表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/1

好きな女の子を言いなりに、、、、、

私が彼女に特別な思いを抱くようになったのは彼女が私が通っていた塾に最初に来た時だった。いわば一目惚れにも近い何かだったと記憶している。高校生の僕は中学の時の初恋を引きずりその初恋の女の子に似たような顔、髪、背格好の女の子を好むようになっていた。髪が肩までくらいの長さで自分のことをあまり主張しようとしないような、そんな女の子。その子は初恋の女の子に限りなく近いそれだった。


悲劇にも喜劇にも近い出来事が起こったのはそれから1ヶ月後のことであった。火曜と木曜に塾に来る彼女に合わせ私も火曜と木曜には必ず塾に来るようになっていた。その日も午後5時30分過ぎ、エレベーターが開き学校指定の紺色のブレザー姿の彼女が来た。私は高鳴る鼓動を感じつつ何気無い顔でシャープペンシルと机が当たる無機質な音を鳴らし続けた。

彼女が私の横の机に座る。当然だ。下調べをして彼女の隣になるように席を予約しておいた。彼女は参考書で埋まったカバンを置き椅子に座る。そしてSNSで友人に返信を送るためにだろうか、スマートフォンをスカートのポケットから取り出しロックを解除する。

ここまではいつもの風景だった。私は彼女のスマートフォンの画面上にまぁなんというか衝撃的というか笑劇的というような見てしまった。


そこに映っていたのは鏡に映して自撮りされたであろう彼女の裸体だった。


彼女はその写真がスマートフォンの画面上に写ってしまったことに動揺し顔を紅潮させ直後誰か他の人が見てないかを確かめるようにまわりを見た。私以外は気がついていないようで必然的に私とその子は目が合ってしまった。


沈黙、高揚、そして恐怖。


私は少しの沈黙のあと何気無い顔で問題集との対話を再開した。何も言わない私に彼女も安心したのか観念したのか大人しく問題集を開いた。



当時のことを振り返って見るとその時私は塾といういわば性とは真逆の場所に置いて性的な写真を見ることでいつになくおかしなテンションになっていたのだろう。手のひらほどの大きさの黄色いメモ帳にこう殴り書きした。

「9時に外に出て」

そのメモを彼女の机に貼る。そのメモを見る彼女は後悔と同時にほんの少し期待の入った顔をしてるように思えた。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