24 追放サイドのグリフォン討伐①
〈追放サイドのジェフリー視点〉
「くそ、いまいましい。タクトがいなくなってから何もかもうまくいかねえ。」
俺は一人、酒場のテーブルで強めの酒を一気にあおった。
ここ数日のことが思い浮かぶ。
結局、ゴブリン討伐クエストの失敗は、タイレル領主の告げ口で、ギルドの知るところになった。
俺は王都のギルドまで呼び出さた。
散々な言われようだったが、なんとか言いくるめて降格は免れた。
モンスター強化についても聞かれたが、知らぬ存ぜぬで押し通した。
「いくら調べたところで、門外不出のわが家の秘法がわかるわけがないからな。」
俺は、そうつぶやいて酒を飲む。
まあ、それはいいとして…その後新メンバーを探しているが、なかなか芳しくない。
ゴブリン戦失敗の悪いうわさが立っているせいだろう。
そこで、俺自らメンバー探しに街の酒場を訪れた次第だ。
冒険者の仲間探しといえば酒場と決まっている。
「おいおい聞いたぜジェフリーのだんな。」
顔見知りの冒険者が話かけてきた。
通称カラスだ。
薄汚い見た目をしているし臭い。
「ゴブリンにやられたんだってなあ。けけけ。」
人の失敗を嬉しそうに話しやがって、嫌な奴だ。
「まあ、いろいろあってな。」
「ゴブリンは天空騎士団があっさり倒したそうだぜ。ざまあねな。今まで何度もS級モンスターを倒したって自慢していたが、化けの皮がはがれたな。けけけ。」
気持ち悪い声で笑う。
「おい、お前、言い過ぎだぞ。」
「怒りなさんな。本当のことを言っただけだよ。ゴブリンも倒せねえくせに、偉そうにするなよ。けけけ。」
回りの客からも笑いが起きる。
くそ、この野郎…言いたい放題いいやがって。夜道には気をつけろよ。
しかし、とても仲間を探せるような雰囲気ではない。
俺は酒場を後にした。
仕方ねえ、金はかかるがギルドで探してもらうか。
◇
結局、新メンバーはギルドの上役に紹介してもらった。
ずいぶんと礼金を要求されてしまった。
「私はブランと申します。以後お見知りおきを。」
バカ丁寧で、少しうざい感じの挨拶だ。
新メンバーは俺より年上のおっさんだった。
前はAクラスの騎士団にいたのだとか。
「期待しているよ、しっかりたのむ。」
「はい、がんばります。」
ブランは深々と頭を下げた。
さえない面をしているし、ひょろっとした体格だ。
まあ、タクトの代わりに前列でおとりになってくれればいいのだ。多くは望むまい。
とにかく、早く次のクエストをやらないと。
パーティーというものは、維持するだけで金がかかるのだ。遊ばせておくわけにはいかない。
前回のクエストは失敗でタダ働きだし、仲間を探すだけでもかなりの金がかかっちまった。
パーティー全員で、近くの酒場に入った。
「それでは、次のクエストだが、グリフォン討伐にしようと思う。」
俺がそう言うと、皆の顔色が変わる。
グリフォンはSランクモンスターだ。かなり強い。
「モントラストの街の周辺に巨大グリフォンが現れて、商隊を次々と襲っているそうだ。何組ものA級パーティーが討伐に向かっているが、一組も戻って来ないのだとか。おかげで報酬が跳ね上がっているんだ。」
俺は皆を見回しながら言った。
「しかし、いきなりグリフォンはどうかなあ。強いやつだと戦闘力はドラゴン並みになるし。ブランさんもまだなれてないだろうし。」
レンジャーのリックが言う。
「そうね、今回はもうちょっとランクを下げたほうが…」
魔法使いのエミリアが言った。
横で無口な僧侶のアレイシアがコクコクと頷く。
こいつら、ゴブリン戦の失敗を引きずって弱気になっていやがるな。
全く、しょうがねやつらだ。
「失敗を恐れるな。本当に怖いのは挑戦しないことだ。違うか、マキシム。」
俺は言った。
「はい。おっしゃる通りです。やりましょう。」
騎士のマキシムは力強く言った。
さすが頼りになるやつだ。
「ゴブリンも倒せないのに、グリフォンなんて倒せるわけないじゃないですか。」
横からジャンが言った。
こいつ、いつも余計なことを言いやがって。
「ゴブリンと戦ったをのですか?A級パーティーが?それは聞いてませんでしたな。」
ブランは驚いた様子で言った。
「いや、その、大した話ではないから言わなかっただけだ。馬鹿らしくなって結局クエストは途中でやめたのさ。」
何か言おうとしたジャンを睨みながら俺は言った。
「結局ゴブリンは退治しなかったのですか?」
「ゴブリンのことなんてどうでもいいだろうが。それよりブランがグリフォンと戦えるか。」
「そうですね。皆さんを討伐記録を確認しましたが、素晴らしい実績ですね。私もずっとAクラスのパーティーで戦ってきました。相手にとって不足なしですよ。」
ブランは言った。
そうだ、俺たちは過去にS級モンスターを何度も倒している。
ドラゴンを倒したこともあるのだ。
グリフォンがなんだ。
「その時はタクトさんがいましたからね。あの人が鉄壁すぎるから、感覚がおかしくなっているんですよ。俺らの実力なんてせいぜいBクラスの下の方ですよ。」
ジャンがまた余計な事を言う。
「タクトさんというのは、私の前任者ですか。」
「やる気のないやつでね。いつも文句ばかり言う困ったやつでしたよ。」
「そうですか。」
「とにかく、次のクエストはそれでいくからな、各自準備するように。」
俺はそう言って話を終わらせた。
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