オトモと探知魔法
物語の改稿、お知らせ等は主に活動報告でご連絡致しますので、宜しければそちらもご覧頂ければと思います。
続いて金色の瞳に、ふっくらした口とそこから生える髭が見えた。
「……オトモさん?」
「ここに居られましたか、シロウ様!」
オトモは、志朗の元へ駆け寄る。
「ダリア様から話は聞いてますよ!
探知魔法の調子はいかがですか?」
オトモの言葉に志朗は、気まずそうに目をそらす。
「それが、まだ……」
「そうでしたか……。
でも、気配を消すのはかなり上達していますよ」
「え?」
「先程、ダリア様がここを通られた時、5分程は私でもシロウ様の気配は感知出来ませんでした。
それに私が来る少し前から気付かれたご様子……」
「これでも私も気配を消して近づいていたのですよ」とオトモは続ける。
志朗は、驚きのままにオトモを見つめた。
全く進歩していないように感じていたが、どうやらそうではなかったらしい。
「気配を消す時は『消える』というよりは、空間や人波に溶け込む様に、紛れる様に意識するとやりやすいと思います。
後もう一息ですよ!」
「紛れる……」
これまで志朗は、その場からパッと消える様なイメージばかりしてきた。
先程は、どうだっただろうかと志朗は数分前の記憶を引っ張り出す。
そして、杖をしっかり握り直し、オトモが言った事をイメージする。
「その感じです!
先程よりも上手く消せてますよ!」
オトモは、嬉しそうに言った。
更に練習を重ねること10分、オトモのアドバイスのお陰で、志朗はどうにか気配を遮断する感覚を掴んだ。
まだ練習は必要だが、ひとまず問題は無さそうだとオトモは言う。
「後は探知するだけです。私も引き続きお手伝い致しますよ!」
オトモが胸を張りながら言った。
今は探知魔法の訓練と城内の見張りも兼ねている。
志朗は、オトモと2人(?)で移動しながら探知魔法の練習をする事にした。
「そういえばシロウ様。探知魔法にも種類がある事をご存知ですか?」
オトモの言葉に、少し考えてから志朗は口を開く。
「えっと……五感を使って探知するんでしたっけ?」
「はい!
まぁ、五感と言っても全てを使う訳ではありません。
探知魔法は主に視覚、聴覚、嗅覚の3つを使います」
そう言うと、オトモは自身の耳を大きく動かした。
「私を例にあげると、私が主に探知魔法で使うのは『耳』です。
聴覚を魔法で大幅に強化して周りの音を拾うのです。
ローレン様は嗅覚ですね。
物体の探知には向きませんが、生き物に対しては抜群の精度を発揮します」
そこまで言った時、オトモははたと足を止めた。志朗も足を止め、警戒するように辺りを見やる。
先程のものに似た直感。通路を幾つか挟んだ先に、見知った気配がある気がした。
「……ダリアさんが、近くにいる?」
「はい。シロウ様、なるべく音を立てないように向こうへ移動しましょう。
ダリア様とダミア様は、私と同じく聴覚を強化して探知しますから、話し声も極力控えめに……」
オトモの言葉に頷いた志朗は、音を立てないようにそっとその場から離れた。




