05 モンスターとバトル②
キン、と高い音が暗闇に響く。
俺が盾で攻撃をガードした音だ。
盾スキル『ジャストガード』
これが俺の奥の手だ。
どんな強力な攻撃も無効化できる盾スキル。
ただし攻撃を受ける一瞬のタイミングでスキルを発動させないと効果が出ない。
タイミングがかなりシビアなのだ。
キン、キン、と攻撃を一発づつ確実にガードしていく。
一度でもジャストガードのタイミングをミスれば、そこで人生終了だ。
丁寧に対応しないといけない。
戦いながら防御力アップのスキルを使う。
攻撃をくらったら一撃でやられるから、気休めだけどな。
できることは全部やっておこう。
しかし3体の相手は忙しい。
隙をみてて攻撃してみるが、ほとんどダメージを与えられない。
俺の攻撃力では歯が立たないか。
しかたない、援軍を待つとしよう。
◇
「タクト、待たせた。大丈夫か!」
ノワールとヴィレッタが駆けつけてきた。
ゴーストはもう倒しきったのか。
あれだけの数をこの短時間で倒すとは。
見事な腕前である。
攻撃をカードしながら、彼女たちと目が合う。
なぜか驚いた顔でこちらを見ている。
「ノワールよ…一体何が起きているのじゃ!?」
「ヴィレッタ様、どうやらタクト殿は『ジャストガード』で防いでいるようです。」
「ジャストガード?何じゃそれは。」
「成功すれば、どんな攻撃も防げる盾スキルです。」
「ノワールも使えるのか?」
「いえ、非常に難しくて実践でつかうものはまずいません。曲芸のようなものです。」
「しかし、タクトは普通に使っているようじゃが。」
「信じられません…凄いです…」
後ろで何か言われているな。
普通は使わないとか…
ダメ出しだろうか。
確かに、俺の戦い方は全て自己流だ。
一人でコツコツとスキルを勉強して身につけてきた。
この戦い方はリスクが高いが、メリットも大きい。
ジャストガードは、敵のスタミナを削ることができるのだ。
「おっと、見とれている場合ではないのじゃ。ノワールいくぞ。」
「はい!」
「もうちょっと待ってください。」
彼女たちが駆け出すのを制止する。
「そろそろ相手のスタミナが切れます。そのタイミングで攻撃を入れてください。」
「何じゃと?後ろ!危ないぞ。」
グレーターデーモンは攻撃が通らないことに怒ったのか、力まかせに剣を振り回しきた。
思う壺だ。
僕は連撃を全てジャストガードで受けきった。
「よし、やったか。」
グレーターデーモン一体のスタミナを完全に奪った。
膝からくずれ落ちる。
「ノワール、今だ!」
俺は叫ぶ。
グレーターデーモンは腕もあげられない状態だ。
「スキル発動、『バーストアタック!』」
ノワールは叫びながら、両手持ちの剣を横なぎに鋭く振りぬく。
剣から放たれた衝撃波が、グレーターデーモンのがら空きの胴体を吹き飛ばした。
胴体に穴が空き、デーモンの黒い血が飛び散った。
一撃で倒したのか。凄いな。
さあ、まだまだ次だ。
残りも同じ要領でスタミナを奪う、次の一体は腕を付いて前のめりに倒れ込んだ。
再びノワールのバーストアタックが胴体を吹き飛ばす、血煙が舞う。
残り一体は俺が華麗にしとめるか…
と行きたいところだが、俺の攻撃力ではたいしたダメージを与えられない。
最後もノワールに任せよう。
「ノワール、頼む!」
「まかせろ!」
ノワールはグレーターデーモンの体を駆け上ると、その首を切り落とした。
なんとスタイリッシュな攻撃だろうか…
この人強い。
前のメンバー達と大違いだ。
◇
「お疲れ様でした、何とかなりましたね。」
二人に歩み寄る。
ヴィレッタに抱かれていた聖獣が俺に飛び移ってきた。
お前も無事だったか、本当によかった。
「それにしても強いですね。驚きました。」
俺はノワールに話かけたが、返事がない…
何か変なことしたのだろうか。
「なぜ、あんな嘘をついた。何が目的だ!反王党派か?魔物の眷属か?」
ノワールが、俺に剣を向けて言った。
狼狽したような表情だ。
急にどうしたのだろうか。
「ちょっと待ってください、何が嘘なんですか。」
「だからパーティーを首になったという話だ。」
「それは本当ですよ。長年真面目にやって来たのに、あっさりと首になって。今思い出しても悔しくなります…」
「嘘をつくな!」
剣を握り直してノワールは言う。
「グレーターデーモン3体だぞ。あんなものを一人で倒せるやつを首にする間抜けがいるか。」
「倒したのはノワールじゃないですか。」
「貴様…愚弄するか。あんなものが倒したうちに入るかは!無防備の敵にとどめを刺しただけだ。」
「まあ、まてノワール。落ち着け。タクトも困っているではないか。」
ヴィレッタが言った。
「しかし…」
「よいから、剣を納めよ。わしはタクトを信じるぞ。こいつの生気のない目を見てみろ、仕事を首にされたやつの目じゃ。」
なんだか嫌な信じられかただなあ。
「それに、聖獣やわしの命が目的なら、わざわざ共闘する必要もないわ。」
「確かにそうですが…少し取り乱してしまったようです。お嬢様がそう言うなら、信じましょう。」
ノワールはそう言って剣を納めた。
「タクト殿すまなかったな。あれほどの腕前のものが首にされたと言うのが、にわかには信じられなかったのだ。」
「いえ、全然気にしてませんよ。命の危険は感じましたが…」
俺は言った。
悪い人ではないのだろう。
「まあ、それほど凄い戦いぶりだったということじゃ。ノワールがポワーっと見とれていたからな。」
「何を…誤解されるようなことを言うのはやめてください。」
「ははは。まあ世の中には、自分の都合のいいようにしか物事を見られないアホがいるのじゃよ。」
ヴィレッタがそう言ってこの話は終わった。
疑いが晴れたようで、ほっとした。
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