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探し物を……

1時間前。


草刈(くさかり) (ゆう)

フリーター。

とある、コンビニで働いている。

家族は、両親はおらず小学3年の妹と二人暮らし。


両親は昨年、『最後の希望』から出たばかりに竜に殺された。

友はなぜ両親が安全地帯から危険地帯に行ったのか分からない。

両親の亡骸は見つからない。いや、竜に補食された。

代わりに見つかったのは、血まみれの銀色のペンダント。

このペンダントは、友の母が身に付けていたものだ。

確か父から母に贈られたものと友は聞いていた。

ペンダントは今、友が身に付けている。


友は、今バイトの帰り。

まだ、日が出て間もない頃。

時給が高い夜のアルバイトをやっているため今が帰りになっているのだ。

バイクで道路を走っている。

今日は土曜日。

つまり、友の妹は学校が休みだ。

早く帰ってご飯を作らないといけない。


あと、10分で妹と住んでいるマンションに着く。


((あいつ)は何をしてんだろ。また、ろくでもないことしてないといいな)


なんて思う。

バイクの速度をさらにあげて、道路を走る。


マンションにつき、バイクを駐車場に置き、自分の部屋がある3階まで階段を使い行く。

青いドアの前に立つと、部屋のカギを取り出し開けようとするが、既にカギは開いている。

それは、妹が開けていたのだろう。

「はぁー」とため息をつく。


「おい、1人の時はカギを閉めとけって言ったろー」


「別にダイジョブだよ。いつまでも子供扱いしないで!」


「いつまでも子供だろ、お前は」


「フン、お兄ちゃんは私のことを子供だって思っていても、私は日々成長しているんだよ」


妹は口を膨らませて反撃に出るが、友はそれを軽くかわす。


「成長ねぇー、お前は何を成長してんだよ」


ニヤリ!

妹は不気味な笑みを浮かべた。

その瞬間嫌な予感が友の頭の中に入ってくる。

それは、実現する。


「私ね、いつもお兄ちゃんに苦労かけてるじゃん。だから、今日は私がご飯作ってみたんだ」


そう言うと、妹は台所へ行き、冷蔵庫に皿にラップで包んでいた物を取り出す。

それをテーブルの上に置き、ラップを取る。

取ると、野菜炒め?

らしきものがあった。

真っ黒に焦げていて、それもう違う物質。

そう言っても過言ではない。


試しに箸で黒い物体を掴んでみるが。


バラパラ……


すぐに箸から粉々になってしまう。

友は、苦い顔になる。


「おい、これは何だ?」


「野菜炒めだよ、お兄ちゃん。召し上がれ」


そう言われ、箸で野菜炒め?を口の前まで運ぶ。

口の中へ入れる。

いやいや、思いとどまった。


「食えるかぁー!」


「えっ!?なんで、こんなに一生懸命作ったのに」


「こんなん、食べたら一気にあの世行きだわー 」


こんなに言うつもりはなかった。が。

言ってしまった自分がいる。

妹は、悲しそうにうつ向き言う。


「お父さんなら食べてくれるよ。お母さんなら一緒に料理してくれるよ」


「ハァッ!?なんで、いきなりこんな話しになんだよ?」


「だってぇ、だってぇ……」


妹の瞳から一粒の雫がまた一つ、また一つと流れ出ていた。

どうしよう……。

なんで、こんなことになってしまったのか。

自分が何をしてしまった。

分からない。

それが友の率直な感想だった。

けど、やってしまったのは事実。


「分かったよ、食えばいいんだろ」


半分やけくそ気味で、野菜炒め?を口に運ぶ。

見た目は不味いけど、食べたらうまいみたいな展開を望んだ。

が、人生そんなに甘くない。

顔色が悪くなる。

青白く変色するが、それでも口に野菜炒め?を運ぶ。

なぜ?

お兄ちゃんたがら!

それが友の答え。


グッスン!


