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07 タクトの後輩ジャン視点(追放サイド)

 俺の名前はジャン。

とある冒険者パーティーで戦士をしている。


 自分で言うのもなんだが、俺の能力は人並みだ。

ただタクトさんという相棒がすごいのだ。

どんなモンスターの攻撃も防いでしまう。

それに、手柄をほこらないし、やさしい。

やらしい話しだが、あの人についていけば、食いっぱぐれはないだろうと思っている。


 俺は、妹の結婚式で少しの間パーティーを離れていたのだが、この街で合流予定だ。

あたりは少し暗くなってきている。


「おっ、ここだな。」


 酒場に入りあたりを見渡す。

奥のテーブルにメンバーが揃っていた。

あれ、タクトさんがいないようだ。


「タクトさんがいないですね、どうしました?」

「あー、それね。ジャンがいない間にタクト君辞めちゃったのよね。」

魔法使いのエミリアがさらっと言った。

「え…嘘だろ…辞めたって、本当に…」

驚いてうまく声が出ない。

それはまずいだろう。

早く呼び戻さないと。


「そうだ、あいつはもう辞めた。盾役タンクが一人になってしまうな。」

リーダーのジェフリーが酒を飲みながら言った。

なんで皆こんなに平然としているのだろう。信じられない。


「引き止めなかったんですか?」

「なんであんなやつ。クソ生意気なことを言ったから、こっちから首にしたんだよ。せいせいしたぜ。」

回りのメンバーから笑いが起きる。


「タクトさんがいなくなったらこのパーティーはどうするんですか?」

「そう心配するな、代わりの人員は探してるから。」

「タクトさんの代わりなんて、簡単に見つかるわけないじゃないですか。」

「そうか、お前ら仲が良かったからな。でも、あんな平民となれあっていても成長しないぞ。ジャンも名門貴族なんだから。」


 どうも話が噛み合わない。

以前からタクトさんの実力が高いことは伝えてきたんだが、ジェフリー達にはいまいち伝わっていないのだ。


「そうではなくて、その、タクトさんの実力はちょっと俺らとはレベルが違うというか、今までの戦闘もほとんどタクトさんのおかげで勝っていますし。」

「またその話か。そんなことはない、ジャンの思い違いだ。撃破数を見てみろ、あいつの成績なんて最下位だぞ。」

盾役タンクですから、当たり前ですよ。」

「しつこいぞ。あんなやる気のないやつはこのパーティーには不要だ。俺はなあこのパーティーを一流の騎士団にしたいのだ。あの天空騎士団のようにな。」


 急になんか、語りはじめた。

めんどくせえ。

ちなみに、天空騎士団とは、この国で最強と言われる騎士団である。

名のある戦士や魔法使いが数多く在席している、超エリート軍団だ。

元は冒険者パーティーだったと聞く。


「だったなおさら、タクトさんの力が必要じゃないですか。」

「いい加減にしろ。あんな奴必要ない。」

駄目だ全く話しが通じていない…

それにだいぶ酔っているようだ。


「俺はなあ。もっと成功したいんだよ。もっと金も欲しいし、名誉も欲しい。お前らは違うのか。」

「俺も成功したい!」

レンジャーのリックと、騎士のマキシムが叫びながら乾杯する。

完全に酔っぱらってるな。

のんきなやつらだ。

もう、このパーティーは終わりなのに。


「次のクエストはもう決まっている、ゴブリン退治だ。金持ちの地方領主からの依頼で報酬が破格の300万ギルダー。ギルドの上の方から回してもらった美味しいクエストだ。」

「さすが、ジェフリー様、すごーい。」

魔法使いのエミリヤと僧侶のアレイシアは手を叩きながらはしゃいでいる。


何だか疎外感をかんじる。

今すぐにでもここを辞めたいが、親のコネで入ったから簡単には辞められない。

ゴブリン退治ぐらいなら、なんとかなるだろうか。

もうしばらく付き合うか。


「ほら、ジャンも飲めよ。」

そう言われ、俺はエールを一口飲んた。


タクトさんは今頃なにをしているのだろうか。

戻って来てくれないかなあ。

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― 新着の感想 ―
[一言] うわぁ・・・、なんか胡散臭いなぁ。ただのゴブリン相手に300万は出しすぎ・・・。 もしかしたら、一大勢力築いて居るんじゃねーかな? 総勢3万とか・・・。この金額ならゴブリンの総数が少ない…
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