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tsubasa

作者: 夜宮 惺

これはとある世界の、ある姉妹の物語です。

貿易が盛んな街から少し離れた場所に、二人の姉妹が住んでいました。

姉の名前はツバサ。この物語の主人公であり、元気が取り柄の武道家見習いである。

妹の名前はツバメ。内気な性格ではあるが召喚師の才能があった。

姉妹は才能向上の為に、街にある道場で日々修行していた。



そんなある日、ある事件が起きた。




「ふぁぁ…よく寝たぁ。ツバメは…もう下かな?」


目を覚ましたのは姉であるツバサだ。

日課である朝稽古に行く為、部屋で身支度をすると階段を下りて居間へ向かう。

居間を見ると先に起きていた妹のツバメが朝ごはんの準備をしていた。


「ツバメ、おっはよー!!」

「おはよう、お姉ちゃん」


ツバサは笑顔で元気いっぱいに挨拶した。

それに対しツバメは落ち着いた柔らかい笑顔で挨拶する。


「あ、ツバメ〜寝癖ついてるよ?」

「えぇ、どこっ!?」


挨拶をした時、ツバサがツバメの寝癖に気づくとニヤつきながら教えれば、本人は恥ずかしそうに寝癖を手で押さえた。


「うぅ、恥ずかしいなぁ…。朝ごはん出来たけど、もうお稽古に

行くの?」


テーブルにはサラダ、目玉焼き、ロールパンが並んでいる。

ツバメの問いかけに対し、ツバサは時計を見て時間を確認する。

朝稽古までまだ時間は余裕があったので食べることにした。


「んーん、食べてから行くわ!帰りはお昼までには戻る!」

「分かった。ならお昼作って待ってるね」


2人で朝食を食べながら今日の予定を話す。

妹が昼食を作ると聞くなりツバサはぱぁっと表情を明るくさせ喜ぶ。


「ツバメの作るご飯、美味しいから楽しみ~♡」

「えへへ、そう言ってくれると嬉しいな。お稽古、頑張るのはいいけど怪我しないでね?」

「わかってるわよ。ツバメは心配性ねー?」


心配性のツバメは、不安そうにしながらツバサを見る。

胸の前で右手をギュッと握りしめた妹を安心させるため、ツバサは明るい笑顔を見せる。


「ごちそうさまっと。それじゃ、行って来るわ!」

「いってらしゃい、お姉ちゃん(どうせ怪我して帰って来るんだろうな …傷薬、足りるといいけど)」


妹の心の声など露知らず、張り切って家を出たツバサは、真っ直ぐ稽古場へ向かった。


「さあ、今日も一日頑張るわよ―――!!」


元気が取り柄の彼女は、土埃を立てながら全速力で街へ向かった。

稽古場である道場は、家から徒歩で行ける距離にある街の中にある。

街に着くと、通りは朝市で賑わっていた。


「よぉ!今日も朝から元気だな、ツバサ!」

「あ、魚屋のおじさん、おはよー!」

「ツバサちゃんはいつも元気ね!」

「おはよう、花屋のおばさん!へへ、元気が取り柄ですからっ♪」

「今度ツバメちゃんと一緒に遊びにおいで!」

「ありがとう!ツバメも喜ぶわ!」


街の大通りをかけているとツバサの姿を見た人達が声を掛けられる。

それに対し、ツバサは元気いっぱいに答える。

街では姉妹は若き期待の星なんて言われていて、ちょっとした有名人だったりする。

そして道なりに歩いていくと道場が見え、中に入る。


「おはよう、昨日のおさらいをするぞっ!」


道場では大柄の男が立って待っていた。

この人物こそ、姉妹の師匠・カロス。普段は街の平和を守る警備員をしているが、空いている時間を使って武術も教えている。


「はい、師匠!日頃の成果、見せてあげるわ!」


ツバサは構えるとカロス目がけて走り出し勢いよく殴りかかったが、寸前のところで交わされた。

それでもめげることなくカロスに立ち向かう。



―――…



