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勇者は転生したそうです。  作者: 蓮池 鳩
第一章 0歳児〜
12/14

010 べ、別に昴のためじゃないしっ!

遅くなって、申し訳ありません。m(_ _)m


もう、そろそろで時間を飛ばせそうです。


追記 8月1日 加筆 改稿

――――マリブニー・スェイトレット視点――――


「ふふふ~~ん、ふふふ~~ん」


私のテンションがこんなに高く、滅多に歌わない鼻歌をしてしまうほど気分が良いかと言うと、今日でレイ君が生まれてから、丁度一年が経ったからなのよ、うふふ。

この国の技術や衛生環境は高い。しかしこのユーティリィア国でも、新生児が2歳になる前に死んでしまうことは、稀ではないの

だからこそ、私は嬉しかった。上の二人も元気に育ってくれたのだが、レイ君が心配であることには代わりなかったの。


しかし、それとは別に1つ気がかりなことがある―――それは、あの人がまた遠くに行ってしまったことだった。

原因は分かってるの、あの人は何故か、他の部隊の人達から嫌われているようだった。まぁ、あの人はそれでも頑張ってくれているのだけど―――。

はぁ、冒険者出がいけないのかしら。


「まぁ、いいわ。部下の人には慕われているようですし……」


うふふ。そんなことよりも、今日はとても素晴らしい日にしなくてはいけないわね。



――――ブレイバー・スェイトレット視点――――



1歳だ―――いや、こっちの世界では2歳と言うのが正しいのか。

まぁ、何が言いたいのかと言うと、こっちの世界に転生して一年が経ったということだ。

最近、結構喋れるようになったし、動けるようになった。今は、適度にストレッチ紛いなものをしている。まぁ、そろそろ夢の異世界生活の為に動き始める時期か。

まずは―――。


「まりょくのはつげんか。すてえたすにはのっていたから、じつざいしているとおもうんだけどな」


―――さて、どうするか。

魔力が「在る」ことも分かっているし、「有る」こともステータス上を見て分かっている。

しかし、使い方が分からないんだよなぁ。

こうか? それとも、こうか? うーん、何かが違う気がするんだよなぁ。


うーん、何だろ。この喉の寸前まで出掛かっていてる感じは―――。

前々から気になっていたんだけど、何だか、いろいろと突っかかっている気がするんだよなぁ。

それは、喉に魚の骨が引っかかって、もどかしい感じの様な―――そんな気がする。

うーーん、何かを忘れている?


