10・欠陥
クソが。
ああもう糞が糞が糞が糞が糞がクソがクソがクソがくそ!
まじで何の役にも立たねーじゃねーかあのクソ神はよぉぉぉぉぉ!!
■ ■ ■
あの後。
クロノスとかいう畜生神とその娘と話した後だ。
俺は完全に苦境に立たされていた。
頼みの綱のクロノスが居なくなったからだ。
クロノスが、全て解決してくれる筈だった。
五感をもとに戻し、移動手段を用意し、この世界で生きていけるくらいの強さを与えてくれる。
その筈だったのに。
あの野郎、ちょーっと我が子に叱られた程度で全部諦めやがった。
マジでふざけんな。
いや、訂正しよう。
あいつは俺に、俺が死んだから失ってしまったユニークスキルを、もう一度与えてくれた。
きっとこれは、あいつなりに頑張った成果なんだろう。
あの状況でよく娘に物申したよ。
大抵のやつは縮こまっておどおどしてたろうよ。
お前は頑張った。
でもそのスキルはゴミだった。
正しく不用品。
文字通り塵芥。
世に二つとない一品とか言ってたがあれは嘘だったのだろうか。
クロノスが俺に与えたのは、『契約』というユニークスキル。
曰く、契約ができるスキルだと。
うん、この時点で既にゴミ。
だって、契約だぜ?
契約ってのはさ、相手が知的生命体でなおかつ意思疎通できる存在じゃないと意味ないんだよ?
俺はこれまで、この世界に来てから一度も、他の何かと接触した覚えがない。
一度も、だ。
もしここが人間達の生活領域だったら、俺はとっくのとうに駆除されているだろう。
スライムだもんな。
モンスターだからな。
よってここは都市部・農村部ではない。
少なくとも人の住んでいない、山奥、あるいは地下空間か。
さて問題です。
そんな辺鄙なところで俺は、契約ができる程度に知能の発達した何者かに出会えるでしょうか?
誰にでも分かる。
答えは NO だ。
絶対的かつ議論の余地なく、NO、だ。
そこにいるのはおそらく野生動物のみだろう。
少なくとも知的生命体には出会えん。
いやそもそも化け物と契約したがる知的生命体なんていねーよ。
否、その前に重大な問題があった。
あの後、俺も色々試してみた。
だが、どうやってもまともに『契約』とやらを発動することは叶わなかった。
当たり前なことだが、使い方が分からん。
こちとら(元)一般男子高校生やぞ。
科学社会にないモノの使い方がわかるわけ有るか。
説明書つけろ、説明書!
欠陥製品じゃないかこりゃあ!!
ああ、こういうときに鑑定のスキルとかが有れば便利そうなのにな〜。
『契約』の詳細情報とか分かればいいのにな〜。
いいのにな〜。
(チラッ)
チラ見したけど神様は反応を返してくれませんでした。