「ほぉ〜、基本がしっかりしているな!これなら新しい技を伝授してもいいな」


満足そうに笑うカロス。ツバサは新しい技と聞くなり目を輝かせ掛けよる。


「本当!? お師匠様!」

「嘘は言わないさ。ほら、よ~く見て覚えるんだぞ!」

「はいっ! 宜しくお願いします!」


ツバサの頑張りに対し、カロスは新しい技を伝授することにした。

新技を伝授していると時間はあっという間に過ぎ、気付は昼を過ぎていた。


「よし、本日はこれまで!」

「ありがとうございました!!」


稽古の片付けをし、挨拶を済ませて道場を出るとツバサは一気に全身の力が抜けた。


「つ、疲れたぁ~………師匠、相変わらず鬼強だよ~」


ガラーン、ガラーン


この音は時間を告げる時計台の鐘の音である。

街の人々はこれを目安に時間を確認している。

そんな彼女もその一人だ。


「ゲゲッ!?もうお昼過ぎてるじゃない!? ツバメと約束してるのに!?」


先程まで疲れていた表情が一転、顔を真っ青にし慌てて帰るツバサ。

人ごみをかき分け帰っていると、木の茂みから、影が飛び出てきた。


「うわわっ!?」


急な事だったため、ツバサは止まる事が出来ず、影にぶつかってしまう。


「痛てて……丁度いいとこにいたな」

「クズノハくん!?」


現れたのは全身黒ずくめの顔の整った青年だった。

彼の名前はクズノハ。ツバサが恋心を寄せている相手である。


「ちょうどいい所にいたな…ツバサ。ちょっと、体貸せよ」


彼は真顔で何も考えずに言ったつもりだが、ツバサはその言葉を変な方向へと考えてしまい、顔を真っ赤にすると慌てて彼の背中を叩く。


「クッ、クズノハくん…何い ってんの!? 体かせなんて…アタシと貴方の関係はそんなんじゃ…(ゴニョゴニョ)」

「…はぁ?」


そんなツバサを見ては、クズノハは一瞬目を丸くするも、すぐに理解すれば呆れたように肩をすくめた。


「…バ、バカか。勘違いすんな。訳わかんねぇ事言ってんな。俺の稽古の相手に決まってるだろ?」

「……え?」


彼の一言で自分の勘違いだと知れば恥ずかしさを誤魔化すように声を出して笑う。


「ア、アハハハ!そうよね!?分かった、相手になろうじゃない!」

「ったく…、行くぞ」


街の人達の迷惑にならない様に街のはずれにある空き地に移動すると二人は距離を取る。

ツバサは拳や脚を使った格闘系の戦闘スタイル、クズノハは忍者の血縁で小刀や隠し武器を使った戦闘スタイルだ。

お互い構えると戦い始める。


―――…


接戦が続き、勝ったのはツバサだった。

日頃の稽古の成果もあったのか、彼女自身も強くなっていることに驚きを隠せなかった。

いつもクズノハとの手合せではあと一歩の所で勝てずにいたからだ。


「くそっ、どんどん強くなってんな…筋肉バカ師匠のおかげってか」

「ウソ…中々クズノハくんには勝てなかったのに…勝っちゃった」


筋肉バカ師匠とは、ツバサを教えているカロス師匠である。

強くなっているツバサ自身とクズノハは驚いいていたが師匠の呼び方に対し、慌てて反論する。


「もー、クズノハくん!人の師匠を勝手に変なあだ名で呼ばないでよ!」

「こんな負け方じゃこうも言いたくなるっつーの……おい」

「え、どうしたの?」


何かに気付いたように、クズノハは懐から布を取り出した。

それをツバサは不思議そうに見つめるとかすり傷を負っていた右腕に布が巻かれた。


「ほら。右腕、怪我してるだろ」

「あっ、本当だ!気付かなかった…」


いつも素っ気ない彼ではあるが、細かい所に目が行く性格ではある。

怪我をしていたツバサ本人はクズノハに言われるまで気づかなかった。


「ちょっとは気付けって。そんなんじゃツバメも心配すんぞ?」

「そうだね…ありがとう!」


