ユメユメライフを好きな人と
「ユメユメライフ?」
うっかり押したネット広告で、気になるアプリを見つけた。
「このアプリを使えば、100%明晰夢が見れる!...ふーん」
明晰夢とは夢だと自覚して見る夢のこと。夢の中では何をしてもいいので、エロいことでも法に触れることでもなんでもできて楽しいらしい。明らか嘘くさかったが、僕はアプリをインストールすることにした。
『こんばんは。私は貴方を明晰夢の世界へ誘う妖精、明夢...』
アプリを開くと、ゲーム内のキャラクター、明夢がアプリの使用法を説明し始めた。
『まずは、貴方の名前(本名)、性別、生年月日を記入してください』
「本名で登録するのか...なんか怖いし、偽名にしとこ...夢野誠...っと」
『偽名は使用できません』
何故分かるんだ。ありそうな名前なのに。...仕方ない。素直に本名にしとくか。
『朝川星さん。ようこそ。ユメユメライフへ』
ようやく先に進んだ。とはいえ、結構時間が経ってしまった。もう夜も遅かったから、僕は普通に寝ることにした。
zzz...
「...ねぇ、私の体触ってぇ...♡」
「え!?待って、香さん!?」
「ふふっ...顔赤くして...可愛い...」
これは夢だ。開始早々謎ワールド全開だ。上手く説明できないが、僕の部屋のベッドに好きな人の香さんがいて、くっついてくる。
...夢の中だから、何しても平気か。
翌日は気持ちよく目覚めた。アプリを見てみると、
『このアプリは気に入りましたか』
と、訳の分からないことが表示されている。星5に決まってるだろ。
次の日も、その次の日も、このアプリを使った。
『過去の夢を閲覧することができますよ』
過去の夢を観れる“夢履歴”の機能があることに気づいた。気に入ったシチュエーションがあれば何回も同じ夢を見た。
ある朝起きると香さんの様子が違っていた。手には僕のスマートフォンを持っていた。
「こうゆうのが好きなんだね...」
どうやら、僕は香さんに履歴を見られてしまったらしい。触手やらおもちゃやらで香さんを◯しまくった夢履歴を...。
「夢の世界に浸っても、いいじゃないか...僕たちもう60代なんだから...」
「まったく、67にもなって、夢の中でも私だけを見てくれるんだね」
「...うん」
「このアプリ、“夢通信プレイ”というのもあるみたいだよ。一緒にやろ♡」
「ああ、やろう!」