妹は鼻を赤くしていた。

涙を手で拭い、聞く。


「ねぇ、お兄ちゃん、お父さんとお母さんはなんでいなくなったの?」


(分からない)

「……」


答えることができない。

逆に友がそれを聞きたいぐらいだ。

どう答えればいいんだろう。


「それは……それは……」


言葉がでない。

いや、だせない。

どうすればいいのか。

それでも言葉をふりしぼる。


「俺にも分からないよ……」


「……」


「俺だってさ、父さんと母さんが居なくなってからすごく苦労したんだ。バイトだって夜の時間帯を選んだし、今日だってお前が休みって言うから早く急いで帰って来たんだよ。このペンダントだけいきなり母さんの形見だって言われても納得できるわけねぇーだろ。オレナだってなぁ、父さんと母さんが居なくなった理由が知りてぇーんだよ」


今まで、溜め込んでいた何かを吐き出した。

妹に向ける言葉では当然ない。

けど、言ってしまった。

引き返せない。

妹はまた泣き出しそうになりながら、口を開く。


「なら、お父さんとお母さんを見つけに行こうよ。私達で」


「何を見つけるんだよ。父さんと母さんは死んだんだ。それに見つかったのだってこのペンダントだけだ。」


どこか寂しそうに言う。が。

妹は、それでも続ける。


「それでも私は見つけたい、その何かを」


「はぁー」


ため息を先にだしてしまった。

妹の言い分はかなり無茶苦茶だ。


「その何かはある前提なんだな」


と言い、野菜炒め?を全て口の中に入れる。

不味い。

それしか感想がでないが、なぜか少し元気が出た。


「俺も明日は暇だし、お前も休みだ。だから、探しに行くか、その何かを」


「今からがいい!」


「今からからよ、しょうがねぇーな」


すっかり妹も泣き止んでいたようだった。

なんで、こんな流れになってしまったのだろう。

と友は思う。

『最後の希望』から出ることは、禁止されている。

なぜなら、外に出れば竜に襲われるからだ。

だから、禁止となっている。

友は準備を開始する。

リュックの中に水、食料、ケガをした時のために薬、包帯などを入れた。


両親が死んだのは山口県とされている。

だから、地図から山口県の場所を探す。

本当ならナビがあればいいのだが、世界が滅びかけたせいで使うことができない。


バイクで行くことにする。

流石に歩いて行こうとは思うことができない。

バイクで二人乗りで行くことにする。

二人はしっかりヘルメットを被り、出発する。

途中でガソリンを満タンにした。

これで、本当に準備完了だ。


ブブーン!


とバイクを走らせる。

愛媛から山口までなら海道を使うのが一番だ。

取りあえずは最初の目的地は海道。

そう決めて、バイクで走る。


走り出したはいいものの妹はすぐに飽きたらしい。


「ねぇ、お兄ちゃん。あと、どのくらいで着くの?」


「多分、10分くらいで着くと思う」


「多分って、はっきりしないなぁー」


「仕方ないだろ、俺だってバイク(これで)行くのは初めてなんだから」


適当に言い訳をし、黙々と道路を進んでいく。

もちろん、安全運転で。

道路を進んでいくと海道?が見えてくる。

実際、友もここ数年海道を見ていないせいで、はっきりと分からない。

海道には柵があり、『立ち入り禁止』の看板がある。


(ここから、先はバイクじゃ入れないな)


妹の方を見て、渋々言う。


「ここからはバイクじゃいけないから歩いて行くけどいいか?」


「えー、歩くの?」


あからさまに嫌な顔で言う妹。

そして、無茶難題を押し付けてくる。


「じゃ、お兄ちゃん。その柵を壊してよ」


「無茶言うな」


優しく妹の頭にチョップを食らわした。

妹は、少し涙目になり「痛いよー、お兄ちゃん」と言う。


(いやいや、優しくしただろ!?)