そんなクズノハのさり気ない優しさにツバサは照れくさそうに礼を言うと彼はつられて照れてしまうとそっぽを向いた。


「…いきなり悪かったな。手合せ、ありがとな」

「こっちこそ、またよろしくね!」


お互いが一言呟き、解散しようとしたその時だった。


「次期統領よ…隙だらけだぞ」


突然、黒づくめの二人組が現れた。体格的に男女の二人組と思われる。

そして小柄の人物がクズノハの腹を強く殴った。


「な”っ…!?」

「クズノハくん!?」


気を失った彼を体格がいい方が抱え、ツバサに背を向けその場を立ち去ろうとする。

するとツバサは無我夢中で逃がさないと黒づくめの二人組を呼び止める。


「あ、アンタ達…誰よ!?クズノハくんを返しなさい!」

「ふっ…若き娘よ。此奴を返してほしければシキサイの森にある城を目指せ。そこで実力を示せ」

「何よそれ!?…そんなことはいいから返してよ!」

「…聞き分けのないガキは嫌いだ。コイツがどうなってもいいってことだな?」

「…っ!?」


クズノハを抱えていた人物が荒い口調でそう告げ、ツバサを睨む。

睨まれた彼女は黙り込み、体中から冷や汗が出た。この人達に逆らったらクズノハの命がないと察したからだ。


「…言うとおりにしろ」

「わ、わかったわ…シキサイの森、ね。…待って、実力って?戦えってこ…キャッ!?」

「森にある城に行けばわかる。待っているぞ」


黒づくめの二人組はそう告げると煙玉を投げ、煙に紛れて姿を消した。


「クズノハくんを…助けなきゃ…!!!」


黒づくめの二人組は森にある城を目指せと告げていたが何の準備もなしに挑むほど無謀ではなかった。準備をするため走り出した。


「た、ただいまー…ツバメぇ …」

「おかえり、ツバサお姉ちゃん……?」

「どうしよ…クズノハくんがあぁぁ!!」

「えっ、ど…どうしたの?」


遅く帰宅してきた姉を迎えるツバメ。帰ってくるなり涙をこぼしながらツバサは妹に勢いよく抱きついた。

抱きついてくる姉の様子がただ事ではないと察すると心配そうに問いかける。


「えぇ!?すぐに助けに行かなきゃ!」

「うぅ…よし、泣いてなんていられないわ!」


先ほど起きたことを妹に話すと、気持ちが落ち着いたのか、ツバメは袖で涙をぬぐうとやる気を見せた。

二人は身支度を済ませるとすぐに家を出てシキサイの森へと向かった。



―シキサイの森―



「ついたわよ、シキサイの森!」

「おっ、お姉、ちゃんっ………早、すぎっ…はぁ」


不安な気持ちを抑え、2人はシキサイの森に着いた。

急いできた為大きく肩で息をしている。


「はっ、はぁっ…休んでる暇はないわよ!アタシの王子様を救出するわよ!」

「え、まっ、待ってよ…お姉ちゃーん!(はぁ、お姉ちゃんの暴走………誰か止めてくれないかなぁ)」


盛大に頬を引きつらせたツバメだが、残念ながら姉の暴走は止まらなかった。


早く助けたいためにツバサは構わず森の中にそびえ立つ城を目指し走り出す。

暫く森を進むと巨大な門が見えてきた。


「ここが…門かしら?ねぇ、ツバメ」

「わぁー!ここに可愛い柄のキノコが生えてる!」…キノコ??」


可愛いものに目がないツバメは門のそばに生えている水色のドット柄のキノコを見つけるなり満面の笑みに変わる。

妹の笑顔を見るなり、思わずツバサは笑ってしまった。


「まるでおとぎ話の世界ね~、あぁ、ここに白馬に乗ったクズノハ王子様が現れて……ふふ、ふふふふ」

「可愛い、キノコだね〜…(またお姉ちゃんがトリップしちゃったー…) 」


クズノハの事となるとすぐもうそに浸ってしまうツバサ。

妄想が口からダダ洩れなせいでにより、何故か鼻の下が伸びている姉を見て、ツバメは引いていた。


「お、お姉ちゃん、ここの門調べてみようよ!!」


