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魔女と弟子

私は「魔女」と呼ばれている。

流れ者で、住処は村外れで、日々怪しい研究に勤しんで…なので、そう思われるのは仕方ない。


ただ、別に村人に嫌われていたり恐れられているわけではない。

普段は村人のために薬を作っている。もちろん危ないものではない。

傷薬や風邪薬、果ては水虫の薬なども処方している。


村長には何度か「村に住んではどうか」と誘われているのだけども、正直確かに村に住んだほうが買い物なども楽なのだけども、薬草の栽培や素材の採取、その他の研究などに、ここは都合が良いのだ。村長と村人たちには感謝している。


さて、数年前から私のところに「あたしも魔女になりたい」と、女の子が訪ねてくるようになった。面白いので、親御さんにも許可をもらい、助手として、空いた時間に通いで働いてもらっている。もちろん給料も払っている。そういうところはしっかりせねば。


「師匠、あたしはいつ魔女になれるのかな」


二日に一回は聞いてくる質問が今日も来た。

いいかい、そんな簡単に技術や知識というものは身に付かないものだ。見て調べて聞いて、培っていくものだよ。

そう言いながら私は指で火を起こし、たばこを吸う。


「ほら、そういうことをあたしは早くやりたいの。そして村はあたしが守るんだ」


いつの頃からか、村には「魔物」が攻めてくるようになり、村人たちは怯えて暮らしている。村の警備兵達で辛くも撃退しているものの、彼らには手に負えないときもある。そんなときに私も駆除に参加しているのだ。


この子は憎まれ口を叩くが、その実、どうも「村のことは村人で解決したい」と思っているようで、強くて良い子である。こういう子供達は守らねばならない。


私は水を汲み、火を起こし、お茶を入れた。この当たり前の動作が、やはりこの子を始め村人達には魔法に見えるようだ。


「なぜ師匠は水を汲むのに井戸に行かず、指先で火を起こせるの? しかも氷まで作れる。あたしもその魔法が使いたい」


大丈夫だよ。勉強しているんだから、すぐ出来るようになるさ。


突然、他の村人が駆け込んできた。

「大変だ、魔女さん! 今回の魔物は空から来た!俺らではどうにもできない、駆除を頼む!」


了解した。ちょうど反重力型自動二輪(バイク)と反物質ライフル、その他武器の整備が終わっていたところだ。私はバイクにまたがりながら、弟子に行ってくるよと合図し、「魔物」討伐へ向かう。


「システム、オールグリーン。マモノトウバツヘムカイマス。キョリ、243。マモナクカイテキ」

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― 新着の感想 ―
十分に発達した科学技術は魔法と見分けがつかないって話かな?
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