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03 二人の騎士と出会う

「危ないところだったな、けがはないか。」


 モンスターを全て倒した後、戦士は言った。

暗がりで顔ははっきり見えないが、その声から女性とわかる。

全身黒の装備。両手持ちの剣の柄まで黒い。


 剣士には仲間がいた。小柄な少女だった。

魔法使いだろうか。手には杖を持っている。


「助けてくれてありがとうございます、実は足をけがしていまして…」

俺は言った。

「それならば、ヴィレッタ様に直してもらうといい。回復魔法が使える。」

女戦士は言った。

「しかし、こんな夜中に山奥に一人でなにをしているのだ。」

女戦士は剣を持ったまま言った。

かなり怪しまれているようだ。


「実は…」

俺は二人に、これまでのいきさつを話した。


「そうじゃったか、それは大変じゃったのう。一緒に行くか。」

魔法使いの少女が言った。

ちょっと変わった話し方だなあ。

「そうして貰えると、助かるのですが。」

「駄目ですよ、お嬢様、任務の途中です。」

女戦士が言う。

「こんなところに置き去りとは、かわいそうではないか。」

「重要な任務なのです。今はそちらを優先しないと。」

「うーむ。」

「あの…俺なら大丈夫です。こう見えても戦士ですから。助けて頂いてありがとうございます。」

二人とも、なんだか忙しそうだ。

これ以上迷惑をかけるわけにもいかない。

「そうか、すまんのう。けがはしっかりと治してやるからな。」

「はい、お願いします。」

 少女に近づくと、猫がポケットから顔を出して鳴いた。

「おーよしよし。」

俺は頭をなでた。

「うん?それはなんじゃ。」

少女は驚いた表情で言った。

めずらしい猫なのだろうか。

「この子はけがで動けなかったのを拾ったんです。ポーションで傷を治してあげたらなつかれちゃって。」

「よく見せてみろ。」

ヴィレッタは大きな目をさらに見開いて、猫を見る。

「それは探していた聖獣じゃ。ノワール、見つけたぞ!」


 話を聞くと、この小動物は猫ではなく聖獣の子供なのだそうだ。

急にいなくなってしまったので、探しにきたのだとか。

変わったクエストもあるものだ。


「猫にしか見えないんですが。本当に聖獣なんですか。」

「まだ生まれたばかりだからな。シルバードラゴンの子供じゃよ。成長すると数十メートルの大きさになる。人間の姿にもなれるはずじゃ。」

そうなのか、とても信じられない。

お前、ドラゴンだったのか。

「聖獣はこの国の守り神じゃ。まだ小さいから力は弱いがの。」

魔法使いの少女が言った。


「よし聖獣は私たちが保護しよう。」

女戦士が手を伸ばすが聖獣は俺にしがみついたままだ。

聖獣を抱き寄せようとするが、ひっしと俺に捕まって離れない。


「ずいぶんなつかれたようじゃのう。しかたない。ふもとの神殿まで一緒に来てくれるか。近くに街もあるぞ。」

「お嬢様、いけません極秘任務ですよ。」

女戦士か言う。

「しかし、ああもなつかれてはしかたあるまい。無理やり引きはがすのか。」

ヴィレッタが言った。

「しかたないですね。自分より先に聖獣にポーションを使うような人ですから、悪い人ではないのでしょう。それでは同行願えるか。」

女戦士は言った。

「はい、道もわからず困ってましたから。願ってもないです。」

よかった、なんとか街まではたどり着けそうだ。


「私の名前はノワール、騎士だ。あちらのお方はヴィレッタ様、我が騎士団の団長だ。よろしくな。」

女戦士は言った。

「俺はタクトといいます。よろしくお願いしま…す。」


 話の途中で、雲が晴れ、月明かりが差した。

肩まである金髪に、白い肌、エメラルドのような瞳。

近くで見た女騎士は信じられないのほどの美人だった。

まるで絵画のなかの女神様のようだ。

俺は驚いて、しばらく固まってしまった。



「時間が惜しい。休まずに、このまま行くが良いか?」

ノワールが俺に言った。

「はい、そういうのは慣れていますから、大丈夫です。」

俺は答えた。


 ここ数年、モンスターの数は飛躍的に増えている。

原因はよくわかっていないらしい。

この世の終わりが近いとか。

魔王が降臨したとか。

嘘くさい噂が横行している。

そのため、モンスターの討伐依頼も後をたたない。

ここが稼ぎ時と、無茶なスケジュールで戦闘をするパーティーもある。

まあ、前のパーティーの話なのだが。


 しかし、こんなところに女性二人で遠征とは…

ノワールの所も人手不足なのだろうか。

他人事ながら心配してしまう。


「おぬしは、これからどうするのじゃ。」

ヴィレッタが歩きながら言う。

「もう戦士はやめようと思います。戦うのが嫌になりました。」

俺は答えた。

「そうか、辛いことがあったのじゃな。」

「ゴミだ、お荷物だ、ウジ虫だと言われてきました…」

「酷い話じゃ。まあ、まだ若いのだから他の道を歩むのもよい。しばらくゆっくり休むのが良いじゃろう。」

「はい、故郷に帰ろうかと思います。」


 もう何年も実家には帰っていない。

急に帰ったらなんて言われるだろうか。

パーティーがAクラスに上がった時にさんざん自慢したからなあ。

首になったなんて言いにくい。


「二人とも、気をつけて下さい。なにやら怪しい気配がします。」

ノワールは言った。

また、モンスターかよ。勘弁してくれ。

さすがに、ヘトヘトなんだが…

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