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■35 心理テスト

皆が座っている布団の上に俺も腰を下ろす。


「定番ね」

「まぁな。さて、どっちからやる?」

「そうですね……。すぐにお風呂も用意できますし、時間がかからない心理テストの方をお願いできますか?」


愛花は少し考えてから答える。


「了解。それじゃ早速……」


俺は心理テストガイドブックを開き、目ぼしいテストを探し始める。

どうやら恋愛関係の心理テストが多いようだ。


「それじゃ問題を言うぞ。……あなたの目の前にリンゴの木がありました。その下に真赤に(じゅく)したリンゴがあります。果たして何個あったでしょう?」

「あら、シンプルなテストね。それで何がわかるの?」

「答えてからのお楽しみってことで」


俺は先に解説部分を確認する。

えと……、一度に付き合える人数……か。

1個だと考えていた俺はホッと胸を撫でおろしながら、2個以上の回答が出てきたらどう回答しようか真剣に考える。


「そうですね。……1個だと思います」

「そうね。私も同じかな」

「私も1個だと思います!」


愛花と豊崎、神崎さんは1個と回答する。

ホッと胸を撫でおろし、俺は梓ちゃんの方へと視線を移す。


「……私も1個だと思います!」

「私は3個ぐらいかなー」


どうやらアリサちゃんは一度に3人と付き合えるようだ。

……というのを面と向かって言うのはさすがの俺もできないので少し違う回答を答える。


「はい。解説だが……落ちているリンゴの数はあなたが異性で出来る親友の数でした!」

「へぇ……そんなのが分かるのね」

「……あくまで心理テストだから真に受けるなよ?」

「私……兄さんや芳樹おじさん以外の男性とはあまりお話する機会はないのですが……」

「愛花、是非そのまま学園生活を謳歌(おうか)しておいてくれ」


俺は愛花にグッドサインをする。


「アリサちゃん、沢山男の子の親友が出来ていいね!」

「えへへ! そうかな?」


俺は深堀される前に次の心理テストに移ることにする。


「それじゃ次の問題だ。ある魔女に魔法をかけられカエルになったお姫様がいた。そこに王子様が表れお姫様の魔法を見事説いたようだ。さて、お姫様は何歳になっていた?」


「……なるほど。ん~そうね。16歳ぐらいかしら」

「25歳ぐらいでしょうか」

「えっと……17歳ぐらい!」

「……18歳ぐらい、かな」

「20歳!」


見事にバラバラな回答が帰ってきたので、俺は解説部分を確認する。


「何々……答えた年齢があなたのモテ期、だとさ。……豊崎、……残念だが豊崎のモテ期は去年で終わったみたいだぞ」

「……いや、そんな同情した顔されても全く悲しくないんだけど。まぁ……確かにクラスの女子からは頼ってもらえたかな。でも、男子といったら山守君や斎藤君ぐらいとしか話してないけどね」


