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51/97

■51 尾行

それから俺達は園田さんを部室に案内し、今後の作戦を園田さんと共有する。


「――そんな感じで、学校内では梓ちゃん達、学校外だと俺や樹と愛花が園田さんを尾行して警戒態勢を敷いていくから何が起きてもすぐに駆け付ける事ができる状態にしていこうと思うんだ。……園田さん、何か問題があるかな?」

「……えっと……尾行についてですが、どこまで尾行するか等は決めているんですか?」

「あ~確かに……出来れば園田さんが家に帰るまでは無事を見守っておきたいから、家に帰るまでは尾行する予定かな」

「……本当に、愛花ちゃんがいなかったら単なるヤバい男子2人よね」


恵が横やりを刺してくる。


「……愛花、俺達が暴走しないように守っていてくれ」

「あはは、わかりました兄さん。……豊崎先輩、私もしっかり尾行頑張らせて頂きます!」

「……ありがとう、お願いね愛花ちゃん」


苦笑していた園田さんに視線を戻す。


「それで園田さん、他に何か気になるところってある?」

「……いえ、特にはありません。よろしくお願いします」

「おっけ! それじゃさっそく今日から尾行を開始しようと思うけど、いいかな?」

「……今日からですか? ……わかりました。お願いしますね」

「話は決まったな! それじゃこれからいろいろ連絡する事も増えるし、園田さんの連絡先を交換させてよ」

「……わかりました」


園田さんと連絡先を交換し終えた後、恵の方へ視線を向ける。


「恵も今日から園田さんとどんどん(から)んでいってくれ。俺達が見張っているから、園田さんの身の保証は安心してくれ」

「……ありがとう和樹君。それじゃ瞳ちゃん、久しぶりだし一緒に帰らない?」

「……うん。恵ちゃん!」


気が付くと外は暗くなり始めていた。


「よし、それじゃ後は俺達が尾行につくから、梓ちゃん達はここで解散してもらって大丈夫だ」

「……わかりました和樹さん。それでは私達はお先に失礼しますね」

「うん、梓ちゃん達も明日からよろしくね。何かあったらすぐにNINEで連絡をくれ、すぐに対応するから」

「……わかりました!」

「まっかせて!」

「私も物的証拠を見つけられるように頑張りますね!」

「うん、神崎さんもよろしくね!」


梓ちゃん達が部室から出て行った後、俺は樹に声をかける。


「樹もしばらくはビデオカメラを持って尾行してもらうから、これ忘れるなよ」


俺は樹にビデオカメラと周辺機器の一式を渡した。


「あぁ、そうだったな! その大役引き受けた!」


樹は威勢よくビデオカメラを受け取る。


「それじゃ部室の鍵は俺が返しておくから愛花達は昇降口で待機しておいてくれ」

「わかりました兄さん、先に昇降口に向かっておきますね」


愛花達は部室を後にする。

俺は誰もいなくなった部室の鍵を閉め、鍵を職員室に返却して昇降口へと向かう。




昇降口には恵と園田さん、樹と愛花が待機していた。


「お待たせ! それじゃ、俺達はこれから恵と園田さんを尾行していくんだけど……2人とも、俺達は尾行なんて今までした事ないから明らかに怪しく見えていたらNINEアプリで教えてくれ、直していくから」

