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それでも頑張ります‼︎3

私の訓練は地獄のようだった。


体力をつけるための体術(最近は武術も始めた)

↓次の日

怪我や筋肉痛で動けなくなった場合

師匠による転写(1番ここがキツイ)

動ける場合

魔法の使い方(実践のみ。細かいことは転写で与えられているため)


ひたすらこの繰り返しだ。しかも体力の訓練は日を増すごとにハードになって、転写に関しては未だに負荷に慣れなくて大量に吐く。でも師匠の薬のおかげで身体に異常は無い。

ちなみにこんな訓練受けるならこっそりこの森から出ればいいと思われるかも知れないが実はもうやっている。…でも何度やってもこの森から出られなかった。師匠の許可が出ないとダメらしい。


そんなこんなでずっと休みなく訓練を受けてきたのだけれど今日は珍しく師匠に用事ができたので休みになった。本当は魔法の練習をしようと思っていたら師匠に『休むことも訓練の内だ」と釘を刺されてしまったので本当にやる事がない。

…訓練を始める前私何してたっけ?

そんな事を考えながらベッドでゴロゴロしているとトリストが私の隣に来て何も言わず腰を下ろすと寝る体制に入った。私がトリストに抱きつきその毛に顔を埋めるとモフモフの毛が私を包む。いつもやる事だけどこれももう数えるくらいしかできなくなる。

…ずっと…ずっと一緒にいた。どんな時も。それも後一ヶ月で終わり。そう考えると急に寂しくなってきた。

「…ねぇトリスト。私がいなくなったら寂しい?」

自分と同じ気持ちなら嬉しいと思った。

『…あぁ。きっと寂しいよ。』

私は驚きベッドから起き上がってトリストの顔を見る。するとトリストも私を見ていた。

それが嬉しくて。切なくて。

「私も師匠とトリストと離れ離れになるのは寂しいよ。」

『…………』

「…でも私たちずっと家族だから大丈夫。ねぇ…そうでしょう?」

なんだか泣きたくなってでも泣きたく無いから笑顔を作る。

『そうだな。私達はずっと家族だ。』

トリストは困ったように応える。…やっぱりトリストに誤魔化しは効かないなぁ。

トリストの顔に触れておでことおでこをくっつける。きっと私たちは変わらない。この先もずっと。だから大丈夫。大丈夫なんだ。


私はトリストから離れ深呼吸する。今まで色々考えていた黒いモヤモヤが無くなって心が軽くなった。

「ねぇトリスト。今日は天気もいいから外でご飯食べない?師匠もそろそろ帰ってくるだろうし。」

『あぁ。それなら湖の近くがいいだろう。あそこの野花は今が見頃だからな。』

「よーし!そうと決まれば早速準備しよう‼︎」

もう残り一ヶ月。魔法使いになったら滅多に会えなくなる。きっと…それはきっと寂しい事だけど…それでも私は世界を見たいから。

「戻ったぞ」

「お帰りなさい‼︎師匠今日は湖の近くでご飯を食べませんか?野花が見頃らしいのできっと綺麗ですよ‼︎」

だから今日と言う日をしっかりと記憶に刻もう。笑って一歩を踏み出せるように。そして次また会う時まで笑って過ごせるように。

読んで下さりありがとうございました。

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