箱を開けるだけの演目
~~とある意識の中~~
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(偽物の空虚な勇者)が(拍動の生命器官)の情報開示を求めます
要請を拒否しました
(偽物の空虚な勇者)では権限が足りません
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ちがう
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(偽物の空虚な勇者)が(拍動の生命器官)の情報開示を求めます
要請を拒否しました
(偽物の空虚な勇者)では権限が足りません
~~~
ちがう
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(偽物の空虚な勇者)が(拍動の生命器官)の情報開示を求めます
要請を拒否しました
(偽物の空虚な勇者)では権限が足りません
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もういいじゃないか
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(偽物の空虚な勇者)が(拍動の生命器官)の情報開示を求めます
要請を拒否しました
(偽物の空虚な勇者)では権限が足りません
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放っておいてくれないかな
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(偽物の空虚な勇者)が(拍動の生命器官)の情報開示を求めます
要請を拒否しました
(偽物の空虚な勇者)では権限が足りません
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君じゃないんだ
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(偽物の空虚な勇者)が(拍動の生命器官)の情報開示を求めます
要請を拒否しました
(偽物の空虚な勇者)では権限が足りません
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君じゃないんだよ
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(偽物の空虚な勇者)が(拍動の生命器官)の情報開示を求めます
要請を拒否しました
(偽物の空虚な勇者)では権限が足りません
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一回だけでいい。
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(偽物の空虚な勇者)が(拍動の生命器官)の情報開示を求めます
要請を拒否しました
(偽物の空虚な勇者)では権限が足りません
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あの日のように
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(偽物の空虚な勇者)が(拍動の生命器官)の情報開示を求めます
要請を拒否しました
(偽物の空虚な勇者)では権限が足りません
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もう僕と"僕"の手から離れて行ってしまったあの日々
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(偽物の空虚な勇者)が(拍動の生命器官)の情報開示を求めます
要請を拒否しました
(偽物の空虚な勇者)では権限が足りません
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ただもう思い出すだけじゃ我慢ならないだけなんだよ
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(偽物の空虚な勇者)が(拍動の生命器官)の情報開示を求めます
要請を拒否しました
(偽物の空虚な勇者)では権限が足りません
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どこにあるんだ?
どこに残っているんだ?
まだそこにいるのかな。
呼ばなきゃ
聞こえるところに来てくれるかもしれない
だから叫び続けないと
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(偽物の空虚な勇者)が(拍動の生命器官)の情報開示を求めます
要請を拒否しました
(偽物の空虚な勇者)では権限が足りません
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君じゃない
君はいらない
君は関係ないだろう?
だから放っておいてくれ
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(偽物の空虚な勇者)が(拍動の生命器官)の情報開示を求めます
要請を拒否しました
(偽物の空虚な勇者)では権限が足りません
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見えない
香りも忘れた
