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■28 解決方法

お昼になり、俺は樹と豊崎と共に学食へと向かう。

学食では愛花達と神崎さんが既に待っていた。


「兄さん、こっちですー!」

「お待たせ!」

「こんにちは! 和樹さん、今日もよろしくお願いします」


神崎さんも元気よく挨拶をしてきたので、こちらも元気よく返事を返す。

合流した俺たちは席を確保する為に学食へと入る。


「ん~っと……あ、あった。あそこに行こう」


学食内を見回し、空いている席を見つける。

愛花のお手製のお弁当を持参している俺と愛花は席の中央に座り、他の人に飯を買い出しに行くように促した。

皆が買い出しに出ている間に今日の神崎さんについて愛花に質問をしてみる。


「今日の神崎さん、昨日と比べて元気だな」

「そうなんです! 朝からあの調子なんですよ。余程兄さんとお話できるのが嬉しいんでしょうね」

「お役に立ててなにより、って感じだな。神崎さんは愛花達以外とも話とかって出来ているのか?」

「どうでしょうか……。クラスでは神崎さんとずっと一緒にいますから」

「あ、そっか。わかんないよな」


同じクラスなので当然だが、友達同士でグループが形成されていると、なかなか中に入りづらい雰囲気がある。

既に愛花のクラスではそういったクラス内の友人グループが確立し始めているんだろう。

そんな事を考えていると、樹が一番に戻ってくる。


「待たせたな! 今度は神崎さんに先手は取られまい!」


そんな事を言いながら俺の右隣を占領してくる。


「そんなに急がなくてもいいのに」


今日はテーブルの端に座ってはいないので、まだ俺の左隣の席が空いている状態なのだ。


「お待たせしました」

「お帰り神崎さん」


神崎さんも軽食を抱えて戻ってくる。

すると、当然のように俺の左隣に座ってくる。

神崎さんは席に座ると、開いている俺の弁当を見ながら話してかけてくる。


「昨日も思いましたが、和樹さんのお弁当って本当に美味しそうですよね」

「ありがとう神崎さん! なんたって愛花特製だからな。めちゃくちゃ美味いぞ」

「えへへ……」


俺がそう言うと愛花は少し照れる。


「昨日も話したけど、機会があれば神崎さんも俺ん家に来て愛花の手料理を食べに来てよ。めっちゃ美味いから」

「いいんですか! 是非行ってみたいです!」

「愛花ちゃんの作る料理は絶品だかな、一度食べてみるといいだろう」


樹も何度も愛花の料理を経験しているので、神崎さんに愛花の料理を勧めていた。

すると、続々とご飯を抱えた女性陣が戻ってくる。


「待たせたわね」


豊崎はそう言うと、抱えていたトレーを机に置いて座る。

梓ちゃん達も座った事を確認すると、各々が「頂きます」と言って食べ始める。




ある程度食べ終わった後、豊崎が神崎さんに質問をする。


「それで神崎さん。昨日山守君にした依頼ってついてなんだけど、周りと打ち解けるようになりたい。っていうので良かったのかしら?」

「あ、はい! ……私、子供の頃から人とあまりお話とかしてこなかったので、どう人と接していいのかよくわからないんですよね。今は愛花や和樹君たちのお陰でお話出来ていますが……」

「……なるほどね。要するに、人とのコミュニケーション力を上げたいって事ね」

「どうにかして神崎さんの抱えてる悩みを俺達で解決できないかなって思ってさ。みんなもどうかな?」

「ふ……協力しようじゃないか」

「……私も良いと思います!」

「私も賛成よ!」


すると、樹や梓ちゃん達も頷く。どうやら反対するものはいないようだ。


「……前から少し思っていた事だけど、悩みって具体的にどういった状況にすれば解決って言えるのかしら?」

「それは……確かに、悩みによって解決方法も状況も変わってくるからな」


豊崎に言われて思わず考えてしまう。

これは実際の相談者に確認した方が早いだろう。


「神崎さん、周りと打ち解けるようになりたい。っていう相談内容なんだけど。何か明確な目標とかって作れないかな?」


神崎さんは少し考えながら話す。


「そうですね……。初対面の人でもお話が出来るようになる。って感じでしょうか」

「よし! それじゃそれに決定だ。俺たちが初対面でもお話できるように、人との話し方を全力でサポートさせてもらうよ! 今日からしばらくよろしくね」

「ありがとうございます!]

「話は決まったみたいだけど、具体的にどうしていくか考えているの?」


豊崎は対策について詳細を確認してくる。


「そうだな……。……まず手始めに部員と1対1で対話してみる事から始めてみるってのはどうだろう」

「1対1?」

「そう。今はこうやってみんなで話しているけど、そうじゃなくて部員一人ひとりと個別に話して会話の抵抗感をなくしていくんだ」

「確かに、少しずつ慣らしていった方がいいものね」

「俺は神崎さんのサポート役に回るから、神崎さんの傍で会話のサポートをしつつ神崎さんと他の部員の1対1で会話の特訓をしていくとしよう」

「早速今日の放課後から活動開始、という訳だな!」


樹はメガネをクイっとしながら確認をしてくる。


「そういう訳だ! なので、今日の放課後からしばらくは部室に集合って事でみんなよろしくね!」


俺の掛け声に皆も同意をしてくれた。


「そういう訳だから、神崎さんもしばらくは放課後は部室に来てくれるかな?」

「はい! それで、その部室ってどこにあるんですか?」

「あ、場所教えておかないとわかんないよね。3階にある将棋部の部室だった場所を使わせてもらっているんだ。後で場所を案内するよ」

「よろしくお願いします」


神崎さんを部室へ案内する必要がでたので、俺たちは早々に学食から退散する運びとなる。


「それじゃ俺は神崎さんを部室に案内してくるよ」


学食から出た俺は皆にそう伝えると、神崎さんと一緒に3階の部室へと向かった。


部室へと向かう道中神崎さんが話かけてくる。


「師匠、今日はありがとうございました」

「気にしないで、悩んでいる学生をお助けするのが俺たちの部活動だからさ」

「ふふ、そうでしたね」


クスっと微笑みを浮かべる神崎さんを横目に俺達は3階の将棋部改め、学園生活奉仕部の部室へと到着する。


「神崎さん、ここが俺たちの部室だよ。鍵が閉まっているから中には入れないけどね」

「ここが部室なんですね」

「放課後は職員室から鍵を借りて開けていると思うから、放課後になったらこの部室まで来るといいよ」

「分かりました! 今日の放課後から立ち寄らせて頂きますね」


すると、お昼が終わりを知らせるチャイムが鳴り響く。


「おっと、それじゃ時間もないし教室に戻ろっか」

「分かりました師匠!」




2階で神崎さんと別れた後、俺はスマホで会話のノウハウなどを調べて放課後に向けての予習を行っておくことにした。

初めての部活動だ、必ず神崎さんのお悩みを解決させてやる!

ここまでお読み頂きありがとうございました。

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