心の中からツッコミを入れた。

妹は、ふざけたな感じで言う。


「これは、帰ったらステーキだね!」


ニコニコしながら言ってきた。

それを聞いたとたん友は思う。


(こいつ、さてはステーキが目的だったな)


ため息を混じりで返した。


「ウチにそんな余裕はありません。何でもない日にステーキなんてとんでもない。子供は黙ってベーコンでも食べてなさい」


「なに、急に大人面してんの?お兄ちゃんはまだ子供でしょ」


「俺はもう立派な大人だから。それに草刈家の主だよ。だから、もっと俺に感謝してもいいんだよ」


「自分で感謝しろって言う人に感謝するって。お兄ちゃんは傲慢過ぎるよ」


妹に自分の悪態をつかれ、肩を落とす。

少し泣き目になっていたかもしれない。

まさか、妹こんなことを言われる日が来るとは……。


まぁ、ともあれこの柵が問題だ。

柵にトゲがついたワイヤーが取り付けられていて、よじ登って行こうにも無理だ。

こんな所で諦めてしまうのか。

そう、頭をよぎった。が。

妹が鍵がかかったロックを触りだした。


「おいおい、勝手に触んなよ」


「なんかこれおかしい……」


「何が、おかしいんだ?俺には普通の鍵に見えるんだけど」


「うーん、なんかこれ暖かい感じがするんだ。なんか、こう、手を当てれば何とかなりそう……」


そう言いながら、小さな手で鍵がかかったロックを握り締める。

すると、淡く光だし、


パッキィーン!


という音ともに砕け散った。

友は目を思わず丸くしてしまう

けど、すぐに理由を思い浮かべた。


(どうせ、ロックの部分が海風とかで錆びて脆くなったんだろうな)

と根拠も何もないのに決めつける。

妹も特に驚いた様子は全くない。

鍵が無くなったことで簡単に柵はあく。

妹は笑顔ともに言う。


「これでバイクで行けるね、お兄ちゃん」


「あぁ、そうだな」


少し顔を引きずりながら答える。

また、バイクに乗り直し出発をした。


***


神。

オリビア。

机で書類に判子を押していた。


「なんで、今日はこんなに書類が多いのかしら。あの子達がやんちゃだから?」


答えが帰ってこない自問自答をする。

書類に目を通し、判子を押すの繰り返し。

なんて、人間の社会は面倒なのだろう。

秩序とはよくいったものだ。

「はぁー」と疲れからか自然とため息をこぼしてしまう。


トントン!


ドアを叩く音がした。

オリビアの「どうぞ」の一言を聞くとドアが開く。


「失礼します。お茶が入りましたよ」


「ありがとう、紅愛(くしな)。ちょうど、喉が乾いてたところなの」


「いえいえ」


オリビアに誉められた紅愛は嬉しそうだった。

紅愛は、とても分かりやすい子というのがオリビアの評価だ。

まぁ、それは当たってはいるのだが……。


「それにしても、最近やることがありすぎませんか?」


「そうね。竜達の数も増えてきたし、それに”天使”の目撃情報もはいってきたしね。もしかしたら、明日には『最後の希望』だって無くなっているかもしれない」


「や、やめてくださいよ、そんな縁起でもないことを……」


「ごめんなさい、冗談でも笑えないわね」


そう言葉を発した直後。


ズッキィーン!


