表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/18

それでも頑張ります‼︎

この滑らかでほどよいモフモフ感はもしかして…


「トリスト」


私が彼の名前を呼ぶとそれに応えるようにすり寄ってくる。

彼の名前はトリスト。見た目は普通の狼より大きめで黒い毛と赤い目がとても綺麗な師匠の使い魔だ。師匠の使い魔だけど物心ついた時からずっと一緒にいる。ご飯を食べる時も寝る時も遊ぶ時もずっと一緒。訓練の時もそばでずっと見守ってくれていた。

『体調はどうだ?』

「少しだるいけど大丈夫。」

『…グラディウスは初めから飛ばし過ぎだ。』

「しょうがないよ。もう時間が無いから。」

『………』

時間がない中で私の魔法使いになりたいという夢を叶えるために師匠はあえてあのメニューでやってくれた事を私は知っている。

…でも確かに始めてであの訓練はあまりにもキツすぎた。おかげで訓練が終わった後の記憶が無い。寝てたみたいだけど。

ふと窓を見ると外は真っ暗だった。訓練が終わったのが夕方だからそんなに寝てないのかな?

「ねぇトリスト。私どのくらい寝てた?」

『丸一日だ。疲れたのだろう。ぐっすり眠っていた。』

「…えっ?」

えーーーーーーーーー‼︎

私は驚きベットから起き上がろうと体に力を入れる。すると全身から激痛が走る。

「いっったっ‼︎」

『大丈夫か⁉︎』

トリストが心配して私に言葉を掛けてくれているけど応える余裕が無いほど痛い。


「起きたか。」

師匠の声につぶっていた目を開ける。

「打撲は治したが左腕の骨折にはもう少し時間がかかる。今感じる痛みは筋肉痛によるものだろう。」

やっぱり骨折れてたんだ。…てか筋肉痛ってこんなに痛くなるものなの⁉︎

「…その様子だと痛みが和らぐまでは何も出来ないな。」

えっ⁉︎それは困る。私にはもう時間が無いのだから。…あ。痛み引いてきた。動かなければ大丈夫みたい。

「そこでエルピス。お前に転写を行う。」

「…転写?」

「あぁ。はっきり言って次の聖霊夜までに必要な知識を書物を読んで得るのはお前には不可能だ。」

ですよねー。知ってました。


魔法使いに必要な知識は薬学、医学、魔学大きく分けてこの3つだ。薬学や医学は魔法使いは薬を作るために欲しい知識。魔学は魔法を使うために必要。魔学に関してはしっかり学んでおかないと自分の命に関わるから1番大切。

…はっきり言って最低限の知識だけを身につけるのに少なくとも5年は欲しいくらい量が多い。これが1番大きな問題になっている。どうしたものか…


「どうせ動けないなら問題ないだろう。」

「え…」

気がつくと師匠の指先が私のおでこに触れていた。

「…そうだな。とにかく耐えろ。」

「へっ?」

「トランリスプ」

師匠が唱えると物凄い量の情報が頭の中を駆け巡る。頭の整理が追いつかず気持ち悪くなって物凄い吐き気が襲ってきた。

「ゔっ‼︎」

「吐くならここに吐け。」

師匠がバケツを出してきた。私は全身の筋肉痛なんてお構い無しに起き上がり師匠からバケツを受け取ると思っきり吐いた。丸一日寝てたためひたすら胃液を吐いた。ある程度吐くと今度は目の前がチカチカしてきた。頭は重くグラグラする。その後も何度か吐いた私はそのまま意識を失った。

読んで下さりありがとうございました。

ブックマーク、評価ありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