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■12 部活動の内容

週明けに高橋先生に部活申請の進捗を確認してみる。

という事にして、今は花見を楽しむことにした。


「……とは言ってもな……」


なかなか先ほどまで上がっていたテンションに戻すのは難しかった。




それ察したのか樹が話しかけてくる。


「気にすることじゃないぞ和樹! まだ部活が認められていないなら、認められるまで行動すればいいだけじゃないか」


カッカッカと笑いながら俺に語り掛けてくる樹。

そばには愛花のお手製のお弁当がある、どうやらめちゃくちゃ気に入っているようだ。


「だな、週明けにもう一回生徒会や高橋先生に確認してみるさ」

「その調子だ、俺も暇だし付き合おう!」

「ありがとう」


樹のおかげで少しだけテンションが元に戻り始める。




程なくしてお昼のお弁当タイムは終了し、それぞれ雑談タイムへと移行していた。

その話題は当然ながら部活動の内容である。


「……それで、具体的に部活動の内容だけど、たしか生徒のお悩み相談室的なやつだったわよね?」

豊崎は思い出しながら質問をしてくる。

「簡単に言えばその通りだ、学校で学生のお悩みを募って、俺らがそれを解決する為に協力する部活だな」

「なるほどね、……でも実際に相談ってくるのかしら? どうやって生徒からお悩みを募集するつもりなのよ」

「今考えているのは校内の掲示板に張り紙を張って待ってみるとか」

「張り紙ねぇ……生徒は気づいてくれるかしら?」


豊崎の鋭い質問で俺の思考も加速する。


「それなら、昼休みにクラスにお邪魔してお悩みを募ってます! って言い回るのも知ってもらいやすいんじゃないかな」


俺は思いついたアイデアを豊崎に伝える。


「ん~悪い手じゃないけど、手間がかかるわよ?」

「全然、出来る手段は全部試した方がいいと思う」

「そうね」


豊崎は天真爛漫な見た目とは裏腹に頭は良いので、こういった細かな思考を(めぐら)らせるのは非常に得意である。

俺はそうでもないが、豊崎と話を詰めると思いもよらないアイデアが出るので非常に生産的なやり取りができるようになる。




「……あの、私たちもクラスの人たちに話してみたいと思います!」


恐縮しながら手を挙げて梓ちゃんが提案する。


「え、いいの! ありがとう梓ちゃん、お願いできるかな」


俺は梓ちゃんの提案を即決で採用する。


「梓ちゃん、私も一緒にやるわよ!」


アリサちゃんも梓ちゃんと同様に協力してくれる姿勢のようだ。


「私も協力します! 兄さん、1年のクラスは私たちがお悩み募集の内容を広めておきますね」

「ありがとう愛花、それじゃ2年と3年は俺たちが直接呼びかけてみるよ」


1年組はとても心強い集団で非常に助かる。




「ふっ……話は決まったようだな、ほかに俺がするべきことは何かあるか?」


樹は眼鏡をクイっと上げて話しかけてくる。


「斎藤君はまず春休みの宿題を済ませなさいよ。明後日は学校だけど、もう終わっているの?」


豊崎は樹に現実を突きつける。


「うぐっ、……まぁ半分ぐらいは終わっているが、明日一杯には終わるだろう。……多分」


樹は焦った表情を浮かべながら豊崎に返答していた。

俺もすっかり宿題の事を忘れていたので肝に銘じて明日は取り組むようにしよう。




「……それで、実際にお悩みの相談が来たあとだけど、どうやって解決するとかって考えてたりするの?」


豊崎は俺に向かって尋ねてくる。

当然の質問なので俺は考えていた内容を伝える。


「まずは話を聞いてアドバイス等で終わるような内容であればそれで終わりって感じ。……でもそれだけじゃ解決しないような問題であれば、一緒に解決できるまで行動するって感じかな」


学生の悩みって実際に聞いてみないと思いつかないし、考えようがない。

実際に悩んでいるときは、その当事者じゃない限りわからないからな。


「お悩みって程だからなかなか人に相談しづらいこともあると思うの、()()()()()()()()()()()()()()()()()()私たちが踏み入ってもいい問題なのかどうかも考えどころよね」


当然の疑問である。


「確かに、それは依頼者が相談をしてくれた時にどこまで踏み込んでいいのかを確認してみよう」

「そうね」




「ま、気楽にいこうじゃないか。もし俺達では扱えないようなお悩みが来たときは高橋先生に相談することもできるし」


俺と豊崎が複雑な会話をしていると樹が良い感じに話を区切ってくれた。


「……そうだな、よく考えたらまだ実際に部活も認められた訳じゃないし、詳細は部活が認められてから考えるようにするか」

「そうだったわね。それじゃ週明けにでも続きを話しましょう」

「わかった。……それじゃ週明けの月曜のお昼にまた学食に集合ってことでいいか?」


俺はみんなの顔を見回しながら確認をする。

それぞれが気持ちのいい返答をしてくれたので、俺たちは部活動の話は一旦終えることにした。




程なくして、周りの人たちも帰り支度をし始める。

俺たちも同様に花見の片づけをしていると、なんと高橋先生が近づいてきた。

どうやら、高橋先生も俺たちの存在に気付いていたようだ。


「奇遇ね、山守たちも花見してたのね」

「ですね、高橋先生も他の先生たちとご一緒でしたが、学校で花見をする話になったんですか?」

「そうなの、昨日の山守たちが帰った後に職員室で花見の話になってね」


どうやら俺が考えていた通りの状況だったようだ。

豊崎から釘を打たれていたので俺から確認するのは辞めていたが、高橋先生の方から来るなら話は別だろう。


「……あの、高橋先生。部活について少し話を聞きたいんですけど、今お時間大丈夫ですか?」

「えぇ、いいわよ。何かしら?」


俺は先ほど確認しようとしていた事を高橋先生に尋ねてみることにした。

「面白かった!  続きが見たい!」

「今後どうなるの!?」


と思っていただけましたら

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