「わかったわ。それじゃ瞳ちゃん、帰ろっか」

「……はい!」


2人が靴を履き替えて校門から出るのを確認した後、俺達も後を尾行し始める。

隣にいる樹の片手にはビデオカメラが固定されており、配信者のカメラマンのような見た目になっていた。


「……様になってるな樹」

「ふふ、そうだろう! 何故(なぜ)か私もしっくりくるこのフォルムを気に入っていたところだ」

「あと、ずっと撮影するんじゃなくて、相手が動き出したらカメラを回す感じで頼むな」

「了解した!」


俺は隣で(みょう)にワクワクしている愛花に声をかける。


「……なんか楽しそうだな愛花」

「え! そう見えますか? えっと、こういうのって初めてで……不謹慎ですよね?」

「いや、全然問題ないぞ。狙いは物的証拠を見つける為だが、どうせなら楽しくやった方が俺達も尾行を続けやすいだろう」

「そうでしたか。わかりました! 私も全力で楽しみますね」

「おう、その調子だ!」


それから俺達は桜並木の丘の(ふもと)まで2人を尾行し続け、商店街に差し掛かろうとしていた。


「これから人込みも増えてくるから、(はぐ)れない様に注意しないとな」


俺は愛花に伝えて前方にいる樹に視線を向ける。

すると、樹はビデオカメラを持ちながら店の看板に隠れるようにして恵たちを見つめていた。


「……愛花、こう見ると確かにストーカーにしか見えないな」

「……あはは」


俺は樹の傍に近づく。


「樹、めちゃくちゃいい感じに尾行してるな、前に尾行したことあるのか?」

「ふふ……こういったシチュエーションはゲームには腐るほど大量に存在しているんだぞ? 私は疑似的(ぎじてき)にも数多くの尾行を経験しているのだ!」

「ゲームと現実を一緒にするなよ……、まぁ最近のゲームはリアルだから参考にはなると思うけど」

「あぁ、和樹もまた私の家に来るといい、最新ゲームを提供しよう!」

「わかったよ。恵の問題が落ち着いてからな」

「あぁ!」


それから恵たちは服などのウインドウショッピングを楽しんでいた。

2人の止まった時間が進み始めたようで、見ていて自然と頬が緩む。


「楽しそうだな、恵」

「そうだな。クラスで不良たちと衝突してからはあまり女子と絡んでいるのを見ていなかったからな。これが自然体の豊崎なんだろう」

「そうですね! 豊崎先輩、とても楽しそうです!」


それからしばらく恵と園田さんは楽しく放課後を楽しんだ後、恵と園田さんはお別れをした。


「よし、園田さんを引き続き尾行するぞ」

「了解した!」

「はい!」


圧倒的に狙われやすいのは1人になった時だろう。

俺も注意を張りながら尾行を続ける。

だが、特に何の脅威(きょうい)も園田さんには近づいてくる事なく、園田さんの家まで到着する。


「……今回は無事帰宅出来たってところか」

「だな、まぁ行動に出た当日だし、こんなものだろう」

「すっかり、暗くなっちゃいましたね」


愛花の言う通り、周りはすっかり暗くなっていた。


「そうだな、ちょっと喉も乾いたしコンビニでも寄るとするか」

「お、いいな!」

「賛成です!」


それから俺達はコンビニを探し始めて、コンビニの入り口付近まで到着する。


「それじゃ愛花はここで待っててくれ。何か温かい飲み物買ってくるよ」

「お願いしますね兄さん」


愛花にそう伝えた後、俺と樹はコンビニに入る。


「コンビニに入るなんて久しぶりすぎるんだが」

「和樹には愛花ちゃんの手料理があるからな、今回の様な事がない限り立ち寄ることはない場所だろう」

「そうなんだよなぁ……だから、結構品揃(しなぞろ)えを見るだけでもテンションが上がるんだよな」


樹にそう言いつつコンビニの商品ラインアップに視線が奪われる。

お菓子などにも手が伸びそうになったが、愛花から(おこ)られそうなので手が引っ込む。


「お菓子とか食べると、愛花に()められて怖いんだよな」

「愛花ちゃんって和樹の健康管理に(いた)っては(きび)しいよな。……だが私は誰にも縛られる事はないのだ!」


樹はそう言いながらお菓子をカゴに次々と入れていく。


「うぐ……素直に羨ましい! ……今度愛花に相談してみよう。もしかしたら何かお菓子作ってくれるかも……」


俺達は買い物をし終え、コンビニ前に待っていた愛花の元へと戻る。

すると、そこには愛花がクラスで見覚えのある女子生徒3名に尋問されている場面に出くわす。


「……おい。俺の妹に何か用か?」


俺は混乱する頭を落ち着かせながら低い声で問いかける。


「……に、兄さん」

「あ、来た来た。愛しのお兄ちゃんだよ? ……どうも、妹ちゃん借りてまーす」


リーダー格の不良女子が愛花の手首を持って俺を挑発してくる。


「……愛花から手を放せ! そもそも、何でここにお前たちがいるんだ!」

「はは、ウケる! 必死なんだけどコイツ。へぇ……気づかなかったんだ」

「……何がだ」

それから俺達は園田さんを部室に案内し、今後の作戦を園田さんと共有する。


「――そんな感じで、学校内では梓ちゃん達、学校外だと俺や樹と愛花が園田さんを尾行して警戒態勢を敷いていくから何が起きてもすぐに駆け付ける事ができる状態にしていこうと思うんだ。……園田さん、何か問題があるかな?」

