005 えーっと、現状確認しよ
短いです。
赤ちゃんって、お腹にいる時何を思っているんですかね。
追記 7月26日 加筆 特に【技能】を得るところ。
―――はっ、こ、ここはどこだ? えっ、何でこんなにも真っ暗?
えーっと、あーっと、俺はいったい―――はっ、待てよ。こういう時こそ、深呼吸だ。吸ってーーーーーー、吐いてーーーーー。
って、何にも出来ないじゃん! 何気に何一つ体が動かないし。
えっ? 何これ―――はっ、ま、まさか。俺死んだのか? んな、バカなーー―――いや、マジで?
あれから冷静になって考えてみたんだが―――【悲報】俺がトラックに撥ねられた件について。
はい、とのことで最後の記憶を漁って見たら、馴染の有佳利を庇っていたわ。そして、撥ねられたみたいだな。
いやー、あんなラノベ的なことになるなんてなー―――って、笑い事じゃないな。
って事は俺、死んで転生してんのか? それともここは病院の中でベットの上で意識不明で寝ているのか?
ああ、前者の方が良いな。有佳利や妹には悪いんだが、俺にはあの世界を慣れることは出来ないと判断した。
まぁ、簡単なことだ。社会情勢や17年生きて分かった事をまとめるとそういう結果になった。
何より、あの世界には異能がないので、つまらない。万人とっては厨二病か、って言われるが俺にとっては、死活問題だったりする。つまらないのは、嫌いなんだ。
いや、別に俺は厨二病って訳じゃない。断じて、そうじゃない。異論、反論は求めないぞ。
ただの凡人でも、異能を求めたっていいだろう(切実)。
よし、取り敢えず確認と行くか。たまにあるんだよな、異世界転生前の記憶がないって、パターンがな。
―――うん、あれ? ちょっと待て、何か聞こえる?
トクン トクン トクン トクン
トクン? も、もしかして、ここってお腹の中じゃねぇ?
五感(あるかどうか、分からないが)の感覚をフルに使って研ぎ澄ますと、心臓の音らしきものが聞こえた。
って、ことは―――マジかーーーー、念願の異世界転生だーー。ひゃほーーー。
―――いや、まてよ。「異世界」転生か? ただの世界っていう可能性―――ま、まぁ、その時はその時だ。転生なんだし、我慢しよう。
それじゃあ、再度現状確認を、っと。
俺の名前は柊 昴。年は17、だったか。性別は男。
県内で有名な公立高校の二年生だった。好きな食べ物は甘い物。嫌いな食べ物は特になし、と。
あとは何か―――あっ、未だに年齢=彼女いない暦。当然、童貞は所持。
べっ、別にいいしっ。異世界に行ったら、モテて―――いや、ハーレムを作ってやるんだからなっ。手始めは幼馴染だな。
それと、何だろ。
現状確認はそれから、体感時間で二時間は費やした。どうやら、問題は無いようだ(この現状は異常在りまくりだが)。それにしても何故、俺が転生を?
そして、また二時間が経った頃、今だにこの真っ暗い空間にいた。そろそろこの現状に飽きた来た頃だった。
って言うーか、普通、生まれて間もなく位ではっ、ここはどこだ―――って、なるんじゃないのか?
長いよ、暇だよ、飽きたよ、かったる―――くはないか。
ああ、それにしても本当に暇だ。この暇で一儲けが出来るって、某問題児の人の台詞が吐けるくらい暇だ。
それから、また二時間。
何もないこの空間でぼぉーーーーーーとしていた。無我の境地に立てたような気がする。
意識を集中するんだぁああああああ。
【技能】集中を手に入れました。
はっ? 今のもしかして―――はい、異世界確定ぃいいいいいいいいいいいい。
絶対、今のは異世界系のラノベである不思議な声だぁああああああ。
よしっ、産まれたら、頑張ろ。
今では、はっきりと俺の鼓動が元気よくトクン、トクンと鼓動し、母親の鼓動も感じられる。
絶対に[集中]のお陰だな。それと、今も体が動かせません。
それから、またまた二時間。
何もない空間で寝る事も出来ないので、またぼぉーーーーとしていた。
本格的に飽きたので、手を動かそうとちょー頑張ったら、なんと動かせた。
うおっ、動いた―――ってことはそろそろ体の形成が終わりに近付いているのか―――。
まだまだ、お腹の中は続きます。
次回投稿は一週間の内にはします。
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