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初めてのエンスト

ようやく内燃機関関係あるネタですね(

「次はエンジン始動の儀式です」

「儀式?」

現代科学の塊の自動車に儀式が必要なのだろうか。

と言うか、何?


「まず」

一拍置く。

「はい」

「シートベルトを装着します」

「はあ」


「そして、シフトノブの位置を確認します」

「はい」

助手席側からシフトノブを持って左右にガコガコ動かしている。


「この車は5速+バックなので、左上から順番に、1、2、3、4、5、バックで、どこにも入っていない状態をニュートラルと言います」

「今は、ニュートラル?」

「正解」


「次に、ペダル、は話したっけ。右からアクセル、ブレーキ、クラッチです。車種によるけど、クラッチを踏み込んだ状態で無いと、エンジンがかかりません。私は心配症なので、エンジンをかける際は必ずクラッチとブレーキを踏んだ状態でキーを回すので知りませんでした」

「…」


「そして〜、今回は挿しっぱなしですが、キーを挿入します」

「これですか」

ハンドルの支柱の横にあるキーを触る。

「エンジン始動のスイッチとキーを兼ねた装置になっています。これも車種によって違いますが」

「統一感ないですね」

「まあ、色々あるのよ」


「シートの調整も込みで、ここまでやってようやくエンジン始動です」

「面倒ですね」

「若い子はすぐそう言う」

「おばちゃんですか」


「そもそも、目的地を伝えるだけで運んでもらえる時代に、なんで自分で運転するんですか?」

「…」

「?」

「楽しいから?」

「…」


「キーを一段回すとオン、もう一段回すと始動です」

「はい」


キーを捻ると、キュルキュルと音を立て、その後、エンジンが始動する。


「この車はインジェクションなので、自動で暖気が始まるから、回転数が落ちるまで待ちます。オートチョークとか言うんだったかな? 流石にその辺は定かではないけど…」

「直列4気筒1800cc…」

はっとなって、先輩の方を見ると、つやつやした笑顔でこちらを見つめている。

「分かるの?」

「え、いや、なんとなく…」


「実は詳しいんじゃないの?」

「いえ、初めてです」

「いやー、詳しい人に細々説明しちゃったかと思って焦ったよー」


 そこなんだ


「でー、このシフトレバーの横にあるデカいのがサイドブレーキ。先端のボタンを押して下げれば解除できます。この車の場合はリアブレーキをワイヤーで引っ張っているだけなので、シンプルな機構です。停車時に引いて気がついたら車がいない、と言う事故を防ぐために停車時は引いておきます」

「気がついたら車がいないって…」

「意外と良くあったらしいよ。ガチで」

「…」


「自動車業界は割とアレな人が多かったみたいで、なぜか変なところだけ自動化されて、最後まで、そこは手動なのかよ、みたいな状態だったんだよねぇ。なんでだろね」


 なんか楽しそうに笑っているけど、笑い事なんだろうか


「そしたら〜、サイドブレーキを下ろしつつブレーキペダルからアクセルペダルに足を載せ替えてアクセルを踏み込みつつ、クラッチペダルを戻してクラッチを繋ぎます」

「えっ、えっ、えっ」


バスンと言ってエンジンが止まる。


「…」

え〜?って言う顔で先輩の方を見ると、なんか楽しそうに笑っている。

「とりあえずやってみようって姿勢が良いねぇ。見所あるよ」

「なんのですか」

一応、変な事件とかも考えてるけど、そう言う話に持っていけるか分かりません(

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