33 再会①
「魔物群ですか?」
騎士団の最上階の団長室で俺は言った。
「そうじゃ。知っておるかタクト。」
団長のヴィレッタが言う。
団長は栗毛色の髪の美少女である。
グリフォン討伐クエストが終わり、既に一ヶ月ほどが経った。
俺は特にやることも無かったので、戦闘の訓練や本を読んだりしてなどをして過ごしていた。
そして今日、新しいクエストがきまったとのことで団長室に呼ばれたのだ。
秘書のワンダさんは用事があって不在とのこと。
団長室には俺とヴィレッタと二人だけだ。
「詳しくは知りませんが、自然発生するモンスターの群れですよね。大気中の魔力が急激に減ると発生するとかなんとか。」
何かの本で読んだことがある。
「そうじゃ、モンスターは魔力がないと生きられないからな。魔力切れを起こすとパニックをおこして群れをつくり暴走する。それのとびきり大きいやつが我が国に向かって来ておるのじゃ。」
ヴィレッタは立ち上がり、大きな机に地図を広げた。
「調査隊がオキデンス平原で、1000体以上からなるモンスターの大群を発見した。このまま進むと、あとひと月ほどで国境を超えてくる。」
オキデンス平原はモンスターがうようよいて、人が住めない地域である。
「千体以上とは…それを天空騎士団で食い止めるんですか。」
「そう簡単な話でもなくってな。」
そういうと団長は地図からこちらに目線を移す。
「わしらで出せるのはパーティーひとつだけ。後は他のパーティーと強力して戦うことになる。」
「天空騎士団総出で対応するんではないんですか?」
「なぜ、わしらが毎回パーティー編成しているかわかるか。ここはあくまでも冒険者パーティーの集まり。勝手に大軍を動かすことはできぬのだ。」
ヴィレッタは言う。
「なんだか面倒ですね。」
「まあ、そういうな。強すぎる力は争いの種になるのじゃ。国の軍隊を超える力を持つわけにはいかぬ。表向きはな。」
まるで、すでに超えているような言い方だ。
「というわけで、天空騎士団の代表としてタクトに出動してほしいのじゃ。」
「はい、俺で良ければやらせていただきます。ところで他のメンバーも決まっているんですか?」
「一人だけ決まっておる。」
「誰ですか。」
「わしじゃ。」
ヴィレッタは自分の顔を指さして言った。
◇
「ただいま王宮から戻りました。」
秘書のワンダさんが団長室に入ってきた。
いつもどおり書類の束を抱えている。
「他のパーティーとの合同作戦といいますが、連携とかはうまく行くんてすかね。」
俺は言った。
冒険者パーティーはクセの強い人達が多いからなあ。
素直に言うことを聞くとは思えない。
「難しい所もありますが、王宮からの要請なのですよ。天空騎士団でうまくとりまとめて欲しいと言われています。」
ワンダさんは言った。
「丸投げじゃないですか…王宮の人達なんかには現場の苦労は解らないんでしょうね、まったく…」
俺はためいきをつきながら言った。
「まあ、そう言うな…叔父上には話しておるのだが。国王がなんでも好きに決められるわけではないのじゃよ。」
ヴィレッタが申し訳なさそうに言う。
「……ん?」
「どうした?」
「伯父さんが、国王なんですか?」
「そうじゃが。」
「団長って王室の方なのですか?」
「そうじゃが。」
「ヴィレッタ様、タクトさんに伝えてなかったんですか。団長のお父上が国王の弟君なのですよ。」
ワンダさんが言った。
「言ったと思ったがのう。」
「聞いてないですよ!もしかして俺は王室侮辱罪…」
「まあ、つまらんことを気にするな。」
「王室の方が、こんな危ない任務をして大丈夫なんですか?」
俺はヴィレッタに言った。
「気持ち悪いことを言うな。今までも散々やってきておるわ。それに一人ぐらい国民のために死んだほうが、王室人気も上がると言うものじゃ。」
「また…ご冗談を…」
「まあ、好きでやっておるのだ。」
ヴィレッタ言った。
「とにかく、1000体を超えるモンスターの群れがわが国に迫っておるのだ。やるしかない。ワンダよ手続きを頼むぞ。」
「はい、Aクラスのパーティーを中心にできる限り募集をかけます。」
「おう、頼んだぞ。厳選している暇はない。とりあえず頭数を揃えんとな。」
合同作戦か…どんなパーティーが集まるのだろうか…
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