1・始まり
昔、とある国は勇者召喚を試みた。
そしてそれは成功し、39人の勇者が召喚に応じて城にやってきた。
彼らは、平和な日本の高校生だった。
んんんんん!?
暗い!
何も見えん!
何も聞こえん!?
てか狭い!
ここはどこだ!?
おおお落ち着け!
まずは現状確認だ!
……見えん!聞こえん!
つまり何もわからん!
詰んだ!?
死ぬ!?
死ぬのか俺は!?
嫌だ、まだ死にたくない!
あああああ!
ふう。
ちょっと落ち着いた。
正直あのあと素数を数えようとして2の累乗を数え始めたぐらいテンパってたけど、時の流れが俺を少し冷静にしてくれた。
不安であることは変わらないが。
現状確認ってのは大事だ。
特にこういう非常事態のときは。
もうしばらくすれば、暗闇に目がなれるだろう。
何も聞こえないのは……静かな場所なんだろう、きっと。
あれ?現状確認できてなくね?
……うん、とりあえず何があったか思い出そうか。
最後に憶えているのは、教室の風景だ。
俺は、なんか不良っぽいやつらに絡まれてて……。
で、その日はテストで疲れてたからテキトーに受け答えしてたら急にそいつらが怒り出して……。
で、なんか殴られて……。
その不良ってのが、ボクシング界にスカウトされたプロ顔負けの怪物って話で……。
当然陰キャにはそのパンチを耐えられるわけもなく、昏倒、と。
我ながら、なんというか、不憫だなぁ。
なんで痛い思いをせにゃならんのか。
ああそうだ。ちょうどその時、教室が光ってたんだ。
正確に言えば、教室の床に魔法陣みたいな光の幾何学模様が……。
魔法陣みたいな……。
二作目です!
ノリで書きます!
よろしく!