「うぅっ……」とうめき声をあげ、右手で頭をオリビアは押さえた。

それを見た紅愛は慌ててオリビアの近くに寄ってくる。

その表情は、青白かった。

オリビア以上に青い。


「だ、大丈夫ですか!?」


本当に心配そうだった。

「えぇ」と答えると、辛そうな表情で言う。


「これは不味いかもね。誰かが結界を解いちゃったみたい」


「どういうことですか?天使の仕業ですか?」


「いいえ、結界は内側から壊された。壊したのはここに住んでいる人間ね」


「ただの人間にそんなことができるでしょうか?」


紅愛は疑問の表情を浮かべながらそう言う。

オリビア自身も「うーん」と考え込んでいた。

少し考え、口を開く。


「ただの人間には『不可能』」


オリビアはそう言った後に続ける。


「って、私は今日まで思っていたけどもしかしたらできる人間もいるかもしれない」


「となると、その人間を捕らえた方がいいかもしれませんね」


「そうね」


オリビアはあっさりと肯定する。

理由はどうあれ、結界を壊せる人間を調べる必要が出てくる。

人類を守るために。

そのためには、最悪結界を壊した人間を殺さなければならなくなる。

その思考に至るまで2人は時間がかからなかった。


「まぁ、でも穏便に済ませられればいいんですが……」


「そうね。原因を突き止めるために、早速調査に向かわせたいんだけど、今はみんな仕事中だから早く終わるのを待つしかないみたい」


「私が行ければいいんですが……、私だと逆に危険になってしまいますし」


「そんなことない、あなたにはあなたにしかできないことがある。まぁ、早く戻るのは青と星風(せいか)ね。うーん、星風に行ってもらうかしら」


なぜ、青にしないのか紅愛はすぐに分かった。

もし青に行かせれば、多分だがトラブルを起こしてしまう。

普段の星風とのやり取りを見れば一目瞭然だった。

紅愛もオリビアと同じ考えらしく、意見を言う。


「私も星風先輩が適任だと思います」


「じゃ、星風が戻ったらすぐにここに来させてね。まぁ、もともと来るようには言ってあるんだけど」


「分かりました」


オリビアの表情は少しだけ赤身が戻ったように見える。

が、紅愛はまだ青いようだった。


(本当にこの子は心配性なんだから)


優しい。

誉めるならことの一言が適切だろう。

けど、悪く言うなら……。

冷静さに欠ける。


お茶を一口で飲み干した。

中身の無くなったコップを見ても、まだ飲み足りなそうなオリビア。

それを確認すると紅愛は、


「お茶、持ってきましょうか?」


「じゃ、お願い。あっ、でも次はコーヒーがいい」


「はい、分かりました。ミルクはどのくらい使いますか?」


***


2人は海道を抜けた。

友はバイクを一旦止め、ぶつくさと文句を言う。


「それにしても、整備されていないせいかスゲーボロかったな」


「途中、道路ガタガタしたー」


「まぁ、何はともあれ無事海道を抜けられたからよかった」


そして、目的地である山口県を目指し走り出した。


ブッブーン!


そう音を出し進んでいく。

まず、最初の目標は広島県を抜けることだ。

何時間かかるのだろうか。

地図を広げてみる。


普通はそんなことをすると事故を起こしてしまう。が。

辺りは、何もない”無”だけ。

他の車両もないし、障害物もない。

だから少しの蛇行運転なら大丈夫なのだ。

それでも、妹は許さないらしい。


「お兄ちゃん!運転が下手なんだからそんなことしないでよ」


「別に下手じゃねぇーよ」


「だって、私もう酔ったよー」


「って、おいここで吐くなよ。待ってろ今、袋だすから」


急いでバイクを止めリュックからゴミ袋を取り出し妹に渡す。

妹の背中を擦りながら、気分が良くなるのを待つ。

幸い吐くことはなかった。

少しだけ安堵する。

これからは、ちゃんと安全運転をするように心がけることを密かに友は誓った。


妹は少し泣き目になっている。

これは、完全に友が悪い。


少し、休み出発をする。

とりあえずは広島市を目指し運転した。

だが、地図を見たものの完全に分かったわけではない。

だから、もしかしたら今違う道を通っているかもしれないのだ。

まぁ、そんなことを気にし過ぎていたらどうもこうもないのだが。


ブッブーン!


この音が引き金になってしまったのかもしれない。

一つの咆哮が聴こえる。

それはこの世のものとは思えない。

それもそのはず。

そいつは……、その怪物は、竜なのだから。

全身が白く、切れ味がよさそうな牙、巨大な翼。

赤い目。

その目はどこまでも、破壊を見据えているようだった。


……恐怖……。その感情を初めて知ったように思える。

バイクを止めてしまった友。

体動かない。

呼吸が荒い。


ハァ、……ハァ……、ハァ、ハァ、ハァ……。


心が壊れる。

今まであんな恐ろしいものなんて見たこともなかった。

両親はあんな恐ろしい怪物に殺されたのか。


動けない。

思考が回らない。

一体どうすれば……。


「お兄ちゃん!!!」


妹の声で友は我に帰ると、バイクを動かした。

辺りは何もなく隠れられるような場所がない。

どうする。

そんなことを考える。


後ろを見ると口の中に赤いものが見えた。

それを友は知っている。


“炎”