「……えっと……尾行についてですが、どこまで尾行するか等は決めているんですか?」

「あ~確かに……出来れば園田さんが家に帰るまでは無事を見守っておきたいから、家に帰るまでは尾行する予定かな」

「……本当に、愛花ちゃんがいなかったら単なるヤバい男子2人よね」


恵が横やりを刺してくる。


「……愛花、俺達が暴走しないように守っていてくれ」

「あはは、わかりました兄さん。……豊崎先輩、私もしっかり尾行頑張らせて頂きます!」

「……ありがとう、お願いね愛花ちゃん」


苦笑していた園田さんに視線を戻す。


「それで園田さん、他に何か気になるところってある?」

「……いえ、特にはありません。よろしくお願いします」

「おっけ! それじゃさっそく今日から尾行を開始しようと思うけど、いいかな?」

「……今日からですか? ……わかりました。お願いしますね」

「話は決まったな! それじゃこれからいろいろ連絡する事も増えるし、園田さんの連絡先を交換させてよ」

「……わかりました」


園田さんと連絡先を交換し終えた後、恵の方へ視線を向ける。


「恵も今日から園田さんとどんどん(から)んでいってくれ。俺達が見張っているから、園田さんの身の保証は安心してくれ」

「……ありがとう和樹君。それじゃ瞳ちゃん、久しぶりだし一緒に帰らない?」

「……うん。恵ちゃん!」


気が付くと外は暗くなり始めていた。


「よし、それじゃ後は俺達が尾行につくから、梓ちゃん達はここで解散してもらって大丈夫だ」

「……わかりました和樹さん。それでは私達はお先に失礼しますね」

「うん、梓ちゃん達も明日からよろしくね。何かあったらすぐにNINEで連絡をくれ、すぐに対応するから」

「……わかりました!」

「まっかせて!」

「私も物的証拠を見つけられるように頑張りますね!」

「うん、神崎さんもよろしくね!」


梓ちゃん達が部室から出て行った後、俺は樹に声をかける。


「樹もしばらくはビデオカメラを持って尾行してもらうから、これ忘れるなよ」


俺は樹にビデオカメラと周辺機器の一式を渡した。


「あぁ、そうだったな! その大役引き受けた!」


樹は威勢よくビデオカメラを受け取る。


「それじゃ部室の鍵は俺が返しておくから愛花達は昇降口で待機しておいてくれ」

「わかりました兄さん、先に昇降口に向かっておきますね」


愛花達は部室を後にする。

俺は誰もいなくなった部室の鍵を閉め、鍵を職員室に返却して昇降口へと向かう。




昇降口には恵と園田さん、樹と愛花が待機していた。


「お待たせ! それじゃ、俺達はこれから恵と園田さんを尾行していくんだけど……2人とも、俺達は尾行なんて今までした事ないから明らかに怪しく見えていたらNINEアプリで教えてくれ、直していくから」

