々がマギカ王国に集まっていた。
分厚い城門をくぐり、陽光の下、一人の男が歩みを進めた。
この街を一直線に貫く幹線道路は、当然ながら喧騒に満ちていた。城門の脇の壁には無数のテントが並んでいた。そして中にはたくさんの品物が並んでいた。マジックアイテムはまったく珍しくない。いや、マジカであれば、可能な限り多くのマジックアイテムが流通していた。
道端では多くの人々が騒ぎ、通行人に声をかけていた。
エネルギーに満ち溢れた世界は、おそらく大陸でも有数の活気に満ちていた。
誰もが目を奪われ、好奇心を掻き立てられることは間違いない。初めて訪れるならなおさらだ。
男性の身長は180センチほど。人間の男性であることを考えると、かなり背が高い。しかし、人間以外にもさまざまな人種が見られるこの街では、さほど珍しいことではなかった。2メートル後半を超えるとようやく高いと言われる。
何を着てもいいんだよ
革の鎧、日差しから顔を隠す日焼けしたフード付きのマント。腰のボロボロの革のリュックはしぼんでいて、たいしたものは入っていないようだった。腰には剣さえなかった。
外から見れば、旅人、それも貧しい旅人と判断するのが最も妥当な判決だろう。それゆえ、この男に話しかける人はほとんどいなかった。
しかし、ひとつだけ気になることがあった。 それは奇妙な持ち物だ。
その男の目は黒く、髪は黒い。黄色と呼ぶべき肌の色。このあたりではめったにお目にかかれないものだ。
鋭い目つき、一文字に引き締まった唇。鋼のように硬い顔には、これまで生きてきた過酷な日常生活の厳しさが刻み込まれているようだった。
もう17歳でしょう。
顔は決して悪くない。美醜で見れば、全体として判断すれば、その美に属する人間なのだ。
しかし、この街には無数の美人がいる。周囲の音が静かになるほど印象的なことはない。
雰囲気だけ。それは間違っている。いや、例外と言っていい。
国王や高位の貴族の独特の存在感が醸し出す雰囲気。
ベテランの戦士や人間をはるかに凌駕する存在には、優れた人物の雰囲気がある。
そういうものとは違うが、似た雰囲気。あの男にはそれがあった。
男の視線が揺らいだ。
私は周囲を見回した。
周囲の男たちに気づいた者たちは、慌てて目を伏せた。そうだ。その場にいた人たちのほとんどが--男の視線に絡まれるのは失礼だとばかりに、無数の視線を散らしていた。
誰かのいびきが聞こえてくるような緊張感が、その場に漂っていた。
男の表情に変化はなかった。
何も動かず、埃に煽られているわけでもない。私は彼の表情からそれを感じ取ることしかできなかった。再び、男はフードをかぶっていた。そして再び前を向き、歩き始めた。
男が歩き始めると、不協和音が戻ってきた。圧縮された空気がゆっくりと元の状態に戻るように。もちろん、その男が最も話題になっていた。
"......それは？"
"いや、この町で彼を見たのは初めてだ"
"わからないが、一流の兵士なのかもしれない"
"どう見ても"
"しかし、剣を持っているようには見えないが？"
"魔法を現す人がいる。そうじゃない？"
"...そう呼ばなければいいのでは？"
"...すみません。正直、酔っ払ってました"
"ああ、実は私も。
"...じゃあ電話する？"
"ごめんなさい。あの人の前に現れたら、きっと何も言えなくなると思うから"
"間違いない。顔を上げたとき、あの目が見えた？ぞっとしましたよ。ああ、もっと背の高い人が来てくれたらよかったのに"
"でも本当に、あなたはいったい誰なんですか..."
数え切れないほどのささやきが男たちの噂を呼び始めた。
しかし、その男性はすでにその場からかなり離れていた。彼はそれを聞かなかったし、たとえ聞いたとしても興味を示さないだろう。そうだ。オスが興味を示すほどではなかったのだ。
男が通りを静かに歩いている。
城門までの距離は？大きいから、振り返ればすぐに見えるけど、かなり遠いね
でも—
