10 入団テストをするはめに…①
大理石の床、石造りのドーム状の天井。
ここは天空騎士団本部の大広間だ。
騎士団の戦士たちがビシッと整列している。
いずれ劣らぬ歴戦の勇者たち。
みな若くて強そうだ。
団長のヴィレッタとノワールが壇上で話している。
ノワールは天空騎士団の筆頭だったのだ。
道理で腕がたつわけだ。
「それでは、新しい団員を紹介しよう。」
ヴィレッタに呼ばれ壇上に上がる。
大勢の前で話すのは緊張する。
「アミハマ・タクトと申します。クラスは戦士。前のパーティーでは盾役をやっていました。一日でも早く戦力になれるよう頑張ります。よろしくお願いします。」
俺が思う限りの明るい声で挨拶をしてみた。が、反応は冷ややかだ。
「なんだよ、また団長の気まぐれか。」
「強そうにはみえんな。」
「アビリティが低いな…」
団員達の声が聞こえてくる。
あまり歓迎されて無いのだろうか。
「タクトはこう見えてなかなかの腕前だ。みんなよろしくたのむぞ。」
それを遮るように団長のヴィレッタは大きな声で言った。
最前列にいる、女騎士がずっと怖い顔で俺をにらんでいる。
女騎士の顔には大きな傷がある。
知り合い…ではないよな。
この人も俺の入団が気に入らないのだろうか。
「団長、一つよろしいですか。」
顔に傷のある女騎士が軽く片手を上げて言った。
「なんじゃ。」
「彼は本当に栄光ある我が天空騎士団にふさわしい戦士なのでしょうか。」
「ベオウルフか、団長のわしが見込んだ腕前だ。何が不服なのじゃ。」
「恐れながら、ここにいるものはみな入団前から名を知られたものばかりです。彼は、その、全くの無名といいますか、だれも名前を聞いたことがありません。」
軽く笑いがおきる。
まあそうかもしれないけど、なんか棘がある言い方だなあ。
「実力のある戦士ならば、おのずと武名は広まるものです。それに彼は平民だとか…」
あたりから軽くどよめきが起きる。
やっぱり珍しいのか。
貴族の血を継いだものは、平民に比べて力が強く、魔力も高いことが多い。
おのずと、上級の戦士や魔法使いは貴族ばかりになる。
「我が天空騎士団は平民でも入団は可能だ。実力次第じゃ。」
「その実力が信用できないのです。命を預けてともに戦うことができるのか。」
「入団の経緯は先程、説明したはずじゃが。」
「グレーターデーモン3体と戦ったとのことですが、倒したのはノワールですな。スペシャルモンスター討伐記録がまた増えています。」
「あんなのは倒したうちには入らん。タクトが倒したようなものだ。」
ノワールが言った。
「とどめを刺したものが倒したものです。それがこの世界の掟。彼の実力が足りなかったのでは。」
「何が言いたいのじゃ。」
「彼には入団テストを受けてもらいましょう。そこで実力を証明できれば、みなも納得するでしよう。」
そう言うとベオウルフは俺を見てニヤリと笑った。
ずいぶんとひどい言われようだ。
俺がむっとしているのを見て、ノワールが話しかけてくる。
「彼女の名前は、ベオウルフ。仲間からはゲートキーパーと呼ばれている。新人に難癖をつけるのが自分の使命だとおもっている困ったやつだ。別にテストなど受ける必要はないが、どうする。」
ノワールが小声で俺に言った。
「はい、やりますよ、あそこまで言われて引っ込めないでしょう。」
なんとも迷惑な使命感だな。
やりたくはないけど、したかない。
ここで逃げれば侮られるだけだ。
底辺あつかいされるのはもうごめんだ。
「よし、ではベオウルフ。どのような試験をお望みだ。」
ノワールが言った。
「私と手合わせしてもらいましょうか。」
ベオウルフは答える。
「よし、いいだろう。これより広場の闘技場で手合わせを取りおこなう。」
ノワールは右手に剣を掲げて、大声で言った。
場内は一気に盛り上がった。
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