プロローグ 2
こっちは王子視点です。
感想お待ちしておりますm(__)m
『私の剣に誓って、あなたに一生を捧げましょう。』
……というのが、国中で未だ人気のある恋物語の一節だ。
国を荒らしまわる竜を、勇敢な騎士が退治し、囚われていた王国の姫君を助けて結婚した話。
その、結婚の誓いで騎士が姫に言ったのが、さっきのアレなのだ。
そして僕は、ずっと昔から、その言葉を言われたいと思っていた。
確かに第四王子だけれど、『姫君』になりたいんだ。
素敵な騎士が僕を助けに現れてくれる、と信じて。
そして思いの外近くに…運命のように、僕の求めていた『騎士様』は居た。
この国では珍しい、うねるような黒髪にサファイアのような青の瞳。黒髪は、異国出身の母親譲りで、青の瞳は、代々ペンドラゴン侯爵家特有のものだという。
絵本の挿絵通りの凛々しい容姿で、しかも、本当に騎士で、優しい。
それがアンジェ………アンジェリカだ。
僕に、幼い頃からずっと仕えてくれている彼女のことが、ずっと好きだ。
……残念なことに、アンジェは僕の気持ちに気づいてくれない。
想いを伝えても、『殿下は優しいから』と真剣に受け止めてくれない。
その原因は、きっと年の差にある。
だって、彼女と僕は8歳離れていて、彼女はもう23なのだ。
因みに、女性の婚期は16から19、20は滑り込みセーフだ。
だから、僕が彼女を好きなんて有り得ない…、と思いこんでいる。
…………僕は、ずっと、好きなのに。