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魔法の使い方


 志朗はずっと、王が言っていた『妙なモノ』という単語が気になっていた。


 いくら老婆……ダミアから貰った杖があるといっても、これから先何が起こるか分からない。

 良い道具も、使いこなせるようにならねば意味が無いのだ。

 それに、呪いを掛けた術者が妨害してくる可能性もある。

 自衛の手段は多い方が良いと志朗は考えていた。


 ――この短時間で、何処まで使いこなせるようになるかは分からないけど……。


 緊張した面持ちで見つめる志朗に、ダリアは任せろとばかりに頷いた。


「まず、城を出て移動する際に必要な事は3つ。


 1つ、敵をいち早く見付ける事。

 2つ、敵に気付かれないように姫達を連れてその場から離脱する事。

 3つ、もし敵に接触してしまった場合、敵を可能な限り足止めして逃げる事。

 敵と戦うのは最終手段だ。いいね」


 志朗は頷いた。


「魔力の扱い方さえ分かれば、大抵の魔法は何とか形になる。

 アンタに一番覚えて貰いたい魔法は、周囲の探知魔法だけど、まず魔法の扱いに慣れてからの方が良いか」


 ここで一旦言葉を切り、少し考えた後にダリアは頭をかく。


「でも、アタシもローレンもそうだけど、子供の頃から当たり前に魔法は使ってきたからね……。

 殆ど使った事が無いような人間にどう使うか細かく教えるのは正直難しい。

 感覚で覚えてくれとしか言いようが無いからね。


 だから、見て覚えな」


 ダリアが片手で杖を構える。


「まずは火」

 時計回りに、円を描くようにゆっくりと火の粉が集まり、杖の先に小さな炎が灯る。

 ゆらゆらと揺れる炎は、杖から離れ分裂する様にその数を増やした後、跡形もなく消えてしまった。



「次は風」

 ダリアは、次に杖を大きく横凪に振るう。

 ダリアの周りを、渦巻き状の強い風が吹いた。

 つむじ風の様なそれは、次第に風の刃に形を変え、ダリアの足元の芝を刈り取った。



「そして、氷」

 次は、杖を大きく振り上げる。

 小さな水滴の様なものが周囲に集まりそれらは水の球体に姿を変える。

 そして、それは瞬く間に氷の塊になった。

 ダリアが杖を振り下ろすと同時に氷の(つぶて)が動き、少し離れた場所の地面を穿つ。



 志朗は驚きに目を見開く。


 それは、志朗が小説やアニメで見ていた【魔法】そのものだった。



「ひとまず使い勝手が良い魔法はこんな所かね……。

 とりあえず、一番使いやすい魔法を使ってみな。森の中でオトモと試しに使ってみたんだろう?」


「はい……!」


 志朗は、オトモと森の道で使った魔法をイメージする。

 目の前の芝に向かって杖を振った。


 次の瞬間、何も無かった芝から小さな芽が顔を出し、瞬く間に志朗と同じくらいの高さの木に成長した。


 ダリアが、感嘆の声を漏らす。


「オトモから聞いてはいたけど、中々良いじゃないか。

 これなら、夜明け前までにはどうにか形になりそうだ」


 志朗は、感覚を掴むために先程のダリアの魔法を使ってみる事にした。


 ――杖の先に火をつける。 


 強くイメージしてみた……その時、

 杖の先で電気が走った様な音と共に火花が散った。


「うわっ……!?」


 驚き後ろに飛び退る志朗。


「力みすぎだよ。もう少し力を抜いて大丈夫だ」


 ダリアの言葉に従い、先程より少し力を抜いて意識する。

 そして、火をつける様にイメージした次の瞬間、杖の先に拳大の火が灯った。


 ダリアが驚きに目を見張る。


 そんなダリアの様子に、志朗が気付く事は無く、すぐに今見た魔法の練習に取り掛かる。

 上手くいかなかった魔法は、出来るようになるまで何度も繰り返した。


 先程見せた魔法の他にも、ダリアが幾つか魔法を見せ、志朗がそれを練習すること数時間。


 一通り覚えきる頃には、辺りは薄暗くなり、城の至る所に灯りが灯り始めていた。



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