「わかったわ。それじゃ瞳ちゃん、帰ろっか」

「……はい!」


2人が靴を履き替えて校門から出るのを確認した後、俺達も後を尾行し始める。

隣にいる樹の片手にはビデオカメラが固定されており、配信者のカメラマンのような見た目になっていた。


「……様になってるな樹」

「ふふ、そうだろう! 何故(なぜ)か私もしっくりくるこのフォルムを気に入っていたところだ」

「あと、ずっと撮影するんじゃなくて、相手が動き出したらカメラを回す感じで頼むな」

「了解した!」


俺は隣で(みょう)にワクワクしている愛花に声をかける。


「……なんか楽しそうだな愛花」

「え! そう見えますか? えっと、こういうのって初めてで……不謹慎ですよね?」

「いや、全然問題ないぞ。狙いは物的証拠を見つける為だが、どうせなら楽しくやった方が俺達も尾行を続けやすいだろう」

「そうでしたか。わかりました! 私も全力で楽しみますね」

「おう、その調子だ!」


それから俺達は桜並木の丘の(ふもと)まで2人を尾行し続け、商店街に差し掛かろうとしていた。


「これから人込みも増えてくるから、(はぐ)れない様に注意しないとな」


俺は愛花に伝えて前方にいる樹に視線を向ける。

すると、樹はビデオカメラを持ちながら店の看板に隠れるようにして恵たちを見つめていた。


「……愛花、こう見ると確かにストーカーにしか見えないな」

「……あはは」


俺は樹の傍に近づく。


「樹、めちゃくちゃいい感じに尾行してるな、前に尾行したことあるのか?」

「ふふ……こういったシチュエーションはゲームには腐るほど大量に存在しているんだぞ? 私は疑似的(ぎじてき)にも数多くの尾行を経験しているのだ!」

「ゲームと現実を一緒にするなよ……、まぁ最近のゲームはリアルだから参考にはなると思うけど」

「あぁ、和樹もまた私の家に来るといい、最新ゲームを提供しよう!」

「わかったよ。恵の問題が落ち着いてからな」

「あぁ!」


それから恵たちは服などのウインドウショッピングを楽しんでいた。

2人の止まった時間が進み始めたようで、見ていて自然と頬が緩む。


「楽しそうだな、恵」

「そうだな。クラスで不良たちと衝突してからはあまり女子と絡んでいるのを見ていなかったからな。これが自然体の豊崎なんだろう」

「そうですね! 豊崎先輩、とても楽しそうです!」


それからしばらく恵と園田さんは楽しく放課後を楽しんだ後、恵と園田さんはお別れをした。


「よし、園田さんを引き続き尾行するぞ」

「了解した!」

「はい!」


圧倒的に狙われやすいのは1人になった時だろう。

俺も注意を張りながら尾行を続ける。

だが、特に何の脅威(きょうい)も園田さんには近づいてくる事なく、園田さんの家まで到着する。


「……今回は無事帰宅出来たってところか」

「だな、まぁ行動に出た当日だし、こんなものだろう」

「すっかり、暗くなっちゃいましたね」


愛花の言う通り、周りはすっかり暗くなっていた。


「そうだな、ちょっと喉も乾いたしコンビニでも寄るとするか」

「お、いいな!」

「賛成です!」


それから俺達はコンビニを探し始めて、コンビニの入り口付近まで到着する。


「それじゃ愛花はここで待っててくれ。何か温かい飲み物買ってくるよ」

「お願いしますね兄さん」


愛花にそう伝えた後、俺と樹はコンビニに入る。


「コンビニに入るなんて久しぶりすぎるんだが」

「和樹には愛花ちゃんの手料理があるからな、今回の様な事がない限り立ち寄ることはない場所だろう」

「そうなんだよなぁ……だから、結構品揃(しなぞろ)えを見るだけでもテンションが上がるんだよな」


樹にそう言いつつコンビニの商品ラインアップに視線が奪われる。

お菓子などにも手が伸びそうになったが、愛花から(おこ)られそうなので手が引っ込む。


「お菓子とか食べると、愛花に()められて怖いんだよな」

「愛花ちゃんって和樹の健康管理に(いた)っては(きび)しいよな。……だが私は誰にも縛られる事はないのだ!」


樹はそう言いながらお菓子をカゴに次々と入れていく。


「うぐ……素直に羨ましい! ……今度愛花に相談してみよう。もしかしたら何かお菓子作ってくれるかも……」


俺達は買い物をし終え、コンビニ前に待っていた愛花の元へと戻る。

すると、そこには愛花がクラスで見覚えのある女子生徒3名に尋問されている場面に出くわす。


「……おい。俺の妹に何か用か?」


俺は混乱する頭を落ち着かせながら低い声で問いかける。


「……に、兄さん」

「あ、来た来た。愛しのお兄ちゃんだよ? ……どうも、妹ちゃん借りてまーす」


リーダー格の不良女子が愛花の手首を持って俺を挑発してくる。


「……愛花から手を放せ! そもそも、何でここにお前たちがいるんだ!」

「はは、ウケる! 必死なんだけどコイツ。へぇ……気づかなかったんだ」

「……何がだ」

「私達があんたらを尾行していた事によ」

「面白かった!  続きが見たい!」

と思っていただけましたら小説投稿のモチベーションになりますので、

★評価とブックマーク登録をよろしくお願い致します。

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