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息抜き


ダンジョンの運営には魔力が必要不可欠だ。

その為には、ダンジョンのある地に元々備えてある魔力や内部にて魔法・スキルを使用し消費してもらう事が必要だ。

そうは言っても、この方法はさほど効率が良いとは言えない。


なぜなら、よほど特殊な場所でもない限り土地に蓄えてある魔力などは、たかが知れている物だし、内部にて魔法やスキルを使ってもらったとしても精々が維持費程度のものだ。


では、どうやってさらなる魔力を得ているのか?

答えは簡単だ。

生きとし生ける者すべてがその身に宿しており、かつ高エネルギーの物。


そう、魂と呼ばれるものだ。


全ての魂は肉体が失われると、余計な物を削ぎ落とし輪廻へと帰り新たな生へと旅立つ。

その際に削ぎ落とされた余計な物と言うのが重要で、高レベルの冒険者と呼ばれる者達など小躍りしたくなる程の変換率で魔力に置き換えることが出来るのだ。


さて、先程の戦いとも言えぬ程の戦いが終わり、俺の手元にはさほど強くは無いものの、約5万人分弱の魔力が手に入った。

俺の事を共通の敵として認識し攻めてきたり、もしくは鉱物資源や発見される武具・アイテムなどを有効に利用する為に常にダンジョンへと人を送り込んでくれる分には何の問題も無い。


だが、ダンジョンと言う存在を無視してそれでも人類同士での不毛な争いに終始した場合には、神様とやらの指示通りにこの世界を滅ぼすつもりで行動する必要がある。

その為には、今現在膨大な魔力を保有しているからと言って無駄遣いをする訳にはいかないのだ。


「どういう事でしょう?説明をお願いします。」

「え?いや、やっぱり必要だと思うんだよね。うん。」

「確かに、主としてふさわしい内装を整える事は必要かと思いますが、この部屋は本当に必要ですか?」

「そりゃそうだよ。はっ!ほっ!」


「食事はおろか、睡眠すら必要のないマスターになぜ地球のゲーム機が必要なのですか……。」

「んー、まぁやってみたかったってのもぶっちゃけあるけど、少し時間が掛かると思うからね。暇潰しだよ。」

「塔の上層には直接移動する事が出来ない様に対魔法(アンチマジック)の霧と、不可視の壁、それに無味無臭で透明の致死性の猛毒を含む大気を充填してあるからね。生物である限り到達は不可能だし。遠距離から攻撃されたとしてもダンジョン事体は破壊不可能だ。表面が焦げたりする事はあっても破壊する事は出来ないだろうし、1日経てば元通りに戻ってしまう。」


「つまり、このダンジョンを止めようと思ったら俺かコアのどちらかを壊すか殺すかしなければいけない訳だ。」

「それではすぐにでも攻めて来るのでは?」

「まぁその可能性が無い訳じゃないけど、かなり低いと思うよ。」


「第一に、1日にして約5万人と言う人が消えたんだ。まずは捜索・調査が先だろうね。」

「第二に、ゴブリン達に言って運ばせた武具は、わざわざ魔力を使用して創り上げた魔法の品だ。人類なんてみんな欲の皮が突っ張った様な人ばっかりだよ。偉くなれば偉くなる程にね。」

「そして第三だ。こないだまで、どうにか他所を出し抜いてこの地を得ようと妙な緊張状態で睨み合いをしてたんだ。自分たち以外のどこかの国がやった事じゃないかと、疑心暗鬼に陥るのがオチさ。」


細かい部分はまだまだあるが、大まかにはこんな所だろう。

「つまり、何が言いたいかと言うと、しばらくは暇なんだよ。少なくとも外周部分の調査が来なけりゃ、こっちも動けない。」

「まぁ、キラーアントは勝手に突っかかって行くだろうけどね。」


その程度で滅んだりはしないだろう。

むしろ刺激されて、冒険者達が出入りするようになってくれればベストなんだが……。その為のマジックアイテムと言う撒餌なんだし。


「情報は集めさせているから、そう滅多な事は起きないよ。」

「あぁ、それでドッペルゲンガーとシャドウデーモンをお呼びになったのですね。」

「うん。ダンジョン内部では言葉も不要な程に情報の共有が出来るけど、ダンジョン外部になると魔物達の報告が頼りだからね。ドッペルゲンガーに情報を集めさせて、シャドウデーモンに伝達をしてもらう。今の所、出来るのはこれ位だな。」


「ゆっくりできるのなんて、今だけかもしれないんだぞ?しっかりと働く為にも休む時には休まなきゃな。」

「わかりました。」

「これでも食いながらのんびり待ちなよ。」


俺もコアも食事や睡眠・排泄など必要ないのだが、必要が無いだけで出来ない訳じゃない。

何と言えばいいんだろう?

雨が降っている中で、傘を差すか差さないか。

その程度の差だ。別に雨に濡れる事を我慢すれば傘は不要だし、だからと言って傘を手に持っているのに差さない理由も無いだろう?


つまりは、この食べ物やモンスターをハントする世界のゲームだって必要経費なのだ。

前々から気になっていて、魔力で取り寄せることが出来ると知り即決で取り寄せた言い訳ではないのだ。


まぁでも、あれから1週間。

調査隊が組まれて、そろそろ到着しても良い頃だと思うんだけどな?

シャドウデーモンを増員して、連絡網の構築をするように伝えよう。



最初に動くのはどの国かな?





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