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たのまれごとは旅路のはじまり  作者: 多田シロー
第三章 精霊王の錯乱
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91 お昼寝の時間です

レミ、ニナ、サクヤの三人娘が頑張ったおかげで、魔物たちの下山の勢いが落ち着いてきた。

そろそろサフィたちの応援に行かないといけないかな。


マップを見る限りだと、魔物たちは落ち着いて来ているようだけど数が多い。

何かあったらまた暴走するかもしれない。

結界の向こうにいる魔物をいちいち倒すのも、三人娘と俺だけではかなりキツいなぁ。


今の結界はただ壁を伸ばしただけなんだけど、これを囲ってしまって屋根も付けようか。

そして中に催眠ガスを入れるってできないかな。

サフィたちが消火している森の手前までだったら、そんなに広い範囲じゃないし大丈夫な気がする。

結界も今作ってある城壁のように厚いものじゃなくて、ガスを逃がさない程度の薄いものにすればいけそうかな。


「結界を閉じて魔物を倒していきましょうか?」


サクヤがちょっと無茶を言い出す。

いいけど、結界の向こうはたくさん魔物がいるよ。

あれを倒していくのは大変じゃないかな。


「わたしたちじゃ無理でしょうか?」


う~ん、倒すことはできるだろうけど、それが延々何時間も続くんだよ。ひょっとすると今日中に終わらないかもしれない。

そんなのできそうかい?


「あ、確かに魔物がいっぱいいたら無理ですね。」


サクヤがそうだった、って顔をして諦める。

ここまで何十体と倒しているだろうし、今でも疲れてるんじゃないかと思う。

サクヤはジンさんからもらった腕輪のおかげで、まだまだ魔法を使えるのかもしれないけど。

でも、これから何時間も戦い続けるのはムリだよね。


「う~ん、そうしたらどうしましょうか?」


サクヤは難しそうに考え込む。


「お兄ちゃんのアイテム袋に入れたらダメなのです?」


「………爆破」


あのね君たち。

アイテム袋には生きたものは入れられないの。

爆破って何。あれだけいる魔物を相手に爆破したら、この辺一帯穴だらけになるよ。ヘタしたら山が崩れるかもしれないよ。

それはマズいよね。


「そうなのですか?」


「…ん、残念」


うん、あんまり無茶するのはやめようね。

だから魔物たちにはお昼寝してもらうつもりだよ。


「お昼寝ですか?」


「そんなことできるのですか?」


レミとサクヤは不思議なようだ。ニナも首を傾げている。

まぁ、そうだろうね。いきなりそんなこと言われてもわからないよね。


「今の結界をグルっと囲むようにして蓋をするのさ。そこに催眠ガスというか吸い込むと眠ってしまう霧を流してあげれば、中にいる魔物は寝てしまうと思うんだ。」


「なるほど、そういうことですか。」


サクヤは納得できたらしい。


「…まもの、倒さなくていい~?」


うん、そうなんだよね。このまま寝かせても、ここで目覚めるだけで何の解決にもならないよね。

そもそもここにいる魔物や獣を全部倒してもいいのかな?

紫色の変異体は危なそうだから倒したけど、他のもそうしないといけないかな。


「…山の獣たちがいなくなってしまう、ってことですか?」


うん、そうなんだよ。


「それはいけないのです。必要以上に獣を狩ってはダメって、ビルおじさんが言ってたです。」


「………」


レミが反対し、ニナが頷いている。

とりあえずこのまま寝かせてしまって、あとでサフィたちと話してみようか。


「そうですね。後で相談してみましょう。イフリート様が気が付けば、何とかしてくれるかもしれません。」


う~ん、そうだといいけどね。

一抹の不安はあるけど、今はサフィのところに行かないとね。



今ある結界をさらに伸ばすように辺りを囲い、その上に蓋をするように結界を張っていく。そして、レミたちが魔物と戦っていた結界の穴を塞いだ。

その結界の中に催眠ガスを送り込んでいく。

結界の外から見ていると、次々に中の獣や魔物が気を失って倒れていくのが見える。


「みんな倒れていきますね。」


サクヤは俺の隣で魔法の効果を見ている。

何もしていないのに魔物たちがバタバタと倒れていくのが不思議なようだ。

そうだよね、催眠ガスなんてないだろうから。


マップを出して、表示されている魔物たちが睡眠状態になったのを確認して、最初の城壁以外の結界を解除し、風魔法で催眠ガスを散らす。

辺りには横になって倒れている獣や魔物が溢れていた。


「魔物が寝てるのです。」


レミが不思議がって、近くにいたウルフを木の枝でつついている。

あんまり強くすると起きちゃうよ。


「それはヤバいのです。」


レミは手に持っていた枝を捨ててウルフから離れた。マズいことしたって顔をしている。

まぁ、強めにイメージして催眠ガスを流したから、よっぽどじゃないと起きないと思うけどね。

それじゃあサフィたちのところへ行こうか。


俺がそう言うと三人娘は頷き返し、レミとニナが先頭になって歩き始める。

山の上の方を見ると、火の手は収まっているように見えるから消火できたのかな。

だとするとイフリートさんはどうしたんだろう。

早く行って確かめてみないとね。


魔物たちが寝ているところを踏みつけないように注意して、サフィたちが向かった森へと急ぐ。

だらしなく四肢を伸ばして寝ている魔物って変なものだ。


魔物たちが寝ている所を抜けると、すぐに森への入口がある。

その入口から、三人娘と一緒に中へと入って行く。


森の中に入ってみると、ところどころ氷っているのがわかる。

一部融けて水になっているところもあった。

これはリーシャだね。

随分あちこち氷らせたみたいだ。


リーシャもあの小さい体で頑張ったようだ。

レミたちも頑張ったし、今日のご飯は奮発しないといけないよね。

カツカレーにプリンがいいかな。


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