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■43 お洋服選び

ショッピングモールに到着すると、女性モノの服が売られている区画(くかく)へ移動していく。


「へぇ、女の子向けの服っていっぱいあるんだな……」

「そういえば、兄さんはあまりこういった場所に来た事がないですよね?」

「まぁな。俺はいつも服はネットからしか買わないから。全く知らない世界の話だ」

「あはは……。ご覧の通り、女性用の服は沢山あるので服を見て回るだけでも楽しいんですよ? それに買う時はもっと品定(しなさだ)めをしますので選ぶのに時間が掛かってしまうんです」

「へぇ~、そういうもんなんだなぁ……」


俺がしみじみと愛花と話していると梓ちゃんが話しかけてくる。


「……和樹さんがご一緒するのは今日が初めてですが、私たちはよく愛花ちゃんと服選びにお出かけすることがあるんですよ」

「そうそう! でも、今日の主役は麗子だからね! 麗子、今日は私たちがしっかりいい感じの服を選んであげるから楽しみにしててね!」

「は、はい! お願いします皆さん!」


お互いに微笑み合っている1年生組を見守りつつ恵に話かける。


「恵も今日は何か買う予定なのか?」

「どうしようかしら……私はあまり私服で外出することもないし、今日は傍観者(ぼうかんしゃ)(てっ)してるかも」

「そんな事言って……今日の服とかめちゃくちゃ可愛いと思うし、恵も結構服に興味があるんじゃないのか?」

「……多少はあるわ。今日だって私が選んで買った服でお気に入りなの。だからさっき和樹君に服を褒めて貰ってすごく嬉しかったし……」

「それは……どういたしまして」


恵は頬を染めながら話してきて不意にも俺は照れてしまうが、負けじと話を続ける。


「今日の服を恵が選んでいるなら、結構恵って服を選ぶセンスがあるかもしれないな。今日もいい感じの服があったら買ってみるといいんじゃないか」

「……そうね。せっかくだし、そうしようかしら。その時は和樹君の意見も参考にさせてね」

「お安い御用だ」


すると、愛花は足を止める。


「この店が良さそうですね」

「めちゃくちゃ可愛らしい服が並べられている店だな。……俺が入ってもいいのか?」

「大丈夫です! 私たちが付いていますから」


愛花はそう言うが、店内には明らかに女性しかいない。


「……可愛いですぅ!」

「本当だね! こっちにも可愛いのあるよ!」

「わわっ! ちょっとまってください」


梓ちゃんとアリサちゃんは店内に神崎さんを連れて行った。


「あ! ……3人共行っちゃったね」

「あはは……それじゃ私たちも入りましょうか」

「そうだな、恵も行こうぜ」

「……」

「……恵? 入らないのか?」

「……え、あぁ! そうね、入りましょうか」


恵も店内の肩出しセーターとミニ丈スカートのセット服に視線が釘付けになっていたようで、反応が少し遅れる。




「へぇ、中に入るとやっぱり想像通り、メルヘンチックな服ばっかりだな」


俺は愛花が着るのを想像して1人で楽しんでいた。


「兄さん楽しそうですね! こういった店は見るだけではなく、実際に着てみることもできるんですよ?」

「いや、俺が着たらさすがに気持ち悪いだろう……あ、そうだ!! そ……それじゃ愛花、あ、あの服とか着てみるといいんじゃないか?」


俺はメイド服っぽいフリフリの付いた可愛い服を指さしながら言う。


「あ、可愛いですね! 多分、試着しても問題ないと思いますが……あの、すみません」


愛花は近くにいた定員に話しかける。


「……はい、何でしょうか?」

「……あの服って試着してもよろしいでしょうか?」

「はい、構いませんよ。奥に試着室がありますのでご自由にご試着ください」

「わかりました! ありがとうございます」

「いえ、それでは」


愛花は定員の方に試着について質問し終わると、俺らの方に視線を向ける。


「……試着、大丈夫みたいです!」

「っぽいな。……奥に試着室が6個もあるんだ」


俺は奥の試着室を見ながら呟く。


「へぇ……試着室が結構あるのね。それなら私も試着してみようかしら」

「いいと思うぞ。俺は試着する事は出来ないから見て感想を言うぐらいしかできないけど」

「それで充分よ」


恵と話をしていると先陣を切っていた梓ちゃん達が戻ってくる。


「……和樹さん! 麗子ちゃんの服なんですが、この2つのどっちが似合ってると思いますか?」


梓ちゃんは左手に清楚系な白いワンピース、右手にフリフリが多めについたピンク色のワンピースを持っていた。


「う~ん……。俺は白い方かな。……神崎さんはどっちが良いと思う?」

「え! わ、私……あまり服装について詳しくなくて、何が似合うのか、似合わないのかよくわからないんですよね」


確かに今日の神崎さんの服装も至って普通のオレンジ色のキャミソールに膝丈の漆黒のスカートで、可愛いが特に目立った箇所はない服装だ。


「そうなんだ。それならやっぱりドギツイ色が付いた服より、こういった白い純白な服の方が神崎さんに似合ってると思うんだよな俺は」

「……っ! ならこれにします!」

「え、いや。もっと慎重に選ぶといいと思うよ? ほら、試着も出来るし」

「……あ、そうですね! それなら一度この服を試着してみようと思います!」


神崎さんは今まであまり服を気にすることがなかったみたいだが、今は周りと交流をしようという想いが服選びから伝わってくる。


「……それなら私も一緒に試着してみようかな」

「あ! 私も試着するー!」


梓ちゃんとアリサちゃんも試着したい服があるようで、3人共奥の試着室へと向かっていく。


「それじゃ兄さん、私も試着してきますね」

「あ、ありがとう! 楽しみにしてるよ」


愛花は俺がさっき指さしたメイド服っぽい服を持って試着室へと向かっていった。

……おぉ、着てくれるのか! 言ってみるもんだな!


「……それなら、私も試着……してみようかな」

「……お! 恵もいい感じの服見つかったのか?」


恵の手には先ほど店の外から見つめていた肩出しセーターと紺色のミニ丈スカートを手に持っていた。


「うん! ちょっと露出多めだけど、恵はスタイルも良いし似合うんじゃないかな?」

「……そ、そう?」

「あぁ、丁度いいし皆と試着に行ってこいよ、俺はここで待ってるから」

「えぇ、そうさせて貰うわね! ちょっと待ってて和樹君」

「おぅ」


恵はそう言うと奥にある試着室へと向かっていった。




俺は恵を試着室へ見送って初めて気づく。

……店内に1人取り残されたことに。

「面白かった!  続きが見たい!」

「今後どうなるの!?」


と思っていただけましたら

画面を↓に下げると【★★★★★】があります。


率直に思って頂いた感想でいいので1~5で応援をお願いいたします。

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なにとぞ、よろしくお願いいたします。

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