だけど耳に残るあの声が僕を温かい過去へ連れて行ってくれるんだ
呼び返さなきゃ
どこなんだ?
僕の家族よ
抱きしめようとも力強く抱き返してくれて
笑いかけたらともに笑ってくれるんだ
命の温かみなんてあの時まで信じてなかった
けど僕は君がその大きなお腹に向ける優しい所作に目を奪われて
視線を向けたらふと僕に気づいて待ってくれていたかのように嬉しそうな顔で話しかけてくれるんだ
あったかい、温かい空間だった
あぁまた僕の名前を呼んでくれるかな?
ナユラ・ルーデンホークよ…
ルーデンホーク…?
わかっているそんな都合のいい話はないと
それでも期待してしまう
君は誰だい?
教えてくれ
近くに来てくれ
僕が感じられるところまで
~~~
==大穴の縁==
「私が納得できる理由を話してもらおうかリカードォ!?」
そう{天翔生命}の長たる【贖う壺】を睨みながら叫ぶのは専務としてその背中を守ってきたはずの【破雲万丈】である。
「わぁってるてぇの……まぁ落ち着けぇ?さっきも行ってたし、こんな深い空間を探査するのも初めてじゃあねぇだろうよナユラの奴もよ…?」
「その地下の空間にいる存在が問題なのだっ!!!!」
「そうだなぁ…あいつらはやべぇと思う。そりゃそうだ、俺だったら尻尾振って逃げるだろうなぁ…」
「特級指定の超常存在に加え、得体も知れず特級にも成りうるであろう存在が待つ場所に何故わざわざ貴様の懐刀として貢献してきた【温もり喰らい】を生贄のようにだな…!」
「じゃ助けにいくか?」
左手は抉れ未だ血は滴り落ち続け片足は潰れ使えない状態。
【破雲万丈】は楽観的に見ても【温もり喰らい】の元へ増援は身体的に無理であると判断する
いや立場ゆえにしてしまうのだ
【破雲万丈】は歯を食いしばり悔しさを露わにする。
だが出来ないことばかりだと立ち止まる方が悔しさをより増幅させることは【破雲万丈】は理解していた。
だからこそできることの中から最善を選び続けなければならないことも理解しているのである。
【贖う壺】と戦闘に縺れ込んでしまえば勝てぬことは明白。
その上【温もり喰らい】救出の人員を編成するため中央管制室に戻ろうとも時間が許すとは思えない。
だからといって引き下がることなど【破雲万丈】にとって選択肢の中にはなかった。
「だがリカーd―
すると突然
「なぁよぉ…いいよなぁ!?もうさ、辛抱ならないんだよぉ…!」
【贖う壺】が鬱憤が溜まっているかのように頭をガシガシと掻き毟る
「な、何を…?」
豹変した【贖う壺】の様子に【破雲万丈】は面食らう。
「もうな?始まっちまったんだ。俺等如きがもう手出しなんてできねぇ!」
掻き毟り過ぎたせいか【贖う壺】の頭から血が垂れ頬を伝っていく
「頼むからよぉ!邪魔しないでくれ!やっとでなんだぜ!?遂に今日!巡り合わせたんだ!部外者が茶々入れちゃあ、そりゃ無粋ってもんだろう!?」
「何が…貴様をそう唆すというのだ……」
自分達が知らない事を知っている男。
その意味のわからない妄執に囚われた1人の男を前に【破雲万丈】は呆然としてしまう。
「あ、あのぉ!」
だがその尋常じゃない様子の【贖う壺】へと声を挙げるものもいた。
「…………」
「わ、私はお二人の言っていることを理解できませんし、お邪魔するつもりは毛頭ありません…で、でもぉ!あ、ぁ1つだけ!1つだけなんです…ききかせてくだっ……さい!」
サラ一級職員である。
彼女は勇気を振り絞って途中から涙に塗れながら【贖う壺】へ問いかける。
「な、何故ナユラが行かなきゃ…いけなかったんですか?」
至極当然の疑問
「嬢ちゃんよぉ…?ははは…それを知ってお前さんはどうすんだ…?なぁ、教えてくれや…?」
【贖う壺】はその疑問へ疑問で返す
「あ…うぅ…い、いや…」
「なんでだ?なんでそれを知りたいって思ったんだ?教えてくれよ。それはお前さんにとって本当に聞かなきゃいけない大事なことなのか?お前さんはナユラのなんなんだ?知ったとして関係ないだろ?」
【贖う壺】はサラ一級職員に対して矢継ぎ早に言葉をまくし立てる。
「サラ一級職員…!下がれ…」
その様子に危機感を覚えたのか【破雲万丈】がサラ1級職員を嗜める。
「で、でもぉ!駄目なんですか!!!?…私じゃ駄目なんですか!?わかってぇっ………わかってます…!私はナユラ程強くないしぃ!皆さん程賢くないかもしれないしぃ!そんなっ!最善の結果なんてわからないけどぉ……!」
大粒の涙をぼろぼろと落としながらサラ1級職員は叫ぶのだ。
【贖う壺】へ向かって
「か、代わりに…私が!…私が行きます!!こ、これ!この有給申請書もナユラにあげてやってください!!だからぁ!私に行かせてください!!!」
そう言って懐から取り出したのはくしゃくしゃで渇いた鼻水のせいかかぴかぴになった有給申請書。
「下がれと言っているだろう!!?」
溜まらず【破雲万丈】が声を荒げる
しかし普段鋭い叱責を受けようものなら瞬時に飛びあがり謝罪の姿勢に入るこの小さな彼女も【破雲万丈】の言葉を受けても微塵もひるまずに【贖う壺】をずぶ濡れの瞳で見つめ続ける。
「ナユラじゃなきゃいけない理由がないのならぁ!!!私でいいですよね!?」
その精一杯【贖う壺】へと掲げられた有給申請書に【贖う壺】は一瞥をくれる
「……………」
【贖う壺】から放たれる有無を言わせぬ圧力はその場にいる二人の発言をまるで許していないようだった。
「うぐっ…う、うぅ………ふぅ…!」
唯、サラ1級職員のえずく声と必死な吐息が流れる。
【贖う壺】の反応を待つだけの時間。
早く過ぎてほしいと願おうと無慈悲にも流れ続ける沈黙。
すると【贖う壺】はサラ1級職員の前へと歩み寄り始める。
サラ1級職員の前に到達するや否や視点が同じ高さになるくらいまでしゃがみ込み、そのつぶらな瞳を覗き込む。
