表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
たのまれごとは旅路のはじまり  作者: 多田シロー
第三章 精霊王の錯乱
97/279

92 サフィーネ消火隊

シンジたちと別れて森の中に入ってきたけど、何なのよ。

規格外もいいとこよ。魔力の塊で魔物を吹き飛ばすって、どれだけ魔力を込めたのかしら。

お陰で魔物に邪魔されることなくサラマンダーのいる森にたどり着けたけど。


「シンジ様はますますヒト族をやめておりませんか?」


モーリスが呆れながら言ってくるけど、ホント、その通りよ。

さっきのあれは、一見魔力の塊に見えるけどマナも含まれていたわ。

ここまで走ってきてマナの残滓を感じたわよ。あれだけのマナを出せるなんて大森林も吃驚だわ。


「それほどですか?」


そうよ。あなたは感じなかったかもしれないけど、あの魔力の塊に含まれたマナは相当だと思うわ。


「そうさな。あれはヒトに扱えるものではあるまい。あれほどのマナを持っておったら簡単に破裂するぞ。」


ジン様、それゼルギウス様も仰っていました。

とてもヒトに扱える物じゃないって。

それで[鑑定]したら、シンジは亜神になっていたそうです。


「なんと! あのお方は御遣い様ではなく神だったのか。」


ええ、そのようです。


「そうか、あのトカゲは[鑑定]持ちだったな。」


ホント、驚きよね。

まぁ、そのおかげで封印を浄化出来て、瘴気も減ってきたからいいことなんでしょうけど。


それにしてもサラマンダーはいったいどうしたのかしら。手当たり次第に火を着けている感じだわ。こんなことイフリート様がお許しになっているの?

こんなにあちこち火を着けられたら消すのが追いつかないわ。


「ん~、めんどうなの!」


あっ、リーシャ、だめよ。そんなに一遍に氷らせないで。まだ生きてる木もいるのよ。


「うぅ~、いらいらするの!」


ごめんね、リーシャ。後でシンジに言っておいしいもの出してもらうから。


「おいしいもの、たべるの!」


ふぅ~、力がありすぎるのも大変ね。

リーシャはよく使いこなせるわね。さすが精霊王様の子だわ。


「リーシャは成長が早い。やはり御遣い様の傍にいると違うのだな。」


そう言えばそのような事仰っておられましたね。


「うむ、我らはマナがあれば存在していられるが、神の持つ神気に触れられれば成長していけるのだ。」


そうなのですね。

それは、今のお力がさらに成長していくということでしょうか。


「そうだ。マナは我らを維持するが、神気はどこまでも成長する糧となるのだ。」


それは、リーシャも知っているのでしょうか。


「そうは思わん。リルーシャが教えたのかどうか我にはわからんが、リーシャは感覚的に分かっているのやもしれん。ただ居心地がいいとかそんな感じであろう。」


なるほど。確かにリーシャはそうかもしれません。


「それよりも、この火を何とかせねばならんが、我では火を大きくすることはできても消すことができん。お主たちに頑張ってもらうしかない。だからサラマンダーや魔物は我が引き受けよう。」


わかりました。

それでは魔物たちのこと、お願いいたします。


「それでは、我々は火を消すことに専念すればよいのですな。」


そうよ、モーリス。

ちょっと面倒だけどよろしくね。


「承知いたしました。」


それにしても、こうもあちこちに火を着けられると手が足りないわ。

どうにかしてサラマンダーを止めないと、消してるそばから火事が起きてるみたいよ。

早くシンジたち、こっちに来てくれないかしら。

って、ムリよね。随分たくさんの魔物がいたんですもの。

あれだけの魔物を、そう簡単に討伐できるとは思えないわね。


それにしても火の勢いが強いわね。水をかけるだけではなかなか消えないわ………

そうか、水で包めばいいかもしれない。

風でシールドを作るように火を覆って、その中に水を流し込めば………できたわ!


これだと簡単に火が消せるけど、木を一本一本包んでいくのは大変ね。

…そうか、風に乗せて水流にして木と木の間を這わせればいいのね。

これだと効率よく火を消せるわ。


「器用なことをなさりますなぁ。何やら、シンジ様が魔法をお使いになっているようです。」


ああ、そうね。言いたいことはわかるわ。

でもそれは不本意です。

私はあれほど変な魔法の使い方はしていません!

そう、あれはオカシイです。


「何もそう邪険にしなくてもよいのではないですか。私は日々、目からウロコが落ちるようです。」


それはいけないわ、モーリス。

あれを認めるというのは、魔法士としての矜持が許しません。

ええ、あれは邪道です。

マヨネーズをかき混ぜるのに魔法を使うなど、魔法士にあるまじき暴挙です。


「ほっほっほ、ですがサクヤお嬢さんは見事に使われております。狐人族の魔法士がですぞ。」


むぅ。…あれは仕方ないのです。

あの子は皆に美味しい物を出すために頑張っているのですから。


「そうでございますか。では仕方ありませんなぁ。」


そうよ、ちょっと美味しい物を作るのに便利だからってホイホイ魔法を使うのはオカシイわよ。

今度シンジに言わないといけないわね。


「それで皆とは違った食事を出されるのですか? 私は謹んで辞退いたしますぞ。」


えっ、ちょっと待って。何でそうなるの。

私も皆と同じものがいいわ。


「そうですな。あ、そちらの木がまだ燻っておるようですぞ。」


……分かってるわよ。

これから消そうと思っていたの。


「左様でございましたか。それは失礼いたしました。」


まったく、シンジったら早く来ないかしら!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