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29 追放サイド魔法使いと再会

〈追放サイドの魔法使いエミリヤ視点〉


 街一番の宿屋、広い素敵な部屋に豪華な食事。

これだからA級パーティーは辞められない。

一緒にいるのが、こいつらでなければいいのに…


 宿屋の一室でパーティーメンバーが集まっている。

グリフォン討伐の反省会の続きだって。

やれやれ。


「何!タクトがいただと!」

「そうなんですよ、ちょっと話をしました。」


 さっきジャンが少し出かけた時にタクト君と会ったらしい。

偶然にも同じ宿屋に泊まっているんだって。

タクト君は、なんでこんないいところに泊まれるんだろう。


「別にあんな奴はどうでもいいが、戻って来たいというなら考えてもいいぜ。」

「俺も戻ってくれるように頼んだんですが、もう他のパーティーに入っているみたいで。」

「えっ?そんなはずねえだろうが。」

「どうしてですか。」

「いや、それは。そんなにすぐ決まらないだろうと…」

「顔に大きな傷のある、超美人でセクシーな女騎士と一緒でしたよ。はあ、いいなあ、タクトさん。」

「戻る気は全くないのか。」

「たぶん。その気はないかと。」


 なんか、もめてるなあ。

わたしには関係ないけど…


「そうか、よし。エミリヤ、お前タクトのところに行ってこい。」


え、わたし?なんで?


「なんで、わたしなんですか?」

「あいつお前のこと好きだっただろう。」

「えー、そうですかね?」

「そうだよ、お前と話す時いつも緊張してたぞ。」

「そう言われると、そんな気がしなくもないけど…」

「絶対そうだ、お前がたのめば戻ってくる。何としてでも戻るよう説得してこい。」

「えー、それは、あんまり…」

「いいから行け!命令だ。」

「うーん、じゃあ行ってみますけど。あまり期待しないでくださいよ。」


 なんか必死だなあ。

タクト君ってそんなに凄かったっけ。

盾役タンクって地味だからあんまり印象にないのよね。


 着替えをして化粧を直して扉を出る。

宿屋のフロントで伝言を頼む。

少し待つとタクト君が現れた。


「こんばんは。タクト君久しぶり。」

わたしは軽く手を振って言った。

あれ、なんかかっこよくなってない。

いつもダサいかっこうだったのに、高そうなもの着てるし。

あのブーツなんて20万ギルダーはするやつじゃん。


「やあエミリヤ、ジャンにきいたの?」

「そうなの、今うちのパーティー大変でさ、戻ってくれないかな?」

「いや、それは…」

「追い出されたの、まだ怒ってるの?悪気はなかったのよ…」

「そりゃあ、時々思い出して嫌な気分になることはあるけど。」

「リーダーもああいう人だから、わたし達も逆らえないの。戻ってきてくれたら…何でもするわよ…」

「ごめん。もう別のパーティーに参加しているから。」


 おい、ちょっと待て。こんなかわいい子が何でもするって言ってるのに、あっさり断るワケ?

少しは悩みなさいよ。

タクト君のくせに生意気ね。


「もう、長い付き合いじゃない、お願いよ。」

腕を掴んで体を近づけてみる。

「あ、その。」

太ももを押し当てる。

顔が少し赤くなった。どぎまぎしているわね。


「ねえ、タクト君がいないとだめなの。」

上目遣いでかわいい声を出す。

ほんとちょろいわね。

もうひと押し。

「待って、無理なんだ。ほんとにごめん。」

わたしの肩をつかみ、身体を離した。

ちょっと、もう、なんなのよ、こいつ…


「おい、タクト、どうした。」

突然、後ろから女騎士に声をかけられた。

タクト君の新しいパーティーメンバーね。

って、凄い美人…


「あ、ノワール、その、前のパーティーで一緒だった人で。エミリヤっていうんだ。魔法使い。」

「そうか、積もる話もあるだろうが、こちらも時間がないのだ。」

「はい、すぐ行きます。ごめんね、また何かあったら。頑張って。」


 そういってタクト君は慌てて女騎士を追いかけて行った。


 なによ、あいつ、デレデレしちゃって。まるでわたしが振られたみたいじゃない。

なんであんなやつに…このわたしが…



 部屋に戻って、リーダーに報告した。


「もう次のパーティー決まってるので戻る気はないそうです。話の途中で仲間の女騎士に連れて行かれたわ。」

「なんだと!それでのこのこ帰ってきたのか。この役立たずが。」

「はい…すいません。」

もう、何でわたしか怒られないといけないのよ。


「くそ、どうなってるんだ。ギルドへ確認に行くぞ、エミリヤついてこい。」

「え、わたしも?なんで。」

「お前が証人だ。」

なによ証人って。


「残りのやつは、ここで反省会の続きをしていろ。」

そう言ってジェフリーは扉を出る。

わたしも仕方なくついていく。



 リーダーと二人でギルドに着く。

大きな重い扉を開けて中に入る。


「おい、確認したいことがある!」

ギルドに入るなり荒っぽい声でリーダーは言った

「何でしょうか。」

ギルドの人が驚いた感じで答える。


「前のメンバーのことだ。戦士資格抹消の申請をしたのに勝手に取り消された。どうなってんだ!」

「そうなんですか。」

「そうですかじゃねえよ。勝手なことしやがって。責任者を出せ。ただでは済まさねえぞ。」

リーダーはそういうと相手の胸ぐらをつかんだ。


「いてて、やめてくださいよ。すぐにお調べしますので。」

そういうとギルドの人は急いで調べ始めた。

しかし、リーダーもえぐいなあ。タクト君の戦士資格を抹消しようとしてたんだ。


「確認しましたところ、タクト・アミハマ様の登録抹消の申請は、ギルド幹部権限で取り下げられています。」

「なんだと、横暴だ!権力の乱用だ!怒鳴りこんでやるぞ。その幹部ってやつは誰なんだ。」

「えーと、アドノア・アルシア様となっています。」

「え?」

「ギルド最高幹部アドノア・アルシア様の指示により即日解除となっています。直接クレームを入れますか?」

ギルドの人は勝ち誇ったような声でいった。

アドノア・アルシアって伝説の戦士じゃないの。

わたしでも知ってるわよ。


「いや、それは、その。結構だ。」

「それでは正当な処置と認めていただけたのですね。調査手数料で3万ギルダーいただきます。」

「なんだと…てめえ…」

「規定の料金ですよ。不服でしたらアドノア様あてに不服申し立てを。」

「わかった、払ってやるよ。くそが…」

リーダーは金貨3枚をカウンターに叩きつけた。


「なんで、タクトの野郎がアドノア・アルシアと。いったいどうなってんだ。ふざけんじゃねえぞ…」

リーダーは帰り道、ずっとぶつくさと文句を言っていた。


 タクト君は、いったいあれから何があったんだろう。

もっと色々話をしておけばよかった。


 それに、一緒にいた女騎士は誰なんだろうか。

わたし好みの超美人だったなあ。

リーダーの話を聞きながしながら、女騎士と豪華な宿屋に泊まることを想像した。

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