だが、大きさがけた外れに違う。

地球から見る月サイズの大きさだ。

あんなものを食らえばひとたまりもない。


炎の玉で的確に友達を狙ってくる。

“回避”できない。

せめて、妹だけは助かってほしい。

そう思い、バイクを止め、そのまま降りて妹を抱き締めるようにして竜に背を向けた。

炎の玉は放たれた。


友達の方へと向かってくる。

妹は心配そうに言う。


「お兄ちゃん、炎が……」


「きっと、俺が守ってみせる。きっとだ!」


「それじゃお兄ちゃんは誰が守ってくれるの?」


「俺は、いいんだよ。大人なんだから、それに俺はお前が傷つくのがいやなんだ」


抱く手につい力が入る。

ヒーローのような力があれば妹を守ることができるのに。

妹を悲しませたりせずにすむのに。

なんで、俺には妹を守るだけの力がないんだ。

そう、自分を責めらずにはいられなかった。


妹は幼くても死へ近づいているのが分かる。

だけど、どうしようもない。

非力な自分にはどうしようもない。

兄を守りたい。

が、自分にはそれができない。

弱い自分を嘆いて泣くことしかできなかった。

“涙”。

どんどん溢れ落ちる。

悔しい。

このまま、竜に殺られるなんて。

まだ、何も見つけてないのに。


2人は一つのことを思う。


(こいつと……)


(お兄ちゃんと……)


((生きたい!!!))


だが、そんなことおかまいなしとも言わんばかりに炎の玉が向かってくる。

そして、直撃。

がそれは2人にではない。


2人の目の前に1人の少女が立っている。

足までつきそうな黒髪、ブレザーの制服を着ており、優しそうな少女だった。

おかしなことが一つ。

炎の玉が直撃したはずなのに、何もなかったような感じだ。

事実、少女の体には傷一つなく、制服すらも汚れ一つついていない。

逆にそれが、不安へと繋がる。

少女は口を開く。


「もう、これだからオリビアの『()ばし』は嫌なのかな。これ本当に酔っちゃう」


「何者なんだ、お前!?」


「何者って失礼じゃないのかな。私はわざわざあなた達を連れ戻しに来てあげたのに。私は、彌生(やよい) 星風(せいか)


一様助けてくれたのだから、敵ではない。

味方とも現段階では言えないのも確か。

だが、竜は待ってくれない。が。

そんなのは、星風には関係ない。


竜が炎の玉を星風、目掛けて撃つ。

星風は面倒臭そうに右手で上空に弾いた。

竜の方を星風は見て、「先にドラゴン(あいつ)倒すね」と一言添えて宙に浮かぶ。

音も立てなく空にいる竜の元へと向かう。

途中、炎の玉を浴びるがやはり無傷で飛ぶ。


竜の元へと来るとは拳を握り締め、しっかり竜を捉え打撃を繰り出す。

竜をそのまま地上へと落下させた。


ドガーン!


大かな音だった。

友達(ゆうたち)には当たらないように配慮を当然した。友達(ゆうたち)がいない方へと的確に落下させたのだ。


あっさりと竜を倒してしまった少女に恐れを友は抱く。

それも当然だ、人間にはできないことを目の前で見せつけられたのだから。

星風は地上へ降りてくる。


友の目の前に来るが、友は妹を抱き後ろに下がる。


「ば、化け物……」


そんなことを見た星風は半笑いで言う。


「私、これでも人間なんだけどな。流石に悲しいかな」


と少し悲しいそうだったがそれでも続ける。


「さぁ、話をしようか君達」









予定より遅れて申し訳ありません。


次の投稿は11月の初め頃に出します


ご意見ご感想のほどをよろしくお願いします。



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