自分のせいでそれてしまった話題を戻そうと声をかければ必死にトリップした姉を正気に戻すと本来の目的である門を調べてみる。


「ずいぶん高い壁ね…掴むところもないし、よじ登るっていうのは無理ね…」

「扉もインターフォンみたいなものがないみたい」


周りを見ると城を囲うように高い塀があり、目の前にある門からしか入れないようだった。

それなのに呼び鈴のようなものはなく、二人はどうしたら入れるのか考えた。


「入れない門はないわ…絶対どこからか入れるわよ!」

「諦めちゃだめだね!!」


カチッ

ゴゴゴゴゴゴ…


姉妹二人で周りを散策していると足元で音がした。

その拍子に開かなかった門が音を立ててゆっくり開きだした。どうやら門を開ける方法は仕掛けを解除することだったようだ。


「開いたよ、お姉ちゃん!」

「私たちツイてる♪」


門が開ききると駆け足で中に入った。

中に入ると綺麗に整備された日本庭園が広がっていて、二人は初めて見る景色に目を輝かせた。


「綺麗〜…向こうで鶯が鳴いてる!?川が流れてるし、何コレ!」

「す、すごい…こういう庭、絵本で見たことある!」


「そっか…クズノハくん、城に住んでるとは聞いてたけど…ここだったのね」

「みたいだね。シキサイの森は基本的に村の限られた人しか出入りしないもんね。私達だって森の手前までしか行かないし」


シキサイの森にあるこの城はクズノハの実家である。

クズノハ自身、自分のことをあまり話さない為、姉妹はここに来てそうかと改めて理解した。

綺麗な庭園を見つつ石畳が引かれた道を歩いていくと城の中に入ることができた。

城の中は人気がなく、しんと静まり返っている。


「…誰も、いないみたいだね」

「何よ~、自分らが来いって言ったくせに歓迎もなしなの?」


奥へ続く道があった為、道なりに進むと池が見えてきた。

池に架けられた橋を何の疑いもなく歩いていると突然、池の水がブクブクと泡立つ。


「え、何!?」

「お姉ちゃん…」


池の異変に気付くと2人はあたりを警戒するがツバメは怖くなり姉の服をつかみ怯える。

池の泡立つ様子を注意深く見ていると突然脇の草むらから武器を構えた武装忍者が現れ二人を襲う。


「覚悟っ!!」

「しまっ…!(ダメっ、防御が間に合わなっ…)」

「いい加減にしろ!」

「なっ、クズノハ様!?」


襲ってくる忍者に対しツバサは妹を庇おうとした瞬間、どこからともなく捕まっていると思われるクズノハが現れ忍者達からの攻撃を防いだ。

予想していなかった人物が現れたことに忍者達は驚くような声を出しそのまま勢いよく池に落ちた。


「ったく…お前ら、大丈夫か?」

「ウソ…クズノハくん!?、本物…?」

「え?クズノハくんは捕まったって聞いてただけど…」

「確かに捕まってたが…俺が逃げないとでも思ってたのか知らないが、警備が手薄だったから簡単に逃げれた」


クズノハによると、彼は城の地下牢に閉じ込められていたようだが、何を考えていたのか警備が手薄だったらしく、隙を見て簡単に出ることができたようだった。

クズノハを助けようと意気込んで来た二人は予想外の出来事に目を丸くして口をぽかんと開けていた。ここに来た意味がなくなるからだ。


「えと…お姉ちゃん。クズノハくんが無事なら私達、城に乗り込まなくてもいいって事だよね?」

「うーん、そうよね。なんだかあっけないけど。これもクズノハくんの実力ね!」

「今回の件に関しては俺のせいなだと思…「ちょっとまった!!!!」」


クズノハが口を開いた瞬間、低い声が会話をさえぎった。

三人が声がする方を見ると、 翁のお面をつけ、着物を着こなした男性が城の塀で仁王立ちしていた。


「お面…?」

「ちょ、なんなのよ!」

「…親父」

「「お父さん!?」」

