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それでも頑張ります‼︎2

『ッ……‼︎』

「…………」

『……‼︎』

師匠とトリストの声が聞こえる。

…でもなんか揉めてるみたい。どうしたんだろう?私は確認するため目を開ける。


『エルピス‼︎』


トリストが慌てた様子で私に駆け寄る。

『大丈夫か⁉︎どこか体に異変はないか?』

トリストがこんなに慌ててるの私が魔物に襲われそうになった時以来だ。少し頭が重いけど特に問題はない。

私はトリストを安心させるため抱き寄せるて言う。

「大丈夫。心配してくれてありがとう。」

するとトリストはグリグリと私に甘えるように頭を押しつけて来た。

『…そうか。…良かった…』


そのまま私がトリストのモフモフを堪能していると師匠が寄ってきた。

「筋肉痛と腕はどうだ。」

そういえばあの酷い筋肉痛と動かなかった左手腕は治っていた。

「大丈夫です。」

「そうか。エルピス怪我に効くのはどの薬草だ?」

?どうしたんだろういきなり。えーと。確か…

「怪我の種類や重さによりますが大体は月花草でいいかと。」

「なぜ月花草を選んだ?」

「月花草は痛みの緩和と再生の促す治癒の魔力を持っています。しかも副作用が無いので怪我の程度が分からない時は最初に使うべきだと思いました。」

「ふむ。月花草のある場所と採取の条件は?」

「えっと…地下水脈が綺麗で陽の光が良く当たる場所にあります。採取する場合は花が咲いていないと意味が無いため満月の夜の花が閉じる前に採取しま……あれ?」

…なんでこんなこと私知っているのだろう?

「問題なく転写されているようだな。」

…転写?あっ‼︎そうか‼︎

『だが転写は精神と脳に負荷をかける。エルピスが耐えられなかったら死んでいたかもしれない!』

「だが耐えられただろう。」

『しかし寝ているときにも魘されていた‼︎」

トリストが私の元を離れ師匠に向かって威嚇するように言う。

精神と脳の負荷…寝ていた時の夢とかけられた時の吐き気とかはそれだったんだ。師匠の“耐えろ“ってそう言う意味か……

「それならもう辞めるか?エルピス」

「えっ」

「私は最短でできる方法はこれしか思いつかない。しかし転写にはかなりの負荷がかかる。受けるのはお前だ。これからどうする。」

凄く苦しかった。でもこれしか無いって言うのは自分が1番良くわかってる。

「いえ。これでお願いします。」

『エルピス‼︎』

「大丈夫耐えてみせるよ。だってそうしないと私の本気伝わらないでしょ?」

『しかし…苦しむお前を見るのは…』

「トリストお願い。私を信じて。」

トリストの目を見て訴えかける。するとトリストはため息をつくと耳を下げて『…ほどほどにな?』と言って認めてくれた。

「途中の挫折は認めない。いいな?」

師匠が最後の選択を私に与える。私はそれに応えなければいけない。自分のためにも。

「師匠の弟子ですよ?挫折はなんて有り得ません。よろしくお願いします。」

私が改めて頭を下げて挨拶をして師匠を見ると師匠は不気味な笑顔を浮かべていた。

…これから本当の地獄が始まる。

読んで下さりありがとうございました。

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