「それはお前さんの為か?」
「…え?」
その言葉にサラ1級職員は呆けてしまう。
「聞いてんだ。…そりゃてめぇのために言ってんだろぉ…?そうじゃなきゃおかしいんだ…」
見慣れない大きく見開いた目で瞬きもせずに【贖う壺】はサラ1級職員を見つめ言葉を連ねていく
「嬢ちゃんは代わりにって言ったなぁ……そりゃ困るんだよ…断言する。この世界を華やかにする役者にはよ…代わりなんていねぇ。いちゃならねぇんだよ。だから全てが解き明かされ未知が足りない今を生きる俺たちは唯、誰かを蹴落として生きていくしかねぇんだ。」
気圧されて少し引いていた有給申請書を握るサラ1級職員の手を【贖う壺】はつかみ取る。
「ひぃ!!?」
サラ1級職員が握っていた有給申請書が落ちようとも気にすることもなく【贖う壺】は口を動かす。
「同情?慈悲の心?そんな言葉はもう意味をなしてない。そこにあるのは自分が印象よく受け取られる為の華やかな役割を運良く見つけられた唯の自己中心的な輩の言い訳なんだ。」
「い…いや…いや…」
そして【贖う壺】は怯えるサラ1級職員に対して
笑うのだ
「嬢ちゃん。」
「…え?」
「面白れぇよなぁ?」
すると掴んでいた手を引っ張り、【贖う壺】は自信の胸に仰々しく存在するコアのような部分の中心へあてがう。
「同じようなもんなんだよ。俺もよ…もう後戻りできねぇとこまで来ちまってんだ。じゃあよ?自分で責任背負って生きてかねぇと。」
コアに触れている手を上から押し付ける力が段々と強くなっていく
「ナユラを探しに行くなら探しにいけや。無駄足になるだろうがよ、嬢ちゃん自身が自分のために探すならそりゃ邪魔しねぇ。そこはもう嬢ちゃんが望んだ展開なんだろ?じゃあ俺とぶつかるしかねぇんだよ…。だって俺も探してんだからな…。」
「い、いた…い!や、やめ…」
コアがひび割れていきコアに押し付けられた手が悲鳴を挙げようとも【贖う壺】の腕が止まることはない
「くぅ………」
様子がおかしくとももう【破雲万丈】にとっては【贖う壺】は不発弾のようなもの。
無闇に触れてこちらが火傷で済むはずもなく静観しかできなかった。
「すまんなぁ。ははは…俺がよ…馬鹿で間抜けなせいで見つけられなかったからなんだろうなぁ…」
そうしてサラ1級職員の手が【贖う壺】のコア表面を破り突き抜けていく
コアの中身は
空だった。
「へ…?」
勿論他の部分に心臓と同等の役割を持つ組織を持っているかもしれない。
だがここまで体の中心に位置する大袈裟な部分が飾りとはとても考えられるものでもないのだ。
「俺はよ…"生命保険"が元から効かねぇ…どうしてだろうなぁ?そこで俺は考えちまうんだ…それって俺はもう死んでるんじゃないかって。でも動けるし目で見て考えることもできるってのはよぉ…おかしいと思うだろ…そりゃあよぉ…。…教えてくれ、今の俺は…どっちなんだ?」
「や、やめてくだ…さい…!」
サラ1級職員が必死に拒否しようとも抵抗虚しく
ぐりぐりと【贖う壺】は侵入したサラ1級職員の手を使ってコアの内部をかき混ぜる
「生きてんのかぁ!?死んでんのかよぉ!どっちなんだよっ!!!!ここにはっ!!入ってねぇ!じゃあ開けに行くしかねぇじゃねぇか!!!まだ開けてない箱をよぉ!!」
「り、リカード…」
【破雲万丈】も普段共に働いてきた同志の状況に狼狽える
そうしているうちにもコアをかき混ぜていくごとに部品の欠片や屑が落ちていく
「壺とは違う、鍵のかかった箱なんだ。なら鍵が必要なのは当然だろ…?」
la--
遠くから美しい声が聞こえる
「オルゴールみたいに開けたら美しい音楽が流れるのか?それとも開けたら起爆してこっちが全部吹っ飛ぶような罠なのかよ!?なんなら空っぽでもいい!!」
la==---
段々とその美しい声が近づいてくるのだ
「もう開幕しちまったんだ、俺の為の箱を!!!!開けるだけの演目が!!!!」
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美しい声はどこから鳴っているのか
それは当然
下から。
「やっとでだ………やっとここまで来たんだ」
【贖う壺】がサラ1級職員への関心を失ったかのようにまた大穴の方へ向かっていく
「あの日の続きを見届けようじゃねぇか。」
そう言って【贖う壺】が懐から出すのは長い年月が経っているのか随分とくたびれた煙草の箱
この演目を唯待ち続けてきた一人の観客は煙草を1本取り出し火をつけるのだ
「はは…味はしねぇな…そりゃそうだ。」
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ばgyばきぃi!!!
すると美しい声に紛れて聞きなれた音が共に聞こえてくる
「この音は…?」
「まさか…!!!!」
その音を聞いたサラ1級職員と【破雲万丈】は驚きを表す。
「代わりがいねぇってことはそりゃ代わりが効かないってことなんだぜぇ?死んでもらっちゃぁ…俺にとって都合が悪すぎる。」
それに対して煙を吹かしながら【贖う壺】は独りごちる
やがて大穴から踊りこんでくるのだ。
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「離せぇ!!この人紛いがぁああ!!?」
普段よりもより濃く結晶を纏いもはや白を超えた血が混じって少し赤みがかっている【温もり喰らい】が悲鳴を挙げながら、以前の肉の塊とは遠くかけ離れた質量の爛れ盛り上がった肉の壁から【温もり喰らい】目掛け手を伸ばす人型達と共にひと際造りが精巧な大きな人型に抱かれながら。
それを見て【贖う壺】は言い放つ。
「開幕だ」
更新頻度が遅すぎて展開に置いて行かれてる?
あらぁ~↑↑↑
ゴメン