「ハッハッハ!そのとーり!」


新たな敵かとツバサとツバメが構え警戒していると、頭を抱えて呆れているクズノハが呟いた一言に目を見開きぎょっとした。

お面の男の正体はクズノハの父、タカムラだった。

3人を見るなりクズノハの父親は両手でピースサインをしていた。




―――…


クズノハの客人ということで、姉妹二人は客間へ案内された。

綺麗な装飾が施された壁に畳が広がった豪華な部屋だった。奥には掛け軸と木彫りの像が飾られている。

クズノハと父親、ツバサとツバメが向き合うような形で座っていて、テーブルには花を模した和菓子とお茶がおかれていた。


「あの…クズノハくんのお父さん。これは…」

「ハッハッハッ!君がツバサちゃんでこっちが妹のツバメちゃんかぁ~いきなり悪かったねぇ~!」

「わ、私はお姉ちゃんについて来ただけなので…」

「仲のいい姉妹だなぁ!」

(へぇ…クズノハくんとは正反対で明るい性格ね…)

「ハァ…」


笑いながら感心するクズノハの父を見るなり3人は少し呆れる。

そもそもこうなってしまった理由を知りたいクズノハはイラついた様子で話を切り出した。


「…で、部下を向かわせたのは親父の仕業なのはわかった。でも何でこんな手荒な真似しやがったんだ。わざわざコイツ等を巻き込んだ理由を教えろ」

「ふむ…」


父親を問い詰めるクズノハ。

何と答えるのか気になり息をのむツバサ達。

しん…と数秒程静まり返るとクズノハの父は笑みを浮かべ話し出した。


「それはだな。可愛い息子が好いている子が気になるからに決まっているだろ?」

「は…?」

「へ…?」


父親の発言に対し三人は不思議そうな顔をするが、やっと意味を理解するなりツバサは顔を真っ赤にし、あわてだす。


「親父!?何言ってるんだよ、オレはそんな事言ってないからな!!?」

「へっ!?ちょっ、好いている子なんて…そ、そんなハズカシイ…!」

「お姉ちゃん、慌ててる割にはすごくニヤけてる」


愉快な三人を見ては父親は笑っていると、クズノハが父親の服に掴みかかり問い詰める。


「親父…オレはそう言ってないからな?頭湧いてんのか?」


「父親にそんな言い方はないだろー?『ゴリラみたいな強さで自分は二の次なへんな女がいる』とは言っていたけど、それは好いているとしか思えないじゃないか 」

「なんでそう言ったらその方向に捉えるんだよ!?」

「も〜、実は私達両想いだったのかぁ♡」

「ゴリラみたいな強さ…ふふっ、お姉ちゃんなら間違ってないかも(お姉ちゃん、浮かれてて話聞いてないなぁ)」


父親の勘違いで浮かれている姉を見つつ、クズノハのツバサに対しての印象を聞いてツバメは苦笑いしつつも納得してしまった。


ーーー…


騒動に気を取られているとあっという間に夕方になっていた。夕焼けの空をカラスが鳴きながら飛んでいる。

遅くならない内にとクズノハ親子は姉妹を見送ろうと門まで送った。


「いやー、今日は迷惑かけて悪かったね。今度は普通に遊びに来てくれて構わないからね」

「はい!今度は何かお土産を持って訪問しますね!お父様♡‬」

(お姉ちゃん、まだ目がハートになってる…)

「親父の勘違いで振り回して悪かったな。戻ったらよ~く言っとく」

(クズノハくん、目が笑ってないよ~!)


周りを勘違いで振り回した父親のことに対し姉妹に謝れば手を振り別れた。


「クズノハくーん、またねー!」

「おじゃましました~」


そんなこんなで姉妹の慌ただしい一日が終わった。



____



如何でしたか?

また、機会があれば姉妹に関わるお話を綴れたらなと思います。

閲覧ありがとうございました!




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