豊崎は入学早々、不良グループに突っかかっていった事でクラス女子の一定層から尊敬される存在になっていたのは事実だ。男関係の付き合いは知らんが。


「私は当分先になりますね」

「そうだな。愛花が25歳になった時は絶世の美女って感じになるだろうな」

「あはは……そんな、兄さん大袈裟ですよ」


愛花は苦笑しながら謙遜する。愛花が大人になった姿を想像すると自然とニヤニヤしてしまうな、気を付けないと。


「私は来年か、何があるんだろう?」

「神崎さんっていままで男子と話することってあったの?」

「……いや、まったくないですね。和樹さんと話したのが久しぶりって感じです」


神崎さんの境遇(きょうぐう)を考えるに当たり前と言っちゃ当たり前か。

男子と話す以前に人と関わり合いになるのを避けていた訳だし。


「……私はあと2年後ですか。……私も和樹さん以外の男性の方とお話することってあまりないんですよね」

「へぇ、梓ちゃんもクラスだとあまり男子とは話さないんだ」

「はい。とても話しかける勇気はないですね。それに愛花ちゃん達とお話する方が楽しいですし、お父さん以外で話が出来るのは和樹さんぐらいですよ」

「お、それは嬉しい事だな。まぁ、あと2年もしたら男子と話出来るぐらいにはなるだろうから頑張ってね!」

「……はい!」


梓ちゃんは少し考えてから笑顔で元気よく返事を返してくる。


「私のモテ期は結構先なんだね」

「アリサちゃんは確か20歳だよね。あと4年だから……大学生とかそれぐらいの時期か。……アリサちゃんが20歳になった頃ってめっちゃ美人になってるだろうね。外見もそうだが、元気なところもモテ期に繋がる理由なんだろうね」

「えへへ! そうだと嬉しいな」


元気に微笑むアリサちゃんを横目に俺は次のテストに視線を移す。


「よし、それじゃ次。ボケと突っ込みの心理テストだ」

「……何よその心理テストは」

「はい。そんな突っ込みをする豊崎は恋愛が発展しにくいタイプみたいだぞ」

「ちょ! なによそれ!」

「まぁまぁ……。愛花達も自分はボケと突っ込みどっちだと思う?」


愛花も含めて1年生組は考え込む。


「……どっちでもない、というのは無いんですか?」

「う~ん、ないかなー。……確かに、愛花や梓ちゃん達はボケと突っ込みって感じじゃないもんね。それじゃ次の問題にいくか」

「……ちょ、私だけなんか理不尽なこと言われただけなんですけど!」

「大丈夫だ! 豊崎の突っ込みにはいつもお世話になっているからな!」


俺は豊崎の肩に手をかけて熱弁する。


「……何が大丈夫か知らないけど。……まぁいいわ。次いきましょ」


俺は豊崎の肩から手を離すと次のテストへと視線を移す。


「えっと、次は……よし、これにしよう。……あなたは温泉街のお土産屋さんにいます。今旅行先のお土産を買おうとレジに行こうとしています。するとレジに座っていた男性の年齢層はどれぐらいでしょうか?」


「え、普通のおじさんぐらいじゃない?」

「おじいちゃん…でしょうか」

「私もそう思います」

「……私も、同じです」

「私もかなー! おじいちゃんがボーっと座ってる感じ」


各々が回答し終わったので解説を確認する。


「何々……。答えた年齢層があなたの相性のいい男性……か。子供と答えたら年下、おじいちゃんと答えたら年上、それ以外が同年代と相性がいいみたいだな」


「おじさんって事は同年代って事?」

「そうなるな。豊崎って付き合うとしたらやっぱり同年代がいいのか?」

「ま……まぁそうね! 年下だと頼りないし、年上だと変に意識しちゃって疲れるもの」

「ふぅん……。それで愛花は確かおじいちゃんって答えだよな?」

「そうですね。だとすると年上ってことですね」

「だな、同年代のクラス男子とはあまり話さないんだもんな?」

「そうですね、いつも梓ちゃん達と一緒にいますから!」

「……うん! いつも一緒です!」

「だねー!」

「私も最近一緒に過ごすようになったかな」


愛花と梓ちゃん達はお互いに頷き合う。まぁ、この女性陣に割って入る勇気のある男子はあまりいないだろう。頼りになる友達でもあり、余計な男子を寄せ付けない役目もしている様で俺は安心する。




その時、ふと愛花は時計に視線を移した。


「……あ! もうこんな時間! 梓ちゃん、アリサちゃん、麗子ちゃん、お風呂の用意が出来ているので早くいきましょう!」

「もうそんな時間か。ゆっくりしてくるといいよ」


1年生組は各々鞄から着替えを持ってお風呂場へと急いで移動していく。

そして、リビングには俺と豊崎のみとなる。


「……さて、静かになったところで豊崎。こいつで勝負するか」


俺は豊崎にトランプを突き出して勝負を申し込む。


「いいわよ。受けて立とうじゃない」

「面白かった!  続きが見たい!」

「今後どうなるの!?」


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