「何やっているのーーーー。レイくっーーーーん」

「あう。あるねえちゃん・・・」


うわぉ―――意識に夢中になり過ぎてて、アル姉ちゃんが近付いてきたのに気付けなかった。

急に抱き付かれると、びっくりするから止めて欲しい。まぁ、抱き付くことには十分構わないんだが。


それから僕は、母様が来るまで活発系の方の姉に絡まれるのだった。

ま、まぁ、相手は幼女だ。叱るつもりはないけど、もうちょっと2歳児の体を労わろうぜ。

良い運動になるにはなるんだけど―――めっちゃ疲れる。







――――女神・アウリティア視点――――



―――昴を転生させてから、はや1年が経過した。はぁー、昴はちゃんと出来ているのかしら。

ま、まぁ、あの昴のことだ。上手に、卒となくこなしているのだろう。昴の柔軟な思考力だけは無駄に良かったもの。

―――でもっ。


「……わ、私に何か出来ることはないかしら」


一応言っておくけど、邪神を倒してもらわないと困るからであって、昴が心配というわけではない―――断じて、違う。

私は、そう自分に強く命じて、昴とも面識のある先輩の下へ向かった。



その先輩はいつも通り、世界中の本の原本となる物を詰め込んだ図書館にいた。

そこには、文字通り全ての叡智が詰まっている。

そう先輩は叡智の女神、ラビリィー=フェスタと言う名の神様だ。この図書館を管理している―――いや、暮らしていると言ったほうが正しいのかもしれない。


何故、それ程の崇高な神と昴が関わっているかと言うと、単純に異世界の知識を多く保持している昴を先輩が気に入っただけだ。

まぁ、それだけなら良い。でも、その時に私を巻き込まなくてもいいじゃないのっ。

私は、様々な酷い目に遭わされていた。ラビリィー先輩の実験のモルモットとして扱われたり、先輩が興味を持ったコスチュームを強制的に着させられたり、されていた。

うぅ、思い出しただけでも、あの際どい服の羞恥心が―――。


ま、まぁ、先輩は多くの時間を昴と関わっていた、ということになる。と言っても、夢の中と言う制限があるので、毎日と言うわけじゃなかったが。

―――べ、別に私に構ってくれなくて、嫉妬してなんかないわ。


「はぁー。何だか物凄く見苦しいわ、私」

「ん? どうしたの、めーちゃん」


と、急に背後に回られてしまって、驚くのも無理もないと思う―――悲鳴を上げないだけ、上出来だろう。初めの頃は、散々な目に遭っていたが。

と言うか、もし某狙撃手だったら、撃ち抜かれても文句は言えないだろう―――はぁ、何バカなことを考えているのだろ。昴に毒されてしまったわ。

ふんっ。次あったら、ピンタの一つでもくらわせてやろうかしら。


「きゅ、急に背後に回らないで下さいよっ、ラビィ先輩!」

「あはははー、面白ーーい……で、何のよう?」

「……やっぱりテンションの切り替え早いですね、先輩は」

「ん、時間がもったいないから」


この神様(ひと)の性格を簡単にまとめると、きっぱりしているのだが、対応に面倒、厄介、気紛れ―――と言うのが天界での共通認識だ。しかし、これでも神としては上級神に至る神だ。

こんなに悪戯好きだけども、実際は凄い神様(ひと)なのだ。


―――あっ、因みに私も上級神だ。

しかし、上級神の中で一番年下なので、下っ端扱いされている―――で、でも、地上では一番人気高い神様なのよ、私は。

はぁー。


「えーっと、先輩は昴のことを覚えていますよね?」

「すばる? ―――あー、そう言えば、昴ってどこいっているの? 邪神を倒すとかで、最近ここにきていないようだけど。どうしちゃったの? 死んじゃったの?」

「ええ、まぁ。死んじゃったには、死んじゃいました―――で、その後に転生してもらいました」


まぁ、確かに死んだと言えば、死んだのだが―――私としては、それは許せない。昴は、異世界人の身であって、関係のない世界の為に、命懸けで頑張って邪神を倒そうとしてくれた。

しかし、あんなに頑張ったのに、最後には邪魔だからと言うちっぽけな理由で殺されてしまっては、あんまりではないか。


―――まぁそれよりも、昴がいなくなって、はや1000年ぐらいは経っているのに、気が付かないとか。流石先輩だ。

それと、さっきから何を「へー」とか「ふむふむ」とか独り言を呟いているのだろうか。


「へぇー。で、昴の願望を叶えてやってんだね」

「あっ、先輩も昴の願望を知ってましたっけ」

「そりゃあね。流石のボクでも来る度に聞かされていては覚えるよ。で、今はどこにいるの? 久々に昴に会いたいな」

「あー、えーっと。会えないと思うんですけど。と言うか、なんで普通に上級神の先輩が地上に顕現しようとしているんですかっ。地上がパニックになっちゃいますよ!」


もうっ。そうしてこの神様(ひと)は、昴の願望は覚えているのに、神の条約を覚えていないのだろうか。

それで私は取り敢えず、1000年ぐらい前のことと、いろいろ重ねた誓約を先輩に細かく話した。

・『変換魔法』を継承したこと

・勇者だった時のことを、一応記憶を封じていること

・今は、生後1歳だということ

と、このぐらいしか話すことがないのだが、ありのままに話した。まぁ、この神様(ひと)が調べれば、大抵のことはパッと調べることができる。

だから、ここで黙認しておくとか、丸っきり意味がない。


「えーっと。今日は、何か昴の為に何か出来ないか、尋ねにきました。先輩なら良い提案を出してくれると思いまして」

「あははー。全く、めーちゃんは素晴らしい位の健気なヒロインポジだねっ」

「……放っておいてくださいよっ、そのことは。で、何かないんですか?」

「うーんと、そういうことなら……あっ、そう言えば、昴と前に語り合ったもので面白い設定があったな」

「えーっと。じゃあ、それでお願いします」


それからと言うと、先輩は何かを設定を組み始めた。何やら、複雑で幾何学的な模様が浮かび上がっていた。多分、魔方陣の類なんだろうか。

魔法の方は、からっきしの私には何をやっているのか、さっぱり分からなかった―――が、何やら「凄いことをやっている」だけは分かった。

因みに先輩は一つの没頭すると、回りの声が一切聞こえないので、この先は放置が打倒だ。

暫くお茶でも飲んでおこう―――はぁ、昴はちゃんとやっているかしら。


はい、次回は昴もといブレイバー君にある異変(神のギフト)が起こります。

乞うご期待。


感想、評価、ブクマ登録、誤字脱字の報告等、諸々よろしくお願いします。m(_ _)m

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